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マリオカート アーケードグランプリDX - (2024/04/06 (土) 23:46:58) のソース

*マリオカート アーケードグランプリDX
【まりおかーと あーけーどぐらんぷり でらっくす】
|ジャンル|アクションレースゲーム|&image(http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/wario-1021/20130801/20130801213951.jpg,width=250)|
|対応機種|アーケード(System ES3)|~|
|発売元|任天堂、バンダイナムコゲームス|~|
|開発元|バンダイナムコゲームス|~|
|稼動開始日|2013年7月25日|~|
|料金|1プレイ:100円または200円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|HD化+グライダー&水中要素追加&br()どんちゃんも参戦だドン!&br()全コース一新、システムも改良&br()一応全国対戦も可&br()前作のカードは使えず|~|
|>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''|

#contents(fromhere)
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**概要
マリオカートのアーケードゲームでは『[[アーケードグランプリ2>マリオカート アーケードグランプリ]]』から6年ぶりの新作。本作はバナパスポートカードに対応し、前作までと同じくマリオコインを集めることでアイテムやカートが入手できる。~
基板はゲームキューブベースの「Triforce」((任天堂・セガ・ナムコの3社が共同開発したアーケード基板。))からWindows Embeded PCベースの「System ES3」((CPU:intel Core i5、GPU:nVidia Geforce GTX 650 Ti、RAM:8GB DDR4とゲームキューブ/Triforce基板から大幅にスペックアップしている。))になったことで様々な点がパワーアップしている。画質はHDになった((これに伴い、ブラウン管モニタが撤廃され、ワイド液晶モニタに変わっている。))ほか、オンラインアップデートにも対応し、不定期にアップグレードが行われている。~

磁気カードからICカードへ移行したこともあり、『2』以前のデータを引継ぐことは不可能。~
2013年稼働開始のゲームだが、2023年現在もアップデートが続いているロングランカートレースゲームである。

**変更点
-キャラクター
--従来のキャラはほぼ使用可能。アップデートでもキャラ追加が行われている。
--マリオからはクッパJr.、バンナム枠からは新参戦のどんちゃんが追加。一方、前作からミズパックマン、アカベイ、まめっちはリストラされた。
---それに伴ってか、前作では標準性能タイプだったワルイージが加速重視タイプに変更された。本家シリーズでは体格の関係で中〜重量級となっているので、軽量級扱いはかなり貴重。
---ちなみにどんちゃんはちゃんと美麗な3Dで描かれている、従来はイラストによるアニメーションだっただけに結構珍しい事例だったりする。
--アップデートでロゼッタ、メタルマリオ、ベビィマリオ、ベビィピーチ、デイジー、キングテレサ、ジュゲムが追加されたほか、マリオ→ファイアマリオなどといった着せ替えキャラも追加された。後者は着せ替え専用のアイテムも使える。
//--参戦キャラのうち、クッパJr.、ワリオ、ワルイージは隠しキャラ扱いのためタマゴスロットや特定のグランプリを優勝で入手する必要がある。((但し、ワリオは2020年のアップデートで初期から使用可能なキャラに変更されている。クッパJr.、ワルイージも2023年のアップデートで初期から使用可能なキャラに変更された。))

-コース
--本作ではキノピオ、マリオ、太鼓の達人、クッパJr.、クッパのカップが存在する。それぞれ過去作のヨッシー、マリオ、DK、ワルイージ、クッパカップをベースに、デザインが一新されている。
---2017年6月6日にパックマンカップ、2018年12月18日にドンキーコングカップが追加。こちらはコースの形状も完全新規である。
---なお、50ccではキノピオ、マリオ、太鼓の達人カップしか選べない。
--過去作ではBGMがカップ内で共通だったが、本作ではコース単位で曲が当てられている。
--グランプリでは、過去作では1位に入らなければクリアにならなかったが、本作では3位以内に緩和されている。

-マリオコインの仕様変更
--レース中におけるコインによる最高速度上昇は廃止。
--マリオコインによる報酬付与形式も変更され、50枚ごとにヨッシーをモチーフにしたスロットを利用し、ランダムで出てくる景品を入手できるという形になった。
//--なお、本作では一部のキャラはスロットによって手に入る景品ということで解禁される。
//2023年7月のアップデートにより、スロットで手に入るキャラはマリオの着せ替えであるファイアマリオ、タヌキマリオになりました

-新モード「全国対戦」
--全国対戦とは名ばかりで、実際は段位に合わせたプレイヤーのゴーストと対戦するモード。グランプリモードと違い4台でレースとなる。初めてプレイする場合はアバターを選ぶ事になる。
---ゴースト、と言っても従来のタイムアタックのゴーストとは違い実体があり、それぞれのプレイスタイルを取り込んだCPUが登場するため厳密にはゴーストではない。
---察しのいい人は分かるかも知れないが、『[[湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE]]』の「全国分身対戦」そのものである((ちなみに本作の筐体も前作と同じく湾岸と同タイプの筐体を使用している。))。
--負けても少しだけポイントが貰えるので段位が下がる事はない。一定の段位になると排気量やコースの難易度が上がる。
--自分のゴーストが倒されるとその倒したプレイヤーと1VS1でレースするチャレンジ対戦が発生する。勝つとポイントが2倍貰える。
---後のアップデートにより全国制覇する事で最高速2段階アップの特別なカートが貰えるようになった。

-店頭対戦
--新しく「ふたりで協力」が登場。このモード専用の新アイテムとして「合体カート」があり、運転と大砲による攻撃に分かれてぷれいすることになる。また「タッグメダル」を貯めることで、大砲で発射されるこうらがパワーアップする。
//--中期のアップデートでは4人プレイ限定で「チームで対戦!」が存在し、合体カートvs合体カートというハチャメチャなモードがあったが、アップデートにて廃止となってしまった。
//---そのかわりにコンテニュー限定であそべる「ミドリこうら投げ放題!」が追加された。(後述)
//2023年アップデートで「ミドリこうら投げ放題!」も廃止

-その他
--カメラ機能が引き続き存在する。フレームの種類が増えたほか、Web上で公開されているスペシャルコード(二次元コード)を読み込ませることで限定のキャラクターを追加することも可能になった。
--本編シリーズの『[[7>マリオカート7]]』で登場したグライダー、水中走行の要素を取り入れている。HD画質なので背景や水の描写はかなり美麗である。
--150ccでは一部コースで周回数が増えるようになった。
--前作まではゲーム内での説明不足が目立ったが、ロード中やデモ画面でドリフトやオートアクセルの説明や、上級者になる為のテクニック(直線でドリフトする事で攻撃を防ぐ技等)がランダムで表示されるようになった。
--アップデートで、ドリフトによるミニターボが可能(オートドリフトでは不可能)となったほか、コースにダッシュパネルが設置され、疾走感が上がった。
---のちに右側に付いているマリオボタンでもドリフトが可能になったが、初期のノーマルカートではシールドが張られなくなり、シールドが張れるレア以上のカートでもアイテムを一度食らうと消滅するようになった。
//--2020年のアップデートで「ミドリこうら投げ放題モード」が追加。「みんなで対戦」のプレイ後のコンティニュー画面で「ミドリこうら投げ放題!であそぶ」を選択すると次の対戦はそのモードでのプレイになる。
//---ルールは「ミドリこうら投げ放題」ということで使えるアイテムはミドリこうらのみ。アイテムボックスから取得できるのもミドリこうらを跳ね返せる「バンパー」のみである(取得後に自動で装着される)。
--タイムアタックは削除されていたが、アップデートにより100cc以上のグランプリモードにおいて、クリアタイムが記録されるようになり、ランキング上位10位まで記録されるようになった。
--実況は前作の山寺宏一氏から、アニメ『ポケットモンスター』のサトシ役でお馴染みの松本梨香氏に変更された。

**評価点
-筐体パワーアップによる進化
--先の通りHD画質となったため、ゲーム内の映像は非常に綺麗である。後発の『8』には及ばない部分もあるが、それでも当時のアーケードゲームとしては上位に入る。
--リアルタイムではないとはいえネット対戦ができるようになり、グランプリモード以外の遊び方も加わった。
--カード仕様変更によるデータ保存がしやすくなった。
---『2』までは磁気カードの構造上、耐用回数を使い切るとカードの再発行が必要だったが、バナパスポートカードになったことで一度タッチすればよくなり、利便性が向上した。

-複数人プレイの強化によるワイワイガヤガヤ感の強化。
--協力プレイが追加されたことで、友達同士や家族でプレイする時に初心者をサポートすることもできるように。
//--また、アップデートで追加された「ミドリこうら投げ放題」ではミドリこうらの弾幕がいつでも発生するカオスな展開が多いので、盛り上がりやすい。

-アップデートによる追加要素の数々
--稼働から1年後の大型アップデートでドリフトによるミニターボが可能になるなど、不定期ながらアップデートで要素が追加され続けている。
--着せ替えシステムによるキャラクターの実質大幅追加などもあり、アップデートによる恩恵は非常に多い。
--定期的なイベント開催も可能となり、ソロプレイヤーのやる気を引き出す要素になっている。

-アーケードならではの配慮はそのまま
--本作もアイテムボックスは従来よりも多く設置されており、取り逃すということがまずない。

**問題点
-稼動当初から長らくコース数が10コースと少なかった
--アップデートでミラー実装や新規コースの追加により、この点に関しては解消されつつある。
//シリーズ恒例のレインボーロードも無い、ただアップデートで追加される可能性がある

-アイテムのバランスの悪さ
--前作でもそうだったが、基本的にアイテムの上位互換が多く存在するため良いとは言えない。熱心にプレイするプレイヤーに旨味がないのはそれはそれで問題とはいえ、この点は任天堂らしくない。
--特に本作から登場したトリプルゴールドこうら(アカこうらとブラックこうらの合体版)がかなり強力で、ほぼ全てのプレイヤーが使う程に強い。

-実況および写真撮影が拒否できなくなった
--後者については、店舗側の設定で筐体のカメラ機能そのものがオフになっていれば一応回避できるが、スペシャルコードが撮れなくなってしまう。もっともそれをしている店舗はわずかであるが。
---なお、この理由で写真が撮れなかった場合はキャラクターの顔グラが代わりに表示される。
//いつのアプデかは分かりませんが写真を撮らなかった場合キャラの絵が写るようなってました。

-前作から削除された要素
--先述した通りタイムアタックモードが廃止となったほか、グランプリモードではカップ制覇時のチャレンジミニゲームが無くなってしまった。
--グランプリ以外のモードが拡充されたことも理由にあるのだろうが、いずれも遊んでいた人からすれば残念である。

-音声の使い回しが目立つ
--前作に登場していたマリオキャラクターは、『[[ダブルダッシュ!!>マリオカート ダブルダッシュ!!]]』からの声が使いまわしが目立つ。
---特にドンキーコングは今の声と当時の声とはかなり違うので、それだけでも変えてほしかったところ。

**総評
前作のとっつきやすさはそのままに、上級者やソロプレイヤーにも楽しむことが出来るゲームへとパワーアップした。グライダーと水中の追加によりステージ変化も鮮やかになり、『2』と比較して視覚的にも楽しめる内容となった。~
問題が完全に解消されたとは言えないものの、前作の良さをしっかり継承し、なおかつ『2』のような微妙な調整以上の内容が盛り込まれた良作である。~
マリオカートをプレイしたことない人でも、1プレイで十分な満足を得られる作品といえる。

**余談
-定期的アップデートを挟んでいたが2020年12月以降からはイベント開催しか動きしか見られず不穏な様子だった。
--だが、2023年2月10日に開催されたJAEPO2023で本作が久々にブース出展された((6月10日のコロコロ魂フェスティバルも同様に行われた。))。筐体の一新やUIに調整が入っており、2023年夏にアップデート版が正式稼働予定であることも明かされた。
---同年の7月には予告通り2年半ぶりのアップデートが実施((前述の新筐体も同時稼働))。主なものとして「みんなで対戦」のアイテム数の制限((バンダイナムコパスポートを未所持、未登録の者がいた場合のみ。))やオススメコース選択の改良、クッパJr.とワルイージがプレイアブルキャラとして最初から選択可能になる、コース上のアイテムボックスが増量している等の変更が入っている。