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バツ&テリー 魔境の鉄人レース - (2021/08/06 (金) 19:11:24) のソース

「[[要強化記事>要強化記事一覧]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。~
依頼内容はゲームシステムの追記と、曖昧な記述の改善です。~
&color(red){''2021年10月28日までに改善されない場合は削除対応します。''}
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*バツ&テリー 魔境の鉄人レース
【ばつあんどてりーまきょうのてつじんれーす】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000068HIR,image);|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|1Mbit+64kRAMROMカートリッジ|~|
|発売元|ユース|~|
|発売日|1987年7月22日|~|
|定価|5,300円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|原作改悪&br;ゲーム自体も低クオリティ&br;メーカーの自画自賛&br;''そもそもレース要素ほぼゼロ''|~|
|>|>|CENTER:''[[少年マガジンシリーズリンク>少年マガジンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-『[[CITY ADVENTURE タッチ MYSTERY OF TRIANGLE]]』と並ぶ原作改悪ゲームとして有名。どちらも原作は一応野球ものであり、しかもゲームのジャンルがアクションという共通点がある。
-突然、ドラゴン軍団から、我らの鉄人レースに参加しろという脅迫状をもらい、それをあのバツ&テリーのコンビが引き受けるというストーリー。この時点で原作との関連性は皆無に等しい。
--原作自体が野球漫画でありながらあまり野球をしなかったものの、何も''アクションゲームにすることはないだろう……''

**特徴
-Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃という横スクロールアクションではいたって王道の操作。バツはボール、テリーはバットで攻撃する。
--バツは斜め上、または斜め下にボールを投げ分けることができる(なぜかまっすぐには投げられない)。ボールは地形に当たると反射する性質を持つ。
--射程の短いバットはボールと比べて使いづらく、テリーの出番はバツが倒された時の補欠になりがち。いちおうバットでしか倒せない敵もいるが、数えるくらいしか出てこない。

-バツ&テリーの体力は画面左にボールorバットで表示される。敵を倒せば1つ増えるので回復は容易だが、5つまでしかストックできない。また、最初は体力1の状態から始まるのでミス後の復帰にやや手間がかかる。
--バツ&テリーのどちらかの体力がゼロになるともう片方に交代する。残った片方も倒されると1ミス。
--穴に落ちた場合は片方が生き残っていても1ミスになる。

-''ジャンプ中にセレクトボタン''を押すと、バツorテリーのもう片方と交代できる。
--なぜジャンプする必要があるのかは不明で謎仕様としか言えない。ゲーム性にはまったくプラスになっていない。
--交代時は''バツorテリーの姿がまばゆい光に包まれ、一瞬にしてもう片方と入れ替わる。''

-ステージの制限時間を越えた時も1ミス。''本作唯一のレース要素''である。
--ちなみにタイトルに「鉄人レース」とあるが、他に出走者はおらず、レースゲームとしての駆け引きは皆無。

-6つのワールドにそれぞれ4つのマップ、計24面を攻略する。
--マップは大きく分けて7種類。さびれた湾岸倉庫風の「TIME RACE」、''原始人や類人猿''が闊歩する竹林「BAMBOO GROOVE」、地下下水道のような「DIM BASE」、''歩くガイコツ''がうろつく「DARKNESS CAVE」、縦スクロールのアスレチック面「ROCKY MOUNTAIN」、''青い空と白い雲と練り歩く不良の違和感がすさまじい''空中面「DEADRY CLOUD」、無数の怪魚が待ち受ける水没した遺跡「DEATH RUINS」と、それなりにバラエティに富んでいるが、同種のマップで同じような構造が使いまわされているため、先の面に進んでもあまり新鮮味が無い。
--地下面や空の上の面があったり、マップによってはゴール近くにブロックが詰まれた階段があったりと、『[[スーパーマリオブラザーズ]]』を意識しているようにも思える。

-マップ内のブロックには、攻撃や頭突きで壊せるものがある。時々「ハート」や「POW」などのアイテムがブロックから出てくることもある。
--ハートは100個集めると残機が1つ増えるのだが、全体的に数が少なく、クリアまでに1回でも1UPできれば御の字。
--POWを取るとボールやバットの色が変わり、攻撃力がアップする。…ようだが、イマイチ効果を実感できない。


**問題点
***ゲーム内容
-概要で述べた通り、原作要素がほとんど無い。原作は野球漫画に恋愛、暴走族や不良との抗争なども交えた学園青春ものであり、この鉄人レースで挑むことになる''死の遺跡''だの''暗黒の洞窟''だのといったファンタジーな冒険要素は皆無である。
--当然ながらドラゴン軍団なんてものは原作に出てこないうえ、こいつらがどんな組織だったのかはゲームをクリアしてもさっぱりわからない。各ワールドの最終面に出てくるボスは''本物の龍''である。
--原作に無いオリジナルの舞台や敵を用意すること自体は問題ないが、いくらなんでも嚙み合わせが悪すぎる。
-ラストボスは主人公たちの2倍の背丈を誇る学ラン姿の巨人だが、この巨人がドラゴン軍団の親玉がどうかは不明。なぜかレース完走後にのこのこと登場するうえ、たいして強くない。

-当時の水準を考慮してもグラフィックがチープすぎる。
--背景と障害物の区別がつきにくい。転落死する穴すら見分けにくいこともある。
--敵もバツ&テリーの腰より車高が低い超シャコタン改造車、微動だにしない硬直姿勢で迫ってくるウィリーバイクなど違和感のあるものが大半。
--そもそも主人公がバツ&テリーに見えない。よく見ればテリーはトレードマークの眼鏡をちゃんとかけているのだが、まったく似ていない。バツの投球モーションもテリーが(片手で)バットを振るう姿も、野球のそれとはかけ離れ過ぎている。
---2人とも学ランを着ているのだが、なぜか二の腕はむき出しである。バツもテリーもそこまでワイルドな服装はしていなかったと思うが…。
--ちなみに体力が尽きて倒されると、バツもテリーも''爆発四散''する。

-体力の回復が容易なこともあり、難易度はそこまで高くはないのだが、序盤から足場が狭く穴も多いため、独特のジャンプ慣性に慣れるまでは転落死しやすい。慣れれば慣れたで、以前に見たことのあるマップ構成ばかりが目につき退屈になる。
--一応裏技として「タイトル画面でAボタンとスタートでコンティニュー」があるが、ググっても引っかからないほど知られていない。

-スコアのたぐいも無いため、ハイスコアを狙うような楽しみかたもできない。

-BGMは旋律は悪くはないのだが音源の使い方がチープなせいで、聴いていていい感じがしない。
--このせいで「BGMだけは良い」という評価点も無くなっている。



***愛の戦士 バツ&テリー
-ラストボスを倒すと、ここでようやくバツとテリーと白木アン(ヒロイン)の顔画像が出てくる。
#region(一応ネタバレ回避)
-メッセージがカタカナで読みにくいが「ドラゴン軍団の挑戦に勝利して海峰高校を救ったバツ&テリー。しかしドラゴン軍団の新たな挑戦やまた別の敵が海峰の平和を脅かすかもしれない」という主旨の、なぜか堅苦しい文章のあと「タタカエ! ''アイノセンシ'' バツ&テリー」と出て来る。''何だ愛の戦士''って。
--確かに、原作には「愛の戦士抜刀軍ただいま参上!」と言うセリフはあるのだが……
--余談だがコナミ『[[愛戦士ニコル]]』の発売は1987年4月24日。開発者はこのゲームも意識していたのかどうかは知らない。
#endregion()

**評価点
-「''バットとボールを使って敵を倒す''」という所は確かに野球である。
--『CITY ADVENTURE タッチ』だとボールしか使わなかったのに……

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**総評
とにかく原作無視版権ゲームでは最低の出来。そもそも内容があまりにも原作とかけ離れすぎていて意味不明。

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**余談
-KONAMI『サンデー×マガジン 熱闘! ドリームナイン』(DS)で、この2人は本職のバッテリーで出演している。
--タッチの達也との共演も実現。

-「ユースノゲームハオモシロイ」というCMは結構な回数流れたため記憶している人も多いと思われる。
--ただ『[[明治維新]]』『[[百鬼夜行]]』の例もあり、グラフィックの質は他社に比べて著しく低く、ゲーム画面を見る機会があれば絶対に手を出すことのないメーカーだとは思うが。
--その一方で、GB版『海戦ゲーム ネイビーブルー』を作ったり、移植とはいえPS版『[[ストライダー飛竜]]』を手がけるなど、一概にはクソゲーばかりではないメーカーではある。ちなみに、これを手がけたのは、TADコーポレーションから移籍してきた西澤孝と佐久間明である。
--なお、ユースは[[XUSE(ザウス)>Xuse作品]]と名前を変えて、アダルトゲームの製作へと活動の場を移したが、2021年に廃業となった。
//西澤と佐久間はゲーム業界から引退している模様。

-パッケージ裏にはストーリーが書かれているが、最後に「実はそれはとんでもないレースともしらずに…」とも書かれている。
--上記に記載した通り、レースの要素はどこにもない。

-パッケージには仰々しく「これが噂のユース・ファミコン第2弾!」などと広告と同じ文面が記述されているが、実はこれには理由があってこのパッケージ絵に書かれているヒロイン(白木アン)はなぜかオッパイが丸出しなのである。原画に手を加えるわけにもいかないと判断しこのような文面をかぶせているのである。
--ちなみにこの絵はこのファミコンのための書き下ろしである。大島先生は何を考えてこのような絵を描かれたのだろうか…。