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イースIV -The Dawn of Ys- - (2020/09/15 (火) 21:49:52) のソース

*イースIV -The Dawn of Ys- 
【いーすふぉー ざ どーん おぶ いーす】
|ジャンル|アクションRPG|&image(Ys4_001.jpg,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000ZPUBO/gcmatome-22/ref=nosim,width=160)[[高解像度で見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=317&file=Ys4_001.jpg]] [[裏を見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=317&file=Ys4_002.jpg]]|
|対応機種|PCエンジン スーパーCD-ROM2|~|
|発売・開発元|ハドソン|~|
|発売日|1993年12月2日|~|
|定価|7,800円|~|
|配信|ゲームアーカイブス&br()2011年7月6日/823円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|PCエンジンらしい演出で、評価が高い&br()設定やストーリー展開で本家シリーズとの矛盾がある|~|
|>|>|CENTER:''[[イースシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
イースシリーズとしては初めてのPC版未発売作品である。本家ファルコムは企画の原案のみで、ゲーム製作には携わってはいない。~
PCエンジン版はPCエンジンCD-ROM2で出た『[[イースI・II]]』が好評だったため、ハドソンがスーパーCD-ROM2の一つの目玉として開発した作品。

-イースIVは、PCエンジン・スーパーファミコン・メガCDの三つのハードで異なるメーカーがそれぞれ開発・販売を予定した稀な作品。詳細は「別機種版について」の項を参照(後述)。
--共通している部分として、画面は『イースI・II』同様の見下ろし型に回帰。攻撃方法も体当たりと魔法となっている。

**特徴
-SFC版と大きく違う部分に魔法の発動システムがある。
--PCE版での魔法は『[[イースII>イースI/II#id_2efd3e40]]』同様、魔法アイテムを装備してボタンを押すだけで発動する。
--神聖動物に変身するアルターの魔法と攻撃を無効化するシールドの魔法は装備したらMPの続く限り使用され続ける。
--魔法の種類も『イースII』に則ったものになっており、タイムストップの代わりにフリーズの魔法((敵を凍らせる事が出来、凍らせた敵は一撃で倒せるようになる魔法。))が追加された。

-イースIIIと違い、本家『イース』ではなくハドソン製『イースI・II』から繋がるストーリーである。
--時系列がイースI→イースII→イースIV→イースIIIとなる。

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**評価点
-シリーズ1ボリュームの多いストーリーになっており、マップも従来の比ではないほど種類がある。
--ボスキャラの数も二桁とイースシリーズの中では最高クラスの多さ。

-PCE版『イースI・II』でも好評を得た、米光亮によりアレンジされたBGMは非常に評価が高い。
--ハード性能を生かしたサウンドは、時代の一歩先を行ったハイクオリティな音質((PS後期である97~98年辺りに匹敵するほど。93年といえばまだSFCのPCM音源が主だったため、この点だけは当時の水準を遥かに凌駕している。))を誇る。「The Dawn of Ys」「セルセタの樹海」等が特に有名。

-ビジュアルもさらに強化。
--当時のOVA作品並のビジュアルシーンがOPから展開される。ゲーム中のフェイスアップグラフィックもさらに美麗になった。

#region(画像)
&image2(Ys4_003.PNG,center,width=720)
#center(){ゲーム起動直後に展開される『イースII』のラストバトルを再現したOP。}

&image2(Ys4_004.PNG,center,width=720)
#center(){PCEでのシリーズ最終作らしいグラフィックを誇り、スムーズな口パク、目パチをする。}
#endregion

-豪華声優陣による会話シーンはクオリティが高く、スーパーCD-ROM2の実力を十分に発揮している。

-斜め移動が出来るようになり操作性も向上。

**問題点
-PCエンジン版の『イースI・II』のストーリーに合わせた為、本家のストーリーとの矛盾がある。
--PCエンジン版では生存した占い師サラが、アドルに依頼を持ってくる。だがその後は特にストーリーにかかわるイベントはなし。
//せっかく生存させたから使おうというのはいいが、それなのに出番が冒頭のみというのはどうだろうか。→前作の舞台であるエステリアを登場させたこと自体が前作ファンへのちょっとしたサービスであり、今作の物語の本筋とは離れる。サラ以外の懐かしいキャラクター達も今作では顔見せ程度の登場で終わる。
--本家『イースI』のラスボスであるダルク・ファクトがジーク・ファクトという存在で700年前にダームを作り出したと語られるのだが、神官ファクトの子孫と言う設定を無視することになってしまっている。
-一部のダンジョンでシリーズ初のパーティバトルをする事が出来るが、味方NPCは簡単に地形に引っかかって置いてきぼりになりやすい。画面を切り替えるなどですぐ追いついてくるのはいいところだが。NPCが倒した敵の経験値・ゴールドは入らないため、稼ぎの邪魔に少々なる。引っかかってすぐいなくなるというのはこの場合メリットだが。同じ目的のために行動しているのにゲームシステムによる制約のせいで別々に目的地に向かうということがないため、ストーリー的には違和感がない物になっている。
//-電波キャラクターが多い。←多くない,下記一人も電波とは思えない正統派悪役、あり得ない言動というのは主観。
//--「ぶっ殺してやるー!」など従来のイースでは有り得ない言動((ただし、本作のファルコム製である最新作『イース セルセタの樹海』ではこのセリフが声優共々引き継がれている。))が多い。

-一部のステージで内蔵音源を使用しており、CD音源を使用しているステージとの落差・違和感がある。

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**総評
当時のファンの間で評価は分かれたものの、作品自体はPCエンジンのスペックを活かした演出に支えられ良く仕上がっている。

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**別機種版について
-SFC版『[[イースIV MASK OF THE SUN]]』はトンキンハウスから発売。家庭用のRPGとしてはストーリーが薄いという問題がある。
--そのほかは無難な出来。演出面はPCエンジン版に大きく劣るが、操作性やドットで構成された画面の見やすさ、『イースI・II』原作版とのシナリオの整合性ではSFC版に分がある。システムもPCE版とは異なっている。

-メガCD版は共同出資でセガとファルコムが立ち上げた会社「セガ・ファルコム」で開発していたがお蔵入り。次世代ゲーム機「サターン」の発売間近まで開発が長引いたこと、メガCDの市場があまり奮わなかったこと等の事情があったらしい。

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**その後の展開
-PS Vitaにてファルコム初の製作となるリメイク『[[イース セルセタの樹海]]』がおよそ20年越しで発売された。
--ファルコムとしては初の純正イース4なので、一応『完全新作』という位置づけ。『イース4』としてならば、リメイクだが。
//現在ではどの機種でも良い点、悪い点がはっきりとしてしまっている事とファルコム製作の純粋なイースIVが出なかったが、

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**余談
-本作の正史扱いについての推移
--ミュージックビデオ「イース スペシャルコレクション」(93年)における扱いの通り、発売された当初は正史扱いだった。
---『[[イースVI>イースVI -ナピシュテムの匣-]]』(03年)以降は完全にSFC版『イース4 MASK OF THE SUN』に正史の座を譲り渡すことに。
--2010年現在は公式ガイドブックや移植タイトルのHPなどでも『MASK OF THE SUN』を前面に押し出し、発売日なども『MASK OF THE SUN』のものになっている。
--最強装備の魔法やラスボスなどを惜しむファンの声も多い。
--ただし、一部の設定(闇の一族など)は『イースVI』や『イースオリジン』にも採用され、イースの世界観に吸収されていった。

-BGMの類似問題
--「偉大なる試練」というBGMがイングヴェイ・マルムスティーンの楽曲「FAR BEYOND THE SUN」のメロディラインに非常に良く似ており、その後iTunesで配信されたサントラやPS2版で発売されたイースIV MASK OF THE SUN -a new theory-ではカットされてしまった。

-『イースIV』発売当時はOVA化の企画もあり、「イース スペシャルコレクション」にPVが収録されていたが、結局お蔵入りになってしまった。

-長らく企画書の存否が不明だったが、ニコニコ動画2011/12/22投稿「jdkTV第004回」の動画でその一部が公開された。
--その中で話していることも大変興味深い。

#region(当時のイースIV企画書を取り上げた動画)
#nicovideo2(sm16486499)
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