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LOST ODYSSEY - (2014/10/11 (土) 12:04:24) のソース

*LOST ODYSSEY
【ろすとおでっせい】
|ジャンル|RPG|CENTER:&amazon(B0010QYBY4)|
|対応機種|Xbox360|~|
|メディア|DVD-ROM 4枚組|~|
|発売元|マイクロソフト|~|
|開発元|ミストウォーカー&br()フィールプラス&br()マイクロソフト|~|
|発売日|2007年12月6日|~|
|定価|7,140円|~|
|レーティング|CERO:C(15歳以上対象)|~|
|廉価版|プラチナコレクション:2008年11月16日/2,940円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

**概要
ミストウォーカーのXbox360用RPG第二弾。『[[BLUE DRAGON]]』と同様、早い段階から発表されていたタイトルの1つ。~
キャラクターデザインを人気漫画家の井上雄彦氏が担当し、さらに重松清氏執筆のサウンドノベルを組み込むというRPGとしては異例の作風が話題になった。

**システム
-''戦闘システム''
--本作のバトルは最大5人の戦闘メンバーを前列/後列に分けて戦うオーソドックスなターン制バトルとなっている。
--独自のシステムとして、前列のメンバーのHPを合計した「壁」で後列のメンバーを守るガードコンディションシステムがある。
---この壁はレベルが設定されており、レベルに応じて後列メンバーのダメージを半減する事が出来る。壁の最大レベルは4で固定。
---前列のメンバーがダメージを受けると壁の耐久力(GC)が減り、一定の割合まで減るとレベルが下がっていく。しかし、前列メンバーを回復してもGCは回復せず、GCを回復するには特定の魔法が必要になる。

-''エイムリングシステム''
--『[[FF8>ファイナルファンタジーVIII]]』のガンブレードに似たシステム。
--通常攻撃の際に2つの円が表示され、Rトリガーを押しっぱなしにすると外側の円が縮小、内側の円に重なるタイミングでRトリガーを離すと装備しているリングの効果が発揮される。

-''不死者と通常者''
--本作のストーリー、システムの根幹を成す要素のひとつ。
--不死者はその名の通り永遠の命を持つ者。主人公カイムなどが該当する。不死者は戦闘不能になっても数ターン後に勝手に回復し、通常者よりも能力値が高めな傾向にある。ただし、レベルアップしてもスキルを覚えたりはしない。スキルを習得するには一定の手順を踏む必要がある。
--通常者は不死者と異なり、戦闘不能になっても勝手に蘇生しないし能力値も低めだが、レベルアップでスキルを習得出来るため育てやすい傾向にある。ただし、全てのスキルを習得出来るわけではない。

-''スキルシステム''
--前述の通り、通常者はレベルアップでスキルを習得出来るが、不死者は特定の条件を満たさねば習得出来ない。
--その条件とは、アクセサリーを装備する、または通常者を「観察」する事。そして観察対象の通常者と一緒に戦闘を行う事である。戦闘を重ねるとAPが溜まっていき、一定量に達すればアクセサリーに付加されたスキルや観察した通常者のスキルを習得出来る((観察で得られるスキルは1つずつなので、通常者が持つスキル全てを習得するには複数回観察する必要がある。))。
--アクセサリーからの習得は『[[FF9>ファイナルファンタジーIX]]』と同様のシステム。習得すればアクセサリーを外しても使用可能になる。なお、通常者の場合は装備中のみ付加されているスキルを使用可能になる。
--習得したスキルはスキルスロットにセットする事で効果を発揮出来る。これは同社の製作した『ブルドラ』や『[[FF5>ファイナルファンタジーV]]』と同様のシステム。

-フィールドは『[[ロマサガ>サガシリーズ]]』のように地図上から行き先を指定するタイプになっている。
--ただし、乗り物を操作する際は3Dフィールドを移動する事が出来る。
--街中やダンジョンは自動カメラ式の3Dフィールド。エンカウントはランダムエンカウントとなっている。

**評価点
-世界観が似通っている事もあってか、『[[FF6>ファイナルファンタジーVI]]』あたりに似た雰囲気を持つ。機械文明が発達しつつもどこか中世な雰囲気と魔法の存在((ただし、『FF6』と異なり特別な素養がなくとも魔法を使える。))など共通項が非常に多い。
--このため、プレイヤーからは本作こそFFの最新作であるという主張も多い。
--軍に追われる記憶喪失の主人公、暗躍する宮廷魔術師などストーリーも『FF6』に被る部分が多いが、千年を生きているからこそのイベントも存在する。

-ボスキャラが強めに設定されており、緊張感のあるバトルが楽しめる。
--油断していたら序盤のボスで全滅を経験したというプレイヤーも多い。
--どのボスに対しても、そこに到達するまでの時点で入手出来る装備、習得出来るスキルで勝てるようになっているので、ボスの行動パターンを見極める事とプレイヤーの戦術が試される。バトル好きからは好評を持って迎えられた。
--一方、ザコ戦は楽勝な傾向にあり、レベル上げが苦にならないように配慮されている。

-サウンドノベル「千年の夢」。
--特定の条件を満たすとカイムの過去を垣間見るという形で読む事が出来る。一度見つけた夢はタイトル画面からいつでも読み返す事が出来、プレイ中はスキップも可能なので、後でまとめ読みも出来る。
--基本的に悲しい内容の話が多く、それに合わせた演出、雰囲気、BGMと高い完成度でプレイヤーを引き込んでくれる。これだけで別個のゲームとして完成されているレベル。
--最初に強制的に読むことになる「ハンナの旅立ち」で涙したというプレイヤーも多い。なお、全ての話をまとめた単行本が発売されているので、手にとって見るのもいいだろう((ただし、現在本作は値崩れしているので単行本を購入するより安く済む可能性が高いが。))。

-素晴らしいBGMの数々
--植松氏によるBGMは今作でも健在で各場面を盛り上げてくれる。
--前述のサウンドノベルの雰囲気に合わせた哀愁漂う曲はもちろん、各種戦闘やラスボス戦の評価も高い。

-『ブルドラ』同様にあちこちを調べてアイテムを入手する要素は健在だが、『ブルドラ』に比べて調べられる箇所が減り「Nothing」もなくなったため探索に無駄に時間がかかるという事がなくなった。
--中にはポスターを剥がすなどプレイヤーの意表を突いた場所に隠されている事も。なお、「全宝箱回収」の実績はこの隠しアイテムもカウントされるので、実績コンプを目指す人は序盤から探索に力を入れた方が無駄がない。
--他に『ブルドラ』から引き継がれた要素としては、メニュー画面の「回復」コマンドなどもある。魔法の名称も引き継がれている。

**問題点
-やりこむと最終的に全てのスキルを習得出来る不死者のみでパーティを組む事になる。
--普通にクリアするだけならそこまで問題にはならないが、多数のスキルを使えて耐久力も高い不使者の方が有利なので隠しボスはおのずと不死者のみで挑む方が楽。
--ただし、不死者は4人なので、最低1人は通常者を入れておく必要がある。

-グラフィックはそれなりの出来なのだが、井上氏のデザインがリアル系のために不気味の谷現象が起きてしまっている。
--また、モーションや髪の毛の描写など細かい部分での不満は多い。

-ロードが長い
--体験版の時点から言われていたが、非常に長い。後に360本体にインストール機能が実装されたが、それでも長い。

-棒読み声優の存在
--主要キャラクターの声優の多くが俳優を起用しているため、大事な場面で棒読み連発で萎えてしまうという意見多数。
--中にはヤンセン役の豊原功補氏のように一定の評価を得た場合もある。
--英語音声も収録されているので、さっさと切り替えてしまうのも手。

**総評
SFC時代のFFを当時の最新技術で製作したらこうなったという評価が似合う作品である。~
プレイすればその雰囲気、世界観などに懐かしさすら憶えるであろう。~
ゲーム自体は特に斬新な部分はないものの、誰もが涙した千年の夢、雰囲気を盛り上げてくれる植松サウンド、強敵との死闘など全体的に高い完成度を持っている安心して遊べる一作である。