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クロスエッジ - (2014/05/01 (木) 07:39:45) のソース

*クロスエッジ / クロスエッジ ダッシュ
【くろすえっじ / ~だっしゅ】
|ジャンル|RPG|&amazon(B001C0BWYK)|&amazon(B002R59HHS)|&amazon(B002EL47KC)|
|対応機種|プレイステーション3&br()Xbox360|~|~|~|
|発売元|コンパイルハート|~|~|~|
|発売日|【PS3】2008年9月25日&br()【360】2009年10月1日|~|~|~|
|定価|7,140円|~|~|~|
|廉価版|【PS3】CHコレクション:2009年12月10日/3,990円|~|~|~|
|ポイント|5社コラボゲームだがお祭り要素は薄め&br()中身はいつものIFゲー|~|~|~|
|>|>|>|>|CENTER:''[[バンダイナムコゲームス クロスオーバー関連作品シリーズ]]''|
|>|>|>|>|CENTER:''[[CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ]]''|
''Xbox360版は『クロスエッジ ダッシュ』ですが、追加要素以外のゲーム内容はほぼ同じなのでまとめています。''
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#contents(fromhere)
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**概要
タイトルの英字表記は『XEdge』。~
アイディアファクトリー、ガスト、カプコン、日本一ソフトウェア、バンダイナムコゲームスの5社によるコラボゲーム。~
IF主導の多社コラボゲーとしては『[[カオスウォーズ]]』に続く2作目。また、カプコンとバンナムのコラボは『[[NAMCOxCAPCOM]]』以来。~
開発はコンパイルハートだけに、ゲーム性は『ソウルズシリーズ』や『アガレスト戦記シリーズ』に近い。~

-コラボ作品一覧
--[[アトリエシリーズ]](ガスト)
---[[マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~]]
---マナケミア2 〜おちた学園と錬金術士たち〜
--ヴァンパイアシリーズ(カプコン)
---ヴァンパイア/[[ヴァンパイアハンター]]
---[[ヴァンパイアセイヴァー]]
--[[魔界戦記ディスガイアシリーズ]](日本一ソフトウェア)
--[[アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女]](バンダイナムコゲームス・ガスト)
--[[スペクトラルソウルズシリーズ>ネバーランドシリーズ]](アイデアファクトリー)
---新紀幻想スペクトラルソウルズ
---[[ブレイジングソウルズ]]
--[[鉄拳シリーズ]](バンダイナムコゲームス、※トレーニングモードの木人のみ)

**評価点
''例を見ない作品群''
-カオスウォーズに続きIF主導なだけにコラボ内容が大変カオス。
--それだけに人を選ぶが、どれもコアなファンの付いている作品ではあるので、絶妙な所ではある。
-敵だったルゥリッヒやボルドを操作できたり、アルトネリコのレーヴァテイル3人でパーティを組める((原作では3人のうち1人しかパーティに組み込めない))といった、コラボゲーならではの要素も。
-キャラ同士の絡みは少なめでシナリオの版権要素も薄いが、個々の扱いが丁寧で妙なキャラ崩壊や設定改変がない。キャラによってはいくつか印象的なイベントがある。

#region(ネタバレ)
-マリーが錬金術で高度な薬を作って人を救う、記憶に拘るエトナ、アヤタネが敵に寝返るなど。
-特定のルートではヴァンパイアセイヴァーのジェダがラスボスを務める。
--昨今のクロスオーバー作品ではオリジナルキャラがラスボスを務めることが多い中、ルート限定とはいえまさかの大抜擢である。
-シュレリアが戦闘中にすっ転ぶ、ゼロスとミュウがアレックス(ミュウの息子)について話すといった、原作プレイ済だとニヤリとできる小ネタ・イベントも。
#endregion();

''シリアス寄りなシナリオ''
-他のコラボゲー同様のお祭感はあるものの、本作のシナリオはシリアス寄りであり、特に敵に召喚されたデミトリはその最たる例。
--他のコラボゲーのようなツンデレキャラではなく、原作に近いシリアスなデミトリ。それに檜山氏によるフルボイスが入った稀有な例になっている。

''充実したやりこみ要素''
-キャラ育成、称号((「モンスターの一定数撃破」や「戦闘回数」、「トータルダメージ」等の条件を満たす事で手に入る。入手時にはレアアイテムやお金等も手に入り、一つのやりこみの目安として楽しみやすい。))集め、クリア後の隠しステージ・隠しボス等、やり込み要素が豊富で長時間楽しむことができる。
-コンビネーション((特定のスキル同士を組み合わせると、より強力なスキルに変化しダメージが増加する。))による大ダメージを狙ったり、それを実現できるパーティ構成を考えたりと、プレイスタイルの幅が広い。

''デミトリの「ミッドナイトブリス」''
-「相手キャラを女体化・変身させる」という原作でもネタ要素の強い技だが、本作はコラボゲーとしては珍しく女体化・衣装変化演出を含め搭載されている。
--格ゲーのような対象の少ないゲーム以外では女体化演出はカットされる事が多い中、使いまわしこそ多いものの全ての敵にブリス姿を作るという快挙を成し遂げている。
--さらには、デミトリが敵側としても登場したり、味方キャラの姿のドッペルも敵で登場するため、他の版権作品出身の味方キャラのブリス姿もそれぞれ用意されているという力の入れ具合である。
---極めつけに男性キャラのおまけボイスでは、女性ボイス版に加えて''元の声優でのブリス時の悲鳴が入っている''。

**賛否両論点
''調合システム''
-複数の素材から武具・アイテムを作成するシステムだが、素材の入手難易度が高めで、気軽に利用するには厳しい内容。
--素材の大半は敵をオーバーキル((最大HPの2倍のダメージを与えると、素材を確実にドロップする。))することで入手できるのだが、重要な素材を落とす敵ほどステータスが高くなっており、思うように集められないことが多い。
--コンバート((最大強化した武具を消費して、新しい素材を作成する))でしか入手できない素材を要求されるケースが多く、中盤以降は武具の作成にかなりの手間がかかる。
-加えて、敵の強さは調合の利用を前提に設定されているため、素材集めを怠るとイベント戦の難易度が跳ね上がる。
--一度作成した物はショップに登録されるため、基本的には最初の一個だけ作れば良いのだが、中には登録されない物もあり、場合によっては同じ物を何個も作成させられる羽目になる。
-ただそれ故に強力な武具を完成させた時の達成感はひとしおである。調合を駆使しないと撃破できないような強いボスも多数用意されており、作業ややり込みが好きな人ならとことん嵌る。

''全体的に高難易度''
-いつものIFゲーといえばそうなのだが、戦闘・調合・スキル育成など覚えることが多く、理解の浅いまま終盤まで進んでしまうと圧倒的な強さを持つボスの前に手も足も出なくなってしまう。
--最終ステージの急激な難易度上昇に泣かされたプレイヤーは数知れず。敵が容赦なく広範囲技、EXスキル((いわゆる必殺技で7~10割の特大ダメージ。中盤までは戦闘中に1回撃たれるかどうかというレベルだが、終盤になると信じられない頻度で連発してくる。))を撃ってくるため攻略情報無しで突破するのはかなり難しい。
--ハードモードを選んだ場合は、最初のステージの雑魚敵ですら脅威になる。不意打ちでパーティの半分が行動前に戦闘不能・・・なんてことも。
-「お祭ゲーだから」と何となく手に取った人にとってはかなり厳しい内容となっている。
-とは言え、ゲームとして破綻するレベルではないため、やり応えのあるゲームが好きな人からは好評を得ている。
-またデメリット((クリア後の隠しステージに行けない))有りだがイージーモードが存在するため、イージー → ハードとプレイすればほどよい難易度でゲームを楽しむことができる。
--イージーもノーマルもハードへ引き継げる要素に違いがないため、実は1周目ノーマルは無駄骨だったりする。
-邪道ではあるが、無料DLCを利用すれば1周目ハードでもサクサク進めることができる。

**問題点
''オリジナル色の濃いシナリオ''
-せっかくのクロスオーバーなのに、全体的に版権要素が薄く、「キャラだけ借りてきた」という状態になってしまっている。
--本作の登場人物は舞台に呼び出された時点で記憶の大半を失っており、自分探しと元の世界への帰還が主なテーマ。
-他作品のキャラと頻繁に絡むのはマリーぐらいで、ほとんどは同じ作品のキャラ同士、またはオリジナルキャラとしか会話しない。
-雑魚敵に関しても版権キャラは数えるほどで、他は全てオリジナル。
//マリーのイベントと、ラスボスになったジェダについて、問題点ではないと思ったので上に移動しました

''ゲームテンポの悪さ''
-発売1ヶ月後のアップデートが入るまでは全体的にロード時間が長かった。
--アップデートによる改善後は全体的に快適になったものの、それでもロード時間を気にする人には少々ひっかかるくらいには長い。
--移植版の『ダッシュ』のDL版で、画面切り替えの際に2~3秒程度、長いときで10秒以上のロードが入る。
-イベント戦闘におけるパーティメンバーの固定が非常に多い。
--その度に編成画面で装備変更やスキル設定を行わなければならず、スムーズにイベントを進めることができない。
--該当メンバーを育てていなかった場合は、大きなハンデを背負って戦う羽目になる。相手がボスであった場合は尚更。
-技演出中に処理落ちが発生する。マナケミア2組(ロゼ、リリア、ルゥリッヒ)が特に酷く、原作ファンのやる気を大きく削いでくれる。
--『ダッシュ』では修正されている。

''フォームシステム''
-フォーム((装備品の1つ。キャラクターの性能を強化できる))による「衣装チェンジ」が、女性キャラにしか適用されない。
--無いのは衣装チェンジのみで、フォームそのものは女性キャラと同じ数だけ存在する。男性キャラが性能的に不利になるようなことはない。
-オマケ要素とは言え、せめて1着ぐらいは男性キャラにも欲しかったところ。
--『ブレイジングソウルズ』のゼロスのように、原作で複数の衣装が用意されていたキャラクターもいたのだが・・・。

''真ルート条件の難易度''
-IFゲーの例に漏れず、ルートの分岐条件が非常に複雑で、攻略情報無しでは真ルートに到達できない。
-公式も難しくし過ぎたと判断したのか、後に公式HPで真ルート条件の一部が公開された。
-また条件が分かっていても、ソウル((隠しアイテム・イベントで、中には時期限定のものがある。))の見逃しや、イベント戦での操作ミス((撃破してはいけない敵を倒してしまう、またはその逆。))で失敗してしまうことがある。

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**総評
「いつものIFゲーにコラボキャラを入れただけ」と言っても過言ではない内容。~
各種システムの取っ付き難さや、貧相なグラフィック・演出から良くない印象を受けるかもしれないが、肝心のゲーム部分はしっかりと作り込まれており、歯ごたえのあるRPGが好きな人ならとことんやり込める。~
反面に、(一部キャラの被る)ナムカプのようなクロスオーバーを期待すると拍子抜けするレベルでオリジナル要素が強かったり、お祭ゲーとしては残念な点も多い。~
ただしキャラ再現的な側面で言えば、基本的にキャラ崩壊などはなく((クリア後のおまけで若干ギャグ要素はある))、むしろ丁寧に扱われていると言える。~
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興味を持った人は、コラボ内容よりも''戦闘の難易度や調合システムを第一に調べて欲しい''。やり込み度は高いが、ライトユーザーには少し厳しい内容である。~
現在はBEST版が出たこともあって、店頭での値段は非常に安くなっている。~

**移植
PS3版発売の翌年、Xbox360へも『クロスエッジ ダッシュ』として移植された。~
基本的にPS3のアップデート版準拠の移植だが、追加要素として様々な強敵と戦ってレアアイテムを入手できる「コロシアム」、~
一部のイベントにおける新規CGムービー、有料DLCによる新たなフォームが追加されている。~
コロシアムにはIFゲーの客寄せパンダとも言われる人気キャラ「ヒロ」も追加されているが、あくまでシナリオには関わらないオマケ要素。~
基本的に追加ストーリーや追加キャラはなくほぼPS3版と変わらないと言っていい。~
軽い追加要素や実績解除等のやりこみ要素が増えてる事もあり、両方遊べる環境があるならXbox360版でいいだろう。~
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また、海外でもPS3版が『Cross Edge』として発売され、こちらは日本語音声と英語音声が両方収録されている模様。~
こちらにはトロフィーも追加されている。