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す~ぱ~なぞぷよ ルルーのルー - (2021/11/22 (月) 18:53:44) のソース

*す~ぱ~なぞぷよ ルルーのルー
【すーぱーなぞぷよ るるーのるー】
|ジャンル|落ち物パズルゲーム|&amazon(B000068HP4)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|8MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|バンプレスト|~|
|開発元|コンパイル|~|
|発売日|1995年5月26日|~|
|定価|9,200円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[魔導物語・ぷよぷよシリーズ関連作品リンク>魔導物語・ぷよぷよシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-『ぷよぷよ』で詰めパズルを行う外伝作『なぞぷよ』シリーズの一作で、本作はゲームギアで発売された『[[なぞぷよ アルルのルー]]』のリメイク作品にあたる。
-シリーズ主人公・アルルを操作する「アルルのルー」に加え、ライバルキャラの一人・ルルーを主人公に据えた新規ストーリー「ルルーのルー」が追加されている。
--ただし、「アルルのルー」のシナリオは「ルルーのルー」とリンクするように完全に一新されており、原作のゲームギア版とはストーリーが異なる。
--アルル編のBGMはゲームギア版のBGMのアレンジが使用されている。
-本作以前の『なぞぷよ』はゲームギアやPC-9821といったマイナー寄りのハードの作品しかなかったため、本作で初めて『なぞぷよ』に触れたプレイヤーも多いだろう。
--厳密に言えば、「なぞぷよ」モード自体はMSX2とFCで発売された初代『ぷよぷよ』に収録されている「MISSION」モードが初出ではあるが。
--販売のバンプレストの宣伝もあってか、現在でも『なぞぷよ』シリーズでは最も知名度の高いであろう作品である。
-問題数は全てのモードを合わせ全290問(アルル120問、ルルー120問、連鎖への道50問)。

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**特徴
-「なぞぷよ」の基礎ルールが確立された『アルルのルー』以降の作品であるため、ルールもそれに準じている。
--「5連鎖するべし」の問題で6連鎖してもクリアにはならない、落ちてくるぷよの個数が有限個に定められるなど。NEXTは常に6手先まで表示され、問題開始前には最大16手まで表示される。
--ギミックとしては『アルルのルー』で登場した「壁」に加えて、本作では一切消すことができないが重力での落下はする「鉄ぷよ」が初登場した。
-連鎖ボイスはアルルとルルーそれぞれで違うものになっている。
--アルルは初代『す~ぱ~ぷよぷよ』と同じボイスで、ルルーは本作オリジナルのボイス。どちらも2~5連鎖以上の各4種類ずつ。
--ルルーの連鎖ボイスは後のシリーズとは違い、技名を叫ぶのではなく掛け声が中心だが、5連鎖以上ボイスは「ホーホホホ」という高笑いになっている。大連鎖すると連続して高笑いが響き渡る。
--アルルのルーではアルル固定、ルルーのルーではルルー固定。その他のモードでは二人のどちらかランダムになるが、オプションで固定もできる。

''アルルのルー/ルルーのルー''
-マップを歩き回り、各キャラの出題するなぞぷよを解いて回っていくモード。
-アルルとルルーで2本のシナリオが存在し、どちらかを選んで開始する。マップや問題は二人でそれぞれ全く違うものになる。
--アルルは美味しいカレーを作るため、ルルーはカレーを作ってサタンに届けるため、原材料を持っている人となぞぷよで勝負して奪うという相変わらずアレなストーリー。
--どちらかと言えばアルル編よりルルー編の方が全体的な難易度は高いが、終盤ステージではどちらも問題全体の難易度がかなり高くなるため大差はない。
--ストーリー自体は別々だが、オープニングと最終ステージで両者が顔を合わせる。『ぷよぷよ』とは違いサタンが最終ボスではない。
-基本的なルールはゲームギア版『アルルのルー』と同様。
--各ステージにはボスが居り、他のキャラクター全員に勝ち抜くことで挑戦できる。ボスを倒すと次のステージに進める。
---ゲームギア版『アルルのルー』と比較して、ステージボス担当のキャラはサタン以外全員変更されている。
--『[[魔導物語>魔導物語1-2-3]]』のようなファジーパラメータを実装しており、問題に失敗したり苦手な問題をパスすると体力が減り、辛そうな表情になっていく。体力が無くなるとゲームオーバー。
---ゲームオーバーは、アルルは原材料が足りなかったためマズいカレーが出来上がった、ルルーは転んでカレーを落としてしまった、というグラフィック。
--問題を解いていくと「経験球」を獲得でき、経験球が一杯になるとレベルアップして体力全回復&体力の上限がアップする(=ミス許容数が増える)
-ただしゲームギア版とは違い、''各キャラクター毎に所持問題は固定されていない。''そのため他のキャラクターで一度諦めた問題が別のキャラで再び出てくることもある。

''連鎖への道''
-連鎖問題(クリア条件が「○連鎖するべし」の問題)のみを集めたモード。
--「らっきょコース」から始まり、「ふくじんづけコース」「くろこしょうコース」「とうがらしコース」までの4コースがあり、コース毎に指定された問題を解いていく。
--問題を解く順番は固定で飛ばすことはできないが、本編のようにライフ制ではないので何度間違えても平気であり、じっくり取り組むことはできる。
--最終的には最大19連鎖の問題も登場する。もっとも、自力で組むのはその一部であるため、解くこと自体は難しくない。

''えでぃっと''
-自分で問題を作るエディットモード。過去にゲームギア版などで既に存在したものと同じだが、『アルルのルー』には搭載されていなかったため本作で復活となる。
-本作ではオリジナル問題を50問まで保存可能。自分で作ったものを友達に遊ばせることもできる。
-降ってくるぷよは最大16手まで設定可能であり、ほぼ制約なく自由に問題を製作できると言ってよい。
-本作に収録されているクリア済みの問題を読み込んで、それをベースにすることもできる。

''とことんぷよぷよ''
-エンドレスで普通のぷよぷよをプレイするモード。開始難易度によっては、一定時間毎におじゃまぷよが降る仕様にできる。
-隠しオプションにより、元々あるなぞぷよや自分で作ったなぞぷよをひたすら解いていくモードに変更することもできる。
--どのモードの問題から出題されるかや、何問目からスタートするか等はおぷしょんで指定可能。連鎖への道とエディット問題(各50問)以外は最大数が「99問」と表示されるが、表示がカンストしているだけで実際には全問が出題される。

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**評価点
-難易度は適度。
--おおむね、最初は簡単で後になるほど難しいという流れになっている。
--わからない問題があれば「あきらめる」で一旦飛ばしてしまうこともできるので、詰みの発生もほぼない。
--一度失敗した後に聞けるヒントも適切。高難易度の問題では答えそのままを言ってしまわない程度に難易度を下げているものが多い。
-登場キャラが多く、主人公を含め32人と本家『魔導物語』や『ぷよぷよ』シリーズ並みのキャラクターが揃っている。
--パズルゲームなので、会話は出題前後にそれぞれ二言三言程度あるぐらいではあるが。
//本家魔導ではそもそもザコ敵との会話はほとんど無し、ぷよぷよの方も短い漫才デモなので会話の分量はさほど変わらないはず
-出題中のステージ背景には、全キャラクターごとに壁画調にデフォルメされた個別のイラストが用意されている。
--原作『アルルのルー』で使われていたイラストの使い回しではあるが、本作で新登場したキャラにはそちらの分も描き起こされている。
--ゲーム中は自分が操作するぷよに目が行ってしまうので、気付かなかった人も多いだろう。細部への拘りである。
--クオリティも悪くなく、やたらとマヌケな顔にされているシェゾなどのネタも完備。
-壁越えや幽霊連鎖などのテクニックの練習にもなる。対戦だとそれをやっている余裕はないこともあるので……。
--大連鎖を一度でいいからやりたい、でも技術が……という人には爽快でもある。
-音楽はアレンジ曲・新曲ともに優秀で、特にボス曲は普通にRPG作品で使えるような熱い曲目が揃っていて非常に聞きごたえがある。
--通常ボス戦からして、恰好よく勢いのある曲調から転調でさらに勢いを増していく絶妙さが高い人気を誇っている。
--対サタン戦の音楽は他のシリーズのものと一線を画しており、一方でアルル対ルルーの音楽もこれまでになく緊迫したものである。是非一度聞いてほしい。
--ステージごとにマップ音楽や通常戦闘の音楽も異なる。イラストと同様、細かい部分でもボリューム感が感じられる。

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**問題点
-対戦はなく、とことんぷよぷよを2人で遊ぶこともできない。
--もっとも、あくまでそれは本家『ぷよぷよ』の担当だと言ってしまえばそれまでの話であったりはする。
-ゲームギア版とは違い敵キャラクター全体で問題を共有しているため、「あきらめる」コマンドで飛ばした難問が、後に再出題されることがある。
--これ自体は問題数が限られている以上しょうがないのだが、後半は問題のストックが切れてくるため飛ばした問題がすぐ出てくるということが度々ある。
-一方で、終盤とは思えない簡単な問題が出てくる事がときどきある。救済処置かもしれないが……。
--隠しオプションを使って問題番号を表示させてみるとわかるが、出題は順不同であり、簡単なものが多い若い番号の問題が終盤でも出現することが原因。
--ちなみに「アルルのルー」「ルルーのルー」ともに、問題の難易度は100番までは概ね番号順に難易度が上昇していくが、101番以降は簡単な問題が配置されている。各100問の設計だったものが後から20問足されたのかもしれない。
-システムは『す~ぱ~ぷよぷよ』準拠のため、クイックターン(1列分の隙間での上下入れ替え)は搭載されていない。
--もっとも、この時点では『[[ぷよぷよ通]]』がスーパーファミコンに移植されていなかったため仕方なくもある。

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**総評
 内容的には原作の『[[なぞぷよ アルルのルー]]』から大幅にボリュームアップしている。~
 SFCということで視覚・聴覚面もそれまでの作品より格段に良くなっており、『なぞぷよ』シリーズでも上等の出来である。~
 ゲームとしてはほぼひたすら問題を解いていくだけの単純な造りであるが、丁寧な演出や発売時期を考えればそこまで気にならない範疇だろう。~

 本作の続編として同じくSFCで『[[す~ぱ~なぞぷよ通 ルルーの鉄腕繁盛記]]』があるが、内容もシステム一長一短ある作りになっている。ぷよぷよ好きなら両方プレイしてみるとよい。~
 一方で、連鎖などの様々なテクニックの練習にもなる。連鎖はそもそもどういう形を狙えばいいの? と悩む人にも適している。

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**余談
-本作収録の「アルルのルー」は、原作のゲームギア版『アルルのルー』からほぼ全ての会話デモが一新されており、「アルルがカレーを作るため材料を集める」という大まかなシナリオの流れ以外はほぼ新作に近い内容となっている。
--出題キャラのステージ振り分けも大幅に変更されており、原作で登場したキャラが本作のアルル編には一切登場せず、ルルー編にのみ登場するというケースも。
--原作からストーリーとボスが変更されたことに伴い、原作の登場キャラのうちドッペルゲンガーアルルだけが登場しない。

-「アルルのルー」と「ルルーのルー」のエンディングBGMが共通の新曲になっているため、原作『アルルのルー』のエンディングBGMが未使用曲になっている。
--ただし曲自体は本作にもアレンジ収録されており、サウンドテストで聴くことが可能。

-うろこさかなびとのデザインと性格が『アルルのルー』と『ぷよぷよ通』のものでごっちゃになっている。
--説明書のイラストでは『ぷよぷよ通』と同じ青い髪の人魚(同作のセリリの姿)が描かれているが、実際のゲームでは『アルルのルー』の姿の流用でピンクの髪の人魚(他作品のメロウに近い姿)が登場しており、外見が一致していない。
--ゲーム中の性格は、原作『アルルのルー』では強気なお姉さんだったが、本作では『ぷよぷよ通』と同じくやや弱気なキャラになっている。
--一部の攻略本では、ゲーム中の姿は違うにもかかわらず『ぷよぷよ通』と同様の「本名:セリリ」と紹介していたものがある。
--もっともこの時点ではうろこさかなびとのキャラ設定がまだきちんと確立されておらず、似たような事例は他作品にも存在している。

-ルルー編のラスボスはアルルなのだが、何気にアルル本人が敵として登場するのはこの作品が初めてだったりする。
--『ぷよぷよ』シリーズはもちろん、『魔導物語』シリーズでも外伝作品を除いて主人公はアルルであるため、アルルの姿の敵として出てくるのはドッペルゲンガーなどの偽者ばかりだった。