*バーコードバトラー戦記 スーパー戦士出撃せよ! 【ばーこーどばとらーせんき すーぱーせんししゅつげきせよ】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B0034MFG0K)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売元|エポック社|~| |開発元|酒田エスエーエス、エポック社|~| |発売日|1993年5月14日|~| |定価|7,680円|~| |分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|快適さカケラも無し&br()セーブするまで大変&br()ボスアイテム役立たず|~| ---- #contents(fromhere) ---- *概要 エポック社から発売されヒットした電子ゲーム『バーコードバトラー2』(以下「BB2」)と連動するソフト。~ BB2とSFC本体を専用接続ケーブル「インターフェース」で繋ぎ、BB2で入力したバーコードデータをソフトに転送する。~ *特徴 -BB2の対戦をそのままビジュアル化した対戦モードと、シミュレーションであるシナリオモードの2つがプレイできる。 --対戦モードは別売りのBB2が無いとプレイできない。 -シナリオモードはBB2が無くてもプレイ自体は可能。特徴は以下の通り。 --リーダー4人・一般兵12人の合計16人からなる軍隊を率い、解放戦争を行う。2人1組でユニットを編成する。 ---リーダーは戦死すると補充できず、4人共死ぬとゲームオーバー。なおニューゲーム時、プレイヤーの手持ちのバーコードキャラクターと入れ替えた上でプレイする事もできる。 ---一般兵は戦死すると、BB2でプレイヤーが手持ちのバーコードを入力する事で補充ができる。 --お金は存在せず、店では自分のHP現在値を減らすことでアイテムを買う。手持ちのアイテムを売ると、HPを回復できる。 --経験値も存在しない。レベルはそのキャラの最大HPの高さで決まる。敵を倒すか面をクリアすると最大HPがアップし、レベルが上がる。店で買える武器・防具・魔法は、それぞれ使用できるレベルが決まっている。 --キャラクターは人型・鳥型・魚型・獣型・メカ型の5タイプが存在し、地形ごとの消費移動力が設定されている。またこれとは別にBB2同様、戦士と魔法使いという2つの職業が設定されている。 ---戦士は武器・防具を1つずつ装備でき、道具を6つまで所有できるが魔法は使えない。魔法使いは魔法を6つまで覚えられるが武器防具は装備できず、道具も2つまでしか持てない。 ---攻撃力・防御力は、武具を装備する以外では敵の落とすSTポーション・DFポーションというドーピングアイテムを使わないと上げられない。 *問題点 -行動は、プレイヤーと敵が1ユニットずつ交代で動かすという将棋の様な形式で、自軍は何もしないでターンを飛ばすことはできない。 --しかし敵は自軍ユニットが少なくなると、何もしないでターンを飛ばしてくる。そのくせ思考時間は無駄に長い。 -シナリオは森の星→海の星→山の星→砂漠の星→氷の星→敵の本拠地→溶岩の星の順に攻略していく。1つの星は5~7面からなっている。 --しかし同じ星のマップは、どれも同じような構造をしている。しかも''海の星、山の星、砂漠の星と移動しにくい面ばかり続く''ため、とにかく''だるい''。 --そして敵の本拠地は、通行も破壊も不可能な「壁」で迷路のように区切られている。味方を飛び越して移動する事はできないので、実質1ユニットで突撃していくしかない。 ---一応、味方を飛び越せるようになるアイテムは購入できるが、なぜかその面でしか効果が無い。 --ラストの溶岩惑星に至っては基本的に1ターンに付き2歩ずつしか進めないと思っていい。マップ自体が無駄に広い事もあり、非常に時間がかかる。 ---因みに移動力をMAXにできるアイテムも購入できるが、やはりそのマップだけでしか効果が無く、''MAXにしてもあまり変わらない''。 -魚型の種族は、水の地形の移動には優れているが、他の地形での移動はまるでダメ。水の地形自体、海の星以外ではそれほど登場しない為、''ゲームの中盤以前にお荷物と化す''。 --因みに鳥型は移動が得意そうに見えるが、''他と大差ない''。 -更にマップ中ではセーブができない。クリアするとセーブはできるが、セーブした途端次の面に強制的に移動する。セーブファイルは2つあるのに、データの複製方法は無い。 --ファイルにはその時点でのステージ名しか表示されない為、2つとも同じ面にいた場合どちらがどちらのデータか分からなくなる。 -6体いるボスキャラは、倒すとそれぞれ1点もののアイテムを落とす。最初の攻撃が必ずクリティカルとなるパワーボムと、必ず退却に成功するダッシュカプセルだけは便利だが、他は…。 --「バーコードバトラ」は、説明書では「使ったキャラは何かに変身する」とあるが、''実際は名前が「ハッターマン」に変わるだけ。しかも変えられた名前は戻せない''。何の意味も無い。 --ブロンズコード・シルバーコード・ゴールドコードはどれも効果は同じ。呪われた武具を装備している時に使うと呪いが解けるというもの。しかし例によってその面だけでしか効果は無く、''次の面で呪いは復活する''。どのコードも1度使うと失われるので、実質使い道は無い。 --更にこのゲーム、アイテムを味方に渡す事はできない。ボスのアイテムは、そのボスを倒したキャラが自動的に持つ事になる。戦死するとアイテムも一緒に失われる。「軍全体が所有するアイテム」や、預かり所も存在しない。 ---アイテムを捨てることはできない上に持ち物がいっぱいだと敵がアイテム自体を落とさなくなる。ボスアイテムだけは落とすが、その場合は手持ちのアイテムを1つ強制的に捨てさせられる。 ---渡せないという事は、自分の装備する武器・防具・魔法は自分で買いに行かなければならないという事。前述の通り移動関係がストレスの塊の様なゲームだというのに…。 --ユニット内の相棒にアイテムを使ってあげる事は出来るが、他のユニットの仲間には不可能。またインターミッション画面でもアイテムの使用や受け渡しは不可能である。 -武器「ソード」「スピアー」「ブレード」は、どれも値段・攻撃力・射程距離が同じだが、ソードとスピアーは装備しているとたまに2回攻撃ができる。''…ブレードの利点は''? -防具は鎧・兜・盾があるが、どれか1つしか装備できない。値段も防御力も同じだが、兜と盾は20%の確率で物理攻撃を回避できる。''…鎧の立場は''? -マップ兵器である「ミサイル」が役立たず。直線を描いて飛び、8マス以内の敵に命中し、更にその周囲6マスの敵にもダメージを与えられるのだが…。 --なぜか通常の武器同様、武器を持たない状態でしか購入できない。しかもミサイルは1度使うと失われるため、「武器を売る→ミサイルを買って使う→武器を買い直す」という面倒な手順を踏まねばならない。 --ミサイルを買えるようになる頃はマップも広くなっており、しかも敵は滅多に密集しない為、複数のユニットを攻撃できる可能性は低い。 --ミサイルで敵を倒してもHPはアップせず、アイテムは落とさない。 ---倒せなかった場合は''高確率ですぐに敵に自己回復される''。1ターンで全てのユニットを行動させられるなら「ミサイルで弱らせた後で別のユニットで止めを刺す」という事もできるが、本作のように1ターンに付き1ユニットしか動かせないようではそれも不可能である。 -時折「特定の種族が出撃すると、武器か魔法が1つ失われる」というマップが登場する。 --失われたものは二度と戻らず、またそのマップでは買うこともできない。 --その種族を出撃させなければいいじゃないか…と思うだろうが、本作ではそのマップでの出撃人数は必ず出さなければならない。そのため自軍編成時に種族の人数を偏らせると後で泣きを見る事になる。 ---しかもこれ以外に本作にはイベントらしいイベントは殆ど無い。ただ敵をやっつけて次の面へ…この繰り返しである。 -1つのワールドをクリアすると、ユニットを鍛えられる「トレーニング」を行う事ができる。これは複数回可能なのだが、''1度でもトレーニングしてセーブ・リセットをすると、それ以上トレーニングはできずに次のマップへ強制移動となる''。明らかに不具合である。 --トレーニングマップには店が存在しない。前述の通りアイテムは捨てられないので、ポーション以外のアイテムで持ち物欄が埋まってしまいやすく、そうなるとトレーニング中は攻撃力や防御力を育てられなくなる。 --最終面の直前では何度でもトレーニングできるのだが、何度かトレーニングするとなぜか''敵がSTポーションを落とさなくなり、攻撃力を上げられなくなる''。 *評価点 -対戦モードはBB2の対戦そのままなので、別にストレスはたまらない。 --しかし実は陸海空の地形効果にバグがある。各地で行われたBB2大会では、このバグを修正したバージョンのソフトが用いられたが、販売はされなかった。 *総評 -本作を一言で表すと「バーコードバトルをSFCでできる様にする事だけで全てを使い果たしたソフト」となるだろう。前作『[[バーコードワールド]]』同様、シミュレーションRPGとしてはもうガタガタで、プレイヤーの事など眼中に無いかのようだ。 --今作の発売後、ブームに陰りが出始めたが、2作続けてこんなクソゲーばかり出していれば当然の結果であろう。 *余談 -説明書ではバーコードバトラーのイメージキャラ「ハッターマン」が、''「この私が操作方法を教えてあげようというのだから、心して聞くように」'' と偉そうなことを抜かしている。まともなゲーム作ってからほざけと言いたくなる事請け合いである。 -本作のエンディングに表示されるメッセージを付属のハガキに書いて送ると抽選でプレゼントが貰えるというキャンペーンが存在した。答えは「バーコードバトルはおわらない」。 --しかし皮肉にも本作が出た頃から、バーコードブームは終息し始めた。エンディングの妙に物悲しいBGMもあいまって、なんとも虚無感に囚われるメッセージである。