「Sorcerous Stabber ORPHEN 魔術士オーフェン」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

Sorcerous Stabber ORPHEN 魔術士オーフェン - (2015/01/31 (土) 12:26:14) のソース

*Sorcerous Stabber ORPHEN 魔術士オーフェン 
【まじゅつしおーふぇん】
|ジャンル|3DアクションRPG|&amazon(B00005V8E7)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|角川書店&br()エンターテインメント・ソフトウェア・パブリッシング(ESP)|~|
|開発元|シェード|~|
|発売日|2000年8月3日|~|
|分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|システムがおかしい&br()ゲームバランスがおかしい&br()原作レイプ&br()声優だけ豪華|~|
----
#contents(fromhere)
----
**我が概要示せWiki
-PS2初期に発売。ライトノベル業界において、『スレイヤーズ』に続いて大ヒットした『魔術士オーフェン』シリーズを3DアクションRPGで完全再現することを謳い文句に製作された。
-プレイヤーはモグリの魔術士・オーフェンとなり、2人の同行者(マジクorクリーオウ+3人のゲストキャラの誰か)と共にカオス島の謎に挑んでいく。3人それぞれの物語が存在し、それらを全て達成することで最後の謎に挑むことが可能となる。
-罠を解きながらフィールドを移動し、一定のポイントまで進むとイベント戦闘が起きる。その繰り返しでゲームは進行して行く。
--戦闘では○△×ボタンに3種類の魔術を装備し、ボタンを押すことで魔術が発動し敵を倒すというシステム。同行者は援護してくれるが指示はできない。ステージによっては同行者を直接操作して進むこともある。''戦闘では自由に移動できず''(アクションシーンの多い原作ゆえ非常に重要視されるポイント)、ボタンを押すことで各種アクションを取る。
---魔術は連射の効く「弾系」、広範囲且つ溜めると''精霊が召喚できる''(後述)「直撃系」、一定の属性攻撃を反射できる「防御系」、接近して連続ヒットの狙える「降魔の剣」を組み合わせて戦うことになる。
--極限までプレイヤーにデータとしての数値を隠しており、与えたダメージ表記は無し、HPは数値ではなく5個の青い宝石の削れ具合で表示され、ステータスも内部的には存在して成長もしているようだが(説明書等に記載あり/複数回戦えるボス戦等で一応実感もできる)、一切表には出てこないため、自由に移動できない戦闘と相まって、RPGでもアクションでもない何かにしか感じられない。

----
**評価点だってあるんだぜ!
-レギュラーキャラクターはアニメ版の声優を起用し、フルボイスである。
-オープニングを含め、随所で再生されるアニメムービーはクオリティが高い。アニメ版が酷いため尚更。
-アニメと違って、マジクがオーフェンのことを「お師様」と呼ぶ。
-原作だけでなく、漫画版のオリジナル魔術も採用し、各メディアミックスのファンを意識。
-無謀編の登場人物である無能警官コンスタンス・マギー、変態執事キース・ロイヤルの二人がオーフェンの白昼夢という形でアニメに登場。

----
**問題点が多すぎる!!
***我進めるは不可解な遊戯
-''このゲームにはイベント戦闘“しか”存在しない''。そのため、新たな魔術を手に入れてもすぐに使用することが出来ない。
--そもそも原作は巧みな戦闘描写が魅力であり、殺し屋や人間をはるかに上回る存在を相手に、数々の魔術も選択肢の一つとして肉体や道具も駆使し、ぎりぎりで切り抜ける様が迫力をもたらしていたのだが、このゲームはそんなものとは程遠い。
--操作性はもっさりとしており、フィールドにおける爽快感は皆無に等しい。
-途中でパートナー交代のイベントがあるにも拘らず、交代すると先に進めないフィールドが存在するため、実質無意味なイベントである。
-謎ときも殆ど存在せず、''長々移動してスイッチを入れるばかり''である。~

***我が心弄べ悪魔(のシステム)
-魔術をボタンによって装備するシステムを取っているため、一つの戦闘で駆使できる魔術は3種類である。戦闘中、装備魔術の交代はできるものの、実行すると''戦闘そのものがリセット''となる。
-ヒットポイントが宝石の数と削れ具合であるため、確認がし辛い。尚、宝石は原作に於いて''何ら重要な役割を持っていないし登場すらしない。''
-自由に移動できないので、原作のような素早く走り回ってアクションや魔術で敵を倒していくといった遊び方が出来ず、直撃系魔術を最大まで溜めると精霊召喚で敵全体にダメージ与えられるので、雑魚戦に関してはほぼそれだけでゴリ押しできる。ただ時折素早い敵が沢山現れる(後述のラスボス含め)のでその際は防御魔術を張り続けて凌ぎ、一瞬でも隙があれば溜め無しで魔術ぶっぱするという形になるが、それにしても単調さは免れていない。またボス戦の半数が一定のタイミングで攻撃しないと無効化or相手から攻撃が飛んできてキャンセルされる等の仕様で、もはや単調かつ無駄にシビアなリズムアクションゲームをやらされている感覚に陥る。
-ラスボス戦で一気に難易度が跳ね上がる。有効な魔術が限られているが、ほとんど防御される。二つある防御腕を破壊してから、頭部を破壊するという順序以外で倒すことが出来ず、3体のボスを相手にしている形になる。
--一方で敵は防御壁突き破ってくる攻撃を連発し、小さなUFOを無数に生みだしてくるため、オーフェンは敵の集中砲火を浴び続けることとなる。尚、''ボス戦だけ仲間からの援護はない''。更に、負けるとそれまで戦ったボスとの連続戦闘(いわゆるボスラッシュ)からやりなおし。勝つには殆ど''運頼り''である。
-回復アイテムが''戦闘中に使えない''。これがラスボス戦が運ゲーと化す要因の一つである。そのくせ、移動中は自動回復があり、何よりアイテムだと仕様にタイムラグがあるため''存在の意味がない''。

***我が設定に弓引け背約者
-魔術について。
--そもそも「魔術士オーフェン」世界で人間が使う魔術は「音声魔術」という代物である。効果範囲は声が届くまでであり、物理的な破壊力は、人間相手には十分とはいえ、それ程高くはない。にも拘らず、オープニングで遙か彼方の山まで吹っ飛ばしている。そりゃオーフェンじゃなく''リナ・インバース((「スレイヤーズ」の主人公))だろ。''
--原作に、魔術の属性などと言った要素は存在しない。もっとも、原作における魔術の設定は文章以外での表現は難しく(構成の概念等)、またゲーム的な面白さのための改変なのも理解できる。しかし、その当て嵌め方がおかしい。
---例1:「我は裂く大空の壁」~
かまいたちを作りだす魔術→ゲームでは何故か「風」ではなく「炎」属性である。「風」属性には、漫画版オリジナルの「我撫でる獅子の鬣」が当てはめられている(描写的にはあっている)。
---例2:「我が指先に琥珀の盾」~
空気を局所的に圧縮して相手の動きを束縛したり、物理的な攻撃を妨害したりする魔術→「毒」属性の攻撃を反射。
--音声魔術は精霊など召喚出来ない。そもそも、精霊という概念が通常のファンタジーと異なっている。フェアリードラゴン種族の用いる「精霊魔術」に精霊が登場するのだが、これは「契約」を媒体とすることで生み出された、契約内容を実行する疑似的意識体を“精霊”と呼ぶのである。勿論人間には使えない。
--また、原作では大魔術と設定されている「我は描く光刃の軌跡」(転移する疑似球電)が弾系のしょぼい魔術にされている。描写的にアニメ準拠なのだろう。
--オーフェンの必殺技であり切り札でもある、意味の消滅、物質崩壊、疑似空間転移も不在(自壊連鎖は発売直前に発行された作品で初登場)。もっとも、もし使えたらあのものぐさヤクザ、''ダンジョンの壁を意味の消滅で消し飛ばして脱出とかしかねんからな''。
--ゲーム開始時、オーフェンが二種類の魔術しか使えなくなっているのだが、''まったく説明がされない''。ゲーム的なお約束とは言え、お粗末すぎる。ボスを倒すと魔術が取り戻せることにも言及されない。
--劇中のアニメで表現される唯一の魔術がゲームオリジナル呪文。音声魔術は呪文内容と魔術効果が結びつかないという設定とは言え、そこは原作準拠でダメだったのか。
---ちなみに呪文は''「我示す怒りの矛先」''。原作ファンを代弁した自虐のつもりか? ついでに言えば''ゲーム本編で使うことが出来ない術''である。~

-世界観について。
--原作は中世ファンタジー的な要素が一部引き継がれてはいるものの、小型化された銃火器や発電機が存在し、都市に上下水道が完備され、大陸には蒸気機関車が引かれ、人々はGパンやらスーツを着用しているなど近現代的な世界観となっている。
---しかし、ゲストキャラである、セフィ(DQ的な踊り子の衣装)、ゼイアス(DQ的な騎士の衣装)、マー(DQ的な楽士の衣装)は中世ファンタジーを意識したものであり、非常に“オーフェンたち”が浮いている。
--また、原作では天人たちが作り出したものを除き(カミスンダ劇場のコウモリ犬、レジボーン温泉郷の猿など)、クリーチャーらしきものは存在しない。にも関わらず、リザードマンやらワイバーンやらリヴァイアサンやらが大量に登場する。一応エンディングを見れば推察することもできなくはないが……。

-キャラクター
--マジクがいいとこのぼっちゃん風の衣装で、半ズボンで生足披露。
---原作では黒を基調とした簡素な服装(シャツの上に黒マント羽織ったり等)、アニメでは庶民っぽいパーカー姿。原作ファンはマジクにショタっぽさなど求めていない((ただし、富士見書房の出した公式ガイドブック『エンサイクロペディア 魔術士オーフェン』ではショタキャラと表記されている。))。
--クリーオウに懐いているディープドラゴン・ロキが暗黒魔術で援護してくれず、''タックルしかしない。'' 設定上まともに魔術使わせると強すぎるせいかと思われるが、こんなのなら、あの犬コロとは逸れて、エンディングで再会とかでいいじゃない。

----
**我が結論導け編集者
まったく関係のないゲームにオーフェン、マジク、クリーオウ、地人兄弟を入れ込んだような仕様。そのため、原作の世界観や設定とは全くの別物となっている。~
実際、''没になったゲームのシステムに急遽オーフェンらを加えて売り出した''という噂すらある。最早これはオーフェンではない。''「オー『変』」''である。~
結果、2chの原作者スレッドにおいて、''アニメ・漫画と共に黒歴史扱いされることとなった''。かつて存在したESPのホームページにも載っていなかったので、会社的にも黒歴史のようだ。~
これにて、魔術士オーフェンシリーズは原作小説が累計発行部数1000万部を超える大ヒットとなったのにも関わらず、アニメ・漫画・ゲームと、全てのメディアミックスに失敗したことになる(アニメにおいては、そちらはそちらでファンがいることは確かだが)。揃いも揃って原作を少しでも表現しようとする前にオリジナルに走るんだから仕方ない。これだけ失敗して、''原作がしっかり売れている''のだから凄いといえば凄い。~
せめて原作(もしくはアニメ)の人気キャラクターを多数投入するなどすればキャラゲーとしての体裁も整っただろうに。
冒頭、オーフェン一行はアーバンラマに居て東部編チックだが、ロッテーシャやウィノナもおらず、完全にパラレルワールド。それならレティシャ出すとかアザリー出すとか、アニメ未登場だが人気の高いサルアやフォルテ、コミクロンとか、色々あっただろうに。~
原作ファンにすら向けられていないキャラゲーに、''フリスビー以外の価値などない''。
----