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ニンジャガイデン - (2021/06/21 (月) 21:21:03) のソース

本項ではXb用ソフト『ニンジャガイデン』と、アップグレード版である『ニンジャガイデンブラック』に加え、リメイクであるPS3用ソフト『ニンジャガイデンΣ』及び、『Σ』の移植であるPSV用ソフト『ニンジャガイデンΣプラス』を紹介します(判定は全て「良作」)。

|CENTER:''[[忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ]]''|
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#contents()
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*ニンジャガイデン(NINJA GAIDEN)
【にんじゃがいでん】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B00006RT68)|~|
|対応機種|Xbox|~|~|
|発売元|テクモ|~|~|
|開発元|テクモ(Team NINJA)|~|~|
|発売日|2004年3月11日|~|~|
|定価|7,800円(税別)|~|~|
|備考|同年8月にDLC「ハリケーンパック」&br;が無料配布 ※現在はDL不可|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
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#center(){{
 &big(){''凄すぎて 何が悪い。''}
}}
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**概要
2Dアクションゲーム『[[忍者龍剣伝]]』を、海外タイトルである『NINJA GAIDEN』の名で3Dアクションゲームとして復活させたもの。同作に引き続き主人公を務める超忍「リュウ・ハヤブサ」の活躍をハイスピードアクションでスタイリッシュに描く。~
ディレクター(兼プロデューサー)は、テクモが誇る開発チーム「Team NINJA」の創設者であり、『[[DEAD OR ALIVE]]』(DOA)シリーズを手がけたことで有名な板垣伴信氏((オリジナルの『忍者龍剣伝』には関わっていない。))。~
製作期間は4年であり、開発の動機は『[[ゼルダの伝説 時のオカリナ]]』をプレイしたのがきっかけと板垣氏は語っている。~

本作には「打撃」「投げ」「捌き」といった『DOA』シリーズの要素が、3Dアクション風にアレンジされた上で組み込まれている。リュウ・ハヤブサも『DOA』シリーズには初代から出演している。~
なお、第1作である無印版『NINJA GAIDEN』は開発陣にとっては満足のいく出来ではなかったらしく、後にDLC「ハリケーンパック」によるアップグレードがなされ、ネット環境がないユーザへの配慮としてDLCの内容を含めたアップグレード作品『NINJA GAIDEN Black』も翌年9月に発売された。

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**ストーリー
>「隼一門」の若き忍者リュウ・ハヤブサは、太古に存在したと言われる超生命体「龍神」の血を受け継ぐ、「龍の一族」の末裔である。彼は、修行のため不在の父ジョウ・ハヤブサに代わり、一門の拠点である「隼の里」を護っていた。~
~
そんなある日、ドーク重鬼卿率いる「神聖ヴィゴル帝国」の軍団が突如として里に現れる。ヴィゴル帝国の狙いは、里に封印されている伝説の魔刀「黒龍丸」であった。黒龍丸を渡す訳にはいかない―魔刀を護らんと出撃するリュウであったが、凶悪な力を持つドークの前に敗北。多くの同胞達が殺され、魔刀は奪われ、リュウも重傷を負ってしまう。~
~
時は経ち、ドークに負わされた傷も癒えた頃。リュウは、忍者衆「影一門」の頭領ムライの協力でドークの所在を掴む。ドークへの怒りに燃えるリュウは、奪われた魔刀黒龍丸を取り戻すため、殺された同胞達の無念を晴らすため、神聖ヴィゴル帝国へ乗り込むことを決意する。

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**ゲームシステム
***基本システム
-主人公リュウ・ハヤブサを操作してヴィゴル帝国を探索。行く手を阻む敵を排除し、仕掛けを解きながら進んでいく。
--リュウには体力と気力(忍法の使用回数)の概念が存在し、体力が0になるとゲームオーバーとなる。
-ゲームは全16のチャプターで構成され、チャプター1から16までを順に攻略していく。
-チャプターごとに、敵の撃破数、入手エッセンス(お金)、残り気力に応じたランク付けがされる。最低は「忍犬(NINJA DOG)」で、最高は「超忍(MASTER NINJA)」となっている。
-プレイヤーの行動(制限時間内に敵を倒す、特定の技を決める、高評価でチャプタークリア等)に応じて、カルマ(スコア)が蓄積されていく。
--ゲームクリア時のカルマをXbox LIVEを通じてネット上のスコアボードに登録、他のプレイヤーと競い合うことができた(現在は不可)。
-難易度は「NORMAL」「HARD」「VERY HARD」の3つ。「EASY」に該当する難易度は存在しない。
--DLC「ハリケーンパック」を適用することにより更に難しい難易度への挑戦が可能。

***その他
-敵が死亡時に落とすエッセンスは、お金となるイエロー、体力回復の効果があるブルー、気力回復の効果があるレッド、の3種類が存在する。
--ヒット数が増えるごとに黄色エッセンスの取得量が増え、20ヒット以上、もしくは絶技で敵を倒すと確定で黄色エッセンスが出現する。
-「殲滅戦」と呼ばれる大量の敵と戦うイベントが特定の場所で発生する。出てくる敵の数は「NORMAL」で60、「VERY HARD」ではなんと100。
-『DOA』シリーズからあやねが登場している。ただし、ストーリーはパラレルなため『DOA』とは世界観的な繋がりは無い((『DOA』や後の『Σ2』だとはち切れんばかりの大きな乳房を激しく揺らして戦っているあやねだが、本作ではそこまで胸元は強調されておらずセックスアピールはかなり控えめである。そういった部分でも『DOA』とはパラレルだと言えるだろう。))。また、「あやねのクナイ」が要所で出現し、プレイヤーに攻略に役立つテクニックや謎解きのヒントを教えてくれる((ちなみにあやねを登場させた理由は板垣氏曰く、必要以上に世界観を共有させたくなかったが『銀河鉄道999』と『キャプテンハーロック』くらいのつながりはあったほうが楽しいからとのこと。))。
--ただ、後年になると作品によっては当然のように共通の世界であるかのような描写が出てきたりと、世界観の境界が曖昧になっている節があるが…((一応、設定上の時系列は『NINJA GAIDEN』→『龍剣伝』→『DOA』という感じの流れにはなっている。))。
---少なくとも『NINJA GAIDEN』シリーズにおいて『DOA』とストーリーが明確にパラレルだとされているのは、本作とそのリメイクである『Σ』だけである。
-「ムラマサ像」と呼ばれる銅像がマップのあちこちに存在し、銅像を通じてアイテムの購入と武器の鍛錬を行うことができる。
-「黄金のスカラベ」と呼ばれるアイテムが柱の陰や部屋の隅等に落ちており、一定数集めるとムラマサ像で貴重なアイテムを貰うことができる。全50個。
-『忍者龍剣伝』同様、ゲーム全体を通して''忍ぶ要素は一切ない。''これは歴史上の諜報員としての忍者ではなく、あえて「''欧米で勘違いされているヒーロー忍者''」をイメージして製作したため。

**アクション
()内表記は技のコマンド。
***基本操作
-弱・強の2種類の近接攻撃、遠距離攻撃、ジャンプ、ガード、裏風、忍法の5つが基本操作となる。

''攻撃(X,Y,B)''
-近接・遠距離攻撃は、装備中の武器(メニュー画面から選んで1つを装備する)によって繰り出すアクションが異なる。
--近接攻撃はボタンを押す順番、スティック操作、ディレイ入力等により、繰り出すアクションの性質が変化する。
--遠距離攻撃は「手裏剣」「風魔手裏剣」を除き攻撃回数(弾数)に限りがある。弾は一部のオブジェクトやショップから入手可能。

''ジャンプ(A)''
-ボタンを押すだけだと垂直、スティック操作を併せると任意の方向にジャンプする。
-飛ぶ際にほんの一瞬だが無敵時間があり、一部のトラップや敵の攻撃のすり抜け等に利用できる。

''ガード(LT)''
-ボタンを押し続けている間、ガード可能な状況であれば敵の攻撃をガードする。
--攻撃モーション中でも、ボタンを押し続けていれば攻撃モーションをキャンセルして敵の攻撃をガードすることも可能。
-「投げ技」に分類される攻撃はガードできず、ボス等の強力な攻撃を受けるとガードを崩される(ダメージを受けるかは攻撃によって異なる)。またそもそもガードできない「ガード不能技」も存在する。

''裏風(LT+スティック)''
-スティックを倒した方向へ回避行動を取る。ガードできない「投げ技」や「ガード不能技」にも対応できる。
-ただし無敵時間が発生するのは回避モーションの最初の方だけで、モーションの終わり際は完全に無防備である。
--回避のタイミングを見誤ると、敵の攻撃をモロに受けてしまう。
-裏風後の硬直はジャンプでキャンセルすることができ、裏風→ジャンプ→裏風→…と交互に出すことで高速移動が可能(通称裏風ジャンプ)。
--裏風ジャンプは、ボス戦において非常に重要となるテクニックである。

''忍法(X+Y)''
-術の書を習得し、装備することで使用可能になる強力な攻撃。使用するには気力ゲージが必要。
-忍法は鬼火・火炎・氷刃・百雷の4種があり、鬼火の術以外はレベルが存在する。レベルは「魄封珠」というアイテムを使うことで上げられる。最大レベルは3。
-忍法を使用するとほぼ全てのアクションをキャンセルすることができ、鬼火の術以外は使用中は完全無敵なので回避手段としても活用できる。敵によっては有効な物もあるので上手く使い分けていくのが重要となる。

***テクニック
-先述の基本操作以外に、立ち回りに役立つテクニックが多数存在する。

''絶技(Y押し続け)''
-凄まじい威力の一撃、もしくは連撃を放つ「無敵技」で、死亡した敵が落とす「エッセンス」を吸収して放つ。
--DLC「ハリケーンパック」により、エッセンスが存在しない状況でも実行できるようになった(ただし、かなり長い溜め時間が必要になる)。
---これにより、エッセンスを吸収して放つ絶技は''絶技引導''と呼ばれるようになった。
-エッセンスの吸収量に応じて、繰り出される絶技の強さも変化する(2段階まで強化可能)。
-動作中は無敵であるため、敵の行動一切を気にすることなくぶっ放すことができる。また無敵であることを利用し、敵の攻撃の回避にも利用できる。
-ただし、絶技の発動前に長い構え動作(動作中は無防備)が発生するというリスクも抱えている。

''着地絶技(着地した瞬間にY)''
-着地硬直をキャンセルして絶技を出すというテクニック。絶技との違いは構え動作が発生しないこと。
-絶技の欠点をフォローすることができるが、その性質上狭い部屋や通路では実行し辛い。

''飛鳥返し攻撃(壁に向かってジャンプ→A→XorY)''
-落下の勢いを利用して真下の敵に強烈な一撃をお見舞いする「無敵技」で、壁を蹴って高く跳躍して放つ。
-初心者でも比較的簡単に実行できるアクションで、かつ威力も高い。絶技同様、無敵であることを活かして敵の攻撃の回避にも使える。
-ただし、壁が存在する場所でなければ実行できず、攻撃範囲も自分の真下及びその周囲を限定されてしまう。
-元を辿ればシリーズの源流であるAC版『[[忍者龍剣伝>忍者龍剣伝 (AC)]]』から登場している技である。

''捌き(敵の攻撃をガードした瞬間にXorY)''
-敵の攻撃を受け流しつつで反撃する「無敵技」で、俗に言うカウンター。
-ガードから即座に攻めに転じることができる。本作における超重要アクションであり、この捌きが実行できるか否かで戦闘の難易度も大きく上下する。
--捌きによる反撃後、通常の近接攻撃で追撃することも可能(龍剣であれば、捌き → 飯綱落とし)。
-この手のアクションにしては珍しく入力ミスによるペナルティが存在しない。さすがに連打では出ないが、弱攻撃と強攻撃ボタンを交互にぽちぽち押すだけで発動することも。
--無論そんなに甘くは無く、いわゆる「投げ技」や「ガード不能技」は捌くことはできない。またガードそのものを崩された場合も捌きは実行できない。

''風路(敵の頭上でA)''
-「かぜみち」と読む。敵の頭を踏み台に、空中でもう1度ジャンプする。踏み台となる敵さえいれば風路から風路に繋ぐことも可能。
-『[[デビルメイクライ>デビルメイクライシリーズ]]』シリーズにおける「エネミーステップ」と似たようなもの、と認識してもらって良い。
--ただし、操作や見た目が似ているだけで、その性質はエネステとは全く異なる。
-踏み台にされた敵はしばらく無防備になる。そのため、風路直後に繰り出す空中攻撃は多くの敵にとって「回避不能技」となる(例外もある)。

''首切り投げ(敵の頭上でY((『Black』ではX+Aに変更されている。)))''
-敵の首を掴んで前方に放り投げる「投げ技」で、動作中は敵のガードによって防がれない。
-威力は並だが、発生が非常に早くガード不能で敵に回避され難い。また動作中は無敵であるため、敵の攻撃の回避にも使える。
-風路と同様に、立ち回りや攻めの起点として積極的に使っていくことができる。
-これも同じくAC版からの登場。

''手裏剣キャンセル(手裏剣を装備した状態で、近接攻撃直後にB)''
-手裏剣の発生、硬直の切れが早いことを活かしたテクニック。
-硬直の切れが遅い近接攻撃をフォローするのが主な役割。
-手裏剣キャンセルを利用した近接攻撃は非常に見栄えが良く、コンボの自由度を上げることもできる。

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**評価点
''美麗なグラフィック''
-『DOA』シリーズで実績のあるTeam NINJA製作だけあってグラフィックは文句無しの美しさ。Xbのパワーを存分に使った風景や自然描写は圧巻の一言で、次世代機のソフトと比べても決して見劣りしない出来。
--それでいてほぼすべてのシーンが60fpsで動く為美しくも滑らかでスピーディーな戦いを楽しめる。

''戦闘のテンポが良く、スピード感がある''
-慣れないうちは敵の猛攻に対して何をして良いか分からず戸惑ってしまうが、慣れてしまえば襲い掛かってくる敵を次々に斬り、投げ、捌いて蹴散らしてゆける。
-攻撃を当てたときの演出も派手であり、次々と敵を吹っ飛ばしたり切り裂いていくのは、快感の一言に尽きる。
-覚えるテクニックが多く、咄嗟の判断力が必要な場面が多いものの、操作自体はシンプルに纏まっている。

''戦闘の自由度が高い''
-武器の種類が豊富(龍剣、ヴィゴリアンフレイル、大刀ダビラヒロ、妖刀鬼徹、無想新月棍etc…)で、それぞれで異なった戦闘スタイルを楽しめる。
-ヌンチャク、木刀((ただし、最終段階まで強化すれば強力な武器「天衣無縫」に変化する。))といった「弱い武器」もいくつか存在する。これらだけでクリアを目指してみるのもまた一興。
-全ての戦闘に対してそう言える訳ではないが、敵を倒す手段が豊富。風路で飛び回って敵を翻弄しても良し、首切り投げや捌きで手堅くいっても良し、絶技で一掃する爽快感に酔いしれても良し、手裏剣キャンセルを駆使した超絶コンボに挑んでも良し。プレイヤーの慣れに応じて様々な戦い方ができる。

''エッセンスシステム''
-絶技引導を使用してエッセンスを取得した場合、黄色は取得量が1/5に、回復系は回復が無効になる。そのため、絶技引導に使用するかはよく考える必要がある。
--逆に、絶技で敵を倒した場合は確定で黄色エッセンスが出現し、取得量も5倍になる。そのエッセンスを取得してもよし、それを絶技引導に回して絶技祭りするもよし。
--回復のために使用するか、絶技引導に使用して戦闘を優位に進めるかの駆け引きが熱い。ある意味『NINJA GAIDEN』を象徴する仕様でもある

''やり込み要素が豊富''
-全難易度制覇、スカラベ収集、殲滅戦、評価「超忍」狙いのプレイ等。Xbox LIVEを利用したカルマ(スコア)アタックという遊び方もあった。
-更に条件を満たすと『忍者龍剣伝』シリーズ3作品を遊ぶことが出来る(Xb限定、360ではプレイ不可)。
--残念ながらベースになっているのは評価の良くないSFC版『[[巴>忍者龍剣伝 巴]]』だが、おまけ要素としては豪華な内容と言える。

''世界観''
-忍者が主人公なのだから世界観は和風…ではなく、軍事国家の兵士、魔神といった様々な種類のものが出現する、和もSFもファンタジーもごった煮の世界観となっている。『忍者龍剣伝』のカオスさを受け継いでいる。
--さらに、常人では思いつかないようなデザイン、ネーミングセンス(重鬼卿)といったものがある。それも『NINJA GAIDEN』の魅力ともいえる。
-腕試し感覚で身内同士で殺し合う((最初のステージではハヤブサの叔父率いる影一門の城に乗り込むのだが、ボス戦後にただの手合わせだった事が判明する。しかしそれまで襲ってきた雑魚忍者達は明らかに殺しており、最初のムービーからして見張りの忍者を斬り伏せる所から始まる。))というような『龍剣伝』や『DOA』と比較しても殺伐としたシリアスそのものな世界観だが、地蜘蛛の巻物、一部オブジェクトに対するハヤブサのコメントなど、笑いを誘うものが多い。
--ハヤブサは従来に比べてかなり口数が少なくなっているが、内面の方は饒舌なのかオブジェクトを調べると逐一コメントを返してくれる。そういったものを収集するのもまた魅力である。

''BGM・SE''
-板垣氏の『NINJA GAIDEN』はアクションの妨げにならないようにするためか、あまりBGMが主張してこないように設計されている。しかし空気というわけではなく、雰囲気を盛り上げるのに適切なBGMが使用されており、没入感を高めている。
--BGMそのものも、覚醒アルマ戦など良曲が多い。
-攻撃のヒット音も爽快で気持ちのいいものが使用されている。
-声優も実力派を揃えており、ムービーシーンや戦闘シーンの没入感を高めてくれる。
--特に堀秀行氏が演じる主人公リュウ・ハヤブサの掛け声の迫力は凄まじく、戦闘を大きく盛り上げてくれる((ちなみに、堀氏はアニメ『機動武闘伝Gガンダム』でも"忍ばない忍者"であるシュバルツ・ブルーダーを演じている。))。

''開発陣のユーザに対する配慮''
-序盤はともかく、低難度なら中盤からは回復アイテムを多く持てるため、最悪回復アイテムによるゴリ押しも不可能ではない。
-大型DLCである「ハリケーンパック」が無料。
-『NINJA GAIDEN』の問題点が『Black』で改善されている。視点操作が可能に、「EASY」に該当する難易度「NINJA DOG」を搭載等。

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**問題点
***理不尽な難易度
『忍者龍剣伝』も凄まじい難易度が語り草となっているが、それを踏襲したかのように本作も非常に高い難易度を誇る。~
ただでさえ難易度が高いため慣れが必要なのに加え、慣れるまでのステップを阻害する調整が問題視される。~
中でも肝心の序盤(特にチャプター1)の難易度が苛烈で、初心者プレイヤーから厳しい批判が飛ぶことも少なくない。~
序盤を乗り越え、慣れれば良作に相当する魅力は持っているが、慣れるまでに投げた人が多いのもまた事実である。~

''序盤(特にチャプター1)の問題点''
-ハヤブサが弱い
--初期体力が少なく、忍法はチャプター2、龍剣の強化、重要アクションである「捌き」「首切り投げ」「飯綱落とし」が使えるのがチャプター3以降(難易度によって違う)なので使えない。そんな中で複数の敵忍者を何回も撃破する必要がある。
--チャプター2までは実行できるアクションに大幅な制限がかけられてしまう。初回プレイ時はともかく2周目以降の場合、チャプター3まで戦闘が単調なものになる。

-ムラマサ像(ショップ)が存在せず、回復薬を購入できない。
--一応回復薬は多目に入手できるものの、使い切った場合は回復薬なしで乗り切るか、最初からするしかない。
---回復薬なしで乗り切るのは不可能ではないが、そう簡単ではない。
--また、チャプター2のボス戦前にも存在しないため、最悪詰む可能性もある。

-龍神像(セーブポイント)が中盤まで存在しない。
--このゲームはチェックポイントから再開といった救済措置は無いため、龍神像までたどり着く前に死亡すればまた最初からである。また死亡後にはいちいちチャプター説明が入るため面倒。
---しかも龍神像の前の掛け軸は敵がいる、狭いせいで微妙に入りづらく、その前には落とし穴があるためなかなかたどり着けない。
---強制戦闘自体は少ないので敵をスルーすればいくらか楽になるが、その場合はクリア時の評価に響くカルマを犠牲にする必要がある。

-ヌンチャクを使う「ムライ((リュウ・ハヤブサの叔父であり、父であるジョウ・ハヤブサの弟にあたる人物。))」が1面ボスにしては少し強すぎる。
--簡単に言えばゴリ押しが一切効かない。手裏剣は跳ね返され、飛燕も効かず、闇雲に攻撃してもガードされ、ガードを固めると投げを食らう。遠距離にいれば突進で襲ってくる。
---逆に言えば相手の動きをよく見れば対処は難しくない。ヒット数上限が少ないのでチマチマ削る必要があるが、間合いを取る独特の緊張感が良いという声もある。一応体力を100%削る必要が無いのが救いか。

-''EASYに相当する低難易度は存在しない。''

''序盤以降の難易度''~
ゲーム序盤を超え、ようやく仕様を理解して先へ進めるにも、以下の点で躓きやすい。

-攻撃の硬直を裏風で直接キャンセルすることが不可能
--初心者や、他のアクションゲームをプレイしている人が真っ先に躓きやすい点である。~
ただ、このゲームの防御は裏風によって攻撃を避ける方が重要に見えて、実際は攻撃中にガードを仕込むことによる防御、及びガードを弾かれた際の疾風の方が重要であり、そこに慣れると一気に楽しめるようになる。
---もちろん、ガード不能攻撃を見越して手裏剣キャンセルから裏風で避けるといったテクニックも重要であり、どちらも使いこなす必要はある。ただ、そういった爽快感を阻害する要素が…(下に続く)。

-敵の投げ
--共通してガード、捌き不能なのだが、予備動作が短すぎるため、見てから避けるのは非常に難しい。敵の攻撃をいなして反撃する爽快感を潰してしまっている。
--敵の投げはこちらがガードし続けると発動確率が上がる((厳密にいうとガードボタンを押しっぱなしにしている時点で発動確率が上がってる。))、こちらの着地際を狙ってくるなどある程度規則性はあるものの、結局のところ投げてくるかどうかは運のため、分かってても対処ができない場面が少なくない。このゲームが運ゲーと揶揄される原因の1つでもある((本作の時点では運ゲーに近いものの、運ゲーそのものとまでは言えない。ただ、Team NINJAのゲームはシリーズが進むごとに運の要素を加速させていってるのも事実であり、その極致が『DEAD OR ALIVE 4』や『NINJA GAIDEN 2』の難易度「超忍」である。))。
---このゲームはガードが強力なため、亀戦法を助長させないためにも必要な技ではあるものの、特に乱戦で固められているときに出されると詰みになるのは極端すぎる。

-ガード・回避能力が異常
--このゲームでは被弾時だろうと一定確率で敵が回避、ガードを行うため、適当なタイミングで攻撃を仕掛けてもまず通らない。それどころか、こちらの連携の隙間に割り込んでくることさえある。
--中盤以降で出現する魔神シャドウ(一つ目の悪魔)は高い回避能力を持ち、リュウの攻撃を頻繁に回避するため安易に攻撃を仕掛けられない。

-スーパーアーマー
--中盤以降で出現する魔神ガルラ(恐竜)はスーパーアーマーで仰け反らないときがあり、被弾中でもアーマーで強引に投げ技で割り込んでくる。上記の通り、攻撃モーションを裏風でキャンセル…ということは不可能なので、攻撃中に相手のスーパーアーマーが発動したら確実に反撃を貰うことになる。

-ボスの反撃タイミングが分かり辛い
--一見隙があるように見えて、スーパーアーマーや無敵状態だったりするため、反撃の糸口を掴み辛い。

-中盤からは弓矢によるシューティングを強要される。数こそ多くないものの、主要な場面で難易度が高めなのをいくらかやらされるため、苦手な人は辛い。
--また、所持できる弾数も少ない。要求される場面では弾を取得できる場所が用意されているため詰むことはないものの、いちいち拾いに行かないといけないため乱戦時やボス戦ではストレスになりがち。

''コンティニューの仕様''
-ラスボス以外はいかなる場面であっても、ゲームオーバーになるとセーブポイントに戻される。
--当たり前かと思うかもしれないが、死んで覚えるゲームでこれは不親切と言わざるを得ない。
--コンティニューする際も、いちいちチャプター説明が入るため面倒。

-セーブポイントの配置バランスが不安定
--ボスから極端に離れたところに配置してあるところもあれば、目前に配置してあるところもある。

-それとは別に、チャプタークリア時にセーブがされない点も問題視されている。
--大抵は次のチャプターの開始時にセーブポイントが置かれているが、場合によってはいくらか先に進まないとセーブポイントが無い場合もあり、さらに敵との戦闘もある。特に初心者はボス戦で回復アイテムを使いきっている事が多いのでかなりのプレッシャーになる。
---もちろんそこで死亡すれば前のチャプターのセーブポイントからやり直し。&bold(){セーブするまで油断は禁物である。}~
もう一つ言っておくと、前のチャプターに戻される場合は大抵ボス戦をやり直す羽目になる。
--あるチャプターでそれを利用した初見殺しも存在する。
---あるボスを撃破すると落下して地面が割れ、地下へ進む場面がある。カメラワークから落下し先に進むように促しているが、ここで飛び降りると落下死でゲームオーバーになってしまう~
しかも、ここで死亡すると''前のチャプターのセーブポイント''に戻され、もう一度ボス戦をやり直す羽目になる。しかもセーブポイントからボス戦まで結構道のりが長い上、雑魚も多い。

''チャプター7のアルマ重鬼卿戦直前にムラマサ像が存在しない。''
-アルマはこのゲーム中でもかなりの強ボス。
-回復アイテムがない状態でアルマ戦直前のセーブポイントでセーブしてしまうと、アルマ戦を回復無しで乗り切るか、最初からやり直すしかなくなってしまう。
-どのタイミングでボス戦に突入するか分からない初回プレイにおいて、このパターンに嵌まって泣く泣く最初からやり直したプレイヤーも多かった。
-チャプター16でも似たような状況に陥ってしまうことがあるが、16のボス戦の難易度は比較的低いため回復無しでも突破は容易。もっともその頃にはプレイヤーの腕もかなり上がっているだろうが。

''戦闘以外も高難易度''
-そもそも、戦闘以外で詰まってしまう場面も多い。
--このゲームは一般的なアクションゲームにありがちな一本道ではなく、ウィゴル帝国を回って先へ進むため、フラグ管理が分かり辛い場面があったり、先へ進むための移動方法が難しいといった点が目立つ。

-謎解き・おつかいが面倒
--同じ場所を何度も行き来したり、ノーヒントで仕掛けを解かなければならない場合が多々ある。
--そもそも謎解き自体、楽しめるのは初回プレイのみで、2周目以降のプレイだとただの作業になる。
---何周も繰り返しプレイすることでプレイヤーの腕前が磨かれていくというニンジャガの性質上、この欠点は致命的。
--アクション面での評価が高かっただけに、余計にこれらの要素が(悪い意味で)目立ってしまっている。

-移動の難易度が高い
--お使い要素で面倒なだけならまだしも、仕掛けやフラグを分かっていても、細い道へ進むための操作方法を理解していても、先へ進むのが難しい点が問題視されている。
---戦闘が難しく先へ進めないならまだしも、それ以外となると調整ミスを疑わざるを得ない。
--このゲームのアクションの挙動、仕様は敵との戦闘に重きをおいているため、移動によるジャンプアクションと食い合わせが悪い、おまけにカメラワークの悪さも合間ってストレスがたまりがち。

-高難易度の原因としては、本作の移動とジャンプの挙動が独特であること。
--根本的な話、動きが固く、方向転換する際に思った通りに動かし辛い。これは方向を限定することで戦闘をやりやすくするための仕様ではあるが、移動になると途端に足枷になる。
--本作の移動のメインであるジャンプだが、『忍者龍剣伝』同様に前方に回転しながら飛ぶ性質の為か、前方にジャンプする際は距離が固定という仕様がある。これのせいでジャンプの微調整が難しく((一応垂直ジャンプも可能で、その際は微調整も可能だが、移動距離は短いので先へ進む際は結局前ジャンプ必須である。))、移動が難しくなる原因の1つにもなっている。
---ただ、固定ゆえに挙動に慣れさえすれば着地地点を容易に計算できると言うことにも繋がるが。
--もう1つのメインである壁移動だが、垂直移動が横移動に、また逆も然りで思った通りに動かない場面が多く、また暴発がしやすい。
---困ったことに、壁移動ギリギリでようやく先へ進める、しかもそれを連続で要求される場面もあり、かなり神経を使う。

-ステージ構成も結構嫌らしい
--狭い足場を連続してジャンプで渡る、連続して壁走りをさせるといったステージ構成がある。
---落下したらやり直しのパターンも多く、ストレスが溜まる。やり直しならまだマシで、酷い場合は落ちた時点でダメージを受け続ける。
---最悪の場合は即ゲームオーバーになる場面もあり、総じて「''お の れ 神 聖 皇 帝 !''」と怒りを滾らせたくなるような嫌らしさを誇る。

***その他問題点
''視点操作ができない''
-RTによる視点リセットのみで、スティックによる視点操作が不可能。
-カメラワークもよいとは言えない。これが移動による難易度を無駄に上げている原因ともいえる。

''装備変更・アイテム使用の際、いちいちメニュー画面を開く必要がある。''
-難しいゲームである以上、必然的に回復アイテムを使う機会も多くなる。それ故に、この仕様は少々煩わしい。

''前のチャプターに戻ることができず、また任意のチャプターに挑戦することもできない。''
-特定のチャプターだけを遊ぼうと思った場合、そのチャプター開始時のセーブデータを個別に作っておく必要がある。
--また引き継ぎプレイといったものは不可。後半の武器を序盤で使用するのは不可能。

''エリア移動のボタンが弱攻撃ボタンと同じ''
-敵がいる場合、エリア移動をしたくてもやりにくい場合や、逆に攻撃中にエリア移動をしてしまう場合もある。

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**賛否両論点
''難易度の高さ''
-プレイヤーによって難易度の感じ方は異なり、一般に「難しい」と言われるゲームでもヘビーユーザーにとっては簡単だったり、「普通」とされるゲームでもライトユーザーにとっては難しかったりする。だが、この作品は先述の「難易度の感じ方は人それぞれ」という点を踏まえても''難しい''と言わざるを得ないほどシビアなゲームである。
-初回プレイでは、どんなにアクションが得意なプレイヤーでもクリアまでに何十(人によっては何百)回とコンテニューすることになる。その難しさから最低難易度の「NORMAL」の途中で挫折して投げ出してしまうプレイヤーも少なくなかった。
-一方で、「やりがいがある」「緊張感が保てる」「クリアした時の達成感が凄い」「自分の腕の上達を実感できる」と本作を高く評価するプレイヤーも多い。
--また、一見強すぎて対処のしようがないように見える敵にも、特定の攻撃に対して極端に弱かったり、実は行動パターンが明確に決まっているといった何らかの弱点が必ず存在する。そうした敵の弱点・行動パターン等を研究し、''自分なりの攻略法を編み出す''というのも『NINJA GAIDEN』の醍醐味である。

''敵AIの凶悪さ''
-超反応や連携を利用した、良く言えば歯ごたえのある、悪く言えば理不尽な仕様の敵が多い。
--攻撃パターンが豊富
---チャプター3に登場するMSAT(白スーツの兵士)を例に挙げると、MSATは「発生の早い投げ」「銃撃による固め」「打撃技の連携」の3種類の攻撃を無作為に(実際は「ある程度」パターンが決まっているが)仕掛けてくる。そして、このMSATが複数人でチームを組んで一斉に襲い掛かってくるのである。
-ただそれゆえに一般のアクションゲームでは味わえない戦闘時の緊張感と、それを突破したときの達成感を味わうことができ、上級者プレイヤーから「戦闘が面白い」という評価が上がっているひとつの要素にもなっている。

''死体を延々と攻撃できる''
-このゲームの雑魚敵は、宙に浮いている間は体力が0になっても死亡判定が出ないため、上級者なら延々とコンボすることも非常に難しいが可能である。
--ただ、この仕様のせいで地面に敵がついて消滅するまで雑魚が死んだ扱いにならない。消滅するまでも少し長いため、タイムボーナスを狙う際は地味にストレスとなる。

''ストーリー''
-『忍者龍剣伝』時代はストーリーや演出に力を入れていたが、本作では一転し、ストーリーよりもアクションに比重が置かれたシステムになっている。ストーリーは「ハヤブサが里を壊滅させた連中に復讐する為、ウィゴル帝国を駆け回る」と一言で表せるほど薄い。
--板垣氏は「ストーリーなんぞ敵と戦う動機を与えればいい」と語っており、当初からアクション重視の作風とされていた為、あまり問題視されてはいない。最終的に目的もきちんと完遂するため、クリアによる爽快感はきちんとある。
--ただ、それを差し引いても説明不足や超展開が目立ち、特に中盤になると何故このような場所で戦うのか、何でこんな敵が居てどうして戦うのかといった点で意味不明になる場面が多々ある((ちなみに、これは作中の登場人物にもツッコまれている。))。前述の迷いやすい点と合わせて、本当に進んでいるのか疑問になることも。
---身も蓋もない言い方をすれば、ハヤブサが行き当たりばったりで行動しているとも言える。ハヤブサ自身が『忍者龍剣伝』や『DEAD OR ALIVE』の頃に比べて寡黙であまり喋らないキャラになっているのも拍車を掛ける。
---終盤のハヤブサが魔人化する下りや、神聖皇帝との対決のシーンなどは初見では頭の上に「?」が浮かぶこと請け合い。深く考えず、勢いで流すべし。

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**総評
後に多くのリメイク・移植作品および続編が作られる『NINJA GAIDEN』シリーズの第1作目。ハードが国内では比較的マイナーなXbであったため日本での売り上げは芳しくなかったが、国外では非常に高い評価を受けたため総合的な売り上げは100万を超えた。

敵と対峙した際の緊張感や、難関を突破した時の達成感、絶技や捌きといったテクニックで敵を打ち倒す爽快感等、アクションゲームで重要となる要素ほとんどを兼ね備えており、3Dアクションとして完成度の高い作品となっている。「絶技」「捌き」「風路」といった『NINJA GAIDEN』を構成するアクションの大半がこの時点で完成しており、続編である『[[NINJA GAIDEN 2>ニンジャガイデン2]]』やリメイク作品である『NINJA GAIDEN Σ』にそのまま継承されていることからも、アクション面での完成度の高さが伺える。

しかし、その硬派な難易度と独特の世界観は決して万人受けするものではなく、安易に他人に勧められるゲームでないことも確かである。本作の魅力全てを初回プレイで理解するのは難しく、このゲームを「面白い!」と思えるようになるまでには長い時間を必要とする。良作であることは間違いないが、ゲームを始めてから十数時間は苦しむことを覚悟しなければならない。

一方で続編である『NINJA GAIDEN 2』『[[NINJA GAIDEN Σ2>ニンジャガイデンΣ2]]』は''比較的''簡単で、(アクションゲーム好きなら)誰にでも勧められる良作となっている。
いきなり本作に挑戦するのはオススメできないが、続編の『2』で基本操作を学んでからやれば、存分にその面白さを堪能できる。
ただしゲーム性は似ているようで違うので、それなりに慣れが必要だが。

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**余談
-リュウ・ハヤブサの幼馴染かつヒロインである呉葉だが、実はXb版かつ日本語のみボイスが存在する(リメイク版の『Σ』以降は存在しない)。
--CVは『[[NINJA GAIDEN: Dragon Sword]]』と違い鹿野潤氏、台詞は死に際に勾玉を渡そうとする際の「リュウ…」の一言のみ。
なお、美味しいかつ重要なポジションにもかかわらず序盤で退場してしまうため非常に影が薄い。

-本作が難しすぎるというユーザーの意見は開発陣の耳にも痛いほど入ってきたようで、上記した続編や下記するリメイク作は救済措置を増やす等難易度の調整・軽減が施されている。
--またこのユーザーの意見に対する板垣氏の「''難しいのなら、できるようになるまで頑張れ''」「''上達することも面白さである''」という厳しいコメントが良くも悪くも話題になった((とはいえ、これらの発言はアクションやシューティングといった「自分でキャラクターを操作して戦うゲーム」全般に言えることであり、決して理不尽なことを言っているわけではない。))。
---もっとも、プレイすればわかると思うが本作(ひいては本シリーズ)は''本当にそういうゲーム''であり、事実板垣氏以外にも本作をやり込んだ中級者・上級者プレイヤーは初心者プレイヤーに対してこういった主旨のアドバイスをすることが多い。

-細かい所では矛盾やおかしな点はあるが、本シリーズは『忍者龍剣伝』シリーズの過去とされている。
--シリーズを時系列に並べると『[[忍者龍剣伝GB 摩天楼決戦>闇の仕事人 KAGE#id_9166478a]] (ハヤブサの修業時代)』→『NINJA GAIDEN』→『忍者龍剣伝 (ジョウ・ハヤブサの死、龍剣の消失等)』→ OVA (『龍剣伝II』の後日談) →『DEAD OR ALIVE (DOAへの出場以降)』となる。
--ただ、『[[NINJA GAIDEN 3>ニンジャガイデン3]]』については『忍者龍剣伝』シリーズの未来とも取れる描写がある一方、やはり過去としか考えられない設定も生きている等、矛盾がありハッキリしていない。深く考えるなという事かもしれない…。
--上述した通りリュウ・ハヤブサは本作及び『2』では寡黙なキャラになっているが、元々の『忍者龍剣伝』や『DEAD OR ALIVE』では感情表現豊かでよく喋るキャラである。かつては無口だったが、時を経て饒舌になっていったと言ったところか。
---ディレクターが板垣氏から早矢仕洋介氏に交代した『Dragon Sword』や『3』でもまたキャラが変わっている為、本作のハヤブサは板垣氏の抱くハヤブサ像が強く表れた結果なのだろう。

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*ニンジャガイデンブラック(NINJA GAIDEN Black)
【にんじゃがいでんぶらっく】
|対応機種|Xbox|&amazon(B000A6CIH2)|~|
|発売日|2005年9月29日|~|~|
|定価|4,800円(税別)|~|~|
|レーティング|CERO:18才以上対象|~|~|
|配信|【360】Xboxクラシックス&br;2008年2月11日/1,200マイクロソフトポイント|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|

**概要(Black)
ハリケーンパックの内容の大部分を収録しつつ、敵AI・配置の調整を施し、様々な新要素を追加した『NINJA GAIDEN』の完全版。元々オフラインユーザー向けに制作されている為、『Black』専用のDLCはなくオフラインで一通り遊べるようになっている。

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**評価点(Black)
''イベントシーンの追加''
-いくつかのイベントシーンが追加されており、ストーリーや世界観をより楽しめるようになった。

''あやねのボイス追加''
-「あやねのクナイ」を調べた際、その内容を音読してくれるようになった。

''視点操作が可能に''
-スティックで視点を操作できるようになり、探索がより楽になった。

''難易度の追加、調整''
-前述したDLC「ハリケーンパック01」調整した難易度を「HARD」として収録しつつ、更に敵配置の強化、攻撃力の増加がなされた「VERY HARD」と、そしてさらに上をいく難易度「MASTER NINJA」を収録。
--「MASTER NINJA」は敵配置こそ「VERY HARD」とあまり変わらないものの、敵の攻撃力が更に強化されている。
-「MASTER NINJA」がクリアできれば、一人前の『NINJA GAIDEN』プレイヤーと言えるだろう。

''「MISSION」の搭載''
-特定の条件下で、与えられた任務をこなすというもの。
-いわゆる1つのやり込み要素であり、本編だけでは満足できなかった人向けに、難しいミッションが多数用意されている。
-ミッションのほぼ全てが戦闘で、探索や謎解きといった要素は一切無い。純粋に戦闘だけを楽しむことができる。
-前述したDLC「ハリケーンパック02」は、このミッションの1つとして収録されている。

''「NORMAL」より簡単な難易度「NINJA DOG」の搭載''
-「NORMAL」で何度もコンテニューすると「忍びの道を諦めるか?」という問いが画面に表示される。ここで、「Yes」を選べば「NINJA DOG」へ移行することができる。
-最初から復活アイテムを所持した状態で始まり、ゲームオーバー時に回復アイテムがもらえる等の特典がある。
-「NINJA DOG」移行時のムービーは必見。人によっては怒りを覚えるかもしれないが。

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**問題点(Black)
''改善されていない問題点''
-「装備変更・アイテム使用の際、いちいちメニュー画面を開く必要がある」「謎解き・おつかいが面倒」等。

''ロックオンの改悪''
-このゲームでは攻撃や風路で敵をロックオンしてくれる機能があるのだが、どういうわけか『Black』ではロックオンの優先順位がおかしくなった。
--癖の強いカメラワークや、ボス戦で雑魚が複数かつ何回も出現するようになったのも相まって、事故死が起きる理不尽な場面が増えた。

''無印のおまけ要素である『忍者龍剣伝 巴』が削除された''
-代わりにおまけ要素として初移植となるアーケード版の『[[忍者龍剣伝>忍者龍剣伝 (AC)]]』が追加された。
-ちなみにAC版は、上述の3作とは大きく雰囲気の異なる作品で、本作とも世界観的繋がりは無い。一応、主人公がリュウ・ハヤブサなのは同様((作中で明言はされていないが、お蔵入りになったその続編では同一人物だったと明かされている。))。

''「HARD」以上の難易度におけるチャプター1が異常に難しい''
-チャプター1自体、前述の通り元々難易度が高かったのだが、先述の敵配置変更により高難易度ではより強力で厄介な敵がたくさん出現するようになってしまった。
-極めつけはムライ戦で、ボスの護衛に雑魚敵が2体いる(雑魚敵は倒してもボスの体力を減らせばまた沸いてくる)という極悪仕様。ただ処理するだけでもすごい面倒。
--さらにムライは絶技をガードするので、雑魚から得たエッセンスで一気にダメージを与えるといった戦法は出来ない。
-「VERY HARD」や「MASTER NINJA」のクリアは、チャプター1を突破できるかどうかにかかっていると言っても過言では無い。
--ただ難しいだけならまだしも、難易度曲線でチャプター1がトップにくる(しかも他を大きく突き放す)レベルなのだがら、流石にやり過ぎともいえる。

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**賛否両論点(Black)
''敵配置の凶悪化''
-「HARD」以上の難易度において、敵配置がより凶悪でいやらしいものへと変更された。
-特に顕著なのがボス戦で、''ボスのお供として雑魚敵が複数体出現する''。つまりボス戦がタイマンでなくなった。
--この変更によって、ボスの行動をパターン化し辛くなり、安定して勝つことが難しくなってしまった。事故ゲーだとの意見も。
-ただ、より緊張感のある・歯ごたえのある戦闘ができるようになった、MAX絶技が使いやすくなったという見方もできるので、改悪一択という訳ではない。
-また、難しくなっただけで勝てなくなった訳でもない。忍法や各種テクニックを駆使すれば必ず勝てるようになっている。

''交差の法が未収録''
-ハリケーンパックで収録された技で、タイミングよくガードボタンを押してガードすると、通常ガード不能の攻撃もガードでき、敵にも隙を作れると言うもの。
--使いこなすと華麗に敵の攻撃を捌けて爽快な物ではあったが、ディレクターの板垣氏曰く「プレイが受け身になりすぎる」という理由から削除されるに至った。
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**総評(Black)
無印からハリケーンパックで改良及び追加した点を殆ど入れた為、遊び応えが大幅にアップ。~
現在では360やOneでも遊べるため、Xbox系列でプレイするなら『Black』1択になるだろう。

ちなみに、Oneでプレイするとフレームレートの更なる安定化と画質の向上(フルHD)の恩恵を得られる。今から遊ぶならOneで遊ぶことを検討してみるといいかもしれない。~
流石に今遊ぶと辛い部分はあるものの、完成度が高い凄まじいアクションの数々は今でも見劣りしない。

また、Xboxクラシックスでの配信時はCOLOR(orange){''CERO:D''}(17歳以上対象)であったが、Oneへの対応もあり2019年6月に再配信された際にはCOLOR(red){''CERO:Z''}(18歳以上のみ対象)となっている。

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*ニンジャガイデンΣ(NINJA GAIDEN Σ)
【にんじゃがいでんしぐま】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B000IZEDCI)|~|
|対応機種|プレイステーション3|~|~|
|発売元|テクモ|~|~|
|発売日|2007年6月14日|~|~|
|定価|7,800円(税別)|~|~|
|レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~|~|
|廉価版|PLAYSTATION 3 the Best&br;2008年7月3日/3,800円|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|

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**概要(Σ)
『NINJA GAIDEN』のリメイク作品。主要人物であったレイチェルがプレイヤーキャラとして参戦。また、二刀流の新武器追加され一部敵の弱体化等の変更がある。レイチェル編のチャプターが3つ追加されたためチャプター数の順番がずれているので、ここから『Σ』準拠で記載する。 

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**評価点(Σ)
''グラフィックの質の向上''
-次世代機となるPS3の性能に合わせて製作されたため、元々綺麗だったグラフィックがさらに質が良くなっている。
-ヴィゴル帝国の建物や僧院内部等のグラフィックが、PS3用に描き直されている。

''BGMの追加''
-アルマ、ドーク、ラスボス等の専用曲等が新たに追加された。

''新武器「厳龍・伐虎」の追加''
-いわゆる二刀流で戦う武器。攻撃力が非常に高いが、龍剣ほどの万能性はないというピーキーな性能。これにより戦闘スタイルの幅が広がった。
-序盤に手に入りすぐに強化可能、回転強がヒット数上限の無いボスに強く、飯綱落としが素早く出せる、捌きがドッペルに確定ヒットするなど特定の敵を倒しやすくなるといった点での救済武器。

''一部アクションの改善''
-水面から直接水走りが出せるようになった。

-弓の空中撃ちの追加
--文字通り、弓を空中でも撃てるようになった。これにより『Black』で不評だった戦車やヘリなど弓でしか手を出せない敵の撃破が楽になった。
--地上撃ちに比べて即座に撃てるという利点があるが、威力はやや低下する。

-氷刃殺の術が若干強化された

''アイテムのショートカットキー追加''
-十字ボタンの上を押すことで、メニュー画面を開かずともアイテムを使用することが可能となった。
-十字キーの左右で使用するアイテムを切り替えることができる。
-無印や『Black』ではアイテム使用のために、戦闘中でもいちいちメニュー画面を開かなければならなかった。この機能により戦闘のテンポが更に良くなった。
--本作のみ敵に投げられている最中でも使用できるので((『Black』までは敵の投げ中は中断できない=回復アイテムを使用できない。))、残り体力が低い状態で敵の投げを食らっても生き残れる可能性ができた。これにより若干難易度が低下している。
-ただし、『2』以降と違いアイテムを選択している最中でもプレイ画面が止まらないので注意。

''チャプター2の終盤でドーク戦(と雑魚戦が少し)が追加''
-チャプター2は赤騎馬武者を撃破すればチャプタークリアだったが、その後に、雑魚戦が少しとXb版ではムービーだったドーク戦を実際に戦うことが出来る。このドークは後のチャプターよりも強く、死亡してもストーリーが進む。
--また、ドーク登場シーンがリアルタイムレンダリングムービーで描き直されている。

''難易度の調整''
-全体的に難易度が易しくなるよう、敵の出現数が抑えられたり、敵の攻撃が弱体化される等の調整がなされた。
--またピラミッドなどの一部の仕掛けが簡略化、削除がなされている。
-道中で入手できる回復アイテムの量が増やされる、チャプター3に殲滅戦が追加(稼ぎが可能)、チャプター9のアルマ戦直前にムラマサ像が追加される等の詰み対策も多い。
-歯ごたえが無くなった、という見方もできるが「易しい」というのはXb版に比べての話であり、一般的な尺度で言えば「とても難しいゲーム」のままである。

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**問題点(Σ)
''調整不足を感じられるレイチェルの弱さ''
-''魔神の血を引いているため女性でありながら魔神と互角に戦える程の力を持つ''彼女は本編にて一撃で魔神ガルラを粉砕する怪力を見せつけたのだが、プレイヤーキャラでは一転して攻撃力が低めになっている。
-にも関わらず、攻撃動作が鈍く隙が大きいためコンボを途中で潰されることが多い。被ダメージの大きい高難易度では隙の小さい技を小出ししていくしかなくなる。
--リュウの飯綱落としのような高威力技も無いため、1つの戦闘に結構な時間がかかる。謳い文句である「奥深く爽快な最強ハイスピード・バトル」には程遠い。
-かといって立ち回りが優秀な訳でもなく、むしろ便利なテクニックである「風路」が使えないため、その点でもリュウに劣る。
--「ロールオーバー」という裏風の上位技のようなテクニックがあるため、完全な下位互換ではないが、それにしても劣る部分が多すぎる。
-遠距離武器であるウィップの性能も微妙で、射程・威力・発生速度どれを取っても実用に値しない(空中で使用して着地絶技に繋げる程度)。
-ソーサリー(リュウの忍法に該当)の威力もあまり高くない。
-唯一優秀なのが絶技で、自分中心の範囲技であるため、これを連発するだけで大抵の雑魚敵は沈む。と、いうよりそれ以外の有用な戦法がない。

''プリレンダリングムービー((あらかじめ開発段階で製作された動画。ちなみにリアルタイムレンダリングはゲーム内のポリゴンをリアルタイムに動かしてムービーのように見せるもの。))がSD画質のまま''
-「驚愕の映像美」という謳い文句であるにも関わらず、随所で流れるプリレンダリングムービーが無印及び『Black』の流用。
-ディレクターの早矢仕洋介氏は本作でプリレンダリングムービーを全てリアルタイムレンダリングムービーにすると公約していたが、実現しなかった。
-液晶ディスプレイ等に高解像度で映している場合、ムービーの粗さがかなり目立つ。ゲームパートの方が綺麗という逆転現象を引き起こしている((通常プリレンダリングムービーはそれ用の高性能なコンピュータで製作するためゲームパートよりきれいな映像になる。))。
--当然だが、PS3で書き直された一部建物もXb版準拠なため、一部ムービーでは違和感が強いことになっている。
-クライマックスである神聖皇帝と対峙するシーンや、ラスボス登場シーンまで、SD画質のままであるという始末。
-一方で、チャプター2のドーク登場シーンなどはリアルタイムレンダリングで描き直されており高画質である。全てのムービーをそうして欲しかったという意見も多い。

''装備のショートカットキーがない''
-「アイテム用のものがあるのに、なぜ装備用のものがないのか」という意見が多い。

''ナイトメア(大剣を持つ敵)の改悪''
-タイマンでは攻撃の初段がガードと捌きが可能になり、大幅に弱体化した。
--だけならいいのだが、問題は複数戦。上からガード不能の隕石を降らせる技を画面外からでもやってくるようになった。
---そのため、チャプター15のナイトメア120体殲滅戦(超忍限定)の難易度が異常なまでに上がっている。『Black』では可能だった正攻法でのクリアはほぼ不可能。一応安置があるのでチキン戦法でクリアできるのが救いか。タイムボーナスの規定が7200秒=2時間という長時間なのでこれが前提かもしれない。
---また別の殲滅戦では40体とはいえ、安置無しでの殲滅戦もある。こちらはナイトメアの同時出現を1体に抑えることが一応できる。
-殲滅戦はスルーが可能だが、「VERY HARD」以降限定で本編でもナイトメア複数戦はいくらかあるので、そこだけ難易度が理不尽に上昇している。

''タイムボーナスの規定時間が短すぎる''
-『Black』より短く、一部はどうやっても取得不可能な場所もある。

''ロード''
-Xb版より長く、また読み込む回数も多め。エリア内の移動中に入ることがある。
--場所によっては戦闘中にも入ることがあり、テンポが悪い。アイテムを取得、武器を変更した際にも入ることがある。
--任意のデータインストールをすればある程度マシになるがそれでもXb版に比べると長く多い。

''その他''
-どういうわけかチャプター1の序盤が『Black』よりも敵の総数が増え、難易度が上がっている。

-掛け声の変更
--日本語のハヤブサの飯綱落としなどの掛け声が印象深い「トオー」から気の抜けた「タアー」に変更され、迫力が薄れ劣化している。
---Xb版のボイスは最新作の『[[NINJA GAIDEN3: Razor's Edge]]』まで使い回されているにも関わらず、『Σ』のボイスは下記の『Σ+』でしか使われていない。
//問題点というほどではないのでこちらに移動。
//明らかに問題でしょ、ただ迫力が落ちただけ。

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**賛否両論点(Σ)
''レイチェル編の追加''
-『Σ』最大の売りであるレイチェル編だが、たった3つのチャプターしか存在しない上に、チャプター1つあたりのボリュームも少ない。
--レイチェル編にも問題(先述)が多く、プレイも強制であり、リュウ編の途中に割って入る形で存在しているため、リュウ編だけをやりたい人にとってレイチェル編は苦痛でしかない。

''エフェクトの変更''
-Xb版と比較すると、全体的にエフェクトの透明感が増し、地味になった。
--これを地味になったと捉えるか、視認性が良くなったと見るかは人によって意見が分かれる。

''日本語版の一部ゴア表現のカット''
-ゴア表現のあったムービー((例としてチャプター2の終盤にて忍者の首が切り落とされるシーン等。))が無難なものに変更されていたり、戦闘中に敵(人間系のみ)の首が飛ばなくなった。
-ゲームシステム上、首が飛ぶ=即死であったため、それが無くなったことにより敵にトドメを刺せたか否かの判断が少し難しくなってしまった。

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**総評(Σ)
『Black』までの理不尽な点や問題点を改善し、遊びやすくなったリメイク作品になっている。

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**その後の展開(Σ)
-2021年6月10日にシリーズのリメイク版3作品をカップリング移植した『NINJA GAIDEN: マスターコレクション』がPS4/One/Switch/Winで発売された。同作には『Σ』に下記の『Σ+』の追加モードを加えたものが収録されている。
--なお、未だファンから評価の高いオリジナル版ではなくリメイク版が収録されている理由は、''既にオリジナル版のコードが断片的にしか残っておらず''、オリジナルの移植が困難なためであることが[[公式インタビュー>https://www.famitsu.com/news/202104/02216909.html]]で明らかとなっている。
---ちなみに現在のTeam NINJAはスクウェア・エニックスと共同で、『[[FINAL FANTASY>ファイナルファンタジーシリーズ]]』シリーズの世界観をベースとしたアクションRPG『[[STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN>https://www.jp.square-enix.com/sopffo/]]』を開発している。

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*ニンジャガイデンΣプラス(NINJA GAIDEN Σ PLUS)
【にんじゃがいでんしぐまぷらす】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B005OUJNDG)|
|対応機種|プレイステーション・ヴィータ|~|
|発売元|コーエーテクモゲームス|~|
|開発元|コーエーテクモゲームス(Team NINJA)|~|
|発売日|2012年2月23日|~|
|定価|6,090円(税別)|~|
|レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~|
|廉価版|コーエーテクモ the Best&br()2013年12月19日/2,515円|~|
|備考|PS Vita TV対応|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

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**概要(Σ PLUS)
『NINJA GAIDEN Σ』の追加要素付き移植作品。基本的なインターフェイスは『Σ』と同じだが、メニュー画面のバックが鮮やかな赤から水墨画のようなデザインに変更されている。

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**評価点(Σ PLUS)
''難易度「ヒーローモード」の追加''
-ノーマルでさえライトゲーマーには難しかったことを受け、『NINJA GAIDEN 3』から搭載された「ヒーローモード」が追加。ピンチ時にオートガード、オート回避、忍術使い放題という初心者でも親しみ易い難易度となっている。
--しかし発動には時間制限があり、無敵状態の内に回復を済ませなければ直ぐに死んでしまう((また、回避できるのは敵からの攻撃だけで、ダメージトラップまでは無効化できないので喰らえば当然即死。))為、ゲーム性を壊してしまうほどの低難易度ではない。実際、「ヒーローモード」であっても敵はそれなりに強く、ボタン連打で無双するようなことは出来ない。
//ヌルゲーマーという単語は侮蔑の意味もあるため変更。

''ミッションの追加''
-ミッションモードは「忍の道」という名前に変わり、新たなミッションを追加して収録。
--いわゆるシチュエーションバトルの種類が増えた。クリアごとに挑める難易度が増えていく。オールクリアのトロフィー取得は大変厳しい。

''コスチューム、装飾品の追加''
-リュウはコスチュームと装飾品が、レイチェルにはコスチュームと髪型、メガネが追加された。これらは難易度ごとにストーリーを進めるか、ミッションを一定数クリアするごとに入手できる。PS3版ではクリア後のアイテム引き継ぎはなかったが、今作の装飾品は「新しくニューゲームを始める以前に本編かミッションで取得したもの」を引き続き使える。
--攻撃力、防御力の増加など、高難易度攻略に役立つものが多い。加えて新コスチューム(リュウは『NINJA GAIDEN 3』の衣装)にも能力UPの恩恵があるため、入手難易度は高いものの獲得するとゲームを有利に進められる。

''プリレンダリングムービーの解像度調整''
-画質がPSV向けに調整され、PS3版より違和感がなくなっている。

&bold(){PS3版と比べても遜色無いグラフィック}
-移植作ながら当時のPSVソフトの中ではハイレベルの美しさで、パッと見PS3版と比べても遜色無い出来に仕上がっている。
--マシンスペックの影響で30fpsになっているが、処理落ちは少なく快適にプレイすることが出来る。

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**問題点(Σ PLUS)
''弓の操作性改悪''
-弓は画面をタッチして主観視点にして射ることができるが、この際に強制的にジャイロセンサーが反応してしまう。
--かなり敏感に反応するため、スティックだけで狙いを定めていてもジャイロのせいでズレてしまい射撃が阻害されてしまう。
---この仕様もあって、忍の道の弓限定ミッションの難易度を無駄に上げてしまっている。

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**総評(Σ PLUS)
弓の操作性さえ許容出来れば、携帯機としては十分に『Σ』を再現できている。~
また、初心者向けの救済措置が追加されている為、初めて『NINJA GAIDEN』を遊ぶプレイヤーにもオススメ出来る。

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**余談(Σ PLUS)
-本作はVita TVにも対応しているのだが、Vita TVでプレイした場合は仕様の都合でタッチ操作が出来ず、忍術の強化と弓の狙いを定める操作が不可能となっている。
--忍術の強化は威力を上げられないだけで済むのだが、弓に関しては''ストーリーと「忍の道」の両方で精密な弓操作を求められる場面が複数あり''((一例として、対岸の電波塔からロケットランチャーで攻撃してくる敵と弓で戦う場面が上げられる。))、その場面では通常のPSVを使用する必要がある。つまり、COLOR(red){''本作をVita TVだけでクリアすることは不可能''}であり、''通常のPSVで遊ぶことが事実上必須''となっている。
---しかし、PS公式サイトのソフトウェアカタログではVita TVとの互換性について、「''PlayStation®Vitaでのプレイとは一部異なる可能性がございますが、ゲームの進行には影響ございません。''」と明確に記述されている為、''開発側がVita TVへの最適化とテストプレイを行っていないにも拘らず「互換あり」としている可能性がある。''
--実はVita TVでも左スティック押し込み(DUALSHOCK4ならタッチパッド)で画面タッチ用のカーソルを呼び出すことが出来、そこから弓の狙いを定める操作が可能となっている。ただし、''この操作方法は取扱説明書や公式サイトには一切載ってない。''
---忍法も同様にカーソル呼び出しで強化できる。ただし画面タッチに比べて操作難度は高く、特にフリック(引っ張る動作)が必要なレイチェルのソーサリーを成功させるのは至難の技であるため、やはり通常のPSVで遊ぶことが事実上必須と言えるだろう。