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スプラッターハウス - (2020/06/29 (月) 20:59:07) のソース

*スプラッターハウス
【すぷらったーはうす】
|ジャンル|アクション|&amazon(B0000C85LA)|
|対応機種|アーケード(SYSTEM I)|~|
|販売・開発元|ナムコ|~|
|稼働開始日|1988年11月|~|
|配信|バーチャルコンソール:【Wii】2009年5月26日|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|''ナムコらしからぬ残虐・暴力表現の数々''&br;衝撃の鬱展開&br;2Dアクションとしては正統派かつ程よいバランス|~|
|>|>|CENTER:''スプラッターハウスシリーズ''&br''スプラッターハウス''/[[スプラッターハウス わんぱくグラフィティ]]/スプラッターハウス PartII&brスプラッターハウス PartIII/Splatterhouse|
//鬱ゲー判定(2015/01/30 無断編集対策の目印用。判定欄への明記は不可)

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#contents()
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**概要
これまで『[[パックマン]]』や『[[ゼビウス]]』『[[ドルアーガの塔]]』など主に明るいイメージがあったナムコが、ホラー映画ブームの真っ只中であった80年代に世に放ったホラーACT。~
%%今となっては版権的にやばそうなジェイソン似の%%マスクを被った主人公が、パンチやキックや凶器で館に蔓延る異形の怪物をなぎ倒しながら突き進む横スクロールアクション。

ステージ構成は全7ステージ。各ステージの最後に待ち構えるボスを倒すことで進んでいく。

**ストーリー
>超心理学((「超常的な力や事象の存在を明らかにする」という、実在する学問。主に超能力の研究が主眼であるが、心霊現象などのオカルト的領域も含むので「心理学者なのに何故にオカルト研究?」というツッコミは無用である。))の権威として有名な人物だったウエスト博士は、「死体蘇生」をテーマに掲げて禁断の研究に没頭し続けた末に、~
その副産物である異形の怪物に襲われて自ら命を落とし、彼の住んでいた館は怪物が徘徊する恐怖の館と化してしまった。~
人々はその館を「スプラッターハウス」と呼び習わし、決して近づこうとはしなかった。
>大学で超心理学を専攻していた主人公リックとその恋人ジェニファーは、その話に興味を持ってウェスト館の近くへとやってきたが、~
折悪しく降り始めた豪雨に追われるようにして、館に足を踏み入れてしまう。~
たちまち怪物たちの魔の手が伸び、リックはなす術もなく打ちのめされ、ジェニファーは館の奥へと連れ去られてしまった。
>絶望と共に薄れ行く意識の中、何者かがリックに呼びかける。その声の主は「ヘルマスク」。~
太古より覇者と共にありし伝説の仮面の精霊であり、身に付けし者に強大な力を授けてきた、人智を超えた存在である。~
呼びかけに応じてヘルマスクを身につけ超人的な身体能力を得たリックは、忌まわしきスプラッターハウスの奥底へ足を踏み入れる。
>ジェニファーを救うべく、長い長い、悪夢の道へと……。~
&br()
(PCE版の説明書を元に再構成((当時の開発スタッフはAC版では明確なバックストーリーはないとしている。)))

**ゲーム概要
-残機制・ライフ制併用の半任意スクロール方式の横スクロールアクションゲーム。
--回復アイテムが存在しない代りにステージクリアごとにライフが1回復。スコアエクステンドもある。
--ライフは初期4~最大5。ライフが0になると戻り復活となる。一部のステージギミックを除き、即死要素はない。

-一部を除く各ステージは複数エリアから構成され、中にはステージ道中のルート分岐が存在するステージもある。ステージのスタートエリアとボス出現エリアはルート分岐があるステージでも共通。
--永久パターン防止措置として、長時間画面内に留まっていると画面左側から「触れるとダメージを受ける紫色の霧」が迫ってくる。ボス戦では、飛び越すことがほぼ不可能な「青色の塊」が画面右端からゆっくりと迫って来る。

-ジャンプ/攻撃の2ボタン。攻撃はプレイヤーの状況によりパンチ・キック、またジャンプ中にコマンド入力でスライディングキックができる。
--ジャンプ中に攻撃ボタンを1度押すとジャンプキックに、連打するとパンチに変化する。ジャンプキックを登りで出すと、着地までにスライディングに移行することも可能。
--更に壁に設置された槍や床に落ちている鉈、石・スパナ、斧、角材、散弾銃など、場所ごとのシチュエーションに合うような豊富な種類の武器も用意されている(なお槍、石、スパナは投擲武器であり一回使うとなくなり、散弾銃には弾数制限がある)。
---ただし、これらの武器は拾ったエリア内限定で、エリア突破時にその場に置いていく。エリアやステージをまたいだ持ち越しはできず、所持した状態でミスした場合も再スタート時にはなくなってしまう。


**評価点
-ストーリーやタイトルから分かる通り、一貫してホラー映画ならではの不気味でおどろおどろしい世界観の演出に徹している。
--生理的嫌悪感を催させるほどに練りこまれたドットグラフィックや、不気味さのみでなく一瞬の安堵・焦燥感・悲哀まで、雰囲気に合わせて盛り上げるBGMも好評。特にステージ4から5終盤・エンディングはBGMやよく動くドット絵が相まって屈指の名シーンとなっている。
--有名ホラー映画のオマージュもちりばめられており、ホラー映画マニアであればニヤリとできる演出が多数ある。
---キャラクターデザインとドットデザインは織田尚氏。氏は後に特撮やホラー映画の特殊メイク・アーティストとして活躍しており、その才能の片鱗が伺える素晴らしいグラフィックとなっている。
--怪物のうめき声、地下水路に反響する音や攻撃時の効果音など、音響による演出もかなり効果的で、ホラー的な雰囲気をより引き立てるスパイスとなっている。
---鉈による攻撃時の「スコーン!」というSEは思わず笑ってしまうほど軽く、敵の首が吹っ飛ぶ演出と共に暴力的な手段で敵をぶち倒す爽快感に一役買っている。
---それ以外の武器でも倒した際の描写がそれぞれ異なるのも特徴。振り回した角材の一撃で画面奥に吹き飛ばされ壁に叩き付けられる、散弾銃で木端微塵になるなど、敵の倒れ方にも魅せるものがある。

-ホラーな外観とは裏腹に「キャラクターのグラフィックが大きなアクションゲーム」としてはかなりスタンダードなルールと高い完成度を持つ。
--基本的にはプレイヤーキャラ側が強めな調整であり、プレイヤー自身の理解と上達が肝要。その上で、何度も繰り返せば自然と上達する程よいバランスを保っている。ボスもパターンがわかれば安定して倒すことが出来る。

-ホラー映画のお約束的演出
--特定のボス戦では、戦闘に勝利したと思って油断していると思わぬ反撃を食らうというギミックがあるが、それがある種のホラー映画のお約束的シチュエーションをうまく取り込んだものとなっている。
--これまたお約束だが「鏡が並べられた廊下を恐る恐る通ると鏡の中から…!」といった、恐怖を煽りつつ大いにプレイヤーをビビらせる演出もお見事。
--前述した通り、武器はホラー映画でよくお目にかかるような小道具(鉈・角材・散弾銃・斧など)が中心。リーチの長さと隙の大きさなど一長一短となっており、適材適所に使うこととなる。
---終盤に入るとアイテムは一切出現しなくなるが、これはストーリー上の演出によるところが大きい。
--デフォルトのスコアランキングが全員「エントリーネームが"..."」かつ「ステージ1止まり」であるところも意味深。いわゆる「序盤で殺害される名無しのモブキャラ」を表したとも、ステージ1で他の死体に紛れ込み名前の判別ができなくなったとも解釈できる。

**絶望のなんたるかを思い知らされるストーリー内容
本作はACTとして名作であると同時に、''世代によっては「欝ゲーの代名詞」とも言える作品''でもある。~
特にプレイヤーに衝撃を与えたのが、ステージ5のボス戦からである。

#region(ネタバレにつき、隠し表示)

>群がる怪物を薙ぎ倒しながら迷路のように複雑な館内を突き進み、ようやくジェニファーと再会したリック。~
しかし時すでに遅く、彼女は異形の怪物に作り変えられており、''ステージ5のボスとして襲い掛かってくる''~
時折、人間の姿に戻って助けを求めるジェニファーの姿に困惑するリック…。
>人外の肉体と化した彼女を救う術があるはずもなく、リックを待ち受けていたのは、~
最愛の人を救うべく振るってきたその拳で、救うべき最愛の人を葬り去らなければならないという、~
あまりに皮肉で筆舌に尽くし難い、凄惨な悲劇であった。~
決着が付いた後、ジェニファーはリックの腕に抱かれながら別れの言葉を遺し、塵となって消えてしまう。~
悲しみに暮れるリックを挑発するかのような怪物たちの態度に、彼の怒りは頂点に達する。
>
>復讐の念に駆られたリックは館の最深部へと突き進み、ウェスト館に蔓延る怪物を生み出す魔性の源「マザー」を撃ち滅ぼす。~
魔性の源たる「マザー」の崩壊と共に炎に包まれ崩壊していく館から脱出したリックが粗末な墓標の前にたどり着くと、~
突如、ヘルマスクに宿っていた仮面の精が墓の底に封じられていた魔性の怪物に乗り移り、襲い掛かってきた。~
ヘルマスクは館に迷い込んできたリックに力を貸すとうそぶいて利用していたのだった。~
全てを奪い去った者たちへの憎悪を込めて、リックは自分を始末しようと目論む「ヘルカオス」を叩き潰す。
>
>戦いの末、ヘルマスクは砕け散り、戦いは終わりを告げる。~
炎上し崩壊する館を背に呆然と立ち尽くすリックの姿に物悲しいBGMがシンクロされ、悲壮感と寂寥感が漂うエンディングを迎える。~
そして、スタッフロールが終わると共に画面がゆっくりと下方へスクロールし、暗転したバックに砕け散ったヘルマスクが散らばる画像が映し出される。
>
>……と突如、コナゴナになったはずのヘルマスクが元通りに復活。~
リック(と、それまでキャラに感情移入しつつプレイしてきたプレイヤー)を嘲り笑うかのような高笑いを響き渡らせる。~
そしてENDマークと共にブラックアウト…。

先に進むほど絶望感に押しつぶされる道のりと、その果てに待ち受ける結末は、~
前述の巧みな演出と相まってリックを実際に操作してきたプレイヤーの手と心に深く刻み込まれ、~
当時のナムコのAC作品に稀有なバッドエンドとして名を残すこととなった。

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往年のホラー映画的エッセンスを取り込んだ恐怖演出が前面に押し出されていた序盤・中盤に対し、終盤はそれまでの雰囲気がガラリと一変する。~
恋人を奪われたリックの怒りと憎悪の復讐劇へと転換していき、自らの暴力をもって敵を叩きのめしてゆくというバイオレンス面が強調されていくようになる。~
該当区間で攻撃アイテムが一切出現しない措置や、6面のBGMのドスの効いた曲調も、それをより強調している。~

ステージ6のザコキャラはシャボン玉状の怪物の卵「エッグオバ」と、そこから産声とともに孵化する赤子の姿をした怪物の幼生体「オバ」のみであり、心臓の形状をした館を支える魔力の源であるボスの名称は「マザー」、更にその舞台の名は「胎内洞」。~
「''胎内''に侵入し、群がる''怪物の赤子やその母体''を、自らの肉弾ひとつで完膚なきまでに叩き潰す」というステージ構成と演出の流れが、背徳的な趣を醸しており、リックの心情やエンディングの寂寥感をより一層引き立てる効果的なスパイスとなっている。~
本作の演出の特に優れた点として、ファンから賞賛されている部分である。~

#endregion

**賛否両論点
//問題点というよりは賛否点なので移動。
-それまでの王道的なナムコカラーから逸脱した残虐かつ暴力的なゲーム内容。
--ここまでの記述からわかるように、全編にわたって徹底した残虐表現と暴力描写が施されており、これまでのナムコ作品の王道であったカラフルでポップな雰囲気など微塵もない。~
生身の人間の腐乱死体や白骨化した血まみれの欠損死体が至る所に散乱し、虫の息になりながら惨たらしく蠢く犠牲者などがひしめく壮絶な背景や、肉塊を突き破って出現する巨大ヒル、崩れた胎児のようなザコ敵といった敵キャラやボスキャラの描写など、生理的嫌悪感・不快感を覚えさせる描写に事欠かない。~
タイトルに恥じぬ力の入れようは大いに評価できるのだが、そういった描写が苦手な人や子どもがプレイするには刺激が強すぎる物となっている。
---元より、ホラー映画(特に本作の内容のようなスプラッター系)がブームとなっていた時代に作られているため、ホラー映画ファンのゲーマーを意識した作風と言える。~
また、この手の血生臭いホラー映画がお茶の間で平然と放映されていたりと、規制が緩いがゆえにおおらかな時代でもあった。
--いずれにせよ、こうした残虐表現をふんだんに使ったゲームが国内のゲーセンで一般向けに稼動していたという事実は、規制が今よりも緩かったことを考慮しても異例ではある。後のナムコの作品群においても暴力性や恐怖演出が含まれる作品は散見されるが、本作ほど生々しく猟奇的な傾向に注力した作品は皆無といっていい。

**問題点
-ステージ6のみランダム性が強いため、その他のステージと違ってパターン化がしにくく、中間ポイントもないため若干難しい。

-素手攻撃の際、秒間8~10連射程度に限り攻撃判定が消失する。パンチの伸び切ったグラフィックが表示されていないので見た目通り攻撃が当たらない状態になる。

**総評
スプラッターホラーをゲームという土壌で描き切きったことにより、「自分自身で暴力を演出できる」という、当時のアーケードゲームとしては非常にセンセーショナルかつナムコ作品としても異例の1作として、本作は強いインパクトとともに名を遺した。

ゲームとしてはバランスがよく上達も目に見えて分かる。また個性的な敵やワナの配置をかいくぐる楽しさもあり、プレイヤーの心理をくすぐる演出もあっていろんな意味で飽きさせない。~
台詞やムービーに頼らず、ゲームならではの手法で物語を演出しきったスタッフの手腕も素晴らしく、名作としての素質を十分に備えている。~
当時のユーザーからも概ね好評を得ており、現在に至るまで変わらずに一定の評価があることからもそのことが伺えるだろう。~
海外でも高い評価を得ており、20年以上経った今でも多くのファンに愛されている。

*移植
-FM TOWNS版(1989年、ビング)
--本体の性能の高さもあり、アーケード版に迫る再現度となっている。

-PCエンジン版(1990年4月3日発売、ナムコ)
--PCEはFCより規制が緩かった為、一部、表現の緩和・削除などの変更点は存在するが、比較的アーケード版に近い移植となっている。~
背景の惨殺死体や蠢く犠牲者が削除されたり、ステージ1道中名物ともいえる鉈が削除されたことで敵の切断描写を発生させる手段が無くなるなど、一部の残虐表現がマイルド化されている。~
ステージクリア後の体力回復値の増加、無敵時間の延長など、難易度は若干下がっている。
--ゲーム中のボイスは無くなり、BGMの曲数の減少((アイキャッチのジングルのみ、1曲だけ新規に追加されている。))と、ステージ開始時のアイキャッチの簡略化などが施されている。
--本作では鉈がステージ1で使えなくなった代わりに、ステージ4ボス・イービルクロス戦専用の武器であった斧と入れ替える形で色違いの「黄金の鉈」が追加されている。
--海外版ではさらに、ヘルマスクの外観が変更される、キリスト教を連想させる描写の削除や差し替えが行われるなどの変更が新たに施されている。
--2007年7月3日にWiiのVC、2011年7月6日にゲームアーカイブスにて配信されている。
--2020年4月発売の[[PCエンジンmini>復刻版ミニゲーム機収録タイトルリンク#id_b5165ad6]]にも収録されている。

-Windows版(2003年、メディアカイト)
--ほぼ完全移植。なつかしのゲーム移植『ULTRAシリーズ』の1作としてリリースされ廉価版も発売された。
--ただし、初期版ではBGMに不具合(モノラル出力になっている)があり、公式ページで差し替え用のWAVファイルが配布されていたが現在サポートは終了している。
--またいずれの版もBGMにややノイズが入っている。
//かなり開きのある移植なのでPCゲーム一覧の掲載は見送ります。

-Wii・バーチャルコンソールアーケード、Switch・『[[ナムコミュージアム>ナムコミュージアム (Switch)]]』にてAC版の完全移植が実現している。

*続編・派生作品
-''『[[スプラッターハウス わんぱくグラフィティ]]』(FC 1989年7月31日発売、ナムコ/ナウプロダクション)''
--ご覧の通り『わんぱくグラフィティ』というサブタイトルがつき内容が大きくかけ離れた作品となっているが、「主人公はリック・ヒロインはジェニファー」という点は共通している。
--残酷表現に対する規制が厳しかったことや、ハードそのものの制約もあったため、キャラクターとグラフィックがコミカルタッチになり、残虐描写が除かれてアクションも簡潔化された「オリジナルとは別物の低年齢層向け作品」になっている。
--とはいえ、ファミコンというハードとして見れば、おどろおどろしく不気味な雰囲気を醸し出すグラフィック描写やBGMの質は高水準で、単体のゲームとしては全く問題無く楽しめる出来である。
--こちらは様々なホラー映画をパロディ化した演出が特徴で、ボスキャラの大部分が有名なホラー映画の怪物をパロったもの。ホラー映画ファンならニヤリとすることだろう。
--本家とは別物とみなされがちだが、実は原作と意外な形でつながっている。詳細はリンク先参照。

-''『スプラッターハウス PartII』(GENESIS/MD 1992年8月4日 開発:ナウプロダクション)''
--AC版から3か月後を舞台とするオリジナルの続編。アーケード市場の縮小と作品人気の高い海外を視野に入れ、当時シェアをSNES(海外版SFC)と二分していたGENESIS(海外版メガドライブ)向けにリリースされた。後に最終作ともどもメガドライブ版も販売された。
--再び姿を現したヘルマスクに「ジェニファーを救う方法がある」と唆されたリックが、ヘルマスクの力を借り、復活の秘技が眠る隠された館を求めて化物と戦う。
---クトゥルフ神話の要素を取り入れたダークファンタジー的な趣が強いシナリオとなっており、最終的にはジェニファーを生きた状態で無事救い出す結末となっている。~
シナリオ上ではヘルマスクとは表向きには最後まで敵対せず協力関係が続くが、エンディング時のヘルマスクのセリフが続編『PartIII』を暗示する内容となっており、更にスタッフロール後の演出が初代に似て後味が悪いものとなっている。
--こちらもWiiのVCにて配信された。

-''『スプラッターハウス PartIII』(GENESIS/MD 1993年3月19日 開発:ナウプロダクション)''
--『PartII』から5年後を舞台とする続編かつシリーズ最終作。恐るべき魔性の存在の復活を狙う者たちの暗躍によりスプラッターハウスと化した自宅マンションを舞台に、ジェニファー、そして彼女との間に生まれた息子デイビットを救うため、三度ヘルマスクの力を借りたリックの激闘が展開される。
--過去作と比べてゲーム性が大きく変わっており、『[[ファイナルファイト]]』のようなベルトスクロールアクションになっている。
--また、本作はマルチエンディング制を採用しており、各ステージに設定された規定タイム内にクリアできたかどうかにより、エンディングが全4種類((グッド=家族全員生還、バッド=ジェニファーか息子のどちらかが死亡、ワースト=ジェニファーも息子も死亡。))に分岐する。

-''Spllatterhouse(2010年11月23日 PS3/Xbox 360、開発:BottleRocket/Bandai Namco Entertainment、日本未発売)''
--北米と欧州でのみ発売された3D化によるフルリメイク作品。内容的には、初代をベースに続編の要素も取り入れたリブート的な作品となっており、原作三部作とは関連のない独立した作品となっている。
--特筆すべきは''すさまじいまでのゴア表現''((身体部位の切断及び欠損、一面が真っ赤に染まるほどの夥しい流血、女性の裸体といった強烈な表現がほぼ全編にわたって存在する。))で、発売された地域でももれなく最上級レベルのレーティング制限((ESRBは「M」、PEGIは「18+」。))を受けている。また、これらの表現がCOLOR(red){''CERO:Z''}(18歳以上のみ対象)であってもレーティングがクリアできないと判断されたため日本では未発売となっている((ちなみに、日本国内でバンダイナムコゲームスが発売したCS機用ソフトにおいて、18歳以上のみ対象のソフトは2020年代の現在までに1本も出ていない。))。~
また、ドイツでも当初は発売が予定されていたが、日本と同様本作のゴア表現がUSK((ドイツ国内におけるビデオゲームの公的倫理審査機関。日本では「ソフトウェア事前審査機構」と呼ばれている。))のレーティングをクリアできないという理由により発売中止となった。
--特典として原作三部作が丸々収録されており、ゲームを進めるごとに開放されていく。
--ちなみに当初は海外外注での開発だったが、開発の著しい遅延と開発を請け負っていたBottleRocketの資金難によりスタジオが閉鎖されたため、2009年初頭にバンダイナムコの内部開発チーム((2009年1月に北米にてPS3/Xbox 360でリリースされた『Afro Samurai』の開発チーム。同作の開発が終わった直後に着手。))が引継ぐことになった((但し、BottleRocketの開発メンバーもバンダイナムコに雇われる形で途中から加わっている。))。

*余談
-バーチャルコンソール以降の移植版ではCEROによる対象年齢審査を受けているが、AC版・PCE版ともに特に表現の修正や書き換えがないにも拘らず''CERO:B''(12歳以上対象)である。
--上記リメイク作のように、近年の作品では3Dグラフィックを利用したよりリアルな残虐表現が散見されるようになったという背景もあるのかもしれないが、これだけの残虐表現が入っているのにもかかわらず判定がCOLOR(green){''CERO:B''}で済んでいるというのはやはり異例といえる。
--ちなみに『PartII』は''CERO:C''(15歳以上対象)である。

-作中のジェニファーの声は実は「開発チームの''男性スタッフの声''」に機械処理を施したものである。
//--ちなみに戦いが進行するとともにボイスが「Help me...(助けて…)」から「kill me...(私を殺して…)」に変わるというのはガセである。
//↑事実なのかそうでないのか明確なソースが欲しい。

-ステージ5の分岐ルートの選択次第では、2種類のゾンビ「リバイバルデッド」を操ってリックに差し向ける「マスターデッド」という敵キャラと対峙することになる((部屋内では彼らしか登場せず、専用BGMもあるので実質的な扱いは中ボスに近い。))が、倒されたリバイバルデッドを復活させる彼の呪文ボイスが某有名女性歌手のある楽曲の歌詞・歌い方にそっくりとしてしばしばネタにされる。

-海外では本作の2年前に、本作とはまた違ったベクトルの残虐表現を含んだガンシュー『[[Chiller]]』が稼働している。(あまりの内容に納入拒否する店も多かったらしい)
--規制が強まり、ゲーセンの存在がファミリー層にも浸透した今となっては、本作含めこのようなゲームが作られることも受け入れられる余地もないだろうが、裏を返せばいかに当時の規制がおおらかであったか、そしてゲーセンそのものがアングラ的な存在であったかの証であったといえるかもしれない。