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スーパービックリマン - (2013/08/20 (火) 08:50:22) のソース

*スーパービックリマン
【すーぱーびっくりまん】
|ジャンル|格闘アクションゲーム|&amazon(B000068H6L)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|開発元|ベック|~|
|発売日|1993年1月29日|~|
|価格|7,800円(税抜)|~|
|分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|カクカクの動き&br()最低のゲームバランス&br()キャラゲーとしても失格&br()|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
テレビアニメ『スーパービックリマン』を題材とした格闘ゲーム。いわゆるキャラゲーである。~
視聴者層を考慮したためか、操作性は一般的な格ゲーに比べて簡略化されている。~
ファミ通のクロスレビューでは''5/3/5/3の合計16点''という低評価を叩き出している。

**問題点
-キャラクターは大聖フェニックス、海天聖ビシュヌ・ティキ、魔スターP、ダークヘラ、魔皇サラジン、リトルミノス、デビルゼウス、鬼僧ダビデスの8人。
--発売当時、既にアニメではメインキャラである倭天聖イザナ・アスカも月光聖アマゾ・アムルもサイバーアップした姿を披露しているが未参戦。開発時期のズレを考慮すると仕方ないとはいえ、ガッカリ感をより強めてしまっている。
--鬼僧ダビデスはアニメにも漫画にも未登場のシールのみ存在するキャラで、「誰?」というプレイヤーが続出した。こんなマイナーキャラを出されても誰得としか言えない。
---一応シールの解説では悪魔ヘッドである魔胎伝ノアと魔肖ネロの流れを汲み、リトルミノスを凌ぐほどの力を持ち、帝都の王を自称するほどの実力派悪魔ではある。今後アニメに登場するのか?と期待したプレイヤーもあったが、''そんなことはなかった''。

-モードは1Pモード、VSモードの2種類のみ。ストーリーモードはない。
--1Pモードはフェニックスかティキを使用してCPU操作の他の7人と戦うモード。VSモードは全キャラを使用できるが2Pとの対戦専用。つまり''フェニックスとティキ以外のキャラクターを使ってCPUと戦う手段はない''。

-テレビアニメを題材としたキャラゲーなのに''ボイスがない''。ショボいSEと共に無言で技を繰り出すだけ。
--正確には1Pモードのスタート時のみ、「''サイバーアップ!''」というボイスが挿入されるが、ゲーム中通してもボイスはその''一種類のみ''。使用キャラがフェニックスでもティキでもボイスは同じ。
---それも原作の草尾毅さんの熱演とは似ても似つかない棒読み。スタッフが声を当てたのだろうか?

-ボイスがないため勝利演出時の台詞は''吹き出しに文字で''表示される。
--「フッ」「ハーッハッハッハッ」など。''これはファミコンではない''。しかも1キャラにつきパターンは一種類。

-アニメーションの枚数があまりにも少ない。そのため動きは常にカクカク。
--攻撃モーションの枚数は多くて2枚、''少ないと1枚''。ニュートラルポーズから中割りなしで攻撃を出し切った状態に移行する。
--当然ニュートラルポーズで体を揺らしたりすることはなく、直立不動のまま微動だにしない。
--ダメージを受けた際は上半身だけがのけぞり、歩行は摺り足のように下半身だけをわずかに動かして歩くなど、部分的にしか動かさないことで徹底して枚数を削減している。非常にカッコ悪い。

-技の種類が少なすぎる。''通常技、必殺技含め、空中やしゃがみ中などの派生形も含めて、全キャラ7~8種類''しかない。
--全キャラ共通してジャンプ中の攻撃はジャンプキック一種類のみ。しゃがみ中の攻撃もフェニックスやティキでパンチとキックの二種類、他キャラは一種類のみと極端に少ない。
--例えばフェニックスなら立ちパンチ、立ちキック、しゃがみパンチ、しゃがみキック、ジャンプキック、ローリングソバット、消魔鳳凰斬、爆砕鳳穴の8つ。これで全てである。
---真っ当な格ゲーであればパンチやキックの強弱を打ち分けることができ、当然ジャンプ中やしゃがみ中にも別モーションが複数用意されていることを考えると、本作の技のバリエーションはその半分にも満たない。

-技の硬直や無敵時間の調整が滅茶苦茶で、ゲームバランスが崩壊している。
--フェニックスやティキ、リトルミノスなど技の出が速いキャラの攻撃は連打しているだけで繋がってしまう。
---ノックバックにより間合いが開くためそれだけで永久とまではいかないが、1発のヒットで2~3発の追撃が確定する。
--リトルミノスのスライドキックやダークヘラの阿修羅アタックは相手が画面端にいるときの自分へのノックバックが''何故か''起こらないため、画面端に追い詰めれば完全なハメが成立する。
--フェニックスの消魔鳳凰斬やティキの水龍斬撃は発生が極端に速く、広い攻撃判定を持つ突進技で、硬直もまったくないためやたらと強い。
---相手を強制ダウンさせる効果があるので、倒れた相手の起き上がりに重ねるとそれだけで永久が確定する。すなわち消魔鳳凰斬を一度食らった時点で''体勢に関わりなく詰みである''。
--魔スターPの膝蹴りも反則的な性能で、膝蹴りと言いながら魔スターPの全身に攻撃判定が発生するうえ、発生・硬直ともにまったく隙がない。当然この技もハメが可能。
---ボタンを連打すると前方に小さくジャンプする飛び膝蹴りに変化する。これにより距離を詰めることができるため、ノックバックにより間合いが開いてしまう心配がない。つまり一撃食らった時点で死ぬまで膝蹴りが繋がってしまう。
---魔スターPは体格の大きいキャラなので、飛び越すのも難しく回避は困難。''一発で10割が確定する極端に大きな攻撃判定の塊が小刻みにジャンプしながら迫ってくる''といえばその脅威が伝わるだろうか。

-上記のように、このゲームにおける対戦は[[''いかにハメるかという勝負''>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2394.html]]なので、完全なハメを持たないサラジン、デビルゼウス、ダビデスは圧倒的に弱いキャラになってしまっている。

-ジャンプ中の攻撃は前方ジャンプ中にしかできない。
--相手の攻撃を垂直ジャンプで回避して、空中からのキックで反撃……なんて駆け引きは当然できない。間合いをとろうとバックジャンプをしても、相手もジャンプして追いすがってきたら一方的に打ち落とされる。

-飛び道具はぶつかっても''相殺せずに互いにすり抜けて飛んでいく''、''ガード中のキャラは投げることもできない''など、格ゲーの常識に一石を投じる斬新なシステム。
--このため打撃技、投げ技、ガードの三すくみは成立しない。威力も蹴り一発と変わらないため、投げ技はリーチが短いだけのまったく利用価値のない技になってしまっている。
--ガード不能技などの概念もなく、自動で相手の方向を振り向くため背後からの攻撃もできないので、ガード中のキャラを崩すことは不可能。削りダメージがあるので詰むことはないが。

**評価点
-パッケージに登場するキャラは、きちんと原作を再現している。

**総評
BGMだけは良いといったような部分的な評価点すらなく、原作愛すら感じられない典型的なクソキャラゲー。~
プレイした後にアニメを視聴すれば、「''道に迷って闇に光うばわれそうになっても負けちゃいけない''」というオープニングの歌詞が心に染み入ることだろう。~

**余談
本作より少し早くゲームボーイで発売された『スーパービックリマン 伝説の石板』(1992年12月11日発売)なるゲームも、ファミ通クロスレビューで''17点''という本作に匹敵する低評価を残している。ゲーム版のスーパービックリマンは何かに呪われているのだろうか。