*1943 【いちきゅうよんさん】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|1M+64KROMカートリッジ|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|不明|~| |発売日|1988年6月20日|~| |定価|5,300円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |ポイント|思い切ったアレンジ|~| |>|>|CENTER:''[[カプコン19シリーズリンク>カプコン19シリーズ]]''| **概要 アーケード『[[1943 ミッドウェイ海戦]]』(以下原作)のファミコン移植版。~ 移植にあたって大胆なアレンジが施されており、『1943改』とは異なる調整を施された作品である。~ **変更点 -2人同時プレイが廃止され、シングルプレイ専用になった。タイトル画面にもその旨が書かれている。 -原作は大日本帝国海軍が敵だったが、架空の国となっており、それに伴い、敵艦の名前が三国志の武将の名前に変更されている。 -ステージ数が16→24に増加。原作の最終ステージに相当する16面をクリアすると…。 -自機をカスタマイズする事が出来、ポイントを使用して、RPGさながらに「攻撃力」、「防御力」、「特殊武器」、「エネルギータンク」、「特殊武器」、「武器使用時間」に割り振って自機を強化させる。 --これに伴い、原作ではスコアアイテムだったトンボとタケノコを取得する事でポイントを取得し、自機を強化できるようになった。取り逃すと後半が厳しくなる為、毎ステージで見つけておきたい。 -原作で隠しスコアアイテムだった「タル」や「象」などにも武器やエネルギーの回復効果が付加され、重要な存在になった。 -宙返り後にエネルギー消費無しで、メガクラッシュが発動するようになった。この為、原作では影が薄かった宙返りも使用されるようになった。 -一定時間、ショットボタンを押し続けることで使用武器に関わらず、レーザーが発射できるようになった。 --当然、原作に比べると威力は落ちているが、武器を使い果たして弱体化した状態でも逆転を狙えるようになった。 -ゲームオーバー時に表示されるパスワードを入力する事で、最後に到達したステージから再開できる。 **評価点 -原作ではなかった、ステージによる背景の変化(夕暮れ、朝焼け)が存在する。 -自機のカスタマイズにより、原作よりも戦略性が増している。序盤に特殊武器のレベルを抑えてPowアイテムを素早くエネルギータンクに変えるようにする…といった事が可能。 -武器の調整が行われているが、バランスは比較的良好。 --原作で使えない武器だったショットガンはパワーアップさせる事で前方に通常弾を放ちつつ、敵の弾を消す弾を扇状に放つという調整がされており、~ 攻撃しつつ回避が可能となる改善を受けた。ただし威力は高くないため、それ一辺倒で全て立ち回れるわけではない。 --3WAYはボタンを押し続けることである程度、自動連射が働くようになり、攻撃をしつつレーザーの溜め撃ちが出来るという本作のアレンジにあわせた調整がされている。 --レーザーが標準装備となった。 ---それなりに特殊武器のレベルが必要となる他、出現させるまでに結構な撃ち込みが必要なため、原作改ほど他の武器の存在を食っていない。 -ボス出現時の演出が秀逸 --艦隊戦の最後になると、BGMがおどおどしい物に変化し、海面がフェードアウトしてから画面全体を使って旗艦が出現する。~ ボスも原作に負けず劣らずのサイズで出現し、ハードの制約をうまく演出でカバーしたものと言える。 **問題点 -処理落ちがかなり激しい場面も存在する。 -システム上仕方ないが、ステージの途中でカスタマイズのために進行が止められる。 -後半のステージになると、通常の雑魚敵ですら一撃で落とせない耐久力を持つようになり、連射機が必要になってくる。 -ゲームオーバー時のコンティニューはステージの最初からやり直しになる為、クリアできない場合はひたすらリトライを繰り返す事になる。 -ステージ数が増加したが、焼き直しのステージが多い為、間延びした感がある。 -カスタマイズによる強化はかなりの影響をおよぼすので、「エネルギータンク」や「武器使用時間」を疎かにするとあっという間に息切れする。 -エネルギーが残り少なくなった時にBGMがピンチ時のものに固定される。1ループが短い単調な曲な為、聞き続けると滅入ってくる。 -原作から「空中戦B~艦隊戦B(扶桑や飛龍ステージのBGM)」に相当するBGMが削除された。 -一度、カスタマイズするとポイントの再振り分けは出来ない為、極端な割り振りにして詰まった場合は最初からやり直す事になる。 -やはり最終面にあたるステージではパスワードが表示されないため、非常に厳しい。 --また、そのステージもボスラッシュ的な構成となっている為、非常に長丁場となり、ゲームオーバーになると堪える。 -架空の敵が相手になったため、原作や史実が好きな人には盛り上がりに欠けるシチュエーションになっている(大和→トウタクなど)。 **余談 -本作が発売されるにあたってCMが作られたが、その内容が''ゲーム画面の上を赤子が浮遊しまくる''という謎のモノだったため、妙にシュールかつ印象に残る。 #region(妙にキャッチーなCM) &u2b(http://www.youtube.com/watch?v=YASUplXxSME) #endregion **総評 自機カスタマイズ機能や、パスワードコンティニューといった意欲的なアレンジを加え、~ その他、調整された点も遊びやすさや爽快感についてよく考えており、原作からの劣化部分を感じさせないような作りとなっている。~ 操作感も前作のファミコン移植((そもそも今回はマイクロニクスが関与しておらず、かと言ってカプコン内製か外注かどうかも分からない模様。))とは異なり、スムーズに動くため、非常に遊びやすい。 原作を遊んだ事がない人でも、とっかかり安い、作品となるだろう。