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バウンサー - (2017/07/02 (日) 17:35:49) のソース

*バウンサー
【ばうんさー】
|ジャンル|3D格闘ゲーム|&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61Z7B7MJBKL.jpg,http://amazon.co.jp/dp/B00005OVV5,height=160)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|スクウェア|~|
|開発元|ドリームファクトリー|~|
|発売日|2000年12月23日|~|
|定価|6,800円(税抜)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|''ほとんどムービー''&br;ボリュームが薄すぎる|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
PS2が発売した2000年の年末に発売された、スクウェア発の3D格闘ゲーム。発売当初はその美麗なグラフィックやストーリーなどで、ユーザーの興味や期待を寄せていたが…。~
開発は現在ではクソゲーを排出しまくるドリームファクトリー。テレビCMでは「''DVDでゲームを''」という点が強調されていた。

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**問題点
-ムービー
--総プレイ時間約2時間、内8割はムービーとボリュームが薄い。今で言う''ムービーゲー''である。''ムービーの合間にゲームができる''と言ってもいい程、操作可能なパートは短い。大体プレイ時間より2倍以上の長いムービーが入る。しかもムービーが終わるとまたムービー、そしてムービー…ゲームの方が「幕間」と化している。

-ゲームシステム
--発売前からゲーム誌などでは、このゲームの売りとしてACS(アクティブ・キャラクタ・システム)や、PEC(ポイント・エクスチェンジ・システム)、トリニティラッシュなどの多くの要素を宣伝していたが、これらの要素もゲームの魅力を形成できておらず、完成度はイマイチ。
--''Active Character System''
---単なるマルチシナリオのことで、プレイヤーの操作キャラクターが使用可能キャラの3人のうち誰であるかでストーリーが分岐する…という触れ込みであったが、実際のところはストーリー中で見られるムービーが多少変化するだけで、''シナリオの本筋は誰を選ぼうと何をしようと変わらない''。詐欺である。
--''Point Exchange System''
---RPGのように敵を倒すことで経験値を溜め、キャラクターを強化できるシステム。これにより、エクストラスキルという、所謂必殺技などを修得することが出来るのだが…。
---強化できるのはその戦闘で使用したキャラクターのみで、まんべんなく経験値を全員に配分するということは出来ない。これだけならまだしも、敵は操作キャラクターのうち、最も強い1人を基準に強化されるため、何も考えずによく使うキャラだけを強化すると、''敵が強化されすぎて''後で取り返しのつかないことになる。当時はこれを「''開発側からの使用キャラクターの強制''」と邪推するプレイヤーもいた。
---その上、敵の強化される幅が大きいので、キャラを強化しても、どうにも強くなった感じがしない。

-その他
--3Dアクション系クソゲーのお約束として、''カメラワークが悪い''。
--ロードもとても長く、ゲームのテンポを殺害している。「メインディッシュ」の長いムービーが挟まることを併せても、アクションゲームとして余計にテンポの悪さを引き立たせてしまっている。
--「初心者でも簡単に技が出せるよう」にボタンの強弱で技を出し分けるシステムになっているが、無いに等しいストロークのボタンで強弱を調節できる人間を初心者と呼べるのだろうか。
--キャラクターのモーションは一般的な格闘ゲームの水準に達しているものの、ダウン時の挙動が非常にチープ。全身から力が抜け切ったその姿はまるで糸の切れた操り人形のような不気味さ。KO時限定なら「気絶している為」という説明も出来るが、投げ技や吹っ飛ばし攻撃によるごく一時的なダウンでもこのザマである。
-同じ野村哲也氏がキャラデザということもあってか、ストーリーやゲーム全体のデザインが近年の『FF』、特に『[[VII>ファイナルファンタジーVII]]』に似てしまっている、という指摘も多い。
--本作の悪の組織にあたる超巨大企業「ミカド」はもろに『VII』の「神羅カンパニー」と重なる等、どうにも『FF』シリーズを意識してしまう設定が散見される。
--ストーリー自体も非常に陳腐で月並み。酷い出来とまでは言わないが、少なくともストーリーで高い評価を得ることはできなかった。
---また、時折ロード中にキャラクターの会話文章が表示され、それが物語の伏線になっていることがある。''それは本編でやるべきことだろう''。

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**評価点
-アクションゲーム部分は比較的しっかりしているため、おまけの対戦モードはなかなか遊べる出来。
--ストーリーに登場した敵ネームドキャラも一通り使用することができ、自分の手で育てたキャラを持ち寄って対戦させることもできる。

-グラフィックは兎にも角にも美麗。PS2登場初期のゲームでありながらPS2中~後期レベルのムービーグラフィックを実現している。また、アクションパートも「PSのムービーを動かしているようだ」と称賛された。

-一応、周回による隠し要素などがあり、やりこみを前提とした作りになっている。

-パンク調のBGMや英語音声と日本語音声が切り替えられる点は一応評価したい。

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**総評
致命的なボリュームの薄さに、努力の方向性を完全に間違えたムービー量。それ以外の点でも地味にツボを抑えている典型的なスカスカのクソゲー。~
当時は「映画感覚のゲーム」などと宣伝されたが、その宣伝に見合った内容とは言いがたい。

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**余談
-大量出荷による激値崩れで『[[アンリミテッド:サガ]]』が現れるまでPS2ワゴンコーナーの主であった。今でも安いところでは100円未満で売っていたりする。
--お勧めはしないが、話のネタ目的や対戦に付き合ってくれる友人がいるなら買ってみるのもいいだろう。

-開発ドリームファクトリーではあるが、このころはドリフもまだ有能なスタッフを多数擁していた時期で、俗に言う「ナイトメアファクトリー」に堕ちる前である。時期的にはあの『[[エアガイツ]]』の2年後であり、映画版FFの大赤字はまだ起こっていないため、恐らくは有能なスタッフがまだ多数いたはずである。

-このゲームがクソゲーに堕した要因として、今作には開発にスクウェアの時田貴司氏や野村哲也氏も深く関与しており、それがドリームファクトリーとうまく噛み合わなかったものと思われる。

-これ以降スタッフが離れ、ドリームファクトリーは没落していく…

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