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ピクミン - (2017/06/28 (水) 19:53:07) のソース

*ピクミン
【ぴくみん】
*Wiiであそぶ ピクミン
【うぃーであそぶ ぴくみん】
|ジャンル|AIアクション|&amazon(B00005QTTT)|&amazon(B0002K742U)|&amazon(B001IBHTGI)|
|対応機種|ニンテンドーゲームキューブ&br()Wii|~|~|~|
|発売・開発元|任天堂|~|~|~|
|発売日|【GC】2001年10月26日&br()【Wii】2008年12月25日|~|~|~|
|定価|【GC】7,140円&BR()【Wii】3,800円(どちらも税込)|~|~|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()【WiiU】2017年6月21日/2,700円|~|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|~|
|>|>|>|>|CENTER:''[[ピクミンシリーズリンク>ピクミンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
未開の地((地球によく似ており、我々にとって身近な植物や日用品も見られるが動物は奇妙なものばかり))に降り立った主人公オリマーを操り、偶然出会ったその土地の生物「ピクミン」と共に星を探索するゲーム。~
開発当初はN64で企画されていたのだが、ハード性能上たくさんのピクミンを連れて行けないということで、よりハード性能の高いGCに繰上げされたという経歴を持つ。

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**ストーリー
>主人公オリマーは、会社の有給休暇を使って気ままな宇宙での一人旅を楽しんでいた。~
しかし、宇宙船に隕石が激突するアクシデントが発生し、未知の星に不時着してしまい、~
その衝撃で宇宙船のパーツが各地に散らばってしまう。~
しかもこの惑星には猛毒の気体が充満しており、生命維持装置のバッテリーが切れるまでのわずか30日間で~
宇宙船のパーツを回収して脱出しなければならない。
>
>途方に暮れるオリマーは、偶然その星の生物「ピクミン」と出会った。~
なぜか自分に協力してくれるピクミンたち。オリマーは彼らの力を借り、宇宙船のパーツを集め脱出することを決意した。

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**シリーズ共通の特徴・評価点
-とにかくその直感的でありながら嫌味がなく非常に奥の深いシステムは高く評価された。
--特徴的な姿をしている「ピクミン」という生物達を主人公が指揮し、敵キャラを倒させたり宝などの物の運搬をさせるという単純なゲームシステムだが、これが本当に良く出来ている。
---まずピクミンの融通の利き具合がすごい。壊れる壁に押し付けるだけで壁を壊してくれたり、物に押し付けるだけで物を運んでくれるなど、プレイヤーのしてほしい事をそのまましてくれる。行動を決定するコマンドなど全くなく、難易度こそハードだがかなりとっつきやすい。
---主人公単体では敵にパンチして微量のダメージを与える程度しか出来ないので、戦闘や運搬などはすべてピクミンに行わせなければならない。
--敵がこちらより大きいことや、耐性の無い攻撃を食らうと1発でピクミンは死ぬこと、特殊な攻略法が必要な場合があるなど、戦闘はなかなかの緊張感があり、ピクミンだけを放置すれば容易にクリアできるような生ぬるいものではない歯ごたえがある。


ピクミンは3色存在し、それぞれ違った個性を持っているのでうまく使い分けることが攻略のポイント。
//やたらに色文字にすると見づらいので削除。
-赤ピクミン
--火に強い。また、攻撃力が高いので戦闘で活躍する。シリーズ通して最初に出会うという特徴も。
-黄ピクミン
--高く飛ぶ。高所のアイテム回収や対空戦で役に立つ。爆弾岩を扱える。
-青ピクミン
--溺れない。地味に架橋作業や壁の破壊などの工作が早いという利点もある。

-秀逸なゲームバランス。1は発売から10年経過してようやく6日クリアが確立され、そのゲームバランスの緻密さが改めて認識された。

-攻略の自由度の高さ
--ピクミンを一匹も死なせない無犠牲プレイや最低匹数である85匹((国内版で一番重いパーツの重量))、最短日数である6日クリアや葉ピクミンのみと言った縛りプレイも可能。
--理論上、作業分担・色替えギミックなどをフルに使えば85匹縛り・ピクミン無犠牲・全パーツ回収・6日クリアすべてを満たした条件でのクリアも可能([[実際にクリアした例>https://youtu.be/2K6FdzhPhQY?list=PL8krakCdC_69Iqf_Q-69GcSCbwRX0KKw5]])。

-グラフィックは文句なしにGC最高レベル。下手なWiiのソフトと比べてもはるかに美麗といえるハイクオリティであり探索意欲をこれでもかと沸き立てる。
--背景は自然の美しさをほぼ完全に表現できており、その作りこみは文句なしの一言。キャラクターのグラフィックも小さいピクミンから巨大な生物に至るまで精密に作られている。

-よほど警戒しないと容赦なく死んでいくピクミンや、本作におけるバッドエンドなど、なかなかハードな展開も多い異色作でもある。

-魅力的な世界観が丁寧に構築されている
--本シリーズは物凄く設定が凝っている事でも有名で、ほぼ全ての生物に通称と和名と詳細な説明が設定されているといった徹底振り。生物の外見も現実に登場する生物をモチーフにしたようなものから植物と融合したような生物や無機物のような生物まで豊富、様々な考察がなされている。
--時間制限やピクミンという名前の由来についてもしっかりとした理由付けがなされている。
--本作では一日を終える度にオリマーが書いた日誌を読むことが出来る。この日誌も非常に凝っており、その日に起きた出来事、出会った生物、ピクミンについての考察、船の修理状況などをオリマーの目線から読むことが出来る。
---なんと全くパーツを集めずに日数を進めた時のみ見られる専用のテキストまであり、オリマーが精神的に病んで行く様が生々しく語られる。興味本位で何もせずに一日を終え続けた結果、遭難28日目の日誌に唖然としたプレイヤーも…。

-音楽は『[[スターフォックス64]]』などで有名な若井淑氏が担当しているが、どちらかというと派手に主張するような音楽ではなく、環境音楽である。だがピクミンのゲーム性を考えると下手に主張するような音楽だと集中が途切れてピクミンが死ぬという事も十分考えられるためこの判断は正しいといえる。
--だが一貫して環境音楽に徹しているのかというとそうでもなく、単体で聞いても中々味のある完成度の高い楽曲ばかり。
---他のゲームではまず聴けないような物凄く独特なサウンドが特徴であり、かなり前衛的な音楽である。
---さりげなく戦闘時とお宝運搬時と通常時でBGMが自然と切り替わるという仕掛けも。

-ピクミンをとことん楽しみたいという人のために「チャレンジモード」も存在している。
--1のチャレンジモードは、本編で挑戦したステージに入り、1日でどれだけピクミンを増やせるかを競うもの。
---ステージこそ本編で登場したものだが、敵などの配置はチャレンジモードのオリジナルである。
---当然本編でいけるようになっていないステージでのチャレンジモードは行うことはできない。
---終了時には生きているピクミンの総数がスコアとして記録される。極めれば、マップ上のすべてのものを回収して理論上最高のスコアを出すこともできる。

-キャラクターも非常にかわいい。主人公のオリマーやピクミン、敵キャラのチャッピーなどはかなり愛嬌のあるデザイン。フィギュアも発売されていた。

-本作は最後に集めたパーツの数によってEDが分岐する。
--脱出に必要な25個のパーツを回収で通常ED、全コンプで真EDだが、最終日に必要なパーツの内1つでも足りないと……。

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**賛否両論点
-CMの親しみやすさとかわいらしいキャラクター達とは裏腹に、非常に高い難易度がライト層から批判された。
--ストーリーの都合上時間制限がある((上述のように30日の制限があるのだが、ゲーム内時間での1日が13分30秒程度であり、30日だと合計6時間45分しかない。))ため、ピクミンの増殖・マップの把握・原生生物の撃破・オブジェクトの破壊・パーツの回収などを上手くやりくりする必要がある。
---もっとも、慣れれば一日に複数のパーツの回収することも容易であり、一日一個ペースでも全回収可能ではある。
--ピクミンの異常な死にやすさ
---ちょっと目を離した間にあっけなく捕食されてしまったり、溺れたり燃えてしまうとすぐに呼びかけないと死んでしまう。更には触れるだけで死亡する生物((投げつければ攻撃は可能))などの存在から仮に時間制限が無くともかなりの難易度。死んで覚えるゲームとも言われた。
--だがその一方でただキャラ萌えできるゲームでは終わらせないやり応え満点なゲーム性からユーザー層に構わずハマる人が続出。一撃で死なないピクミンはピクミンじゃないと言われることも。

-ステージ数が少ない。
--5ステージあるがそのうち2ステージはあまり広くない最初と最後のステージ。
---ただしステージ自体はどれも絶妙に調整されており、作りこまれている。
---どのステージも端から端まで探索する必要があるうえ、残りの3ステージは広いためステージ数の少なさもあまり感じさせない。しかし少ないことは確かであり、人によっては物足りなさも感じられ易い。

-オリマーやピクミンといったキャラクターが可愛い反面、敵キャラはチャッピー系除いて生物らしさ全開。当然グロイ敵もいるため、人を選ぶ側面がないではない。
--もっとも、まがりなりにも未知の星の生物なんだから全て無難なデザインでどうするんだという意見もある。

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**問題点
-『2』以降に比べピクミンのAIが賢くない
--ゲームの都合もあるので一概に問題ともいえないが、『2』以後や移植版との違いを考えるとスタッフが問題と判断したらしいピクミンの行動例。
+勝手に物を拾う(Cスティック操作や投げを一切しておらず、ただ通り過ぎただけで運べるものを見つけると運んでオニヨンに持っていこうとする)
+橋で広がったまま渡る(大人数で渡ると周辺の個体が水にそのまま入って溺れてしまう)
+実がなってないペレット草も攻撃(特にオニヨン周辺にある初期の補給用に配置されているものを出てきた直後に攻撃して枯らすなど)
--いずれもWii版では『2』の仕様になっており操作性は改善された。

-ピクミンの死亡に関するバグが多い。チャッピー系やイモガエル系辺りの生物にCスティックで突撃した際に、死亡判定の出る攻撃を受けていないにもかかわらずいつの間にか死んでしまっている、という現象が頻繁に発生する。
--ピクミンを投げて攻撃させた場合はほぼ発生しないが、(ピクミンの数次第とはいえ)これらの生物はピクミンを投げるよりもCスティックで一気に囲む方が圧倒的に早く対処できるため、やり込み勢からは不評を買っている。
-一部の橋やスロープの下に潜り込むと、連れていたピクミンが死んでしまうことがある。後述のWii移植版が特に顕著。

-カメラ操作が少し緩慢。
--これについては『2』で改善された。

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**総評
その直感的かつ奥深いゲーム性は1作目からすでに完成されていた。おかげで本作は一躍人気シリーズになることとなった。~
難易度こそ高かったものの、ステージ構成は相応に練られていたため決して理不尽な難しさでないことが評価されやり応えの向上に貢献した。~
グラフィックなど他の要素も高水準であり、大きな問題点も見当たらず非常に洗練されている。~
間違いなくGCというハードを代表する傑作である。難易度の高さに敬遠していても今ならWiiUのVCが発売されているため一度手にとって遊んでみるべき作品といえよう。

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**Wii移植版について
-オリジナル版では対応していなかったワイド画面に対応し、視野が広くなった。
-Wiiリモコンを用いたピクミンの投げつけや隊列移動は直感的に行えるが、ある程度の正確さが要求される原生生物への投げつけで暴投しやすくなった。GCコントローラにも対応していないので慣れるには結構な時間がかかる。
--投げつけ距離自体は伸びているのでGC版以上に有利な面もある。
--仕様変更により、GC版での一部のテクニックが使用不能、あるいは使いづらくなった。例えば「高速投げ」など。
-Wii版『1』は運搬先のオニヨンの数字の色が変わったり、ピクミンを投げる際に十字ボタンで色替えが出来るようになったりと『2』での改良点が一部フィードバックされている。
--この他、一部のSEが変更されたりと細かい変更点は多数存在するが、ストーリーに違いはないのでどちらを買うかで迷う必要は無い。

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**余談
-よく本作の誕生秘話のひとつで「宮本茂が自宅の庭の蟻を見て思いついた」というものがあるが、実際は宮本氏がゲーム雑誌等のインタビュー向けに分かりやすく言い換えた表現である((蟻のエピソード自体は氏の少年時代と関連している))。
--本当は自身が作っているものを整理するうちに、「これは蟻として作るのが一番良い」と考えたから、と上記の対談で明かされた。 

-本作はGCの最初期に発売された作品であり、ユーザーに対してGCの性能を見せ付けるという役割を見事に果たした。無論今見ても決して見劣りしない。
--ちなみに後日ピクミン1匹に使われているポリゴンの数は実は「スーパーマリオ64」のマリオのポリゴンより多いという衝撃の事実が発覚している。

-本作のCMソングとして流れた「愛のうた」はテレビニュース等でも取り上げられた。聞いたことだけはあるという人も多い。
--基本的にはピクミンの気持ちを歌った歌だが、独特の哀愁漂う曲調や歌詞が日々働くサラリーマン達の気持ちにシンクロしていたこともあり、サラリーマン達の間でCDシングル版が飛ぶように売れたという逸話がある。
//---最終的にCDシングル版はゲームの売り上げ50万本を大きく上回る90万本を達成。一応言っておくが当時あまり普及していなかったGCで50万本というのはかなり驚異的な売り上げである事も付け加えておく。
//テーマ曲のCDの売り上げとゲームの売り上げを比較するのはなんか違う気が。
--なお、テーマ曲とはいえ、あくまでCMソングであり本編では一切流れない。(Wii版ではタイトルデモで流れるようになっている。)
--『2』では5色全てのピクミンを各20匹ずつ連れ歩くことでこの曲を口ずさむという小ネタがある。

-Wii Uやニンテンドー3DSの引越しツールでピクミン達が登場する。この時のピクミン達は本体データを運ぶという役割を担っている。

-[[大乱闘スマッシュブラザーズX]]に「オリマー&ピクミン」が参戦。近年の新作からは唯一の参戦で、同作屈指の癖のある性能を誇る色物キャラ。なお、最新作『for』でも無事続投している。
--これにより、BGMもいくつかアレンジされている。ただしそのサウンドゆえにステージBGMはほとんどアレンジされず、アレンジされた楽曲の数はそれほど多くはなかった。
---ちなみに「愛のうた」も収録されている。何故かフランス語バージョンもあるが。