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シークレットゲーム -KILLER QUEEN- DEPTH EDITION - (2016/05/26 (木) 00:09:47) のソース

注意:このページでは、『シークレットゲーム -KILLER QUEEN-』(PS2)と逆移植版『シークレットゲーム -KILLER QUEEN- DEPTH EDITION』(Win)と移植版『シークレットゲーム PORTABLE』(PSP)を紹介する。~
便宜上記事名はWin版の『シークレットゲーム -KILLER QUEEN- DEPTH EDITION』としている。
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*シークレットゲーム -KILLER QUEEN-
【しーくれっとげーむ きらーくいーん】
*シークレットゲーム -KILLER QUEEN-DEPTH EDITION
【しーくれっとげーむ きらーくいーん です えでぃしょん】
*シークレットゲーム -KILLER QUEEN-PORTABLE
【しーくれっとげーむ きらーくいーん ぽーたぶる】
|ジャンル|サスペンスアドベンチャー|CENTER:&amazon(B0018J2Q8G,image);&br;&amazon(B0018J8C5C,image);&amazon(B001TRF8YQ,image)&br;|CENTER:&amazon(B004Q25JEK,image);&br;&amazon(B003A852IE,image);&br;&image(http://dist.joshinweb.jp/emall/img/sm/JSN_C00001/middle/49/44445/4944445010933.jpg,height=160)|
|対応機種|プレイステーション2&br;Windows 2000/XP/Vista&br;プレイステーション・ポータブル|~|~|
|メディア|【Win】DVD-ROM&br;【PSP】UMD 各1枚|~|~|
|発売元【PS2/PSP】|イエティ|~|~|
|開発元【PS2/PSP】|レジスタ|~|~|
|発売・開発元【Win】|FLAT|~|~|
|発売日|【PS2】2008年8月21日&br;【Win】2009年4月24日&br;【PSP】2010年5月27日|~|~|
|定価|【Win初回限定版】8,800円&br;【Win/PSP各通常版】:5,800円&br;【PS2】初回限定版:8,300円/通常版:6,800円(全て税別)|~|~|
|プレイ人数|1人|~|~|
|セーブデータ|【PS2/PSP】100箇所(オートクイックセーブ有り)|~|~|
|レーティング|【PS2/PSP】CERO:D(17才以上対象)&br;【Win】ソフ倫:&color(crimson){''18歳未満禁止''}|~|~|
|廉価版|【PSP】イエティベスト:2011年9月29日/2,800円(税別)|~|~|
|配信|【Win】2009年11月13日/6,955円(税込)|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|ポイント|典型的デス・ゲーム&br;秀逸なルール|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[FLAT作品リンク>FLAT作品]]''|
#center{&big{''今、狂気のゲームが幕を開けるー''}}
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#contents(fromhere)
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#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br;&size(20){''Win版は18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。''}}
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**概要
2006年に発売された同人ゲーム『キラークイーン』を大元とする作品群。(同人版は本Wikiは取り扱い対象外)~
シナリオは『こなたよりかなたまで』『遥かに仰ぎ、麗しの』の健速(たけはや)氏が担当した。~
PS2に『シークレットゲーム -KILLER -QUEEN-』として移植されるが、登場人物と基本設定がほぼ同一でストーリーは新規という、別物とも言える内容となっている。~
その後の展開は[[FLAT作品]]を参照。

ストーリーは、閉鎖環境に集められた登場人物たちが時に協力しつつ命懸けで競い合うという、典型的なデス・ゲームものとなっている。

**ストーリー
>閉鎖された廃墟、閉じ込められた13人のプレイヤー
>仕掛けの仕込まれた首輪、トランプを模したPDA
>72時間以内に与えられた条件をクリアしなければ首輪の仕掛けが発動する
>こんな非現実的な状況を簡単に受け入れてしまうのは、
>目の前に転がったそれが、かつて人間だったモノだからなのだろう
>PDAは全部で13台存在する。
>首輪の解除条件はそれぞれ異なる。
>誰がどのPDAを持っているのかわからない、自分の条件は隠さなければならない。
>しかし、単独行動は不利、条件を明かして他のプレイヤーと共闘すべきだ。
>……いやまて、アイツは嘘をついているんじゃないのか?
>「殺される前にコロスしかない」
>疑心暗鬼、そして何よりも死への恐怖が、プレイヤーたちの道徳と理性を蝕んでいく
>(PS2版公式サイトより抜粋)

**登場人物
#region(クリックで展開)

-御剣総一(みつるぎ そういち)
--男子高校生。本作の主人公。身体能力は標準だが、頭は回る。過去のある事件から自己犠牲の精神を持つ。
-郷田真弓(ごうだ まゆみ)
--年長のおばさん。参加者の中でも良識人だが、不審な行動が多い。
-葉月克巳(はづき かつみ)
--優しいおじさん。見た目通りに穏やかな性格。
-色条優希(しきじょう ゆうき)
--最年少のロリ。後述するBETシステムではオッズが最も高いがエピソード4以外ではまともに登場しない。
-漆山権造(うるしやま ごんぞう)
--エロおやじ。しょっちゅう女性陣にちょっかいをかける。いかにもな第一被害者ポジション。
-北条かりん(ほうじょう かりん)
--健康的なスポーツ少女。病気の妹のために賞金を気にしている。
-高山浩太(たかやま こうた)
--元傭兵の中年男性。精神的にも肉体的にも強い。中立的な立場なので協力は容易だが、信頼は難しい。
-矢幡麗佳(やはた れいか)
--冷静な女子大学生。疑り深い性格。エピソード2のパートナー。
-綺堂渚(きどう なぎさ)
--20代の女性。言動はおっとりしているが…。エピソード3のパートナー。
-長沢勇治(ながさわ ゆうじ)
--ネット弁慶の少年。人を殺してみたいなどと危険な思考の持ち主で、とても好戦的。
-陸島文香(りくしま ふみか)
--受付嬢のお姉さん。協力的な態度をとる。
-姫萩咲実(ひめはぎ さくみ)
--臆病な女子高生。エピソード1、4のパートナー。メインヒロインだが当人のルート以外では%%すぐに殺されるので%%影が薄い。
-手塚義光(てづか よしみつ)
--自称会社員の青年。軽い言動とは裏腹に殺人も厭わない冷血漢で、冷静な判断力の持ち主。
#endregion

**舞台
-登場人物いわく「東京ドームが数個入る」ほどの面積がある広大なビルで、6つのフロアがある。窓は一切なく、入り口は頑丈なシャッターと分厚いコンクリートの壁で完全に閉鎖されている。
--携帯電話などはジャミングがかかり通話不能となっている。外部への連絡手段はない。
--さらに各階は複雑な迷路になっており、数多くの部屋がある。
---部屋を探索することで武器や食料、PDA拡張機能の入った端子が見つかることもある。また、各フロアには必ず「戦闘禁止エリア」となる部屋が存在する。
--各所に罠が仕掛けられている。即死する罠、怪我を負う程度の罠、単純に下の階への落とし穴などさまざま。
---ただし頻度はそれほど多くはない。

**ルールの要約
-参加者に配られるPDAには「PDAと首輪の説明」「ルールは全部で9つあり、一台のPDAにはその内4つしか書かれていない」という2つの共通ルール、そして説明の通り他のルール2つだけが書かれている。
--首輪はルールを知らずに破っても機能するため、まず数人で手を組みルールを把握しなければならない。

-参加者には首輪が仕掛けられており、自分のPDAに記された解除条件を満たして接続することで解除できる。条件を満たさず接続したり他人のPDAを接続したりすると、首輪が作動して着用者は死亡する。
-トランプを模したPDAが13台あり、13人の参加者にランダムに配られる。首輪の解除条件はそれぞれ異なっており、解除に使えるのは最初に自分に配られたPDAのみ。
-13台のPDAとは別に、1台のジョーカーPDAが1人に配られる。これは他の任意のPDAに偽装できる機能を持っている。
-侵入禁止エリアに侵入すると首輪が作動して着用者は死亡する。侵入禁止エリアは時間と共に広がってき、72時間後には全域が侵入禁止エリアとなる。
-戦闘禁止エリア内で他人を攻撃した場合、首輪が作動して着用者は死亡する。
-開始から73時間が過ぎた時点で生存している参加者を全て勝利者とし、20億円の賞金を山分けする。

**解除条件の例
-A:クイーンのPDAの所有者を殺害する。手段は問わない。
-4:他のプレイヤーの首輪を3つ取得する。手段を問わない。首を切り取っても良いし、解除の条件を満たして外すのを待っても良い。
-J:「ゲーム」の開始から24時間以上行動を共にした人間が2日と23時間時点で生存している。
-Q:2日と23時間の生存。

**特徴
-システム自体は標準的なノベルゲームの体裁であり、プレイヤー視点から直接に「ゲーム」へ参戦するわけではない。
--このためもどかしく感じる面も多々出てくるが、その一方、複雑なルールや人間関係を完全には把握しきらなくとも進行できるので、見た目ほどには負担なく楽しめるとも言える。

-エピソード1~4の4つでストーリーは構成されている。
--いずれも主人公は御剣だが最初に出会う相手が毎回変わりそれに伴ってストーリーも変わる。
--それぞれのエピソードはパラレルストーリーになっており繋がりは特にない。エピソード1~3は不明瞭な点が多いがそれらの点はエピソード4で解明される。

-BETシステム
--ゲームの結末で誰が生き残るかを予想してチップを賭けるシステム。賭け方は1人に任意のチップを賭けるだけというシンプルなシステム。
--男性はオッズが低め、女性や子供はオッズが高めに設定されている。
--賭けるタイミングは任意なのでゲーム中盤になってから賭ける事も可能。ただしオッズはどんどん低くなる。
--とりあえずゲーム開始直後にBETを選び、参加者やオッズを把握しておくと良い。
--入手したゴールドを使用することでゲーム内に登場しない販促CGやNGボイス等を閲覧できる。
---Win版にはこのシステムはない。

**評価点
-作り込まれたルール。
--生き残れるのは1人だけではない。そのため協力することもできる。
---しかしジョーカーの存在、賞金山分けのルールがあるため常に裏切られる可能性がある。
---この辺りのジレンマがゲームを面白くしている。
--探索で手に入る武器が段々エスカレートしていく。
---最初は鉄パイプ程度だった武器が拳銃、サブマシンガン、最終的にはロケットランチャーまで手に入る。そのため、反撃以外の自衛手段が変わり、「安全地帯を確保し篭ればいい」という展開になることはない。
---また、代表される安全地帯「戦闘禁止エリア」だが、エピソードが進むにつれあらゆる方法で安全が確保できない状況になり、最終的にはエリア内にいる方が危険となる。ルール自体に変更はなく、意図的に作られたルールの穴を突くといった展開にハラハラさせられる。

-個性あるキャラクター
--協力的なお姉さん、好戦的な少年、エロおやじ等々。
--性別も年齢もバラバラの無作為に集められた13人という感じがする。

-パラレルなシナリオ
--複数のシナリオが用意されている事で、様々な『ゲーム』の展開を楽しむ事ができる。
--手を血で染めたばかりに狂気の殺人鬼へと堕ちてしまうキャラを別のシナリオで踏み留まらせたり、逆に最後まで生き残ったキャラが別のシナリオで呆気無く殺されたりと、それぞれのシナリオでキャラの描写や末路が全く異なる為、常に新鮮な気持ちでプレイできる。
--シナリオによって探索で手に入るPDA拡張機能の種類や数が変わる。
---以前のエピソードで自分に恩恵をもたらした機能が、次のシナリオでは敵が手にして自分を追跡してくる、などといったスリリングな展開が楽しめる。
--「ゲーム」を運営する側の思惑により「エクストラゲーム」が開始される。
---これをクリアすることで不利な状況だった者が一転、有利になるなど、中だるみやマンネリ感を無くす展開で緊張感が持続する。
--陰惨なだけではなく、最終章では全てに決着を付けて大団円を迎え、読了後には満足感を得られる展開がしっかり用意されている。最後まで心が折れてはいけない。
---「ゲーム」の運営に踊らされるもなんとか生還するエピソード1、「ゲーム」が想定外の展開を見せるエピソード2、運営の意図を超え一矢報いるエピソード3、「ゲーム」に決着をつけるエピソード4、といった順番で読ませるシナリオ構成は見事である。

-迫力があるOP&BGM
--どちらもゲームを盛り上げている。
--PSP版のみOP・EDが変更されているがこちらも良い出来。
---[[PSP版オープニング>http://www.youtube.com/watch?v=SnpHBj5Tpww]]

**賛否両論点
-主人公が癖のある性格である。
#region(ややネタバレ)
-どのエピソードでも主人公の御剣はAを所持するが、Qの殺害を試みることはなくむしろQを助ける展開もある。
--戦闘も好まず常に協力的な姿勢であるというのは良いとしても、自らの命をまるで顧みず、利他的な態度を崩さないのは「自己犠牲精神すぎる」と批判されることも。
---そもそも自身のゲームクリアについては「自分は絶対に人を殺せないから」と早々に諦め、ヒロインや同行者を生還させる事だけを目的とするようになる。
--もっとも、この自己犠牲の性格についてはそうなってもやむを得ない理由があり、ストーリーが進むにつれて徐々に明らかになっていく。
---エピソード4終盤では自身の間違いに気付き、自分を含めた皆で生きて帰る為に奮起する事になる。
--この手の作品にありがちな「不殺の主人公」である理由をきちんと盛り込んだ点は評価される。
#endregion

**問題点
-展開が読める場面が多い。
--例えばエピソード1では誰がQを持っているかが伏せられているが雰囲気で分かってしまう。
--「ゲーム」参加者の中に運営側の人間が混ざっているのだが、エピソード1序盤からそれを匂わせさらに後半で確定する。
---どのエピソードでも暗躍するキャラなので、意外性のためにもせめてエピソード2までは正体を隠すべきではなかったか、という批判がある。
//↑は郷田のこと。渚ではない。

-ご都合主義な場面が多い。
--主人公の味方が銃で撃たれるシーンが多々あるが、顔をかすめるだけで済むなど強引な展開と批判される。

-銃の描写
--開発陣に銃に詳しい人がいなかったのか、「サブマシンガン」「ロケットランチャー」といった大雑把な説明で、細かい描写は無い。
---銃器を売りにした作品ではないし、「ゲーム」参加者は銃器に詳しくないので、その視点での問題はない。
--しかし「ライフルで狙撃される」シーンで狙撃手の使うのがどうみてもM16。銃に詳しいプレイヤーから見れば相当なツッコミ所になっている。
---要するに狙撃銃などではなく「アサルトライフル」で狙撃を行っている構図になっている訳である。''ゴルゴ13かあんたは''。
---このイベント絵一枚によって、該当シーンとその先の展開および描写に矛盾が生じてしまっている。描かれているのが単発式ライフルならば一切の矛盾はなかったのだが。

-あまりにも理不尽なBETシステムの罠。
--本作には「トゥルー」「ハッピー」「バッド」の三種類のエンディングが存在するのだが…。
#region(重大なネタバレ)
-ざっくり言うと、BETに参加した時点でトゥルーエンドには到達できない。
-具体的には、山場となるエピソード4までに&bold(){「BETシステムの説明を受け、かつ賭けに参加しない」}という条件を満たさなければ、トゥルーエンドに辿り着けない。
-トゥルーエンドを迎えるとタイトル画面が変化し、事件が完全に終わった事を実感できる明るいものになる。同時に、BETで獲得できる隠し要素の''一つを除いた全てが開放される''。
--一つだけBETコインで購入するものがあるが、それは「(BETしたので)このセーブデータではトゥルーが見られない」というヒント。
--従って、BETシステムの存在は罠でしかない。
-たしかにデス・ゲームの結果で賭けをするのは見るからに悪の所業なので、倫理的には納得がいかなくもない。バッドエンドは「インターネットでBETしていた者」を扱うのも試みとしては面白い。
--しかし一度でもBETをしてしまった場合、トゥルーを見るには''データを消すしかない''。周回プレイ前提のADVでこれはあまりにも酷い。
--ただし、トゥルーとハッピーはシナリオ自体に違いはなく、前述の隠し要素ほぼ開放と、タイトル画面が変化するだけ。そのためストーリーとしてはきちんと完結する。
---ハッピーとバッドの分岐点は「エピソード4中にBETする/しない」であり、それ以前シナリオでのBETの有無は関係ない為、途中でBETしていてもハッピーエンドを迎える事自体は可能。隠し要素の開放にゴールド稼ぎが必要になるが。
---トゥルーを見た後にBETした場合、通常のタイトル画面に戻る。変化したタイトルはアルバムに登録されるが、''再びトゥルータイトル画面に戻す方法はない''。
---まとめると、''おまけ要素をコンプリートしつつトゥルータイトル画面、という方法はない''。
-一応、説明書やチュートリアル、BETする際にはこの点を仄めかす文章が書かれているが、システムである以上、割り切って参加するプレイヤーは多いはず。おまけ要素の開放に必要などと言われれば尚更である。
--不評だったのか、Win版及び次回作ではBETシステムは採用されていない。
#endregion

**総評
秀逸なルールとキャラが魅力。選択肢が無いので、重苦しいデス・ゲームものでありながら、さほど気負いせず楽しむことができる。理不尽なBETシステムなどの罠もあるが、デス・ゲームものに興味がある人にお勧め。~
プレイの際、もしトゥルーエンドにたどり着きたいなら''人の命を賭けの対象にしてはいけない''という事を肝に命じてから始めよう。

**余談
-[[PSP版公式サイト>http://www.yetigame.jp/secretgame_psp/]]がPS2版公式サイトを使い回しているため、操作方法説明の画像がPS2のコントローラになっている。
--ほぼ同じ内容なので使い回し自体は問題なく、このページ以外におかしな点はない。
--PS2公式サイトは現在消滅している。

-Win版のみエピソード3に分岐点があり、選択次第でヒロインが変わるという他機種にはない展開になる。

-後に続編となる『[[シークレットゲーム CODE:Revise]]』及び、そのリメイク作『リベリオンズ Secret Game 2nd Stage』が発売された。詳細は当該記事を参照されたし。

-前述の通り本作品は同人ゲームから発展したもので、その同人版は2つのエピソードのみ収録されている。しかし本作品とは別の展開であり、特にあるキャラクターの評価が180度変わるほどなので気に入った人はプレイするのもいいだろう。

//キラークィーン