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ナイツ NiGHTS into Dreams... - (2016/08/13 (土) 06:23:38) のソース

*ナイツ NiGHTS into Dreams...
【ないつ ないつ いんとぅ どりーむす】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000ZKYICG)|
|対応機種|セガサターン|~|
|発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~|
|発売日|1996年7月5日|~|
|定価|5,800円|~|
|レーティング|セガ審査:全年齢推奨|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''ナイツ NiGHTS into Dreams...'' / ''[[ナイツ ~星降る夜の物語~]]''|
#contents(fromhere)
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**概要
夢の世界という舞台の3D空間を飛び回る新感覚アクション。&br()
同社の看板作品「ソニックシリーズ」と比べると若干知名度で劣る面はあるものの、ソニックチームの傑作のひとつとして名高い、SSの名作である。

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**STORY
誰もが訪れる夢の世界・ナイトピア。そこは人々の夢や希望に充ち溢れた楽園であった。~
しかしある時、夢の負の側面である悪夢の世界の総大将・ワイズマンがナイトピアに侵攻を開始する。~
ワイズマンは手下を使い、夢をみる人々から『イデア』と呼ばれる宝石を奪い取り、人々の夢を悪夢に変えていく。~
ナイトピアはワイズマンの手により、悪夢の世界に変えられようとしていた…。

所変わって現実世界。現在からそう遠くない近未来の街・ツインシーズ。そこには二人の悩める若者がいた。

一人は、バスケットボールに熱中する少年・エリオット。~
彼は近所のバスケットコートで友人らとバスケットを楽しんでいたが、彼らは年上のグループに突然乱入され実力の差を見せつけられた上に、彼らに追い出されて、コートを奪われてしまった。~
負けると分かっている勝負に身を引く彼だが、冷静な表情の奥底では、屈辱的な思いで一杯となっていた。

もう一人は、芸術家の家に生まれ、将来を有望視される少女クラリス。~
彼女の夢は、ミュージカルの舞台に立つこと。そしてその夢は今クラリスの間近に迫っていた。~
街の100周年記念で開催されるミュージカルのオーディションに、彼女は選ばれたのである。~
しかし、オーディションを目の前に、彼女は恐れから自信を喪失してしまう。

そんな負の感情を抱え込んだ二人はある日、悪夢を見てしまう。~
悪夢の世界から逃げ出そうとする二人は、ある日『ナイツ』と呼ばれる謎の存在に出会う。~
ナイツはワイズマンに創りだされた、ナイトピア侵攻のための最強の尖兵の一人だったが、彼は自由を好みワイズマンと対立したため、創造主であるワイズマンに封印されていたのだ。~
彼はエリオット、そしてクラリスにこう持ちかける。''『俺をこの檻から出してくれないか?』''~

エリオットとクラリスは、今や夢の世界からは殆ど失われた『勇気』のイデアを持っている。このイデアを使うことで、~
ナイツはエリオット・クラリスと一体化(デュアライズ)し、ナイツを少しの間檻から開放することが出来るのだ。

エリオット、そしてクラリスはナイツと一体化し、夢の世界をワイズマンの侵略から救う戦いに身を投じる事になる。

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**ゲームシステム
#region(クリックで開く)
【概要】
-各ステージにおいて、プレイヤーは最初はエリオット(男の子)またはクラリス(女の子)という人間のキャラクターを操作する。
--人間の時は非力で、敵を倒すことも空を飛ぶこともできないが、冒頭でイデアパレスに入ることで、そこに幽閉されているナイツというキャラクターとデュアライズ(同化)し、飛行能力を得る。
-各ステージのフィールドは3Dで作られているが、基本的に真横視点で進行していくため、操作感は従来の2Dアクションゲームに近い。
--ステージの進行に応じてカメラが目まぐるしく回転したり、画面奥に進んでいくといった、3Dを活かした要素も存在する。

:【ステージ詳細】|
-このゲームのステージは「ドリーム」と呼ばれ、エリオットとクラリスでそれぞれ3つずつのドリーム、そして最終隠しドリームの全7ドリームで構成される。&br()一度出現したドリームは、何度でも自由に選択可能。
--各ステージ毎に4コースあり、それぞれのコースを順番に攻略していく。全てのコースをクリアするとボス戦となる。
--コースによって、ナイツが通る場所は全く異なっている。&br()表記が「LAP」となっている通り、どのコースもイデアパレスを起点として1周するようなルートになっている。

:【ゲームのルール】|
-各コースのクリアまでの手順は以下の通り。
++ブルーチップという青い玉のようなアイテムを合計20個以上集める。
++各ステージのどこかにあるイデアキャプチャーという装置に入り、イデアキャプチャーを破壊する。
++コースを一周することでそのコースのほぼ全てのアイテムやリングが復活する。~
イデアキャプチャーを破壊した状態でイデアパレスに帰還すればコースクリア。
-コースごとに制限時間(一律120カウント)が設定されている。
--カウントがゼロになるとナイツとの同化が解け、人間状態に戻る上にそれまで集めたブルーチップが周囲に散らばってしまう。
--敵の攻撃を受けると制限時間が減少してしまう。
-人間状態のままでいると、アラームエッグという特殊な敵が出現する。
--アラームエッグはプレイヤーをどこまでも追跡し、アラームエッグに捕まるとゲームオーバー(ナイトオーバー)になってしまう。
--人間状態でもコースのクリア条件は変化せず、全てのコースは人間状態になってもクリアできるようになっている。

:【スコア稼ぎ】|
-コースを1周すると、そのコースのほぼ全てのアイテムやリングが復活するため、時間の許す限り得点を稼げる。
--イデアキャプチャーを破壊した周回ではその代わりにアイテム取得などで得られる得点が2倍になるため、~
ハイスコアを目指す場合は急いでイデアキャプチャーを破壊し、テクニックを以ってして時間とアイテム数のギリギリまでスコアを稼ぐというプレイが求められる。
--各コースクリア時の残り時間に応じてボーナスが加算。そしてそれを含めたコースごとのスコアに応じて、評価が判定される。~
評価はアルファベットで表され、最低Eランク、最高Aランクとなっている。~
最終ドリームは全ステージにおいて「全コース平均Cランク以上」を達成しなければ出現しないため、
ゲームクリアにはある程度のスコアを稼ぐことが要求される。
-ソニックチームのゲームらしく、高速かつ華麗な飛び方をすればするほどスコアを稼ぎやすい。~
それが独特な爽快感を生んでおり、普段ゲームでハイスコアを目指したりしない人でもスコア稼ぎを楽しみやすい。

:【その他】|
-ステージ上にはリングという輪の形をした物体が設置されており、&br()ナイツでこれを通過すると「ドリルダッシュ」という高速移動のために必要なゲージが回復する。
--リングの他にも得点アイテムなど様々なものが存在する。~
ナイツが連続でこれらのアイテムを取得したりリングを通過すると 「リンク(Link)」 というボーナスが発生し、得点に倍率がかかる。~
さらにリンクが増えるとアイテム取得やリング通過時の効果音も1音ずつ高くなっていくため、快感が大きい。
-移動入力やL・Rボタンとの組み合わせにより、様々なアクロバット飛行を行うことができる。
--アクロバット飛行は通常では意味の無いお遊び的な要素だが、特定のリングを通過すると一定時間「アクロバットタイム」に突入し、アクロバット飛行で得点が得られるようになる。
-あえてナイツと同化せずに人間状態のままコースをクリアするというプレイも不可能ではない。
--ただしコースを一つクリアする度に必ず同化してしまううえ、上記のボーナススコアがないことでランク評価も低くなるため、あまり現実的ではない。
--人間状態の時の操作はナイツ操作時とは全く異なり、&br()自分でカメラを操作しながら3D空間を好きな方角に移動できるものとなっている。
--ナイツでは行けない場所でも人間の時なら行くことができるなど、ナイツ操作の時とは違う新たな発見があったりもする。
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**A-LIFE
-このゲーム独特の人工生命(ライフゲーム)。&br()ゲーム進行上のルールには一切影響しないが、各ステージのBGMに大きく関わる要素。
--最終ステージを除く各ステージには「ナイトピアン」という天使のような外見の善良なキャラが生活しており、&br()ナイトピアンを殺す・敵から助ける・ナイトピアンの卵を孵化させたりするなどで、各ナイトピアンの感情が変化する。
--そのステージのナイトピアンの繁殖数や各ナイトピアンの感情によって、&br()そのステージのBGMの各小節の曲調が変化する。
--基本的に明るい感情の時ではメジャー調の曲になり、暗い感情の時ではマイナー調になる。&br()とはいえプレイヤーの好みによることも大きく、必ずしもナイトピアンの感情が明るい方が良い曲と言い切ることはできない場合もある。
--ナイツのアクションによってナイトピアンに特定の敵をぶつけると、そのナイトピアンが新種に変化する。
---このような変化を繰り返すことで、最終的には希少種であるスーパーピアンを誕生させられる。&br()スーパーピアンが誕生すると、そのステージのどこかにピアンタワーが建設される。

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**評価点
-作りこまれたフィールドを飛びまわる爽快感や、各ステージに用意された仕掛けは評価が高い。
--この浮遊感は発売当時他のゲームには見られない独特なもので、さらにそこにスコア稼ぎやA-lifeなどの要素が加わることで多くのプレイヤーをゲームに引き込んだ。
--各ステージを統べるボスも非常にやりごたえがある個性的なメンツばかり。
-音楽が非常に良い。
--各ステージの音楽はもちろんのことだが、エンディングのボーカル曲『DREAMS DREAMS』は今なお名曲として名高い。
//後の[[ソニックチーム>ファンタシースターオンライン]][[関連作>ファンタシースターユニバース]]にも登場していることも。

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**賛否両論点
-注意して飛ばないとナイトピアンを殺してしまいやすい。
--ナイトピアンの存在を意識せずに飛んでいると、パラループというナイツのアクションでピアンを巻き込んで殺してしまうことがたまにある。
--ピアンを一匹も殺さないように注意して飛ぼうとすると、ゲームのテンポや爽快感を若干削ぐことになる。
-また、『ステージクリア後のボスがランダム』という点も賛否両論。運がかなり悪いと、1ステージ目からナイツのライバルのリアラと当たることもある。
-また、マルチコントローラーを使わないとナイツの自由な動きは完全には味わえない。

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**総評
非の打ち所のない、SSの名作である。~
作り込みに一切妥協がなく、親しみやすいストーリーにカラフルな色使い、ステージごとのギミックやアイテムの配置など、作り手の目指したものがありありと伝わってくる。かつ、それらが受け手にとって魅力的な要素として完成されている。~
ゲームの新しい地平に挑んだ、実験作にして名作と言えるだろう。

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**その他

***クリスマスナイツ 『ChristmasNiGHTS 冬季限定版』
-1996年11月22日~1997年1月31日の期間限定で、約130万本リリースされた、通常版ナイツの体験版兼ファンディスクのような内容。
-起動したその日の、サターンの内蔵タイマーの日付によって、ゲームのタイトル画面とグラフィックが変化する。
-プレイできるステージは通常版ナイツにおける「スプリング・バレー」のみだが、&br()通常のスプリング・バレーとは別に、グラフィックや音楽がクリスマス仕様になったクリスマスバージョンが存在する。
-ゲームクリア後、神経衰弱のようなミニゲームによって様々な特典を入手できる。
--特典の一つであるサウンドテストモードでは、&br()通常版ナイツにおける各ステージのBGMの変化パターンを自由に編集し、好みのステージBGMを鑑賞することができる。&br()そしてそのBGMでスプリング・バレーをプレイすることもできる。
--制作元つながりか、なんとソニックでプレイする「SONIC THE HEDGEHOG into Dream...」モードもある。
---移動速度とジャンプ力がとても高くなっている事を除けば、いわゆる「人間状態縛りでのタイムアタックモード」であり、敵からの干渉は受けず、ナイトオーバーも存在しない。~
ソニックジャムの「SONIC WORLD」とほぼ同じシステムでもあり、時間の制限もなくステージを自由に駆け巡ることもできる(操作性とソニックの運動能力によるカメラワークの欠点も引き継いでしまったが)。
---ちなみに同モードではナイトメアにも挑戦する。ボスは固定でパフィーのモデル替えとしてエッグマンが登場し、BGMや笑い声などがソニックCDのものになっている。

***プレイステーション2版 『ナイツ into Dreams...』
-2008年02月21日発売。3,990円(税込)。
-ハードの性能に合わせ、グラフィックがリメイクされた。セガサターン版のグラフィックを再現したモードも遊べる。

***続編 『[[ナイツ ~星降る夜の物語~]]』】
-対応機種:Wii、2007年12月13日発売。
--ボリューム不足などが指摘されるが、総じて完成度は高い。

***HD対応 NiGHTS into dreams
-プレイステーション3(PlayStation Networkにて2012年10月4日からダウンロード販売。1,000円)
-Xbox360(Xbox LIVEアーケードにて2012年10月5日からダウンロード販売。800MSP)
--内容はPS2版とほぼ同じ構成であるHD対応版とSS版の再現だが、条件を満たすとクリスマス限定版も追加される。
--スタッフのインタビューやクリスマスナイツのディスク内に隠されていた画像データ、OPムービー等の閲覧可能なギャラリーモード、ピアンコレクション等といったおまけも付いている。