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Gears of War - (2020/07/24 (金) 18:00:08) のソース

*Gears of War
【ぎあーずおぶうぉー】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000VO6RG6)|
|対応機種|Xbox 360|~|
|発売元|マイクロソフト|~|
|開発元|Epic Games|~|
|発売日|2007年1月18日|~|
|定価|7,140円|~|
|レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''|~|
|コンテンツアイコン|暴力|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
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#contents(fromhere)
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#center(){{
 &big(){''この恐怖はまだ序章にしか過ぎない・・・''}
}}
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**概要
「次世代ゲーム機って、グラフィック以外は部分は昔と比べてあんまり進化してないんじゃ?」~
そんな事が囁かれていただろう2006年の終わりに、本物の次世代ゲーム機の作品として登場した本作。次世代機を代表するサードパーソンシューティングゲーム。~
洋ゲーの中でも取り分け濃いキャラクターデザインの本作だが、内容も負けず非常に濃厚なゲームとなっており、グラフィックエンジンである「アンリアルエンジン3」の開発元、Epic Gamesが作り込んだ美しいグラフィックと革新性の高いアクション内容によって多くのゲーマーを虜にした。~
発売後には数多くのメディアで2006年度のゲーム・オブ・ザ・イヤーに選ばれた(日本でも日本ゲーム大賞2007の海外作品部門であるグローバル賞を受賞している)。~
ゲームの中核となる「カバーアクション」は非常に優秀で、後に数多くのゲームに採り入れられる等、TPS業界全体に与えた影響も大きい。~

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**ストーリー
液体状のエネルギー資源「イミュルシオン」を巡り、惑星セラでは長きにわたって大戦が続いていた。~
しかしそんなある日、突如として地底から現れた謎の生物「ローカスト」が、人類に総攻撃を開始する。自在に地底を掘削し、生体兵器を駆使する未知の存在ローカストとの前に、大戦で疲弊した国々は次々と陥落、攻撃開始から最初の24時間で惑星セラに暮らす25%の人命が失われた。ローカストたちは一切の交渉を受け付けず、ただ人類を駆逐するために動いていた。~
追い詰められた人類は、ローカストが掘削できない固い地盤を持つハシント高原へと退却。化学兵器と衛星軌道のレーザー衛星を見境なく用いた焦土作戦により、惑星セラの90%を焦土と化しながらも、かろうじてローカストのハシント侵攻を阻んだ。しかし未だローカストの脅威は消えず、「統一連合政府(COG)」はイミュルシオンをふんだんに用いた新型爆弾「ライトマス」を地底へと打ち込み、一気にローカストを殲滅する作戦を立てる。~

世界大戦からの歴戦の勇士であり、ローカスト戦役でも多数の軍功を挙げた「マーカス・フェニックス」は、ある作戦において軍研究所に勤務していた父アダムを救おうと命令違反を犯し、懲役40年の判決を下され服役中だった。~
だが、刑務所は突如ローカストの襲撃を受け、マーカスは窮地に陥る。それを救ったのはマーカスの戦友であり、今はCOG軍のエース部隊「デルタ」に所属する「ドミニク・サンチャゴ」、通称「ドム」だった。辛くも襲撃を切りぬけたマーカスは、ドムの計らいでデルタ部隊に配属され、戦列に復帰する。そしてデルタ部隊はライトマス作戦の一端を担う事になり、マーカスは再びその伝説的な手腕を発揮していくこととなる。~
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**特徴・評価点
グラフィック・音楽
-美しいグラフィック
--UE3エンジンを使用したゲームは数多いが、流石本家だけあって非常に作り込んである。
--ほぼ全ての箇所に法線マップ(表面をデコボコさせる技術)が使われており非常に生々しい。
--次世代機初期のタイトルとしては一歩抜きん出ているといって良い。
-音楽
--ノースウェスト・シンフォニア交響楽団が担当したオーケストラはゲームの雰囲気と良く合っていて盛り上げてくれる。

革新性の高い各種アクション
-カバーアクション
--障害物の前でAボタンを押す事によって身を隠す事ができる。隠れた状態で左スティックを操作する事によって体の一部を乗り出した正確な射撃を行える。
--カバーアクション中にAボタンと左スティックを合わせて入力する事によって小さい障害物は何時でも乗り越える事が出来る。
--本作が発売する前にも障害物に隠れながら攻撃出来るゲームはあったが、一要素としてではなくゲームのメインとして扱ったことにより高い完成度を実現している。パイオニアでこそ無いが、本作がカバーアクションをメジャーにまで引き上げたのは間違いない。
-ブラインドファイア
--障害物に隠れた状態で射撃ボタンを押す事によって体は隠したまま銃だけを露出して射撃する事が可能。
---銃だけではなくグレネード等もこの状態で投擲可能。
--ブラインドファイアは命中率が悪く離れている敵に使うには無謀とも言えるのだが、肉薄した接近戦や近づいてくる敵を仕留める分には非常に有効に機能する。これによって唯でさえ面白い銃撃戦が更に戦略的な物となっている。
-チェーンソォォォォ!!
--通常の殴る近接攻撃の他にランサーアサルトライフルを装備していればチェーンソーでローカストどもをぶった切る事ができるのだ!
--ローカストがチェーンソーでぶった切られるシーンはこのゲームの見所の一つ。ただし普通に接近するだけでは絶対に当てられないので、どうやって近づくかが鍵となる。
--その他の武器も個性豊か。敵を挽肉に変えるほどの威力を有するショットガンや衛星からのレーザー放射を行うドーンハンマーなど、多彩な武器が登場する。
-ダッシュ
--Aボタンを押し続ける事によってダッシュが可能。ダッシュの状態ではカメラが寄った演出になり非常に見栄えが良い。
--障害物にカバー中に左スティックを上に倒しながらAボタンで障害物を乗り越え、そのままAボタンを押し続ければダッシュに移行可能なので攻撃に転じる際も利用価値は高い。
--ダッシュ→カバーというアクションもスムーズに行う事が可能。
-抜群に良い操作性
--前述のように本作のキモとも言えるカバーアクションを全てAボタンに割り振ったお陰で、本来なら複雑になりそうな各種アクションを直感的にプレイ出来るように作られている為、操作性に悩まされる事は無い。
--キャラクターの動作もスムーズでストレスを感じる事はほぼ無い。

***マルチプレイ
-シングルプレイも面白いのだが、マルチプレイもそれに劣らず完成度が高い。
-デスマッチ系は一回死んだらそのマッチでは復活不可能な為、緊張感溢れる試合が楽しめる。

***日本語版
-吹き替えは非常に優秀。特に主人公であるマーカス(CV廣田行生)の渋い声は男性であってもキュンとなる。
-この豪華声優陣による、テンポがよく軽快なキャラ同士の掛け合いも本作の魅力のひとつである。
--中でも「わかった じゃあプランBで行こう...プランBは何だ?」「あ?ねぇよそんなもん 」は現在でもアチコチで使われている名言の一つである。 
---ちなみに、本体のシステム言語を英語にするとゲーム内の会話も英語になる。
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**難点
-ダッシュの演出はカッコいいが、映像がかなりブレるので人によっては酔いやすい。
-全体的に即死級の威力を持つ攻撃が多いためシューティング初心者にはきつい。ステージ3で1発死の敵と戯れることになるといった具合。
--ただし、コンティニュー地点は多めに設定されており、やり直しは楽。
--特にラスボスであるラーム将軍の強さは今でも語り草。暗闇と僅かな光の中、上記の即死させてくる敵を引き連れている上、本人も強い。現在でも「ラーム将軍」で検索すると「''ラーム将軍 理不尽''」と検索候補が出て来る程である。
---もっとも、攻略法はちゃんと確立されているし、反則的だがとあるバグを使えれば一方的に攻撃できるので、どうしても勝てない初心者は狙ってみると良い。
-マルチプレイは『HALO』シリーズの比較的スムーズなものに比べ少々ラグがひどい。またショットガンの扱いに慣れていないと常に苦戦を強いられる。チェーンソーはロマン。
-日本語版はCOLOR(red){''CERO:Z''}(18歳以上のみ対象)でありながらゴア表現に規制がある。ゴア表現が魅力的なゲームでもあるので規制の無い海外版を購入した人も多い。
--しかし、上記の日本語版の吹き替えの良さから、''それを知った海外版ユーザーが後悔した''という逸話もあったりする。
-日本語版では一部の攻略ヒントに致命的な誤訳がある。
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**総評
走って隠れて撃つ、ゲームは非常に単純だがその全てが極限まで作り込んであるのは職人芸。~
かっこいいキャラクターの複雑なアクションがシンプルな操作によって行えるというのは、まさに次世代の衝撃体験であり、ゲーマーだけではなく多くのゲーム制作者達にも衝撃を与えた。~
本作の登場によって次世代ゲームのハードルが上がり、「ギアーズ以下」という一刀両断な評価を受けた数多くのアクションゲームが記憶に残らず消えていく事になる。~

セールス的にも大成功した本作は後にシリーズ化し、『Gears of War 2』そして『Gears of War 3』と続編が作られていくことになるのだが、発売年を考えると一作目が与えたインパクトを越えるのは容易ではないと思われる。そういった意味では、TPSの記念碑的な作品とも言えるかもしれない。
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**余談
-2007年11月にグラフィックの強化とステージを追加したPC版が発売されている(北米のみ)。PC版の独自コンテンツ部分の開発は「PainKiller」を手がけたPeople Can Flyが担当している((その出来栄えが好評だったことから、同年にEpic Gamesの買収を受け、現在はEpic Gamesのポーランド支社として存続している。尚、1度は社名を「Epic Games Poland」としていた時期もあったが、2015年に買収前の社名に戻している。))。
-本作は元々『Unreal』の派生作である『Unreal Warfare』というFPSとして開発されていたが、リードデザイナーである「CliffyB」こと、クリフォード・ブレジンスキーが偶々気晴らしでプレイしていた『Kill Switch((2003年にナムコの米国法人子会社であるNAMCO HOMETEKがPS2、Xbox、Windows、GBAで発売していたTPS作品。))』のカバーアクションシステムの要素に触発されたことと、開発中に発売された『[[biohazard 4]]』の影響を受けてTPSに変更された。
//-ゲームショップの行列に並んだのにゲームを買えなかった36歳の男が逆上して、15歳の少年に暴行を加えて逮捕されるという事件がアメリカで起きている。
//「発生した原因が作品に関係している事件」とはいいがたく、本稿にあえて書く必要は無いのでは。
-2015年8月に、Xbox One用に本作をフルHDでリメイクした『Gears of War: Ultimate Edition』が北米・欧州地域で発売された。その後、2016年3月にはPC版も発売された((PC版はさらに4K解像度にも対応している。もちろん快適なプレイにはそれなりのハードウェア環境を要求される。))。しかし、「国内の倫理に適合しない」という理由で日本版は発売できず((ソフト自体にリージョン規制はないため北米版を購入してのプレイは可能。))、PC版はWindowsストアのみでのDL販売となっており、Windows10専用((動作環境がDirectX12のみとなっている為。))で、なおかつ''日本からは購入不可''という酷い扱いである。
--なお、2016年10月に発売された『Gears of War 4』は海外から半年以上遅れるも日本語版が発売され、2019年9月に発売された『Gears 5』は日本でも海外と同時期に発売された((尚、2014年1月にEpic Gamesが保有していた『Gears of War』シリーズのフランチャイズ権をマイクロソフトが買収したことが報じられ、『Gears of War 4』以降の開発はMS傘下のThe Coalitionが担当している。また、Windowsとのマルチプラットフォームでの発売となっている。))。
---いずれもXbox 360の頃とは異なり、''規制は一切なし''である。ただし、英語音声・日本語字幕のみとなっており、吹き替えは無い。