「RONDE ~輪舞曲~」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

RONDE ~輪舞曲~ - (2013/09/07 (土) 10:17:44) のソース

*RONDE ~輪舞曲~
【ろんど】
|ジャンル|シミュレーションRPG|&image2(ronde.jpg,width=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B000069TLH)|
|対応機種|セガサターン|~|
|発売元|アトラス|~|
|開発元|アクセス&br()(制作)マルチメディアインテリジェンストランスファー|~|
|発売日|1997年10月30日|~|
|価格|6,800円(税抜)|~|
|分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|破滅的なグラフィック&br()足を引っぱる人間キャラ・NPC&br()不親切な仕様多数&br()ニムロデ自重しろ|~|
|>|>|CENTER:''[[女神転生シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/286.html]]''|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
アトラスの人気シリーズ「女神転生シリーズ」の派生作品『[[魔神転生>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1290.html]]』『[[魔神転生II SPIRAL NEMESIS>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1291.html]]』の流れをくむシミュレーションRPG。

**ストーリー
アステカ展を見に行った際、復活した悪魔モレクに攫われた弟・聡を救うため、主人公・弥勒飛鳥とその仲間たちは時を越えた戦いに巻き込まれていく。

**特徴
-本作の射程2~3武器は、既存のSRPGと違い、射程2~3武器同士でも反撃が出来ないという特徴がある。一方的に殴れるが一方的に殴られる武器である為、使いこなせば強い。
-MAPに高低差の概念があり、武器によって、自分と相手の位置で命中率が変わるというシステムがある。
--得意な段差・苦手な段差は武器によって決まっている。たとえば、槍なら「自分の段差より高い位置にいる相手に当たりやすく、低い位置にいる相手には当たりにくい」剣なら「同じ高さ(段差)にいる相手に当たりやすく、段差があるほど当たりにくくなる」。
**問題点
-グラフィックが破滅的。
--ポリゴンキャラがボロボロで、柳澤一明のキャラデザにちっとも似てない。特に、主人公の友人キャラの「慶太」が酷く、『DQVI』のハッサンにしか見えない。
--キャラクターの手足が&bold(){まるで大根をつなぎ合わせたような}いい加減な造形。
--リアルタイムではなくプレリンダムービーでそのポリゴンが使われている。戦闘シーンではそのポリゴンを2D絵にしたものが動くのだがもっさり気味でカッコ悪い。
--悪魔のデザインも破滅的。ネコマタ・アメノウズメなんかはデザイナーの嫌がらせとしか思えない。
--グラフィックのあまりの酷さに「''体験版を配布したところ予約キャンセルが続出した''」と言う逸話まである。
---『[[ソウルハッカーズ>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/86.html]]』のデモ版と同梱だったので、比較されてしまったのも一因だろう。

-3D化した戦闘マップが見辛い。
--MAP上のキャラ達が何かの塊にしか見えない。
--魔神転生シリーズ共通の問題であった敵の思考時間が長さも改善されていない。

-人間キャラは''死亡=即ゲームオーバー''な上、強制配置されるキャラも多い(しかもステージが始まるまで分からない)。また、選択肢でトゥルーエンドを進んだ場合、最終面で勘太郎というキャラが強制出撃する為、育てておかないと''ラストで詰む危険大''。
--ただ、勘太郎は序盤から仲間になるし、龍族と契約・召喚を行えるキャラなので使用頻度は高いと思われるキャラではある。
---寧ろ問題なのは主人公の友人2名という意見もある。この2名は悪魔との契約・召喚が一切できず、戦闘能力もそれなり(決して弱くはないが)なので、仲間が増えてくると2軍行きになる事も多い。しかし、一部MAPで強制出撃がある他、特定ルートの最終MAPでも強制出撃するので、このルートに行く場合は育てないと辛い。
-ウィリーとソロモンというキャラは二者択一なのだが、明らかにソロモンを仲間にした方が使いやすい為、ウィリーの価値が薄い((ソロモンは天使系、ウィリーは獣系と契約できるのだが、覚える魔法や召還戦闘での性能などから、天使系の方が使いやすいため))。

-NPCの思考ルーチン。
--本作では''NPCも死亡=即ゲームオーバー((ごく一部MAPのみ例外あり))''なのだが、NPCの思考はとにかく敵殲滅なので、残り体力に関わらず敵に挑んで返り討ちにあうことも。勿論、NPCが倒した敵の経験値やアイテムは手に入らない。故に、敵よりNPCの方が厄介といわれる。
--とあるサイトでは「''NPCと書いて略奪者と読む''」とまで言われた。実際、その通りの''経験値泥棒''である。
--殆どはボスに突貫する真似はしないのだが、ニムロデというキャラクターは、なんとボスキャラにまで突貫する。しかもそのMAPはボス撃破でクリアになってしまう。''まさに邪魔者以外の何者でもない''。
-イベントで仲間が離脱する事があるが、''離脱する仲間は装備品を全部持っていってしまう''。
--それに加えて、再び仲間になるキャラでも、''再登場時のパラメータ・所持品・装備品は全て固定''。つまり、''離脱する仲間に経験値を与えるのは全くの無駄''であり、もっていかれた装備品やアイテムは全て消えてしまう。そしてストーリーを進めないと誰が離脱するのかがわからない。
---特に引っかかりやすいのが麗華。彼女は4話から加入するものの、16話で離脱してしまう。(女性キャラという事で)育ててしまった人も少なくない。
---尚、最後に離脱するキャラはムハマドというキャラで、序盤で数話加入して離脱し、14話あたりで再加入し20話でまた離脱。そして28話あたりで再度復帰し、以後は離脱しない。ムハマドの場合、序盤のアイテム程度ならもってかれても特に問題はないし、中盤の離脱は該当MAP開始直後に行われるので、ロードして装備品を剥ぐのは簡単な為、麗華に比べればだいぶマシ。
//ちょっと修正

-仲間キャラ「エスパーベビー」が、魔法を一切使えなくなる(覚えなくなる?)バグがある模様。もっとも、武器装備不可能((彼に限らず『RONDE』では、武器装備が不可能な悪魔も多い))+参戦の遅さから、あまり使うプレイヤーもいない為、被害は少なかったようだ。
//筆者はエスパーベビーを使わなかったので、遭遇した事がないのです…
-戦闘マップで99ターン経過すると''強制敗北になる''。それなのにマニュアルにも記載無し。

-MAP上に隠しアイテムがあり特定地点に待機することで入手できるが、説明書には隠しアイテムの記載が一切ない。攻略本や攻略サイトなしで見つけるのは至難の業である
--おまけに隠しアイテムは総じて強い物が多い為、取り逃してしまうとかなりの大損になり不利になる。

-悪魔と自発的に会話ができず、とどめを刺したときのみ発生するので失敗するとやり直しが利かない。さらに会話内容もいくつかのパターンからランダムで変わるという厄介な仕様となっている。
--コンダクターという能力を持つキャラクターなら、契約可能な悪魔には100%会話が発生するため、これを把握しておかないとリセットとロードを繰り返すことになる。
--また、隣接状態で悪魔を倒さないと会話ができないのも特徴。その為、射程2~3の武器しか使えないキャラは、隣接して悪魔召還してトドメをささないといけない。
--条件を満たしてユニット化した悪魔は武器や防具を装備できるが、人間と契約して召還可能にした悪魔は、システムの関係で武器などを持たせることが出来ない為、素のパラメータで戦闘するしかなく、どうしてもダメージが低めになってしまう。
---上記のウィリーも、装備武器が射程2~3の為、態々悪魔召還して戦わないといけないのが手間なのである。なお、ソロモンは射程1武器装備なので、直接殴れば済む。

-合体しない事を約束に仲魔にした悪魔が悪魔合体の時に不平を洩らして逃げ出してしまう仕様が追加され、合体に制限が課せられてしまい自由度が下がっている。

-キャラ間の装備・アイテムの受け渡しがアイテム袋に一度預けてから行わなくてはならないので煩わしい。

-ハードモードはMAPセーブ不可能。因みにこのゲームに中断セーブはないので、実質、ハードモードではMAPをクリアするまでセーブできない(ノーマルはターンセーブ可能)。

-戦闘時にキャラ・悪魔にボイスがあるが攻撃時・魔法使用時・ダメージ時の3パターンのみ。
--棒読みボイスが多い。特に女性キャラ・悪魔。

-とあるMAPにおいて、龍族の「ヤマタノオロチ」との会話が、妖精族の「エルフ」との会話になっており、仲間にしてもヤマタノオロチではなくエルフが仲間になっているというバグがある。

-ゲームの最後には進め方次第で飛鳥・聡・沢木の誰かがアンラ・マンユに転生してしまう。
--飛鳥がアンラ・マンユになった場合は''かつての仲間たちを全滅させねばならない''という、かなり鬱な展開になる。なお、下記の沢木(此方では人間のまま)はこのMAPでも敵として出てくるので、ここぞとばかりにタコ殴りにした人もいたとか。
--どのエンディングでも必ず犠牲を伴い、ハッピーエンドになることはない(ただし、元々ハッピーエンドの少ないシリーズである)。
--アンラ・マンユ化した沢木を倒すルートが正史となっており、このルートのみ、聡を取り返すことが出来る。因みに、沢木は(''経験値泥棒的・ゲームオーバー条件的な意味で'')NPC時代に散々プレイヤー側を苦しめてくれた為、沢木を殺る事で逆にすっきりするプレイヤーも少なくない。

**評価点
-世界観とマッチした音楽は全体的に評価が高く、OP曲、戦闘曲共に安定の出来。

-シナリオもそれほど悪くなく、魔神シリーズらしいと好評だったりする。ゆえに他の部分の完成度の低さが惜しまれる。

-仲魔を消費する形で登録し、登録した仲魔を有料で何度でも呼び出せる、後のシリーズの悪魔全書システムの先駆けともいえる「リミックスステーション」や武器に仲魔を封印して強化できる、ソウルハッカーズの剣合体に近いシステムが搭載されている。

-仲魔の育成制限が前作魔神転生2より緩く、どの仲魔も育てれば最後まで使えるようになっている。

-序盤で手に入る「古代の剣(攻+5)」を使い切ると、アルファソード(攻+80)になり、そこから最終的にオメガソード(攻+180、力+4)という、バランスブレイカーな武器((というか、実質、本作最強の攻撃力))にパワーアップする。が、上記の欠点を考えれば、ある意味では抜け道ともいえる。
--これがあるとないとでは難易度が大きく変わってしまう。古代の剣の使用回数45は、序盤から地道に敵を殴るだけで達成できる。そこで手に入るアルファソードの攻撃力は中盤以降のユニクロ武器並みに高く、剣を装備できるキャラは、序盤から中盤に差し掛かるあたりの敵ならほぼ一撃で倒せるほど。

**総評・その後
-↑のヤマタノオロチ関連以外に致命的なバグはなく、ゲームとして破綻している訳でもないのだが、様々な面における出来の悪さ故に『魔神転生』シリーズの系譜を終わらせた色々な意味で罪深い作品。
--特にグラフィックの酷さ、CPUの思考時間、NPCの糞仕様などが槍玉にあがりやすい。逆に言えば、ここら辺さえ改善されれば、クソゲーとは呼ばれなかっただろう。非常に惜しいとも言える。
-ストーリーは悪くないし、ゲームバランスは一部MAPを除けば安定している。難易度もそれほど高くないので、シリーズ未経験者ならそれなりに楽しめる。
--また、2009年にDSで『[[女神異聞録デビルサバイバー>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/102.html]]』が登場し、好評を得たので女神転生シリーズから派生したシミュレーションRPGそのものは消滅した訳ではない。
----