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エドワードランディ - (2018/09/24 (月) 01:16:04) のソース

*エドワードランディ
【えどわーどらんでぃ】
|ジャンル|2Dアクション|
|対応機種|アーケード|
|販売・開発元|データイースト|
|稼働開始日|1990年|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-データイーストの2Dアクション。舞台は1930年代ヨーロッパ。主人公はタイトルにもあるエドワード・ランディと言う男。
--彼についての詳細は作中あまり描かれていない。ちなみに何故か同キャラ二人同時プレイ可能。
--ランディの武器は愛用の鞭「クリフハンガー」。彼はこの鞭で攻撃・移動をこなす事ができる。

**特徴
-第1ステージのサブタイトルが「いきなりクライマックス?」となっており、ドラマチックなストーリーと映画のような舞台展開が見る者をひきつける。第2ステージのサブタイトル通り、まさに「冒険百連発!」である。
--そしてレバーと攻撃とジャンプのみながら非常に多彩なアクションと、騒がしいほどのランディの叫びが大いに盛上げてくれる。

-残機無しライフ制だが、スコアとライフが紙一重であり、稼げば稼ぐほどライフが増え、ダメージを食らうとスコアも減少するという、他のゲームではみられない特徴を持つ。その為、ハイスコアはゲーム終了時(クリア以外では0点確定)ではなく、ゲーム中、最も高かった時点のスコアが記録される。
--なお、落下も一発死ではなくダメージで復帰する仕様なので、不安定な足場を渡るステージでもいきなり即死というケースはまずない。

-全7ステージ。
--ストーリーの時系列を変動させたステージ構造で、2面クリア後「事の発端」として回顧録に突入する時間軸ずらしが行なわれる。
---時間軸通りに並べた場合は「3面~最終面手前」→「1面・2面」→「最終面」とつながっていく。1面のサブタイトルは伊達ではないのだ。
--ちなみに海外版では、前後関係がわかりにくいと言う事で時間軸通りにステージが進む。

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**評価点
-アクション映画ばりの豪快な演出の数々、独特のセンスを持つステージタイトル等が見所。本作の巧みな演出手法は、後のゲーム業界に少なからず影響をあたえており、コアなファンも生み出した。 
--多彩なアクションにランディの叫び。叫びとだけ書くと五月蝿いように思えるが、これが意外に心地良い。
--飛行中の飛行機の翼の上での戦闘、横に縦に(画面奥から前方に)と進行方向が頻繁に切り替わる水上でのボートチェイス、走行中の車とバイクの上での戦い等、ステージはめまぐるしく変化する。
---ゲーム進行に合わせ、画面スクロールや背景の流れる向きも文字通り縦横無尽に変化する。
--冒険映画のような雰囲気を放つBGM。さらにラスボス戦では状況が変化するポイントでBGMのループが終り、新しい物に変化する等、音楽演出も素晴らしい。
--グラフィックは緻密。キャラクター動作のみならず、激しく流れるので気づき難いが背景も美しい。

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**問題点
-ゲームバランスは全体的に大味。
--操作に慣れない初見プレイヤーだと何もできずにゲームオーバーになる恐れがある。
--一方、慣れたら慣れたで、鞭を引っ掛けて大回転するアクションが攻撃・回避共に優れており、困ったらとりあえず回転していればなんとかなってしまう。
---回転している余裕と場所があればの話だが。
--ラストボスである大佐の文字通り「人間離れした」耐久力。
--主人公ランディの当り判定を一切考慮に入れない敵の飛び道具。「避ける」のは困難。
---ランディは相当タフ(点数=体力なので敵を倒せばモリモリ回復する上、上限がカンスト点数なので極めて高い。)なので「敵の攻撃の薄いところ」でダメージを「軽減する」プレイが要求される。

-アクションゲームには珍しい操作方法なので慣れるのが大変
--方向レバー+2ボタン、うち片方のボタンは攻撃・もう一方のボタンでジャンプなどの動きを行う。&brここまでは普通なのだが「ジャンプボタンを押して左右どちらかにレバーを倒す」と、普通のアクションゲームでは斜め上にジャンプする入力をすると&bold(){そっちの方向にスライディングをする}。
--ちなみに斜め上にジャンプするコマンドは「斜め上にレバーを入れてジャンプボタン」であり、これに慣れるまでは隣の足場に飛び移ろうとするたびにスライディングを出してしまうことだろう。
---通常アクションゲームではスライディングは下方向入力で行うのだが、このゲームは頻繁に使用する足場を降りる動きが「ジャンプボタンと下方向にレバー」なので、これとスライディングのコマンドが重複しないようにした結果このような珍コマンドになったと思われる。

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**総評
映画のような息をもつかせぬ展開、豪快なアクションと演出、そして秀逸なBGMとグラフィック。~
同社の『[[ザ・グレイト・ラグタイムショー]]』同様に「ゲームの目的はクリアする事ではなく、楽しむ事なのだ」と教えてくれる~
データイースト作品中でも屈指の名作と評価できるだろう。

後述する境遇故、プレイする方法は非常に限られている。~
もし幸運にもプレイする機会に恵まれたならば、是非ともランディと共に冒険百連発を思う存分堪能してみてほしい。

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**余談
-基板出荷数は少なく、移殖もされていないレアゲーとなってしまっている。
--同社の『ザ・グレイト・ラグタイムショー』にも同じ事が言える。最早デコゲーの宿命みたいなものなのかもしれない。

-1999年にカネコから発売されたアーケードゲーム「線脳 - SEN-KNOW -」にCPUでエドワードランディが登場している。
--線脳の開発元である光遊社の社長が[[エドワードランディの開発に関わっていた>https://web.archive.org/web/20060105171026/http://www.gpara.com/contents/creator/bn_137.htm]]ためと思われる。

-他社の『トレジャー』から発売されている作品の中には、本作のオマージュが存在する作品がある。
--例えば『ガーディアンヒーローズ』のキャラ名の「エドワード・E・コニャック」や「ランディ・M・グリーン」等。

-本作のプログラマーの一人は後に[[魂斗羅ザ・ハードコア]]の開発に携わっている。