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メタルマックス - (2016/12/07 (水) 23:36:27) のソース

*メタルマックス
【めたるまっくす】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム|&amazon(B000068HE1)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|データイースト|~|
|開発元|データイースト、クレアテック|~|
|発売日|1991年5月24日|~|
|価格|7,800円(税抜)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2010年4月27日/500Wiiポイント&br()【3DS】2013年1月9日/500円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[メタルマックスシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1011.html]]''|

**概要
-荒廃した未来の地球を舞台に、戦車に乗ってタイトル通り金属質あふれる旅をしていくという一風変わったRPG。
--タイトル名からも分かるとおり、映画『マッドマックス』に影響を受けた作品の一つである。
-キャッチコピーは''「竜退治はもう飽きた!」''。
--当時はRPGといえば、家庭用ゲーム機では『[[ドラゴンクエスト]]』シリーズが火付け役となったファンタジーRPGが主流であり、ファンタジーが席巻している時代だった。それに対する一つのアンチテーゼとなっている。

**システム
***パーティーキャラ
本作ではゲームの進行に伴い、最大3人のパーティーを組める。クラスは以後のシリーズ作品でも常連。
-ハンター
--本作においては、主人公の少年がこのクラス。
--運転レベルと素早さが高く、戦車の火力や防御力を最大限に引き出して速攻で敵を潰すという、本作のゲームシステムに合った能力を持つ。生身でもそれなりの戦闘力を持つが、さすがにソルジャーには敵わない。
--名前を空欄のまま決定した場合、名前が「はんた」になる。これが事実上のデフォルト名であるが、裏技に近い。
-メカニック
--本作においては、幼さの残る少年である。
--修理レベルと知力が高く、破損した戦車パーツの修理が可能な特殊技能を持つクラス。純粋な戦闘能力は生身、戦車共に低いので補助役に適任。
---修理には消費アイテム「しゅうりキット」が必要。上位アイテムとして無限に使える『メカニックキット』もある。本作の時点では大破は直せない。
--名前は、主人公の名前に応じて自動で付けられる。主人公が「はんた」の場合、彼の名は「いじる」。
-ソルジャー
--本作においてはパーティーの紅一点、年長者の屈強な女性。
--戦闘レベルと力が高く、生身での白兵戦を最も得意とするクラス。重装備が可能なため戦車が入れないダンジョン内では頼りになるが、戦車の操縦は不得意。
---装備品やレベル上げ次第では、車載兵器並の攻撃力や戦車以上の防御力を持たせることも可能。(詳細は後述するがダメージ計算式の関係で、攻撃を弾く事が出来なかった場合に受けるダメージ自体は流石に戦車よりは大きい。)
--メカニックの少年同様、名前は主人公の名前に応じて自動で付けられる。主人公が「はんた」の場合、彼女の名は「アンヌ」。

***戦車(クルマ)
-本作最大の特徴であり生命線。一般的なRPGの場合、人間は生身で戦うか、馬などに騎乗し騎乗ユニットとして扱われるのがせいせいであったが、メタルマックスでは''人間が戦車に乗り込んで戦う''ことが出来る。
--当たり前のことだが戦車は実に強く、戦車と生身が戦った場合、余程相手との差がなければまず戦車側が一方的に勝つ。
---本作だと敵味方ともに、戦車(タンク系モンスター)は無条件にダメージが1/5になるという仕様がある。
--さらに、味方側の戦車は''耐久力が0になってもそれだけでは破壊されない''。詳しくは後述。

-メタルマックスの世界では戦車を『''クルマ''』と呼ぶ((ただし、劇中では普通に「せんしゃ」と呼ばれることもある))。これは戦闘能力を持った車両全てを「戦う車」として扱うことを意味しており、本作では正統派の戦車だけでなく、バギーや救急車も立派な『クルマ』なのである。
--入手方法は様々。ダンジョンに隠されていたり、敵から奪い取ったり、大枚をはたいて購入する…など。いずれせよ、簡単には手に入らない(一応序盤は比較的楽に入手できる)という点で共通している。世界を巡って戦車を探すのも魅力の1つ。
--シャシーの守備力は後発の戦車ほど高くなりこの優位さはくつがえせないが、それ以外の装備は制限が一切ないため、守備力と搭載可能な兵器の種類にさえ目を瞑ればどんな戦車でも最後まで何の問題も無く使っていける。
---ただし、守備力の高いシャシーは総じて重い。詳細は省くが、ダメージ計算式が概ね「攻撃力-守備力の半分=ダメージ」を基本としたものとなっている都合上、シャシー守備力が高いほど「低い攻撃力の攻撃を受けた際のダメージ」が劇的に減るが、守備力が低くても軽いシャシーを使う方が装甲タイル(後述)が多く貼れるなど有利な面がある。
--入手時には好きな名前を付けられる(6文字まで)。
---本作ではデフォルト名の自動入力が無い上に、名前は後からは変更不可能なので注意。

-人間の装備が武器、体防具、頭防具と分かれているように、戦車にもそれぞれ特性の違うパーツがある。各パーツには重量も設定されている。
--&bold(){主砲}:戦車の象徴である主兵装。一撃必殺の威力を持つが弾数は有限。なお特殊砲弾(後述)を使用できる。
--&bold(){副砲}:いわゆる機銃系の武装。主砲に比べ攻撃力は劣るがグループ攻撃が可能な例も多く、使い勝手で主砲に勝る。最大の長所は''弾数が無限''なことにあり、普段は副砲で弾を節約し、強敵に出会ったときのみ主砲で蹴散らすといったプレイが普通となる。このスタンスはシリーズ通して共通。
--&bold(){SE}:Special Equipment(特殊兵装)の略。対戦車ミサイルや火炎放射器などが該当。概して重量がある上、弾薬代がべらぼうに高い。威力は高く、属性攻撃や範囲攻撃を得意とするが、単純な攻撃力では終盤は主砲に抜かれる。しかし固有の戦闘アニメーションを持つものが多く、ネーミングセンス溢れる武器が多いことからロマンを追い求める層には根強い人気がある。
--&bold(){エンジン}:戦車の最大積載量を決定する。燃料の概念は無いので、単純に出力が大きければ大きいほどよい。当然ながら装備させなければ自走不可。
--&bold(){Cユニット}:コントロールユニット。エンジンが戦車の心臓なら、こちらは頭脳に相当する。メタルマックスの世界では、このパーツのおかげで一人でも戦車の操縦が容易となっている。デリケートな電子部品であり、電撃攻撃などで破損しやすい。こちらも装備させないと自走不可。
--&bold(){シャシー}:車体そのもの。ゆえに装備の着脱および売買は不可。戦闘中に大破すると乗員は強制的に外に出される。

-また装甲タイル(SP=シールドポイント)という独自のシステムを採用。エンジンの最大出力から全パーツの重量を引いた差分の数値分だけ貼ることができる。人間キャラクターのHPに相当し、戦闘でダメージを負えば減少する。
--装甲タイルは実質的に使い捨てであり、町の修理屋で貼ってもらうか、予備のタイルパックを移動中に使用する以外では補充できない。どちらも有料かつ、枚数単位でコストがかかる。
--SPが0になっても戦車は使えるが、一定確率でパーツが破損し、破損したパーツが更にダメージを受けると大破する。大破したパーツは使用不能になり、Cユニット/エンジン/シャシーのいずれかが大破すると自走不能となってしまう。こうなると予備のパーツを装備するか、それが出来なければ他の戦車にけん引させて町の修理屋まで引っ張っていくことになる。
---大破したパーツでも修理は可能。いくら攻撃を受けてもパーツや戦車がロストすることは無い。
---なお、SPと無関係にパーツを壊す攻撃もある(電撃や衝撃波など)。
---パーツごとに設定された守備力が高いほど破損しにくくなる。シャシーの守備力は受けるダメージそのものにも影響する。

-特殊砲弾は主砲の弾薬とは別にシャシーの弾倉に積むもので、特別な効果を持つものが多い。通常弾代わりに使える「よびだん」、機械系の敵のパーツを破壊して攻撃成功率を下げる「てっこうだん」、会心の一発が出やすい「ホローチャージ」などなど。砲弾屋や自動販売機で購入可能。

-装備とは別枠で搭載できる戦車道具もある。こちらは本作では重量のパラメータは無い。(以降のシリーズでは多くの戦車道具に重量が設定されている)
--主に所持欄を埋めることになるのは、消耗品の「タイルパック」各種。町で補給してもらう装甲タイルよりも圧倒的に割高ではあるが、移動中ならいつでも使用可能な装甲タイルの回復手段として重宝する。
---本作では戦闘中に使用できないので注意。コマンドとしては選択できるが、何も起こらずターンを無駄にしてしまう。なおこの時はタイルパックは消費されない。
--他には何度でも使え、一度行った町に移動できる「ドッグシステム」、同じく何度でも使えて人間のHPが回復できる「いりょうキット」等実用性の高い物や、「メタルブレード」等の特殊行動が可能になる逸品、さらには特に効果のない「うさぎちゃん」といった趣味系など様々。
---中にはランダムで発生し所持枠を埋める「とりのふん」「ナマリタケ」と言ったバッドアイテムも。
---ちなみに、いりょうキットは効果の割に早期から、かなり安価に購入できる。このためこれを入手後は、わざわざクルマから降りて''生身の人間が戦車を庇う''という奇妙な光景も発生する。戦車の装甲タイルは有料だが、人間のHPはいつでもタダで回復できるのだから……。~
おまけにこの医療キット、''なんと戦闘中にも使えてしまう''。移動中と違い乗っている本人のみしか治療できないが、このためだけに三つ買ってもいいくらい。

-これらの品物の購入は町にある戦車パーツ、戦車道具屋で行う。
--ある町には洗車屋も存在する。ゲーム上の表記はひらがなで「せんしゃや」であり一見ギャグのような要素だが、戦車を洗車することで前述のバッドアイテムの除去や戦車のバッドステータスを元に戻せるという重要な施設である。

-戦車搭乗時、戦車の上に乗って「調べる」を行うと戦車を牽引できる。自走不能になった戦車もこれで運搬することが出来る。ただし牽引できる戦車はパーティで1台のみ。

-戦車に乗っている状態だと、森・瓦礫・戦車止め(杭)と言った一部の地形に入れなくなる。

***改造
-貯めたゴールドを使ってクルマを自分好みに強化できる、メタルマックスシリーズの売りの一つ。人間装備は改造できないため、戦車の大きなアドバンテージになっている。
--本作ではシャシーの守備力・弾倉上限・穴開け(装備取り付け箇所の追加)、エンジンの強化が可能。強化すると元には戻せない。後の作品ではより改造の幅が広がっている。
--シャシーは改造すると重量が増加し、無闇に強化するとSP上限が圧迫される。エンジンを強化して積載量を増やし、余裕を持って改造するようにしたい。
--無茶な改造も可能で、穴さえ開ければバギーや''救急車にすら''主砲を装備させられる。ただし主砲の穴開けは費用がかなりかかるので注意。

-クルマのステータス表示画面では、線画のみながら「装備がグラフィックに反映される」という、ファミコンの水準では粋な表現が行われる。
--ただ、本作の時点ではクルマの戦闘グラフィックに装備が一切反映されない。その為、''一部車両の攻撃モーションがお茶目な事になる''場合があるのはご愛嬌。
---前述した「主砲を装備可能にした救急車」の場合が最も顕著で、主砲発射時に''救急車の車内からいきなり発射炎と砲弾が飛び出す''という、地味ながらツッコミ所のある攻撃モーションになってしまう。

***装備
-本作ではゲームの性質上、アイテムがそれぞれ「人間道具」「人間装備」「戦車パーツ」「戦車道具」の4つに大別されている。それぞれ1人/1台につき8個ずつ持つことが出来る。
-人間の場合、フル装備だと装備枠6つが埋まり(武器/頭/体/プロテクター/手/足)、空き枠は装備2個と道具8個となる。
--人間装備は戦闘中でも付け替えができるので、空欄に予備の武器を持って範囲攻撃と単体攻撃を使い分けるか、消耗品であるプロテクターの予備を余分に持つか、あるいは拾って手に入れる装備に期待し空けておくか。プレイヤーによってスタイルも変わってくる。
--前述の通りダンジョン内には戦車では入れない場所もあるため、そう言った場所は戦車から降りて人間状態で進む必要がある。賞金首の一部も同様に生身で戦わなければならない場合がある。
-戦車もフル装備の場合、同様にパーツ枠6つが埋まり、空き枠は装備2個と道具8個となる。
--戦車用アイテム枠は牽引車にも適用され、なおかつ牽引車は重量制限の対象外なので、牽引車を回収用だけでなくアイテムタンクとしても活用できる。

-アイテム類のぶっ飛んだネーミングセンスも本作の特徴の一つ。
--武器ひとつとっても、最初のうちは「パチンコ」や「ショットガン」といったありふれたものだが、やがて「ばくれつノコギリ」「リモコンスパナ」「ドラゴンスプレー」といったものが登場。クレアテックとの共同開発ではあるものの、デコゲーらしい独特なネーミングセンスが光る。特に「はらきりソード」に至ってはぶっ飛び過ぎて命名者の正気を疑うほど。

-各地で入手できるアイテム「レンズ」を組み合わせて攻撃力や範囲を調節できる「レーザーバズーカ」も存在する。
--各地に散らばる''使用用途不明のアイテムを組み合わせて強力なアイテムにする''と言うシステムは、次回作以降も「LOVEマシーン」や「量子ドール」等、形を変えて採用されている。

***金銭
-本作は全滅に対するペナルティが一般的な他RPGとは異なる。セーブした場所まで戻されることもなくそのまま主人公が復活して再開する。お金が半額になるということもないし、アイテムも経験値もそのまま。
-''ただ、戦車だけは全滅した場所に置き去りにされるため回収に苦慮することになる。''これが大問題であり、例えばダンジョンの奥深くで全滅してしまうと、当然ながらそこまで戦車を回収しに行く事になる。
--回収を容易にするための手段としてレンタルタンクという戦車貸出業者が存在する。装備は固定で積み替えは一切不可。レンタルそのものは無料だが、借りている間は戦闘後の獲得Gから一台につき25%がレンタル料金として徴収される。''また、パーツが一つでも破損すると強制的に乗り手を見捨てて帰還してしまう。''
--このゲームは戦車に頼って戦う場面が大半なので、大切にするべき戦車を粗末に扱うと痛い目に遭う、という事を実感させてくれる。決して軽々しく全滅していいゲームではない。
---シリーズが進むと「戦車や仲間の回収が容易な代わり、全滅する時はあっという間」といった別ベクトルのゲームバランスに徐々に移行していくため、「戦車の大切さ」と「全滅の重さ」は本作ならではと言える。
--仲間も行方不明になるが、何故か全滅した場所ではなく、出会った場所にいる。
--詳細は後述するが、リオラドに常駐している人物「Dr.ミンチ」によって蘇生が無料かつ無制限に行える。ただし任意の場所で味方を蘇生させる手段は隠しアイテム的な扱いである。

***オプション
-自分が今まで倒した敵のカウントが表示される。ただ後述する種別ごとのカウントとなっており、さすがに個々のモンスターの撃破数は参照できない。
-ゴールドチャイムという所持金管理システムがある。これはあらかじめ金額を設定しておき、所持金がその金額に達すると効果音で教えてくれるというもの。普通は装備品などの購入額を知らせる目安として使うのだが、プレイヤーによってはパスワードを記憶するメモ帳代わりに使うという変則的な使用方法も。
-戦闘中でもラジオのON/OFFでBGM再生を、アニメのON/OFFで武器の攻撃モーション表示を切り替えられる。当時のRPGとしては優秀な設計。

***インテリア
-各地のインテリアショップで家具を購入し実家に贈ることができる。視覚的に豪華になるだけで実益はなく、ほとんど趣味の領域だが、ハンターとして稼げるようになったことを実感できる。
--またジュークボックスやゲーム用の筐体に限り自宅でも遊べる。

***その他
-酒場ではお金を払って酒が飲める。町によって銘柄が違うというこだわりよう。
--ちなみに飲酒によるステータス変動などのメリットは無く、本作時点ではまだマスターや客から情報を聞き出すといったことが出来ない(後のシリーズでは情報を聞き出す要素などが追加されている)ので、完全なお遊び要素である。逆にデメリットも「若干の出費がある」という以外は一切ないため、安心して無駄遣いができる。ほろ酔い気分(のつもり)で戦車を転がし狩りに出るのもいい。%%「何、飲酒運転だ?知った事か、上等だ!がががーっ!」%%
-町や一部のダンジョンには自動販売機が設置されており、買い物も可能。しかもルーレット方式による景品つき。
--電源はどこから確保しているのか、商品を誰が補充しているのか、そもそもタイルパックのように巨大なアイテムをどこに収納しているのかなど気になる点はあるが。

**モンスター
-生物系の「バイオニック」、ロボットやメカなど機械系の「サイバネティック」、そして戦車を含む車両や大型兵器の「タンク」に大別される。
//ビックキャノンやダストフランケンもタンク系なのでこの表現に
-本作を語る上で欠かせないのがモンスターデザインを担当した漫画家・山本 貴嗣(やまもと あつじ)氏の存在である。ポリタンクに足が生えた「うろつきポリタン」、全身金属製のカバで口内に火砲を備えた「カバガン」、多脚型爆弾とでも言うべき「カミカゼボム」、火炎放射器を抱えサングラスをかけたサル「サルモネラ一家」、頭脳を改造されたパンツ一枚のマッチョ戦士「マッドマッスル」…など、個性的で奇天烈なモンスターを数多くデザインしメタルマックスの独自性を確立させた。
-ファミコン末期の作品だけあって、ドット絵の完成度もかなり高い。
--戦闘アニメでは発射エフェクトも凝っており、例えば砲弾やミサイルはグラフィック上でも砲門の部分から発射されるという細かいこだわりが光る。

***賞金首
-一般的なRPGのボスに相当する敵キャラとは別に、賞金首という強敵が存在する。大半はストーリー上倒す必要がない敵だが、多額の賞金がかけられており、撃破すれば賞金が進呈される。本作の作風を体現する要素である。
--賞金首は名前と姿を記したポスターが町などに掲示されており、荒廃した世界の雰囲気作りに一役買っている。さらに賞金首を倒し賞金を受け取ると、ポスターに大きく「済」のハンコが押される。これにより住人の台詞が変化する場合もあり、ちょっとした優越感を味わえる。
--前述のオプションで撃破した時のレベルも記録されるため、思い出に浸る以外にも「いかに極端なレベルで倒した記録を残すか」という遊び方もできる。

**BGM
-作曲は門倉聡が担当。メタリックなイメージの通常戦闘曲「バトル」、ゴキゲンな「勝って!買って!駆って!」、哀愁漂う「流れ者の歌」、ハイテンションでポップな「Dr.ミンチに会いましょう」など良曲揃いで現在に至るまで人気が高い。
--賞金首とのバトル時の「おたずね者との戦い」((ただし、本作においては賞金首以外も含めたボス一般の戦闘BGMである。))は名曲と評価が高く、後発のシリーズ作品でも使用されている。
---また撃破時には''専用のBGM''で戦闘が終わる。
--フィールドBGMも、人間時は伸びやかなイメージの「未知の荒野へ((題名は『メタルサーガ~鋼の季節~』予約特典付属のサントラより。当時はサントラが発売されず、実に15年ぶりに正式な曲名が判明したことになる。))」、しかし戦車に乗るとワイルドな曲調の「戦車でバンバン」に変わるというこだわりも秀逸。
//MM3初回特典にもサントラは付いたが、鋼の季節のほうが先
-町のBGMが2種類、ダンジョンBGMが3種類もあり、かなりの大盤振る舞い。
-酒場などにある「ジュークボックス」でBGMを再生することもできる。

**シナリオ
-自由度の高いシナリオも魅力。
--主人公はクルマ修理屋の息子。ハンターになりたいと願うも、人間地道に生きるのが一番と激怒した「とうちゃん」から勘当されてストーリーが始まる。ハッキリいってそれ以降ほとんど制約はない。
--一番最初の戦車の入手やビックキャノン撃破等の行動範囲が制限される箇所もあるが、そういった部分以外は自由に動き回ることが可能で、前述の賞金首も順番に倒す必要はなく強力な装備を先の街で整えたりして挑むことも可能。
--仲間は2人いるが、加入は必須イベントではない。最後まで完全な一人旅を通すことも可能。
---リメイク版のリターンズでは各地を行き来できるダンジョンの追加によって更にイベントに関する自由度が上昇した((当然、そこにたどり着くまでのフラグは満たす必要がある為に完全に自由ではないが))。
--終盤の町「カナベル」で特定のイベントが発生すると、なんと最初の町「リオラド」に道がつながる。一周して故郷に戻ってくるという一風変わったマップデザインである。

-あまりにフリーダムなマルチエンディング制。
--エンディングを見るための条件は『とうちゃんと会話し「引退」コマンドを選ぶ』。これだけ。
---冒険談を携えて父親に報告するという終わり方はある意味妥当ではあるのだが…。~
しかしこのコマンドはいつでも、それこそ''ゲーム開始直後でも''選択可能。良い意味でフリーダムすぎる。
--勿論、冒険の内容によってエンディングにも変化がある。ラスボスを撃破していなければ真のエンディングは見られない。

#region(そして真のエンディングでは…。ネタバレ注意)
-前述の通り舞台は荒廃した未来であり、そうなる原因を作ったラスボスを倒しても世界はすぐに再生することはない。モンスターを生み出す全ての元凶を破壊したことによって、主人公たちは人知れず世界の救世主になるのだが、本当に「人知れず」である為にその事は誰も知らないという形でシナリオは締めくくられる。今でも「世界の崩壊を食い止める」「ラスボスを倒して世界崩壊の未来を変える」といった結果が目に見える形で示されるシナリオが多くを占めるRPGで、このような静かな終わり方はかなり異色。
--ラスボスを倒した上で堂々と引退し、家族の元へ帰った主人公の顛末についてはその目で確かめてほしい。
//エンディングメッセージによると、(ノアの破壊によって)世界を救ったと明言はされているのでちょっと修正
#endregion

**キャラクター
-クレアテックとデータイーストの共同開発作ではあるが、本作もデコゲー。つまり、登場人物はいずれも曲者ぞろい。
--主人公の父こと「とうちゃん」は勘当したと言いつつも何かと面倒を見てくれる。戦車パーツが壊れていればどれだけ破損していても''全てタダ''で直してくれる。また受け取ってはもらえないがこづかいをあげることもできる。
---全滅してしまった場合もとうちゃんが後述のDr.ミンチの所へ運んでくれる。例えラストダンジョンの深層部で倒れたとしても。
--一方「ねえちゃん」はいつでも温かく主人公を迎え、毎回とうちゃんには内緒でタダで泊めてくれる。そんなねえちゃんのタンスからタオルを失敬して、いつでも匂いを堪能することもできる。……こう書くと主人公ってかなりアレだ。
--仲間キャラクターが死んだ場合、リオラドに住むマッドサイエンティスト・Dr.ミンチのお世話になる。彼は死体を生き返らせる研究に没頭しており、そのやり口は電気ショックをかけるというかなり乱暴なもの。ちなみにこの電気ショック、いつ成功するかはランダムである(失敗した場合は成功するまで繰り返す)。
---死体以外には興味がないらしく、生きているメンバーを選択した場合は「''なんだこの死体は!'' ''まだ生きとるじゃないか!'' 」という台詞(名言?)を口にする。
--真紅の戦車を駆る凄腕ハンター「レッドウルフ」は会う度に気障な台詞を吐いてくれる。序盤では彼に助けられるイベントが発生し、その後も何度か出会うことになる。いつか越えるべきライバルというべきか。
#region(しかし…(ネタバレ注意))
--しかしながら、彼はストーリーの途中で悲劇的な結末を迎える。彼の愛車「レッドウルフ」は以降プレイヤーの乗車となるのだが、その生き様は多くのプレイヤーに強い印象を残した。後のシリーズでも赤い戦車レッドウルフは何らかの形で必ず登場しておりシリーズ恒例の戦車となっている。
---そして「レッドウルフ」の恋人を助けに行くこれまた印象深いイベント。彼女に貴方がどんな対応をとるのか、そして彼女がどんな運命を辿るのかは、プレイヤーの手に委ねられている。
---ちなみに「レッドウルフ」と初遭遇するイベント戦闘で逃走すると重大なバグが発生する。普通のRPGの感覚ではイベント戦闘で逃げるという発想に至らないプレイヤーが多いだろうが、本作では賞金首との戦闘で逃げられるケースが多いので、2周目以降で陥りやすいバグである。
---さらにレッドウルフと最後に遭遇するイベントである条件を満たすと、通常レッドウルフが負けるはずの強制戦闘で何とレッドウルフが勝ってしまう。これが起こると重大なバグが発生する為注意されたし。
#endregion

--戦車パーツ屋の主人はなぜか「○○アル」とエセ中国語でしゃべる。何かを売りつけた場合「ちょっと傷んでるアル」と、元の値段の3/4の値段で買い取る。ちなみにその店で買ったばかりの新品を売っても「ちょっと傷んでる」などと言ってくれる。どういうことなの……。
//--シャシー改造屋のメカニックは戦車を愛しており''「女の子」''扱いする、いわゆるメカフェチである。表現が「いじらせてくれ」とか「穴を開ける」とか……ちょっとアブない。あげく、限界まで改造した戦車をさらに改造させようとすると「この子が壊れちまう。やめようぜ」と制止してくれる。
//戦車を自分の子供のように可愛がっているので「子」で呼んでいるだけでは…? あと「穴をあける」はゲームに限らず、常用表現です。
--トランクルーム(預かり所に相当)の係員は丁寧な口調なのだが、レンタルタンクの装備を預けようとすると「''きかなかったことに してやる あそこの クルマには てをだすなよ わかぞう!''」と恐ろしい口調で忠告される。レンタルタンク屋の正体が実は相当に恐ろしい物であることを暗示しており、いまだにその実態についてファンの間で話題となっている。

#region(ラスボスもまた、衝撃的(?)※ネタバレ注意)
-ラスボス「ノア」はいわゆる「人間に反旗を翻したコンピューター」であり、それほど目新しい題材ではない。しかし、高い知性に裏打ちされた韻文的な台詞回し、そして地球への執着という人間臭さが個性的であり、他の類似例とは一線を画している。
--ノアはラスボスでありながら、状態異常「混乱」に耐性がない。こいつに混乱効果を与える「パニック弾」を撃ち込むと、あろうことか''混乱するラスボス''を拝むことができる。(固定型コンピューターなのに)「ノアははしりまわっている…」などと表示された挙句(固定型なのに)逃走、あるいは自爆してあっさりラストバトルが終わる事も。こんなアホな末路を迎える可能性があるラスボスなどRPG史上でもこいつ位しかいまい。
--「地球の行く末をシミュレート続けた結果狂ったコンピューター」という設定を考えれば、混乱耐性がない点については納得できないこともないか? %%でも逃げ出すなよw%%
#endregion

**埋蔵アイテム
-大量のお金やその時点で売られていないアイテム、非売品があちこちに埋められている。更には''戦車''までもが埋まっている。
--埋蔵場所は殆どがノーヒントだが「きんぞくたんちき」等のサーチアイテムがあるために比較的見つけやすく、かつ発掘するのが面白くなっている。
---基本的にバランスブレイカーとなりうるものが多い反面、「入手しなくても通常プレイには影響が少ない」というバランスの為に入手する/しないの選択が行いやすい。

**問題点
-戦車修理屋の意味が薄い。
--各地の修理屋(有料)に頼らずとも、前述の通りとうちゃんが破損/大破箇所をすべてタダで直してくれるため。もっともそのためには毎回最初の街まで戻らなければならないが、ドッグシステムを手に入れればその煩雑さもほぼなくなる。
--ただし初心者救済などの意味もあり、後発のシリーズでも必ずスタート地点には無償ですべてを修理してくれるキャラクターが存在する((ただし作品によっては「知人や親戚であってもあえて特別扱いはせずしっかり金を取る」「何度も直すと有料になる」といった形で意表をついてくる事もある。))。

-戦車のデチューンができず、改造して重くなったシャシーを軽くする方法がない。
--一応改造前に「戻せない」と警告はされるが、戦車によっては武装を外したり最強のエンジンを積まないと装甲タイル0(シャシーのみ)でも動けなくなる可能性がある。
---シリーズを追うごとにデチューンを含め自由度が増していくのだが、本作時点では前述の通り。

-シャシーが大破した場合の修理費用が凄まじい。
--序盤で戦車をうっかり壊そうものなら4桁近くのお金を請求されてしまう。こうなると新車を手に入れるまで放置するか、いっそリセットしてしまった方がマシ。
--もっとも、父ちゃんの手にかかれば無料で修理は可能。これが問題になるかはプレイヤーのこだわり次第。

-重戦車の冷遇
--基本的に戦車には穴さえ開いていればあらゆる兵器を装備できる。100ミリ以上の巨砲だからといって重戦車にしか搭載できないわけではない。
--よって、最初に入手できる(と言うより入手しなければ先に進めない)豆タンクの「モスキート」等、序盤に入手できる軽戦車(?)の方が入手が楽で守備力と重量のバランスも良いため、重戦車は駐車場に放置される事が多い。
---守備力自体は最終的に重戦車の方がかなり高くなる。守備力を増やすとさらに重量も増えるために装甲タイルを貼れる枚数は減るが、守備力が高いと「低い攻撃力によるダメージ」をカットする能力が劇的に高まる上に、高い攻撃力の攻撃のダメージ自体もかなり減らせる。さらに、タイルが尽きても破損しにくくなるので総合的にはかなり頑丈にはなる。ただしそこまで強化するには、軽戦車とは比較にならないほどの改造費用が必要となる。
--メンバー3人に対して戦車は8台も存在する。後半の重戦車を入手出来る時期には、いくつか取り逃していたとしても既に人数分の戦車を所持している可能性が高く、既存の戦車でも改造で守備力を高めていれば当面は防御面に問題は無い。さらに入手法が困難な物もあるので使うのは趣味の領域になる。
--特に「パンサー」は悲惨、というよりほぼ雰囲気作りのための存在。
---ストーリー上行く必要のまったく無い洞窟の地下に埋まっている上に入手直後は大砲しか積んでおらず、守備力も微妙で重量も無駄に重い。『2』の「エレファント」((こちらは装備はあるが入手がラスボス戦前と言う点で使われにくい。))と比べても良いほどの扱いの悪さである。
---ただし、パンサーは地中に埋もれているのを掘り返して手に入れる戦車であるため、劣化していて当然という解釈ができなくはない。また、入手場所のダンジョンをくまなく調べると大砲以外のパーツも発見でき、とりあえず自走可能な状態にすることはできるようになっている。3台目に入手することができる戦車であるため、次の戦車入手までのつなぎとしてなら十分に活用することができる。
--ただし、スペックが優秀で入手が比較的楽な事とイベント上での扱いの良さ等で魅力の多い「Rウルフ」、入手に大金が要るがビックキャノン撃破直後に入手する事も可能な「タイガー」等、実用的な重戦車がまったく無いわけではない。あくまで性能の差が激しいだけでどの戦車でも改造や装備次第で賞金首やラスボスと十分戦える。
---また、グラフィック関連は改造で変更できず、本作の時点では色の変更も出来ない。ある意味「全てにおいて万能」と言える戦車や改造は存在しないと言える。

-金銭バランスの悪さ。
--戦車が入れない屋内で賞金首と戦う場面もあり、金欠にも関わらず人間装備まで整える必要が出てくる。この上高価な戦車装備も整える必要があり、やりくりが厳しい。中盤辺りでは物価がどんどん上がるのに新しい賞金首が少ない状態となり、さほどの大金を持っているわけでもないザコを相手に稼ぎで長く時間を取られやすい。
---ただし、前述されている通り''必ず倒さなければならない賞金首は存在しない''のでとりあえず先に進み、強力な装備を手に入れてから戦うのもあり。
---厳密にいうと、そこそこの金額を持ったザコは常にいる。ただし場違いに弱いザコも、強いくせに報酬の少ないザコも多く出るため効率よくは稼げない。
--終盤に入るといきなりザコからの獲得資金が跳ね上がり、一挙に金が余りだす。賞金首の数や報酬額も増加し、中盤の長い金欠期間が嘘だったかのよう。極端すぎ。
--『リターンズ』では中盤に多く追加賞金首が配置され、中盤の資金問題は幾分緩和された。

-プロテクターの仕様が不便。
--人間装備のうちプロテクターは安価な割に守備力を大幅に向上させるが、高い攻撃力を持った敵の攻撃を受けると破損して「プロテクタくず」になる。つまり使い捨てアイテムである。このために予備のプロテクタを所持するのが常套だが、ダンジョンなどで新しい装備を見つけた場合、予備のプロテクタが邪魔になってしまう。
--高い攻撃力を持った敵からの攻撃を受けても必ずしも一発で破損するとは限らず、ある程度は持つ。ただし、どういう条件で破損するのか分かり難い。守備力に対して一定以上のダメージを受けると壊れやすい模様だが、ゲーム中にそのヒントは無い。
--なおプロテクターが破壊された場合、その攻撃ではダメージが発生しない。戦闘中の再装備も可能なので、強敵戦では防具欄を意図的に「安価な低性能プロテクターで埋める」という高度な戦術もある。
--プロテクタくずは買い取りを拒否されるため売却不可。本作においては一切の使い道がない、文字通りの「くず」。この状態になったら捨ててしまおう。

-水増し感が漂う戦車装備
--攻撃力に差があまりないのに、口径の数値と値段くらいしか違いが無いマイナーチェンジ的なパーツも多い。兵器としてはリアルといえばリアルであるが、「ここで買うより我慢して次の町で装備を整えた方が得」ということも多々ある。
--またSEは「弾薬費の高さ」「装弾数の少なさ」「主砲に劣る攻撃力」「重量」の関係上、今作では文字通りの「お荷物」になってしまう。
---一応ステータス画面や攻撃時のグラフィック等が変わっていたり独特な物もあるのだが、純粋な強さを求めると最終的には価格が手頃で軽量な「205ミリキャノン(主砲)」「20ミリバルカン(副砲)」辺りを装備してSEは穴も開けないと言った改造になる。
---SEの弾薬費は、本当に尋常でなく高い。金持ちの雑魚集団へたった一発撃ち込んでも、その収入より弾薬費の方が高くつくくらい。攻撃力こそやや高めで、攻撃範囲も広めのものが多いとはいえ、弾薬費に加え本体も高価・重量も重いといった悪条件にはまるで見合っていない。
---ちなみにレンタルタンクは弾薬がフル装填された状態で借りられるので、うまく使えばSEを安価に連発できる。
---身も蓋もない使い方だが、他のパーツが破壊されるリスクを分散するためだけに装備するという手もある。
--その割に、本作最強の副砲「サンダーストーム」がレンタルタンク専用であり正規のプレイでは自分のものとして入手出来ない問題もある。本シリーズのフリーダムなデザインセンスを鑑みると「副砲にロマンを見出すプレイヤー」がいることも想像に難くないため、惜しい点である。

-あくまでRPGらしからぬ「戦車で敵を蹴散らす爽快感」を重視しているため、''戦車に乗っている状態なら''戦闘バランスは甘め。よほど性能の低いパーツでない限り、一つ二つ程度なら町をすっ飛ばして進めても負けないし最悪逃走を繰り返して進んでも問題ない。シャシーが大破すると戦車から降ろされるが、戦車には最大6つのパーツがあり、一度の攻撃で壊れるパーツは最大でも1つなので、余程の事が無い限りシャシーは大破しない。
--バランスブレイカーなアイテムもそれに拍車をかけてしまっている。1発10Gで敵の命中と回避((この作品の命中と回避はダメージにも反映される為に結果的に攻撃力と防御力を高める事にもなる。))を大幅に減少させ、無効化されない「えんまくだん」、会心の一発(クリティカル)を高確率で発生させる特殊砲弾「ホローチャージ」など。
---もっとも、これらのアイテムのおかげで低レベルプレイや賞金首撃破等のやりこみもできるので単純な欠点とは呼べないか。
-一方で人間状態での戦闘は中盤以降かなり厳しくなる。非常に固いタンク系をはじめ、こちらをほぼ即死させる威力の攻撃を放つモンスターなど、戦車搭乗を前提としたバランスのモンスターと生身で戦わなければならない事が多く、結果として戦車搭乗時と比べて大幅に緊張感のある戦闘となる。上手い調整かバランス放棄と見るかは人それぞれ。
--回避率を大幅に高める「えんまくはなび」、破損と引き替えにダメージを無効化する装備品の「プロテクター」が命綱となるが、持てる数は限られる上に自分にしか効果がなく、完全に攻撃を防げるわけではない。
--そもそも終盤の雑魚モンスターは異様な守備力を持つものが多く見られ、「えんまくだん」や「ホローチャージ」を使わないとほとんどダメージすら発生しないケースが多い。ハンターのレベルが上がれば通常砲撃でもダメージが通るようにはなるが。


-''序盤の強制ボス「ビックキャノン」の異常な強さ''
--激しい砲撃((この砲撃、なんと砲撃地点だけではなく周辺(上下左右)マスにいても余波でダメージを受けるという設定である。少しは自重してください。))をかいくぐって敵の懐に潜り込まないとそもそも戦闘できない為に戦闘前に確実にSPは0になり(生身だとミンチ送り)パーツ破損のリスクが高い中で戦う事になる。幸いにして戦闘時には砲撃を使用してこないものの副砲の攻撃力も高く2回行動で配置してある2体と同時に戦闘するので1ターンに4回攻撃され、あっという間に「パーツ破損→大破→戦車が使用不能になり脱出→人間が蜂の巣になって死亡」となることも珍しくない。~
おまけにこのボスと戦う時の状況は賞金首は2体で資金も乏しく、改造屋も強力な装備、特殊砲弾も無く戦車も2種類しか無い(1つは主砲が撃てない)為にゴリ押しも抜け道も通用せず、今作屈指の難所となっている。
---一応、対策はありビックキャノンに接近すれば砲撃は止むので戦闘直前に「タイルパック」で応急措置を施して、モスキートに「てっこうだん」を積んでビックキャノンのパーツを破損させて攻撃ミスを誘発させてこちらのパーツ破損までのターン数を引き伸ばしながら攻撃を加えていくと言う方法がある。~
尤も序盤という事で資金もそれ程無い状況なので財布には大変厳しく((更に嫌がらせのごとくビックキャノンは1Gしか落とさないので確実に赤字になる。))、そもそもこの方法を用いても「勝率が上がる」だけで純粋に運とキャラクターのレベルがモノを言う戦いであるので歯応えだけならラスボスをも上回るとの声も。
---この「ビックキャノン」、ラストダンジョンでも接近するまでに砲撃を仕掛けてきて、内部で戦うことができるが、その頃にはこちらが大幅に強化された事もありかつての悪戦苦闘が嘘のように弱い存在となり、むしろラストダンジョンに進む時に装甲タイルを剥がす『鬱陶しい存在』に落ちぶれることを追記しておく。
---その後の「関所」的ポイントは「抜け道」が多く存在しており、例えば『近場のイル・ミグラの町で場違いに強力なレンタルタンクが借りられる(船着き場のワルゲリョ戦)』『アイテム「えんまくはなび」を有効活用すれば人間状態でも戦える(ヘルゲートのロボポリス戦)』といった感じである。この事からも、ビックキャノン戦の難易度がいかに高いかがわかるかと。



-牽引対象の車両のみを指定して切り離すようなコマンドがないため、切り離すには全員クルマから降りる必要がある。
--車両の乗り降りや牽引車に関するコマンドは、シリーズが進むほど洗練されていく。ただ、初作である本作の時点では少々不便。
---次回作以降では戦車で降りれないポイントを通ろうとすると自動で降りたり、コンフィグ設定でボタン一つで乗り降りが出来る様に洗練されていった。
//↑方法があるなら修正お願いします

-操作性があまり良くない。
--全体を通してキーレスポンスが悪く、ボタンを押してもすぐには反応しない。やり込み要素が多いゲームだけに長時間やっていると嫌でも気になる部分。後続作品をやった後だと尚更強く感じるだろう。
---またこのために、以下のような一手間二手間かかる箇所がなおさら鬱陶しく感じられてしまう。
--ザコ戦における「主砲」コマンドが微妙に邪魔。デフォルトでは主砲にカーソルが合うようになっているが、実際に多用するのは弾数制限のない「副砲」の方なのでコマンド選択に余計な一手間がかかる。
---主砲そのものを取り付けなければ、デフォルトのコマンドが「副砲」となりこの問題だけは解決する。しかし最も戦車を多用するだろう主人公(ハンター)の戦車に、主砲を積まない選択肢はほぼ有り得ないだろう。ザコ戦でも主砲を撃ちこみたい局面は多々あるし、フィールド上にだって賞金首はうろついている。
---主砲の代用としてSEを使うという手もある((副砲とSEのみが搭載されている場合も、デフォルトのコマンドは「副砲」になる。))が、SEは前述の通り性能面でかなり不遇。こと弾薬費がとても高いので、うかつに頼ると赤字がかさむ。また主砲が載っていないと特殊弾薬も撃てなくなる。
--生身の方が強いソルジャーを、1ターン目に車から降ろすのもやはり手間がかかる。こちらは「補助」((右下隅に配置されており「主砲」コマンドから遠い。))⇒「のりおり」と二段階の入力をしたうえで、あらためて「攻撃」を選ぶ必要がある。

**総評
FC末期に発売されたこともあり、本作の売上は決して多くはなかった。~
しかし自分好みにカスタマイズした戦車に乗って戦えるシステム、非常に高い自由度、独特の世界観や台詞回しと言った要素はプレイヤーを強く惹きつける力があった。

その後本作はシリーズ化して認知度を上げ、より多くのファンを獲得することになる。

**その後の展開
-続編の『[[メタルマックス2]]』がスーパーファミコンで発売された。舞台は異なるが、本作の世界観を引き継いで正当進化を果たした作品である。Wiiのバーチャルコンソールでもプレイ可能。 
--また、2に限らず本作のモンスター続投や一部キャラクターの(繋がりや設定の明言されない)再登場など、ある種のスターシステムのような側面も早速2から始まっている。

-スーパーファミコンで本作をリメイクした『メタルマックスリターンズ』が発売された。グラフィック、操作性等が大幅に向上し、アイテムや賞金首等が追加されている。

-データイースト倒産後はアスキーが権利を引き継ぎ、ドリームキャスト用ソフトとして『METAL MAX WILD EyES』が発表されていたが、諸般の事情によって開発は中止された。
--インタビューによると開発自体も難航していた模様である。
--キャラクターやBGMなどの要素は、後のシリーズに活かされているようだ。

-その後は版権の事情により、『メタルマックス』のタイトル自体が長らく使用不可能となっていた。
--シリーズ復活は絶望視されていた中で、本作のシステムや世界観を色濃く受け継いだ『[[メタルサーガ>メタルサーガ ~砂塵の鎖~]]』シリーズがリリースされた。
--なお『メタルサーガ ~鋼の季節~』の特典として本作のサントラCDが付属したことを上で述べたが、この時点ですら『メタルマックス』という名称は使用不可能であったようで「メタルの源流」という表記に留まっている。

-現在はエンターブレインが版権を正式に取得、『3』『2R』『4』と正当な続編・リメイクが作られている。

-『[[メタルマックス4 月光のディーヴァ]]』の有料DLCにて、本作(もしくはリメイク作『メタルマックスリターンズ』)の主人公が「はんた」名義でゲスト参加を果たしている。
--はんたのキャラボイスを担当しているのは、4主人公「ヒナタ」も担当している下野 紘氏。
---なお、下野 紘氏はDLC抜きでもランダム発生イベントのボスとして幾度と無くゲスト登場する2:リローデッド男ハンター主人公「ケン」役までも兼任しているため、歴代シリーズ主人公を一人三役で演じるという世にも珍しい状態になっている。
--はんた以外にも賞金首も数種類が4への参戦を果たしているが、こちらもほとんどがDLC。DLCでの追加賞金首はストーリーの本筋に関係無い存在に留まる。


-本作そのものも、Wiiおよび3DSのバーチャルコンソールで配信されておりプレイ可能。『2』及び『R』もWiiのみだが配信されている。
--タイトル画面等におけるコピーライト表記が配信開始時のエンターブレインのものに変更されているが、それ以外は基本的にファミコンでの内容そのまま。
//2改には敢えて触れないでおいたが編集はご自由に


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