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パックマン (ATARI2800) - (2015/09/16 (水) 09:59:58) のソース

*パックマン(ATARI2800版)
【ぱっくまん】
|ジャンル|ドットイートアクション|&image(pac_man_j.jpg,height=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B0009V1CO8)|&image(pacman2600.JPG,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2902&file=pacman2600.JPG,width=160,title=君たちの愛したパックマンは死んだ。 何故だ!)|
|対応機種|ATARI2800|~|~|
|発売元|アタリ|~|~|
|発売日|1983年|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~|~|
|ポイント|擁護不可能&br;糞移植の原点&br;詐欺パックマン&br;理不尽な突然死&br;モンスター瞬間移動&br;''マネージャーの忠告にも関わらず、発売強行''&br;投売り・返品の嵐&br;北米版クソゲーワースト5位([[参考>http://anotherway.jp/archives/000835.html]])|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[パックマンシリーズリンク>パックマンシリーズ]]''|
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#contents
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**概要
元は大ブームを巻き起こしたナムコの人気アーケードゲームで、アタリがナムコから家庭用への移植の権利を買い取って制作したものである。~
あのパックマンが家で楽しめるとあってユーザーの期待は相当なものであり、アタリは本ソフトが本体の台数分(!)売れるものと確信していたらしいが、現実は厳しかった。~
商業用商品としてあまりにも酷すぎるクオリティの低さにより、大爆死したのである。

//--あろうことか国内でも発売されたがATARI2800より高性能なうえ値段も安いファミコンに人気が集まったため被害はほぼなかった。
//---なお、このページが『パックマン (ATARI2800)』として作られた為そのままだが、正確にはATARI2600用。2800は2600の日本仕様である(ファミコンとNES(ニンテンドーエンターテイメントシステム:アメリカ向ファミコン)の関係と同じ。立場は逆だが)。
//国内未発売なら2600でいいけどこの作品は国内で発売されていますので2800です。
//--本作が日本で発売された翌年にファミコン版パックマンが出ている。移植度に関しては推して知るべし。
**問題点
-いわゆる初期の&bold(){「糞移植」}作品として知られる。~
--こちらも『[[E.T. The Extra-Terrestrial]]』と同じくプログラム期間は6週間と非常に短い。
--またコスト削減のため一般的な8KBカートリッジで無く4KBカートリッジを使用。
--この影響もあってかなりの低スペックでの移殖を余儀なくされており、結果的に、それが糞クオリティに繋がってしまっている。

-サウンドはATARI2800なのでしょうがない。だがグラフィックは&bold(){ATARI2800であることを差し引いても劣悪。}
--それだけならまだしも、性質の悪い事にグラフィックの質の酷さを隠して宣伝していた。
#region(発売前に公開されたパックマンの偽デモと現実)
|&image(source.jpg,width=290,height=260)|&image(pacman2600.JPG,width=290,height=260)|
|CENTER:理想|CENTER:現実|
&br;もっともATARI2800のそもそもの解像度を考えれば偽デモがハメ込み合成なのはバレバレなのだが。
#endregion
--&bold(){同時に4体のモンスターを描画できなかった}ため、描画がかなりチラつく。まるで瞬間移動しているように見える。
---パックマンがどう見ても突然死んだとしか見えない。
--パワーエサを食べても敵のグラフィックがほとんど変わらない。
---厳密には敵のグラフィックが白くなるのだが、元のグラフィックが非常に淡い上にチラつくので判別はほぼ不可能である。
-AC版における敵のアルゴリズムが全く再現されておらず、無個性化している。
--アーケード版では敵にはそれぞれ個性があり特定の場所で縄張り→パックマンを狙う→再び特定の場所で縄張りを繰り返すのだが、2800版では簡略化されてただパックマンを追いかけるだけになっている。
-中央やや下にフルーツらしきものが出るが、ミスしても消滅せず時間経過でのみ消滅する。
-マネージャーは、プレイを見て&bold(){「流石にこれはまずいから発売を中止しよう」と忠告した。それでも発売は強行された。}
--ゲーム史上初の強行発売。ファンの抗議どころか、身内であるマネージャーの忠告すら無視。
-本作が海外のATARI2600の売り上げを押し上げたことは確かなようである。本作はアタリ製ゲームで史上最高の700万本を売り上げた。
--しかし&bold(){余りの出来の悪さに投げ売り、さらには返品が相次いだ。}最終的にその数なんと500万本。消費者は甘くなかった。

**総評
ATARI2800は元から非力なマシンなのでいたしかたない面もあるだろうが、それを考慮しても酷すぎる出来であるのは否めない。~
とはいえ、元のアーケード筺体とATARI2800版を比較してみるとROM容量は1/4、RAM容量に至っては1/16しかない。ゆえに相当なハードスペック差があることを考慮すれば、かなり無茶な話ではあり止むを得ない部分もあったのだが、そもそもそんな低スペックなハードに移植しようと言う発想自体が無謀であったのは明白であろう。この時点でムチャだと突っ込む人すらいなかったのだろうか。~
また、画像の質の低さをハメコミ合成でごまかす詐欺同然の宣伝や、ファンや身内からの発売中止の進言を無視して発売を強行してしまったりといった企業態度面にも大きな問題があった。

結果、このゲームは北米版クソゲーワースト5位になった(上記参考)((ちなみに、1位は『E.T. The Extra-Terrestrial』である。))~

こうしたナメた真似を続けたことが、やがて&bold(){「アタリショック」という結果となって自身に帰ってくることになる。}

//--後に同じATARI2600用に出た「Ms. Pac-Man」(国内未発売)などではちらつきはだいぶ改善されている。([[プレイ動画@YouTube>http://www.youtube.com/watch?v=dEVowv1FQqo]])

**余談
-パックマン公式サイト「PAC-MAN WEB OFFICIAL SITE」の年表ではATARI2800版についての記載なし。公式で黒歴史化されている(というより忘れられている)。

#region(プレイ動画)
&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=HL2p2ANFlQ4)
~…とてもあのパックマンとは思いたくない出来。
※注: 瞬間移動に見えるのは編集の問題。実際は4匹がまんべんなくちらつく。
~
&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=juH2qHYX9aI)
~当時のコマーシャル。グラ自体は発売されたものとほぼ同じだが、&bold(){明らかに現物より質がいい。}訴訟ネタにならなかったんだろうか??
#endregion