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クライシスフォース - (2015/04/16 (木) 22:19:05) のソース

*クライシスフォース
【くらいしすふぉーす】
|ジャンル|シューティング|&amazon(B000068HYC)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|ROMカートリッジ(容量不明)|~|
|発売・開発元|コナミ|~|
|発売日|1991年8月27日|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|演出&BR()3種の自機変形|~|

**概要
-コナミが最後に発売した、「ファミコンではオリジナルの」シューティングゲーム。
--それというのも、同社がディスクシステム移植のROM版『もえろツインビー』を発売したため、厳密には、そちらこそがコナミ最後の「FC用STG」という事になる。
--2人同時プレイが可能で、主人公はどちらもオーラウィングという戦闘機。ただし1Pと2Pで色は違う。
-本作はROMに、かの有名な『[[グラディウスII]]』にも装備された特殊チップ「コナミVRC4」を装備。『グラディウスII』のそれと同様に作り込みは尋常ではなく、プレイヤーを魅了してくれる。
-発売されたFC時代は世紀末ネタが流行っており、本作も199X年を舞台としている。

**ストーリー
時は199X年、東京の同じ高校に通う双子の兄妹、アスカとマヤ。2人は古代遺跡研究家の両親と、ごく普通の生活を送っていた。~
ところが、ある日を境に2人は、同じ不吉な夢を見るようになり、それがまさしく現実となってしまった。1万年の時を経て古代国家アトランティスがかつて滅び去った世界各国の古代文明と共に、7つ化け物を復活させた。~
アトランティスの未知の兵器を前に、現代の科学ではなす術がなかった。たちまち戦火が世界を覆い、ついに魔の手は日本にまで及んだ。アスカ達の両親も巻き込まれてしまい、息を引き取る寸前に2人はある真実を聞かされた。自分達は本当の両親ではなく、17年前遺跡発掘のために訪れた無人島で、古代ムーの民によって作られたオーラウィングと、その中の生命維持装置で生き残っていた、赤ん坊のアスカとマヤを発見したということを────。~
そう、2人とは1万年前にアトランティスと最後まで戦った、ムーの勇敢な戦士の子供だった。~
アトランティスが復活した今、自分達の使命に目覚めたアスカとマヤ。~
他に人類を救える者はいない!~
2人は未知なる力を秘めた2機のオーラウィングに乗り込み、暗雲立ちこめる大空へと飛び立った。

**特徴
-本作はFCでは珍しく、なんと''弾幕シューティングである。''
--FCの弾幕シューティングはこれ以外には『[[バトルフォーミュラ]]』や『[[サマーカーニバル'92 烈火]]』等数える程しかなく、貴重なジャンルと言える。
-システムとしては十字キーで移動、Bを押しっぱなしでショット、Aでオーラウィングが変形、Bを押しながらAで回数制限付きのボム。オーラウィングは何度でも変形可能だが、形態によってショットやボムの性能が大きく変わる。あらゆる状況に応じて使い分けるという戦略性を持たせる事に成功した。
--フロントオフェンサー…前にひたすら撃つタイプ。ボムはその場で広がり周囲のザコ敵を一掃するというもの。
--サイドオフェンサー…前と後ろに分けて撃つタイプ。ボムは前方にブラックホールのような塊を押し出し、近辺のザコ敵及び敵弾を吸い寄せる。
--リアオフェンサー…前と左右の3方向に撃つタイプ。このタイプでB+Aの同時押しをすると、唯一ボムではなくワープとなる。
-アイテムは、取るとショットの性能が変わるものやボムの回数が増えるもの、5つ集めると無敵になる特殊アイテム等多岐に渡る。
-難易度はオプションで3段階から設定可能。コンティニュー回数は3回まで。

**評価点
-まず、FCでありながら2人プレイの弾幕STGを実現した事。
--前述した通り、FCに弾幕シューティングは滅多にない。また、2人プレイのゲームも『[[魂斗羅]]』や『[[ゲバラ]]』等、数える程しかない。
---つまり本作はおそらく''FC唯一の、2人プレイの弾幕STG''という稀有な作品である。それをFCで作ったコナミには脱帽。
-ゲームの難易度は3段階から選べる上、オーラウィングは自由に変形できる。なので、弾幕STG初心者から上級者まで誰もが遊べる自由度のある仕上がりになっている。
-音楽はいずれもFC特有の低音が効いたコナミならではの曲調で、特に2面のBGMは疾走感とロックな雰囲気が融和してゲームを盛り上げてくれる。
-そして何より、本作は巨大ボスの表示が凝っている。
--それというのも、かつての『グラディウスII』等がそうであったように、大抵のFC用STGは巨大ボスをマシン内部で「背景」という扱いで描画しており、そのせいでボスがいない余白は黒や青等の単色で塗りつぶしていた。
---だが本作は、''一部のステージで巨大ボスと背景を同時に表示している。''コナミの底力此処にありと言えよう。

**賛否両論点
-ハードシューターにとっては簡単すぎるという声もある。本作のHARDが同社の『[[アクスレイ]]』のEASYを下回っている。

**問題点
-難易度がEASYやNORMALのモードでは、一部の敵が削除されたり敵弾を撃たなくなっている。だがHARDモードは敵が多く敵弾も多く、''避けるのに疲れるほど難易度が高すぎる。''
--本作は2人プレイの際に処理落ちがあるのだが、''皮肉なことに処理落ちのおかげで避けやすくなっており、「処理落ちさまさま」と言える位の救済措置となっている。''
-''[[入>ギミック!]][[手>百の世界の物語]][[困>バッキーオヘア]][[難>F1センセーション]]''。
--おまけにバーチャルコンソールでも未配信なので、遊ぶ機会が滅多にない。
-難易度EASYでは真のエンディングが見られない。
-獲得スコアは、他のシューティングでよくある「画面端に常時表示」ではなく「ステージクリア時に表示」される形式なのだが、''何故か最終ステージではクリアしてもエンディングのみ流れ、スコアが表示されないままタイトル画面に戻ってしまう。''
--この事象は真のエンディング云々も無関係。エンディングの感動に浸るあまり見過ごしていたプレイヤーの方が多いかも知れないが、スコアラーにとっては地味に困る話。製作スタッフは失念していたのだろうか?

**総評
これまで、商業は『[[バトルガレッガ]]』から同人は『東方Project』まで、弾幕STGというジャンルのゲームは多数登場した。~
そして、商業同人問わず、無名な作品は有名な作品に追いやられ、歴史の片隅に消え去ってしまった。

周知の通り、FCは現代のゲーム機と比べると性能は低いものである。~
だが本作は、コナミがFCのために最後に産み落としたSTGであり、~
同時に限界まで、それこそ骨の髄までFCの性能を引き出した傑作である。~
縦STGを初めてみたい人にも薦められる良作である。

本作は出た当初から人々に知られず、忘れ去られてしまった。そして、今では遊ぶチャンスが滅多にない。~
だが、本作は『[[グラディウス]]』『[[ツインビー]]』『ファルシオン』などの良作STGをFC時代に多数輩出したコナミの技術の粋と呼べる作品で、尚且つ弾幕シューティングには珍しく2人プレイも実装している。~
もし遊ぶチャンスがあるのなら、黙々と1人で遊ぶも、大切な人と2人で遊ぶも自由。~
''是非とも真のエンディングを見て、感動に涙してほしいものである。''

**余談
本作の主人公であるオーラウィングは、後に『エアフォースデルタ』にも隠しで登場した。