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ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境 - (2017/07/25 (火) 16:32:24) のソース

*ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境
【げげげのきたろう ようかいだいまきょう】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000068GW1)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|バンダイ|~|
|開発元|トーセ|~|
|発売日|1986年4月17日|~|
|定価|4,900円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ゲゲゲの鬼太郎シリーズリンク>ゲゲゲの鬼太郎シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-水木しげる氏原作のアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の初のゲーム化作品。~
発売当時にTV放映されていた、通称第三期アニメ版をモチーフとしている。
-プレイヤーは主人公である鬼太郎を操作し、アニメ通りの武器で敵妖怪を倒していく。

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**特徴
-各面は敵の出現しないマップと、マップから入るアクションステージの「魔境」、およびボスステージの「妖怪城」に分かれている。
--マップ上で鬼太郎を移動させて魔境に入り、魔境内でキーアイテムの水晶玉を手に入れ、妖怪城に入ってボスを倒す、というのが各面共通の流れになる。
---水晶玉が出るステージでは、水晶玉を取らない限り出口が出ない仕様となっている。
--魔境には5種類の入口と4種類のステージ((妖界、妖奇、妖空、妖炎の4種で、5種類目の入り口は入るまで4つの魔境のどれが出るか分からないミステリー魔境。))があり、魔境ごとにクリア条件が異なる。また、1つのステージに数種類のバリエーションがある。
---後半になるとマップ画面に入口が見えない魔境も現れる。
--魔境内でクリア条件を満たすと扉が2つ出現し、片方は正解でそのままマップに戻れるが、片方はハズレで妖怪地獄に落とされる。脱出するには地獄のボスを倒さねばならない。
-アクションステージでの鬼太郎の武器は、弾数無限の毛針に加え、残弾制の指鉄砲、ちゃんちゃんこ、リモコン下駄、妖怪火炎の5種類がある。
--毛針は基本武器であるが、連射性能が高く、画面端まで届き、弾速も割と速い。
--指鉄砲・妖怪火炎は貫通能力がある。毛針の効きにくいボスクラスに有効。ただし、一部のボスは妖怪火炎で攻撃すると体力が回復してしまう。
--ちゃんちゃんこ・リモコン下駄は「鬼太郎の意思どおりに動かせる」という設定通り、十字キーで操作できる。~
しかし、同時に鬼太郎も動くため、操作に気を取られるとミスしやすくなる。その代わり敵を倒した際に得点アイテムが出てきやすい。
-ライフなどの耐久力制ではなく、一発死タイプ。~
敵弾を喰らったり体当たりされたりすると鬼太郎はあっさり死ぬが、敵もステージボス以外は毛針1発で倒せるため、互角の条件と言えなくも無い。
-永パ防止の為、同じステージに3分いると「ブーッブーッブーッ」っという効果音と共に「目目連」という敵がやってくる。倒すのは不可で触れればもちろん即死。

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**評価点
-原作の再現度はかなり高い。
--出現する妖怪は、敵も味方も原作アニメに登場した妖怪ばかり。~
妖怪城で仲間妖怪を呼ぶためのアイテムが「妖怪オカリナ」なのは原作ファンなら頷ける設定。~
呼べる仲間もぬりかべ・子泣き爺・砂かけ婆と原作アニメではお馴染みの面々。その効果も、壁になって敵の弾を遮断する(こちらの弾は通す)、敵を移動できなくする(攻撃はしてくる)、敵の攻撃を弱める(弾を出さなくする)、と忠実。
--魔境の1つ「妖空魔境」では空中戦を行うことになるが、この時鬼太郎は一反もめんに乗っている。~
ただしミスすると鬼太郎だけがミスモーションを行い、一反もめんはそのまま飛んでいる。~
死んでいく鬼太郎を尻目に平然としている一反もめんの姿はなかなかシュール。
--魔境の1つ「妖界魔境」ではねずみ男が敵として登場するが、ねずみ男を倒してもクリア条件には数えられない。~
敵であり味方でもあるねずみ男というキャラクターを上手く再現している。
//ねずみ男に触れたり攻撃に当たったりしたらもちろん1ミスになる。←「敵として登場する」だけで十分。余計な補足のせいで、文章本来の意図が分かりにくくなってしまっているため、外す。
--「妖怪地獄」では天童ユメコと猫娘が出てくる。ユメコなら脱出できて猫娘なら得点だが、同時に出てきてどちらかしか取れない。アニメ3期がダブルヒロインだったことの再現。
--妖怪城ではボスが出現するが、それぞれに弱点がある。その弱点も納得のいく設定。
--他でも敵キャラはアニメで鬼太郎と対峙した妖怪。シーサー、ざしきわらしなど鬼太郎側の妖怪は得点アイテムなどとして出現。少ない容量で結構頑張った種類いる。
-アクションゲームとしての出来もなかなか良い。~
鬼太郎の動きに癖はあるものの、操作性は良いので、慣れれば問題なく動かせるようになる。
-恐怖感を煽る演出~
鬼太郎らしく、アクションステージは「墓場」や骸骨で出来た「しゃれこうべ谷」といった恐ろしげな場所がチョイスされ、禍々しい雰囲気を醸し出している。
--また、出口を間違えた時の「妖怪地獄」も秀逸で、クリアしたと思わせた瞬間に地獄に叩き落とされるので当時の子供達のトラウマになった。~
地獄はおどおどしいBGMと背景、下から上に登って行くという変則的な面構成、画面半分を埋める「バックベアード」等の不気味な中ボスキャラといったトラウマ要素が満載。
---それだけに正解の出口を教えてくれる「座敷わらし」や「カラス」といったお助けキャラが頼もしく見える。

-BGMもなかなか。
--ステージBGMは「ゲッゲッ、ゲッゲッ、ゲゲゲの鬼太郎~」という感じ、ヤラれた時の音も「ゲーゲゲーのゲー」という感じ、と原作を踏まえた上で少ない音源と短いループ内ではあるが頑張っている。

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**問題点
-難易度が高い。
--敵の倒し方や1UPアイテムの出し方、鬼太郎の動きの癖など、覚えゲーの要素が強い。~
一度覚えてしまえば難なく進めるようになるのだが、覚えるまではステージ1クリアすら難しい。さらに妖怪地獄では毛針以外の武器が使えない上に、ステージが進むと出てくる敵の数やスピードまで増える為、後半ステージで妖怪地獄に行ったら苦戦は必至。条件を満たせば正解の出口へと導いてくれる仲間が出るため、これを取ってからクリアするのはほぼ必須になる。
--鬼太郎の動きにはかなり慣性が働き、急停止や反転をしても直前に動いていた方向へスリップするため、咄嗟の回避がやや難しい。操作レスポンス自体は良好で、ジャンプの高さや軌道もかなり調整が効き、マリオシリーズに似た操作感がある。
---ゆえに「妖空魔境」の難易度の高さは他の魔境の非ではない。上記の理由によりスリップがかかる為に動きすぎて敵に衝突したり、毛針を撃っても空振りしてしまう事も多い。さらに360度全方位に攻撃弾を飛ばしてくる敵までいる。
--難度の高さは、一方向へ突き進んでいるとちょうど衝突するように出現する敵配置や、バラ撒きと狙い撃ちが混在する敵弾など、よく練られた構成による部分も大きい。
-エンディングが無い。~
全16ステージではあるが、ステージ16をクリアしても、特にクリアデモ等があるわけでもなく、ステージ1にループしてそのまま続くだけ。~
ゲームオーバーになるまで延々と続けるしかない。

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**総評
原作のイメージを損なうことなくアクションゲームに仕上げた、バンダイ製のキャラゲーとしては稀有な良作。~
当時は「キャラゲーは無条件で売れる」時代だったとは言え、100万本を越えるミリオンセラーを記録している。~

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**余談
-実はファミ通第一回ソフトランキングの1位獲得作品。
-第三期アニメ38話『タタリだ~!? 妖怪土ころび』の冒頭に、依頼人の少女がこのゲームで遊んでいる場面がある。
-ゲーム開始直後にマップ上にいる状態でリセットボタンを押すと、鬼太郎の姿が茶色の目玉親父のような姿になるという裏技(?)がある。
-海外NESでは『Ninja Kid』の名前でリリースされており、タイトル通り主人公が忍者のキャラクターになっている。~
アニメの音楽((ミスのBGMも微妙に変更されている。))や一部キャラも変更されており鬼太郎とは無関係な移植となっている。((同社の『おばけのQ太郎 ワンワンパニック』もキャラ差し替え移植として発売されている。もっとも日本のキャラゲーを海外でリリースするときはオリジナルキャラに変更されているものが多い。))