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キョンシーズ2 - (2016/02/10 (水) 21:52:15) のソース

*キョンシーズ2
【きょんしーずつー】
|ジャンル|アクションRPG|#image(kyon_casette.jpg,width=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B000068I2W)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|タイトー|~|
|開発元|不明|~|
|発売日|1987年9月25日|~|
|価格|5,565円|~|
|分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|''数々の不親切極まりない設定''&br()お使いゲー&br()有り得ない住人の不快な態度&br()''いくじなしは、わたし、だいっきらいよ!''|~|
//クレジットを見たところ少なくともタイトー内製ではないと思われます。(そもそもこの頃のファミコンタイトーゲーは内製がほぼない)「ファイティングロード」等と同じスタッフが関わっていますがそれ以外は不明

**概要
当時、映画やテレビ番組で子供達に人気のあった「幽幻道士(キョンシーズ)シリーズ」をタイトーがゲーム化。~
といっても本ゲームのストーリーは原作とは無関係。テンテンや金おじいさんは脇役として登場し、主役はチビクロ、スイカ(スイカ頭)、デッパ、トラ(チビトラ)の4人。~
街にあふれたキョンシーを倒すため、4人が立ち上がる。

**特徴
4人の主役のうち1人を主人公として選びゲームを進めていく。4人にはそれぞれパラメータ面や覚える必殺技、関わる人々に違いがある。~
おおまかなメインの流れはRPGで、建物に入るとアドベンチャー形式、キョンシーに出くわしたり迷路に入るとアクション形式と3つの要素を含んでいる。~
街中を歩きまわってアイテムを集めて、お使いをこなしたりしてゲームを進め、夜の街中、霊界、地下水路、洞窟を歩き回り妖怪やキョンシーをカンフーで倒して……といったゲームなのだが…。

**このゲームの目的…?
-ゲーム画面でキャラクターを選んだ直後、前置きのストーリーも何も語られぬまま、いきなりフィールドマップに放り出され後はプレイヤーに丸投げの状態という[[まるでどこかで見たことがある様な>元祖西遊記スーパーモンキー大冒険]]展開。なのでまず何をしたらいいかがわからない上目的地はノーヒント。あまりのノーヒントぶりにプレイヤー自身の足の手探りで探すしかないのだが、とにかく目的がつかみ辛い。本作と同じタイトーが去年に出した[[かの有名なクソゲー>たけしの挑戦状]]に比べれば幾分マシな部類だが、それでも厳しい。プレイ開始早々お寺に入り、テンテンのワガママを叶える為に奔走することからゲームは始まるのだが…。
//『星をみるひと』は本作よりも発売日が後でした。デジャヴはないでしょう。
-実際の大まかな流れは、お寺から盗まれた幾つかの仏具を、地下水路や洞窟にいるボス妖怪を倒して取り戻し、重要アイテムや装備を揃えて霊界に行って妖怪の総大将を倒すと言った単調な流れであるが…
--あまりのノーヒントぶりから「ただひたすらキョンシーと戦い、おじいさんからお小遣いを貰うだけのゲーム」と思った方もいるのではないだろうか。

**問題点
-展開としては単調ではあるが、とにかくノーヒントで進めにくい。そして幾多の&color(red){''不親切極まりない設定''}。
--ヒントを得るにしろ行動や物を貢ぐといったことが要求されるのだが、とある場面を除いてはフラグが立つわけでもなく最初から判っていれば、実質は無駄な労力に終わってしまう。
-例えば最初のイベント。
--お寺に入るとテンテンから二つの品を要求される。買いに行けどもマップの建物はとても多くシンボルも似たり寄ったりで''どれがどの店か分からない''。結局片端から建物に入って店を探すはめになる。
--要求された品は''二つ一緒に貢ぐ必要がある''が、持ち物は特別なものを除き基本的に''一つしか持てない''。序盤から路頭に迷うこと請け合い。
---解決法としては持ち物を複数所持できるようになる『''かばん''』を先に買うのが正解。妙に現実的だが、ほぼヒントが無く((一応フィールドにヒントで「かいものには かばんがいるよ」と教えてくれる人もいる。が、序盤では意味不明なセリフに解釈されやすい。))気づく人はまずいない。ゲームジャンル的に複数持てて当たり前な事((本作以前に登場した、同様のジャンルを持つドラゴンクエストやポートピア連続殺人事件ですら、条件無しに何個も持てるという設定だった。))なのに''何故この様な無駄設定にしたのか?''
-''住人がとにかく酷い。キャラ設定が投げやりと感じるほど酷い。世知辛い世の中だと思わされるような冷たい態度''。
--キャラクター毎に実は、有利に利用できる建物やお店が別々にあったりするのだが、それ以外の場所や無関係な建物にいくと「何の用だい。」とか「用がないなら出て行ってよ。」などと言われてしまう。''プレイヤーをなめているのかふざけているのかとしか思えない''台詞も多い。~
酷い場合、あるお店には「お前には売れないよ。」と拒否され、ある質店に行けば「お前のものは引き取れないよ。」と拒否される。料亭だと「''おまえにくわせるものはない。でていけ!''」と罵られる始末。ゲームなのに現実に戻される感覚にしてくれる。~
対話のシステムが重要なRPGやアドベンチャーを取り込んでいるのに、対話すらなっていない。ゲームにしてはあるまじき設定である。''ありえない態度だ!''と思わずにいられないだろう。
--一応、「何の用だい。」と聞かれる場所にはアイテムを渡すか、条件を満たしてから行くとヒントやお礼のアイテムを貰えたりする。が、住人の設定がほとんどそっけないものばかりだけにげんなりする者もいるはず。
--「みる」で「何をジロジロ見てるんだい」。「とる」で「何をするんだ!泥棒め!」と大概同じセリフばっかりになる。主人公自身がプレイヤーに投げかけるセリフが少なく寂しさすら感じさせる。
--後年になってこれに似たような設定を演出したような[[アドベンチャーゲーム>光GENJIローラーパニック]]が発売されている。
-街の地下水路や洞窟がキョンシーの巣窟。
--フィールドマップのマンホールや塔の穴から入る事ができるが、あるアイテムが無いと真っ暗で何も見えない。敵も見えないので''見えない敵にタコ殴りにされ出口も分からぬまま死ぬ''こともある。
--迷路はかなり長大。地図も買えるが迷路が大きすぎて自分の周りしか表示されない。攻略情報でも見ない限り目的地に向かうのは難しい。
---長い道のりの最深部にいるボスは総じて弱く、殆どが''壁際まで攻め込んでハメ殺す''ことが可能。あろうことかラスボスまでハメ殺しができてしまう。ボスは複数いるが、''数種類同じ敵でスピードや攻撃パターンが違うだけ''だったりする。
-各道場にとあるアイテムを渡す事で必殺技を会得できる。しかし技は出し辛く、出せたとしても相打ちか一方的にかわされてしまう事が殆ど。普通に攻撃した方が早いし当てやすい。その他にも棒や剣、槍、火炎瓶、たまご弾といった武器の攻撃もできるがやはり出しにくい。殆ど蹴る、殴る、ジャンプといったアクション攻略となってしまいシステムが台無し。
--必殺技、武器使用はキーの同時入力をすることで発動するのだがその中に''ジャンプキーが割り当てられているせい''で出しにくくなってしまった。
-『とる』のコマンド。
--建物の中には大体人がいるので、むやみに『とる』を選ぶと泥棒扱いされて追い出されてしまうことが殆ど。
--但し、装備品の中で『とくべつれいのふく』を売る服店がある(値段もそれなりにする)が、その店の裏口でとある条件下でとると、なんと''盗むことができてしまう''。
-外海の存在。
--街の四方を囲む城壁の南西部の塔から外海に行く事ができるが、存在するのは地下水路のショートカットとお堂のある離れ島だけ。周りが陸地に覆われて外に行くことも出来ずとても狭い。というか、''明らかに容量の無駄遣い。''
-お寺の仏具が何故か盗まれすぎ。
--原作上、お寺にいる金おじいさんは幽幻道士でテンテンはその孫娘という設定のはず。なのだがどういう訳か''妖怪たちに仏具を殆ど盗まれまくっている''というマヌケな設定になっている。
-霊界のグラフィックが怖い。
--最後に行くことになる霊界のエリアはほとんどがピンク色のオブジェで埋め尽くされているものの、その中には明らかに''人柱(死霊)で出来たようなオブジェ''が散見されカオスさを醸し出している。一説にはトラウマエリアとも言われている。
-''最後の極めつけ、エンディングは…。''

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#ref(kyo_end01.gif)
なんと1人分のシナリオを終えただけの話で、''エンディングにならない''。つまり''全員分のシナリオを同じ内容で繰り返しプレイしなければ正式なエンディングが迎えられない''。というもの。内容も設定も何もかもが苦行としか思えない不親切設定なのに''もう嫌だこのゲーム''。~
ちなみに全員分のシナリオを終えるとテキストの内容が変わり、スタッフリストと切り替わりでループする。
#endregion

**評価点
-アクションRPGにアドベンチャーの要素を取り入れたゲームは少なく、当時としては珍しい例であった。
-セーブ機能が付いており、お寺に泊まることでセーブができるようになっている。
-フィールドに昼と夜の概念がある。『[[ドラゴンクエストIII>ドラゴンクエストIII そして伝説へ…]]』よりいち早く導入している。
-登場キャラクターは一応原作を踏襲している。チビキョンシーもイベントで出て来るが、作中の''唯一の癒しがここだけ''。

**総評
幾つかの意欲的な試みは評価しうるものがあるが、作業感たっぷりのゲーム性や不親切なシステム、そしてプレーヤの感情を逆なでするようなNPCの態度から、ゲームとしての評価は非常に低いものとなってしまった。~
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