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がんばれゴエモン ~来るなら恋!綾繁一家の黒い影~ - (2023/11/10 (金) 18:49:47) のソース

//「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。~
//依頼内容は「ゲーム内容の特徴やシステムの説明項の追加」です。
//十分な対応がされたと判断しCO
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//追記・修正する際は、過剰なスタッフ叩きにならないよう留意してください
*がんばれゴエモン ~来るなら恋!綾繁一家の黒い影~
【がんばれごえもん くるならこい あやしげいっかのくろいかげ】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000069TYW,image=https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/2791/946/img55857116.jpg,width=160)&br;&amazon(B00005QBPM)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|メディア|CD-ROM 1枚|~|
|発売元|コナミ|~|
|開発元|コナミコンピュータエンタテイメント名古屋|~|
|発売日|1998年12月23日|~|
|定価|5,800円(税抜)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|1ブロック使用|~|
|廉価版|コナミ・ザ・ベスト&br;2000年7月6日/オープン価格|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|何度も同じ道を往復させられる&br()雑なグラフィック|~|
|>|>|CENTER:''[[がんばれゴエモンシリーズリンク>がんばれゴエモンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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#center{&size(20){''この世にはな。お金で買えない物もあるんでい!!''}}
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**概要
『がんばれゴエモン』シリーズのひとつで、『[[宇宙海賊アコギング>がんばれゴエモン ~宇宙海賊アコギング~]]』に続くPS版ゴエモンシリーズの第2作目。~
同日に発売された『[[でろでろ道中>がんばれゴエモン ~でろでろ道中 オバケてんこ盛り~]]』が横スクロールアクションであるのに対し、本作は『[[ネオ桃山幕府のおどり>がんばれゴエモン ~ネオ桃山幕府のおどり~]]』と同様の俯瞰視点の3Dアクションアドベンチャーとなっている。

本作はゴエモンシリーズの生みの親にしてシリーズ優良作を開発してきたKCE大阪ではなく、KCE名古屋が開発を担当している。

『ネオ桃山幕府』の評価が高かったため本作も期待されていたが、中身はとんでもない地雷であった。

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**あらすじ
ある日、自分を呼ぶ声で目覚めたゴエモンはあまりに煩かったため、起き上がりながら怒鳴りつける。~
だが起こしに来たのはおみっちゃんであり、ゴエモンの態度に機嫌を損ねてしまう。~
おみっちゃんの機嫌を取るため、エビス丸と共に山へドングリを採りに行くことになったゴエモンだが、山でキノコを拾い食いしたエビス丸が倒れてしまう。~
そこに現れたヤブと名乗る医者の手当てによりエビス丸は事なきを得る。~
世話になった上、ヤブからドングリをもらい、礼を言いながら町に戻ると、なんとおみっちゃんが謎のあやしげなヤツらに連れ去られていた。~
おみっちゃんを救うべくゴエモンとエビス丸の旅が始まる。

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**ゲーム内容
//wikipediaの記事を基に参考に留めつつ、極力自分自身の文章で書き下してますが、完全ではないのでまずいと思われましたら修正をお願いします。
『ネオ桃山幕府』同様の3Dアクションアドベンチャーだが、システムの細部は変更が施されており、趣が少々異なる。

-道中ステージを行き来し、情報やアイテムを集めてダンジョンを攻略することで進行する点は旧作と同じ。

-キャラクターチェンジの制限
--ゴエモンとエビス丸は最初から使用可能で、ストーリー進行と共にサスケとヤエが加入する。
--旧作と異なり、キャラクターチェンジは町の中に配置された交代ポイントで行う(一部、キャラクター固定の場面もある)。

-体力とゲームオーバー
--旧作では体力はハートマーク表示であったが本作ではゲージ表示であり、敵の攻撃を受ける、もしくは穴や水上に落下すると減少する。本作では残機の概念がなく、ゲージが0になった時点でゲームオーバーとなる。
--コンテニューは無制限だが、再開地点はステージの最初、もしくはイベントやボス戦が発生した地点からとなる。
体力は道中に置かれた『銀の招き猫』4つ、もしくは『金の招き猫』を入手することで最大値をあげられる。
--今作は道中の敵にも体力が設定されている(一部例外あり)。

-攻撃方法
--こちらも過去のシリーズと大きく異なっており、各キャラクターごとの'''メイン武器'''による攻撃と、全員共通の'''蹴り攻撃'''の2つを駆使して攻撃していく。
--小判(所持金)を消費しての飛び道具(遠距離攻撃)は削除されており、代わりに特定地点に配置されたかんしゃく玉を投げて攻撃できる。
--敵を攻撃する際、タイミングよく攻撃ボタンを押すことで連続コンボ攻撃を繰り出すことが可能。
--道中に置かれた“巻物”を入手することで、各キャラクターごとに“必殺技”を会得できる。(必殺技は特定のコマンド入力で発動)

-インパクト戦
--旧作から大きな変更が加わっており、コックピット視点はそのままにインパクトを直接操作し、フィールドを動き回りながら戦う。
--インパクトの体力が尽きるとゲームオーバーとなるが、再開はインパクト戦の最初からで、さらにコンティニューする度にインパクトの初期体力が少し増加する。
--基本攻撃は従来どおり、近接攻撃のパンチと遠距離攻撃のショット。本作ではエビス丸、サスケ、ヤエそれぞれの専用インパクトが登場するが、攻撃方法は共通。
---また、パンチゲージ(パンチボタンを押しつづけると蓄積)をためると百列パンチ、ショットゲージ(時間で蓄積)を一定量ためると、ゲージの蓄積量ごとに、敵を追尾するホーミングショット、敵の動きを少しの間止めるビリビリショット、大ダメージを与える大技・んが砲を使用できる。なお、通常のショットは無制限で撃つことができる。

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**問題点
//問題点が列挙され過ぎて要点が行方不明になっていた為、大幅に整理しました。
本作の問題点を簡潔にまとめると、『ゲーム性の感じられない単調な作業を、酷いグラフィックと不親切なカメラワークで長時間やらされる』という点に尽きる。~
シナリオやインターフェースなど、脇を固める細かい部分まで粗雑な作りとなっており、古参ファンの失望を誘う出来に仕上がってしまった。

''単調過ぎるゲーム性''
-このゲームの内容は、殆どが「''敵がまばらに配置された3D空間を淡々と進む作業''」に費やされる。
--ステージ構成があまりにも淡泊。やる事と言えば敵がいる平野を通り抜けて行くか、水平移動する足場を渡って行くかだけ。~
地形はワンパターンで、地面の起伏が全くと言っていいほど存在しない。''ステージギミックも動く足場くらいしか存在しない。~
''よって、凝ったアクションは殆ど必要とされず、始めてから1時間経たずに飽きを感じる事になる。
---せっかく「地のエビス丸」「空のサスケ」「海のヤエ」という、各キャラ毎の特性を意識したステージが用意されているのだから、サスケは高所にある足場を飛行の術で進むアクロバティックなステージ、ヤエは水中を人魚変化で渡っていくステージという風に相応の個性付けをすれば変化がついたはずである。

''敵が無駄に硬い''
-道中のザコ敵は初期状態だと''1分近く殴り続けないと倒せないくらい硬い''。~
「中ボスクラスの敵が」ではない。''ザコ敵全てが''、である。
--ザコ敵なので、慣れてくれば無傷で倒せる。だが逆に言えば、''まともに敵を倒そうとすると退屈な作業を強いられる''事を意味している。

-今作では弱攻撃と強攻撃、それらを駆使したコンボや必殺技があるのだが、弱攻撃はまだしも''強攻撃でもザコ敵一匹倒すのに数回コンボを叩き込まねばならない''。
--そもそもゴエモンはコンボを重視するような作風のゲームではない。

-そのくせ落とす小判は1枚だけ。その上、最終ステージではアイテムを購入できずザコ敵を倒す必要は無いため、今作の敵は''基本的に無視する''ことが推奨される。~
『ネオ桃山幕府』がそうだったように、広い3D空間に配置された敵を避けるのはさほど難しくはない。
--そんなわけで、このゲームでやる事はいよいよ''足場を渡る''くらいしかなくなる。

''カメラワークが悪い''
-3Dゲーム初期のゲーム(クソゲー)にありがちな問題点だが、本作も例外ではない。

-視点が妙に斜め上で固定されていて、進行方向が見えず、遊び辛い。

-敵に近づくとカメラがその敵を追尾するようになるため距離感が掴みづらく、無視して先へ進もうとして落下する…といった問題も。

-マップに入ると、キャラを映さずに進行方向の側からプレイヤーへカメラが移動する演出が入る。
--''この間もキャラ操作が可能となっている''ため誤操作の原因になる。

''グラフィックが粗い''
-ゲーム性に次いで、本作で槍玉に挙げられている点の一つ。~
キャラやマップの造形、3D空間の処理なども含め、この時期のPS用ソフトとして見ても明らかに質が低い。

-全体的にポリゴンが粗くて汚く、アクションシーン、ムービーシーン全般におけるポリゴンモデルの動きもぎこちない。

//-マップ造形が適当。地面や足場の無い背景部分には一切何も描画されておらず、足場を飛び移るアクションを多用させられるせいもあって''異次元空間に浮かんでいるようにしか見えない''。
//↑スーパーマリオ64でもこの仕様なのでCO。言いがかりにしか見えない

-全編通して、マップのテクスチャに線の痕がくっきりと見えてしまっている。

-どのステージも似たような構成でテクスチャが違うだけなので、冒険している場所の雰囲気が殆ど伝わらない。

-古参女性キャラであるヤエの作画崩壊が特に酷い。~
他のプレイヤーキャラ3人と比べても極端な差で、ファンから「''ヤエに見えない''」と言われるレベル。

-表情変化や瞬き・口パクの表現もできていない。
--N64版ではポリゴンのテクスチャをリアルタイムで切り替えるという手法でキャラクターの表情を表現していた。~
ハードが違うとはいえ、プレイステーションの性能ならばこれくらいのことは十分再現できたはず。

-ムービーシーンも粗雑さや演出のテンポの悪さが目立つ。
--巨大ロボが出てくる場面は背景が無く、まっさらなグラデーションのみ。
--エビス丸を棒立ちのまま不自然に斜めに傾けたりと、それ以外のムービーシーンも何かと雑。
--ザコキャラ3人組が出てくるシーンは「搭乗したロボットが爆発してふっ飛ばされる際にわざわざ一人ずつ飛んでいく」など、総じてテンポが悪い。

-ポーズ画面やインパクト戦の戦闘画面などのUIのデザインも全体的にショボく、PS黎明期を思わせるチープさ。

''専用インパクトの出来が悪い''
-このゲームには従来のゴエモンインパクトだけでなく、他の仲間たちそれぞれの専用インパクトも登場するのだが、そちらも例によって非常にいまいちな出来栄え。
--「ヤエインパクト」は人魚変化中のヤエをモチーフとしたデザイン自体は悪くないものの、''顔が濃く非常に怖い''。
--「サスケインパクト」も''口を大開きにして牙をむき出す''というモンスターじみた顔になっている。
戦闘機のノーズアートをモチーフにしているとのことだが、サスケはこんなイメージのキャラではない。
--「エビス丸インパクト」も微妙な出来ではあるが、エビス丸自身がコミカルなギャグキャラである分だけ、他の2体に比べてまだマシな方。
---ゴエモンインパクト自体「ゴエモンとは似ても似つかない不細工なデザイン」という設定なので、各インパクトのデザインもその設定を踏襲したものだと考えればそこまでおかしくはない。~
また、エビス丸とサスケのインパクトについてはそれぞれ「じいさんが『いやいや作った』・『仕方なく作った』」という設定になっているので、そのせいで適当なデザインだという見方もできなくはないが、それにしてももう少しまともに見栄えするデザインにはならなかったのかと思わざるを得ないところ。

-各専用インパクトには、さらにゴエモンインパクトの強化パーツとして変形・合体する機能もあるのだが、''肝心の合体シーンも非常にお粗末''。
--変形プロセスの描写は''合体に必要のないパーツがスポーンと外れて画面外にすっ飛んでいく''という極めて適当な代物。~
凶悪な外観のサスケインパクトやヤエインパクトの頭や腕がぶっとんでいく様はもはや完全にホラーの域である。
--後年のロボットアニメ『ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』の合体シーンでは本作同様の描写があるが、そちらでは余剰パーツが出る理由がきちんと存在しているのに対し、そもそもインパクト自体にそのような設定や演出があるわけではないので、手抜きと見られても仕方ないだろう。

当然いずれも後のシリーズに登場することなく黒歴史化。合体インパクトというコンセプトは悪くないだけにもったいない。
//--対する敵の巨大メカの方はというと、ラスボスの巨大メカはヒーローロボットのような風貌になっている。
//---対してそれ以外の敵ロボは顔の部分が統一されているがその顔が異常に気持ち悪いデザイン。恐らく敵集団が「怪しげなやつら」という設定を表現してのことだろうが、そのせいでラスボスだけが世界観から浮いてしまっている。
//インパクトの出来についての記述なのでCO。

''何かと粗の多いシナリオ''
-旧作と比べてシナリオが極端に短く「シナリオ冒頭の戦闘で傷ついたゴエモンの治療のために3人で薬を探す」→「インパクトの修理のための部品集め」の流れをこなした後、''そのまま最終ステージへ突入''……と非常にあっけない。

-ギャグは寒くて滑っている感があり、''会話のテンポの悪さ''がそれに拍車をかけてしまっている。
--ギャグに合わせて笑い声を流すお馴染みの演出((『3』や『ネオ桃山幕府』で存在した、通称「笑システム」。確信犯的に「さむ~いギャグにもあたたかな笑いでフォローします」とパッケージ裏に書かれていた。))でのフォローもない分、余計に寒々しさを助長している。

-メタ発言やギャグシーンでもないのに、ゴエモンがゲーム内部の用語を不自然にゲーム中で使いだす。

-ヤブが、そこまで悪い事をしたわけでもないのに唐突にゴエモンに説教される。
--自分の作った薬がバカ売れしたのがきっかけで本作のボス(妻と子)を守銭奴にしてしまったという程度で、むしろ気の毒な立場。開発段階では彼も悪役だったのでその名残だろうか。

-ラスボスの1人が改心するシーンがギャグシーンのように流される。しかもそのキャラは以降完全に放置されたままゲームが終了する。
//---更にもう1人のラスボスは改心したのかしていないのかよく分からない行動をする。
//妖繁の息子のことならあの時点では改心してない。母親の改心後も悪あがきしてゴエモンに勝負を挑んでくるっていう流れ。

''その他の問題点''~
-''無個性化したキャラ性能''
--プレイヤーキャラ4人はいずれも''性能がほぼ同じ''。~
違うところは、一部の必殺技の性能や物知りじいさんとの会話内容くらいである。
---従来のゴエモンシリーズは各キャラの個性的な能力を場面に応じて使い分けて攻略するのがウリだったのだが、シリーズの特色が完全に殺されてしまっている。更にステージによって使用キャラが固定されてしまうため、キャラチェンジが余計に無意味となっている。
--各キャラ専用インパクトや合体インパクトについても''体力・防御力面の微妙な差しか設けられておらず''、これまた無個性。
---ゴエモンシリーズに限らず、プレイヤーキャラを選べるゲームでキャラに個性付けがないのは問題である。

-''お馴染みのサブウェポンの削除''
--一応、道端に落ちている「かんしゃく玉」を拾って投げることができるが、設置場所が非常に少ないので空気化している。

-''招き猫システムの改悪''
--アイテムの「まねきネコ」を取得すると体力の最大値が上がる(銀は4個、金は1個)お馴染みのシステムだが、本作では3段階ほど上がると''それ以上増えなくなる''。
---ただし、銀を10個、金を5個を集めると各キャラの隠し秘技が使えるようになるという特典がある。

-''イベントアイテムを所持できる枠が4つしかない''
--その内ゲーム序盤で入手する「ドングリ」で1枠埋まるので''実質3枠''。
--このせいで後述のインパクトの部品集めのために何度も行き来せねばならず、作業感の助長に繋がっている。一度に3つまでしか持って帰れないのに部品は無駄に多く、なんと''12個''もある。
---そもそもイベントアイテム欄というのは、アイテム欄を通常アイテムと共有することで発生する「イベントアイテムの存在による通常アイテムの所持数の圧迫」という不都合を解消するための措置であり、''イベントアイテムの最大所持数が少ないせいでまともな数を所持できないのは本末転倒''である。

-''アイテムの仕様が面倒''
--回復アイテムの「だんご」は過去作のように取得時点で回復するのではなく、いちいちスタートボタンでポーズメニューを開いて使用しなければならない。
--任意のタイミングで回復できるものの、タイミングを選ぶメリットは全くと言っていいほどない。
--体力最大の時でも蓄積できるのが長所だが、そうでないときはひたすら煩わしくなってしまう。

-''モーションがもっさり気味''
--おかげでコンボによる爽快感はあまりない。
--また、本作ではなぜかどのキャラも共通してキックが出せる。~
そこまでして攻撃方法を増やす必要性も感じられない上、頭身が高めなヤエはともかくエビス丸やサスケのデフォルメ体型では無理がありすぎる。

-''ラスボス前のボスが「おにぎり」所有前提の難しさ''
--その前の最終ステージはやたら力が入った迷路であり、敵の追尾も嫌らしい。
--その上、「難しい」というより「理不尽」というべき調整になっている。相手は高い攻撃力と長いリーチを誇り、さらには時間制限まであるという始末。
--しかも''攻撃を食らうとこちらが行動不能になる事がある''ためハメられやすい。
--コンティニュー前に「おにぎり」「だんご」「お守り」を使用していた場合、コンティニュー後ではこれらのアイテムがない状態で始まるため、''技量次第では無理ゲーと化す''。

-''インパクト戦が非常にしょぼい''
--本作では主観視点はそのままながら戦闘フィールド内を自在に動き回れるようになっている。~
しかしながら、小判の連射ができないし、パンチは弱すぎ((一応、パンチを当てると必殺技ゲージのチャージが早くなる特典がある。))、エフェクトはしょぼいと散々な出来栄え。
--肝心の戦闘バランスの方はと言うと、''時間経過でチャージされる必殺技を的確に当てていくだけで勝ててしまう''極端に大味なもの。
--ただし、出来は悪くとも従来とは違ったシステムのため、ごく僅かだが評価するプレイヤーもいる。逃げ回って必殺技を打つ戦法を封印すれば新しい発見がある、かもしれない。

-''世界観に合わないBGM''
--和楽を基調に様々な音楽ジャンルの成分を取り込むのがこれまでのBGMの特徴であったが、本作では全編バリバリのロック調で統一されていて和風の成分が極めて少ないため、これまでに音楽面で築かれてきたゴエモンらしさが希薄になっている。

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**評価点
-OPムービーは綺麗でかっこよく仕上がっている。

-イベントシーンがフルボイス化された。
--N64版2作ではフルボイス付きのシーンはOPとEDだけであるため一歩抜きんでていると言える点である。

-音楽の質は高い
--世界観から乖離している面が目立つだけで''BGMの質そのものは高く''、クソ要素ばかりの本作における数少ない評価点として認める声も少なくない。
---特に、ヤエ専用ステージのしおから海岸やヤエインパクト戦のBGMは評価が高い。
--また、過去作からのBGMのアレンジ流用はなく全て新曲。
---この時期の外部開発作品では、据え置き機・携帯機双方において過去作(特にSFC版作品)からのBGMの流用が多く、((PS版『宇宙海賊アコギング』、N64版『もののけ双六』とGBC版『もののけ道中』は新曲とアレンジ曲の折衷、全曲が新曲で統一されているのはGBシリーズでは『さらわれたエビス丸』『天狗党の逆襲』『黒船党の謎』、据え置き機では『綾繁一家の黒い影』のみである。))((本作発売から2年後の『大江戸大回転』に至っては、N64で発売された作品のBGMをアレンジ無しでそのまま使い回している。))この点について「さすがに手抜き感が否めない」「折角の新作なのだから新曲で統一してほしい」というユーザーの意見も少なからずあったので、世界観との融和性はともかく新曲で統一したこと自体は評価できる。

-4人それぞれの専用インパクトの登場と最終決戦で全機合体する展開
--今までになかった熱い展開だけに、出来の悪さが惜しまれるところ。

-これまでとは一風趣の異なるシナリオ
--「ゴエモンとインパクトが戦闘不能に追い込まれ、残りの3人がメインを張って活躍し、終盤で合流して力を合わせて最終決戦に挑む」というシナリオ展開そのものもこれまでになかったパターンであり、うまく描ければ一味違う熱い展開となったであろうだけに、シナリオ構成やギャグの拙さが惜しまれる。
--お金を武器に日本全土を買い占めようとする敵の首領など敵キャラの個性もゴエモンシリーズらしさがある。

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**総評
システム・シナリオ・グラフィックといったゲームに必要とされる要素のどれもが低質の極み。~
合体インパクトなどの光るアイデアも見受けられるものの、開発元の技術力・表現力があまりにも追いついていないばかりか、シリーズの特色やそれまでお馴染みだったシステムまでことごとく排除した結果シリーズの魅力が著しく削がれてしまい、褒められるところと言えばBGMの質くらいというクソゲーの典型パターンに陥ってしまった。~

出来の差が激しい外部開発作品中、最も評価の悪い問題作と言って差し支えない、非常に残念な一品である。

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**その後の展開
-結局ゴエモンシリーズはPS系列のハードにおいてヒット作を出すことができず、本家シリーズは長らく頭打ちの状態となる。
--『[[ゴエモン 新世代襲名!]]』『[[冒険時代活劇ゴエモン]]』ではキャラなどの設定を一新して再起を図るものの、評判は芳しいものではなかった。
--長い休眠期間を経て、2005年に正統な続編として出された『[[がんばれゴエモン ~東海道中 大江戸天狗り返しの巻~]]』が事実上、現時点でのシリーズ最終作となっている。

-本作は発売時期が時期だけにクリスマスプレゼントとして被害に遭った人も多かった模様。
--N64『でろでろ道中』は本作とハードは違うものの、同時発売だったため、結果的にシリーズファンの購入層がバラけてしまったのは否めないだろう。
--『でろでろ道中』は特に名作として高い評価を得ていただけに「本作の存在が売り上げに悪影響を与えた」とうがった見方をするファンも多い。
//ただし、ゴエモンシリーズの売上が大幅に落ちたのは3(170万)→きらきら道中(21万)の時ぐらいで以降は横這いで徐々に低下しており、恐らく実際には今作が直接的な原因では無いと思われる。~
//数字だけ見ると3が受け入れられなかったか、きらきら道中が外伝作品と勘違いされてそのままユーザーが自然消滅したかのどちらかではないかだろう。~
//また今作の売上は約8万本と止めを刺した原因とするには販売数が少なすぎるので、この時期に原因があると考えるならアニメ版の不出来による打ち切りとシリーズ乱発によるユーザー分散の2点が作用した結果のように思われる。
//内容的にここが適切だと思うので移動。
//また、ゆき姫の売り上げについての記述がソース不足を理由にCOされてるので、こちらも原因の推察と合わせて売り上げに関する記述をCOさせていただきます。ソースを掲示の上で復帰させて下さい。
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//凋落の原因とする具体的根拠を上げろとの意見が出てるので余談節でなく独立項目化

**本作の風評について
-本作はシリーズファンから「ゴエモンシリーズ凋落の元凶」として叩かれることが非常に多いが、その理由については本作が''2つの「当時の主流」''との絡みで悪評判を拡散されやすい状況に置かれていた事に起因している。
--対応機種が''発売当時シェア1位の家庭用ゲーム機''であるPS用ソフトだった。
--発売当初、NHK教育(現Eテレ)で放送されていたアニメ『カードキャプターさくら』で共演した丹下桜氏とくまいもとこ氏が''本作でも共演した''事が話題に挙がり、そちらのファンを多く惹きつける要因となったものの、肝心の出来栄えが上述の通りだったため、結果的にゴエモンシリーズに対する悪評ばかりが広まることとなった。
---もちろん、演じられた両氏にはなんら責任はないので、その点は誤解なきよう。

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**余談
-『でろでろ道中』の開発者が名古屋を訪れた際、本作に登場する[[新型インパクトのイメージイラスト>https://web.archive.org/web/20170911180025/http://www.konami.jp/gs/game/goegoe/library/0610_i_06.html]](公式サイトより)を見て悔しかったため、対抗すべくおみっちゃんをモデルとした「ミスインパクト」を登場させたらしい。声優は本作でおみっちゃんの声を担当した丹下桜氏。
--ちなみにゲーム中に登場する各インパクトは、このイラストとは似ても似つかないデザインになっている。

-本作を開発したKCE名古屋は過去にも『[[悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲]]』や『パワプロGB』でやらかしており、ゴエモンシリーズにおいても本作の前に発売された『[[がんばれゴエモン ~黒船党の謎~]]』でやらかしていたためユーザーからの批判は大きく、『パワプロ』や『悪魔城』と本作を合わせて「''シリーズを潰すために作られた''」「''KCE名古屋の悪意の象徴''」とまで言われている。
--実際には『G1ステイブル』シリーズやSS版『[[悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲]]』といったいったまともな作品も開発しており決して問題作しか作れないというわけではないのだが、''それだけ不出来な作品の悪評が際立ってしまっている''というのが実情だろう。
//--また『黒船党』ではヤエの扱いが非常に悪かったため、「KCE名古屋はヤエが嫌い」とファンの間でささやかれた。
//さすがに出来そのものに直接関係ない推測はCO
---いずれにせよ、KCE名古屋の過去の実績を踏まえると、有名シリーズの続編作を任せるにはあまりにも荷が重すぎたと言わざるを得ないだろう。

-公式のゴエモン総合サイト(閉鎖済み)に掲載されていた本家シリーズ制作者の蛭子悦延・山内円両氏の対談([[アーカイブ>https://web.archive.org/web/20051120042424/http://www.konami.jp/gs/game/goegoe/library/library_04.html]])では、''敢えてタイトルを挙げてこれから語るかのように思わせて『きらきら道中』の話に切り替え、結局語らずに終わる''と言う扱いをされている(一応、開発資料は公開しているが)。
--メインタイトルで数々の良作を生み出してきた両氏にとって、本作の立場がどのようなものであったかが窺えると同時に、両氏の胸の内が暗に察せられる一幕といえよう。

-実は[[『BEMANI』シリーズ>BEMANIシリーズ]]のコンポーザーの一人、junこと辛島純子氏が本作BGMの作曲者の一人として参加している。
--彼女が『DDRMAX2 -Dance Dance Revolution 7thMIX-』でシリーズに参入するのは、この4年後の事である。

-「エビス丸インパクト」は、本作に先駆け帯ひろ志氏の漫画版『2』のストーリーにて、オリジナル設定のメカとして登場していた。

-当時ゴエモンシリーズとタイアップしていた講談社の児童誌『コミックボンボン』にコミカライズが連載されたが、作者はこれまで担当していた帯ひろ志氏ではなく、同誌初登板となる山藤ひろみ氏である。一応ラスボスは倒してはいるが短期間の打ち切りであり、単行本も発売していない。
--厳密には本作単独のコミカライズではなく、同時発売された『でろでろ道中』および『[[がんばれゴエモン ~天狗党の逆襲~]]』を混ぜたものである。そのせいで内容がチグハグなのだが、本作だけを題材にしていたら数ヶ月すら持たなかった事だろう。
---なお、当時はいわゆる「98年の誌面刷新」による同誌の迷走が始まっていた時期でもある。

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