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マリオパーティ5 - (2016/01/11 (月) 12:58:04) のソース

*マリオパーティ5
【まりおぱーてぃふぁいぶ】
|ジャンル|パーティゲーム|&amazon(B00009RG3W)|
|対応機種|ニンテンドーゲームキューブ |~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|ハドソン&br;シーエイプロダクション|~|
|発売日|2003年11月28日|~|
|定価|5,800円(税別)|~|
//|プレイ人数|1~4人|~|
//|セーブデータ|個(ブロック使用)|~|
|レーティング|CERO:全年齢(全年齢対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
マリオパーティシリーズの5作目。
なお、今作でのガイド役を務めるのは『[[マリオストーリー]]』に登場した「星のせい」達7人。


**特徴
-カプセルシステム
--従来作でのアイテムに変わるシステム。カプセルガチャの前を通ると無条件で1つカプセルをもらうことができる。ただし、どのカプセルをもらえるかは完全にランダムとなっている。もらったカプセルは自分に使ったり、前方向10マス以内に仕掛けたりできる。仕掛けた場合、そこに止まったプレイヤーが通常使用時と同じ効果を受ける。
--マスに仕掛けられているカプセルにはそのカプセルの特徴に応じてマークがつく。ワンワンカプセルやチャンスカプセルなど特定のカプセルを除いて、基本的に何が仕掛けられているかは一目ではわからないようになっている。
---従来のショップでコインを消費してアイテムを買うそれと異なり、カプセルガチャは無料で行える。その代わり、自分に使用する際に料金が発生する仕組みとなっている。
---コインがない時は適当なマスに仕掛け、そこに止まる事で料金を省く、という使い方も可能。この方法はチュートリアルでも暗に示されており、仕掛けられる場所が目の前の10マス、という設定もこの用法を意識している事がわかる。
--なおカプセルはガチャ以外にも一部マップでの?マスイベントで手に入ることがある。

-ストーリーモード
--ストーリー内容は、みんなが見ている夢を破壊しようと画策するクッパから、みんなの夢を守るために戦うというもの。
---今回戦うのはクッパ本人ではなく、クッパの手先として登場するミニクッパR、G、Bの3匹となっている。
--従来のパーティモードを拡張したルールとは異なり、いつもより簡略化されたマップを舞台にミニクッパRGBの3体をミニゲームやカプセルでコインを減らし撃破していくというゲーム内容になっている。
---制限ターン以内にRGB全員のコインを0にすれば勝ち。逆にプレイヤー側のコインが0になると負け。通常では通貨として扱われるコインがここではRPGでいうHPの概念に似たものになっている。

-新規プレイヤーキャラの登場
--新しく「キノピオ」「テレサ」「ミニクッパ」がプレイヤーキャラとして使用できるようになった。ただし、この三人はストーリーモードでは使用できない。
---その代り「ドンキー」はプレイヤーキャラとして降板。「ドンキーマス」でプレイヤーをサポートする形となった。

-前作からの変更点
--「ミラクル(チャンス)マス」や「バトルマス」など一部マスが削除され、基本的に「プラス(マイナス)マス」「ハプニングマス」「ドンキーマス」「クッパマス」の4つのみになり、カプセルを仕掛けて各マス毎にイベントを作らせる形となっている。
---「ドンキーマス」「クッパマス」はプレイするごとに全てのプラス(マイナス)マスから、どれか一つが選ばれる。クッパマスはラスト5ターンイベントや、低確率で手に入る「クッパカプセル」で数が増えることがある。
--バトルマスの削除により、バトルミニゲームがターン終了後のミニゲームで発生するように変更になった。
---ミニゲームが選ばれる方法も、3つのミニゲームから全プレイヤーの多数決によって決まる。2つのミニゲームに2票入っていた場合は、誰も選ばなかった方が選ばれる。
--ミニゲームパックの種類が増加し、新しく「アクション」「テクニック」「ヘンテコ」の三種類が登場。
---アクションパックはアクション中心、テクニックはテクニック中心、ヘンテコパックは運任せや変わったミニゲーム中心に揃っている。ただし、ボーナスミニゲーム(黄色の字で書かれているミニゲーム)はどのパックにも登場する。
---その代り、前作でミニゲームを自由に決められた「カスタムパック」は廃止となった。
--デュエルミニゲームが復活したため、決闘システムが復活。今作からコインだけではなく、スターを賭けて対決することが可能になり、逆転要素が増加した。
---スターを賭ける際は、両者がスターを賭けるだけではなく、仕掛けた側が50コインを賭けるということも可能。スターを失いたくないときや、スターがない場合でも奪うことが可能になった。
--ラスト5ターンイベントのルーレットイベントに新しく「スターの位置が5つに増加」「全てのマスにカプセルイベントが配置」というものが追加。最後まで気が抜けない。
---前作まであった「プラス・マイナスマスの効果2倍」は効果が3倍となり、コインの増減が激しくなった。
--スロットBに指しているメモリーカードを、ゲーム中で使用できなくなった。使用できるのは、後述のスーパーデュエルモードでデータを読み込む時だけである。


**評価点
-カプセルシステム
--まず、無料で手に入るためミニゲームでコインを稼ぎづらい初心者に優しいシステムである。それでありながらマスに仕掛けて無料で使えるようにするか、コインを消費して自分に使うかという考える余地を生み出し戦略性の向上に大きく貢献している。
---従来のアイテム制では、強力なアイテムを買うのにコインが必要であるためミニゲームでコインを稼ぎづらい初心者が逆転しづらくなっているという問題があった。
--アイテム制の問題点を解決するとともに、初心者への配慮と更なる戦略性の向上を両立しているという点で評価の高いシステムである。

-従来作でのテレサの役割が貴重なカプセルであるワンワンカプセルに変更された。
--コインの強奪は無料、スターを奪うのに必要なコインは30枚と減らされているが、マスに仕掛けることができる上にカプセルを自分に使う際15コインが必要なので性能的には殆ど従来と一緒である。
--マップを通るだけで利用できたテレサとは違いとても排出率の低いカプセルであるため、従来のように上級者同士でのテレサを用いたスターの横取り合戦のような事態には殆どならない。

-ストーリーモードのテンポは歴代でも屈指の良さ。
--従来作で指摘されていたCOMフェイズ時の待ち時間が一人プレイではストレスになるという問題を解決するべく、今作ではなんと''ミニクッパRGBの3人を一画面で一斉に動かす''という斬新な力技によってテンポの問題点を解決した。
--ミニゲームもミニクッパとすれ違った時か特定のマスに止まった時のみ発生するだけであり、通常の1ターンごとの総参加ミニゲームは無し。マップも狭いため非常に短時間でのマップ攻略が可能。

-やったことがないミニゲームを集めやすくなった
--前述の通りミニゲームパックの種類が増加したため、ミニゲームの種類をある程度絞り込めるようになった。そのため、前作までと比べまだ遊んだことがないミニゲームを出しやすくなった。

-ハイレベルな「おまけ」要素
--今作でも特に評価の高い部分。今作にはこれでもかと楽しめる良質な「おまけ」が多数存在している。

***スーパーデュエルモード
-数種類のパーツを組み合わせてマシンを作り、相手と対戦するモード。他プレイヤーのマシンを保存しておくこともできるうえ、対人戦も可能。
--バランス型、スピード重視、コントロール重視など、様々なパーツがある。これらのパーツを組み合わせるカスタマイズはなかなか奥が深い。
---中でも武器の種類が豊富である。相手を追尾するミサイル、直線状に飛んでいくレーザー、一発の威力は低いが連射が効くので当てやすいマシンガン、ボタンを離した瞬間に爆発する爆弾など、テクニカルな武器が豊富。
---パーツ購入に必要なポイントは基本的にミニゲームをプレイすることでたまる。しかし特定条件で購入可能になるパーツもあるため、全てのパーツをそろえるのは中々大変である。
--COMも頭が良く、3段階の難易度が用意されている一人用トーナメントに参加するだけでも十分楽しめる。中でも最高難易度で戦うことになるドンキーコングの異常な強さに泣かされたプレイヤーは多数。
---ルールが3種類(ライフ制バトル、フラッグ先取り、ラビット撃破)あるため、ルールに合わせマシンを作り変えるなど、奥が深い。


***すごいおまけモード
-今作のウリともいえるモード。「すごいおまけ」の名に違わず、3種類の良質なミニゲームが楽しめる。

-「ねっけつ!ビーチバレー」
--前作であった「はくねつ!ビーチバレー」の改良版。
--1タッチごとにカウントが始まり0になると爆発して相手に得点が加算されるボール、回っている間に取得点数が変動するといった新しいボールが追加されている。
-「げきとう!アイスホッケー」
--2vs2でチームを組んで行うアイスホッケー。アイスホッケー独特の慣性もしっかり再現されている。
--一見普通のアイスホッケーに見えるが、なんと''相手をスティックでぶっ叩いてボールを奪ったりしても御咎めなし。''したがって好き放題暴れられる。
-「カードパーティ」
--いつもとは違う、テーブルゲーム的なマリオパーティ。
--移動にはサイコロを用い、最も多くのスターを集めた人が勝利というルールはそのままだが、使用するサイコロが1~6までの出目になっている本物同様のサイコロ、コインの概念がない、各種ミニゲームが発生しない、など同じようで違う新鮮なルール。
--とにかくシンプルなルールだが、次の移動先がカードで隠れているのでめくってみるまで分からないといった不確定要素があったり、マップの広さを設定できたり、良好な進行テンポなど、シンプルながら完成度は通常のそれと比べても劣らない。
---ルールもわかりやすく戦略性と不確定要素のバランスも丁度いいため、初心者でも上級者を相手に十分戦える。

--これらのおまけ要素は、どれも単なる「おまけ」を遥かに超えた完成度をもっていたため、多くのプレイヤーから絶賛された。


**賛否両論点
-(過去作と比べ)運ゲー要素が強い
--前述の通り、本作のカプセルは実際にもらうまで何のカプセルをもらえるのかが分からず、また入手時と本人のターンでなければカプセルの中身が分からない。この為アイテムを使えた『[[マリオパーティ2]]』以降の過去作と比べると「このマップではあのカプセルを早めに手に入れて有利に進めよう」「相手が持っているあのカプセルを使われる前に対策しよう」といった戦略を立てにくい。
---『2』~『[[4>マリオパーティ4]]』までの過去作や後のシリーズ作ではショップを利用することで(品揃えという点で運は絡むものの)ある程度狙ったアイテム・カプセルを手に入れることができる。
--ミニゲームも運要素・ランダム要素の強いものが比較的多く、実力差があったとしても運次第で簡単にひっくり返ることがある。
--とはいえ、一般的なパーティゲームでは場を盛り上げる為に多かれ少なかれ運ゲー要素が不可欠ではあるし、これが結果的に過去作で問題視されていた「初心者と上級者の差」を埋める事に繋がっている為、一概に否定しきれないのも事実ではある。

-ミニゲームの内容が似たり寄ったり
--具体的に言うと、運ゲーと連打ゲーが多い。恐らくはこれも初心者と上級者の差を埋めようとした為なのだろうが…。
---『[[4>マリオパーティ4]]』の頃に行われた人気ミニゲーム投票で連打ゲーと運ゲーがほぼ全て上位に入っていたのも一因だろう((人気ミニゲーム投票の結果は今も公式ページで閲覧可能))。

--運ゲーに分類されるミニゲームとしては、レバーを回すとコインかドッスンが入ったカプセルがランダムで落ちてくる「ラッキー!コインマシーン」、3つある選択肢のうちどれか一つを選び、より良い結果を引き当てた側の勝利の「えらんでロープ」などといったものがある。どれもこれも技術介入の余地が一切存在しない、完璧な運ゲー。
---更には「''うんまかせ''ダービー」「''かんがえてもムダなのだ''」など、開き直ったとしか思えないネーミングのミニゲームも…。

--連打ゲーは「ひたすらAボタンを連打」「LRボタンを交互に連打」「Aボタン→Bボタン→Aボタンの順番に連打」と、連打方法のバリエーションは無駄に豊富。
---中でも凶悪なのがデュエルミニゲームの「うえからブロック!」~
上から降ってくるブロックに描かれたボタンを連打し、連打数が足りず先にブロックに潰された側の負けというもの。これだけなら他の連打ゲーと大差ないように見えるが、このミニゲームで操作に使用するボタンはABXYLRの計6種類。時間経過によってブロックが追加され、同時に連打するボタンが増えていき、最終的にはABXYLR6つ全て連打しなければならなくなる。~
この時どのボタンが描かれたブロックが追加されるのかはランダムで、場合によってはコントローラーを床に置かないとまともな連打ができないような組み合わせになることも。そしてそんな組み合わせでもCPUは一定の連打数をたたき出してくるわけで…人によっては理不尽に映る事もあるかもしれない。
---とあるミニゲームに至ってはアドバイスの文章でネタ切れを起こしたのか、「''とにかくれんだしましょう。それがしょうりの"ひけつ"です。''」と、完全に投げやりな説明を行っている。((通常、アドバイス項目ではゲームのコツやルールの追加説明が行われており、こうした根性論だけが書かれている例は後にも先にもない。))

-ストーリーモードはテンポが格段に良くなった代わりに、ボリュームが今一つとなってしまった。
--説明の項にある通り、ストーリーモードのマップはパーティモードのそれを簡略化した作りになっており、ミニゲームも1VS3・2VS2・デュエルミニゲームのみと、悪く言えば文字通りの「簡易版」でしかなくなってしまっているのが最大の原因。
//ストーリーモードでは特定のマスに止まることで1VS3・2VS2も出来るので、プレイできるのはデュエルミニゲームだけではないのです。
---一応、これを遊ぶことで解禁されるマップや、このモード以外ではミニゲームモードでしか遊べないミニゲームもあるにはあるのだが…。
--スーパーデュエルモードやすごいおまけモード等、ストーリー以外の「腰を据えて遊べる要素」は相当充実しているのが救い。
--そもそもパーティゲームは多人数プレイが基本となる為、それほど気にしないユーザーもいる。


**問題点
-歴代作の中でもゲーム進行のテンポ自体は悪い部類。
--移動速度が遅かったり、ミニゲーム時や各キャラクターのリアクションが長めだったりなど、ゲーム進行そのものは全体的にローテンポである。
--しかし、上記の通りストーリーモードでは敵3人を一斉に動かすという斬新な手法によってこの点を全て解決している。このため、パーティモードのテンポは悪いのに、ストーリーモードのテンポは良いという妙な事になっている。

-初見でわかりづらいカプセルのシステム
--他人を妨害するタイプのカプセルは、自分に使うと自分が被害を被るようになっている。にも関わらずなぜか使用料が設定されているため、プラス効果があると勘違いして間違って使用する初心者が後をたたない。

-クッパマスのイベント4つのうち半分はランダムな利潤が発生するイベントで、残りのうち一つは全員が被害を被るイベント。このため、押した人にデメリットが発生するマスとしての意義が薄まってしまっている。

-カプセル周りでのCOMのAIには改善の余地あり。
--持っているだけで効果のある「ホネカプセル」を一杯でないにもかかわらず捨てたり、発動させたキャラのコインを半分にする効果の「パックンカプセル」を、わざわざコインを払ってまで自分に使うなど、不可解な行動がちらほら。

-集めづらいミニゲームがある
--前作にあったバトルマスが削除されたため、バトルミニゲームが非常に集めづらくなった。さらに多数決によってミニゲーム決まるため、COMがいる状態だと自由にミニゲームが選べず、やったことがないミニゲームを遊べないということも起きてしまった。
--ドンキーマス・クッパマスも基本的に1マスのみとかなり少ないため、ドンキーミニゲームやクッパミニゲームをプレイするのも難しくなった。

-スーパーデュエルモードのポイントが集めづらい
--基本的に「よにんよう」「1VS3」「2VS2」「バトル」のミニゲームを遊ぶと、その該当するポイントが溜まるという仕組みなのだが、パーツをもらうために何度もプレイする必要があるため非常に時間がかかる。
--特にバトルポイントは、前述のミニゲームが集めづらい事や追加されるパーツも多いため、パーツのために何度もバトルミニゲームを遊ぶ…ということをしなければならなくなる。
---面倒であるが、フリープレイモードでバトルミニゲームを遊び、スタート直後にやめるを何度も繰り返せば早く溜まる。

-スーパーデュエルモードのステージが一人プレイでは一つしか遊べない
--グランプリとフリーバトルが出来るのだが、一人で遊べるグランプリで選ばれるステージは常に「ランダムひろば((毎回ステージの構成が変化するステージで、場合によっては一面泥沼(地上マシン速度低下)や氷、岩山(特定タイヤのみ加速しつつ悪影響を減らせるが、普通のタイヤでは非常に滑る)などの非常に厄介な構成になる))」固定になっている。これだけならまだしも、様々なステージから自由に選んで遊べるフリーバトルは「人対人」「CPU対CPU」しかない(人対CPUが無い)ため、一人で遊ぶとフリーバトル専用ステージはCPUの試合を見ることしかできない。

-ラビットトーナメントが理不尽
--ルールはマップ上を動き回る「ラビット」を攻撃して撃破するだけなのだが、ラビットにマシンが当たるとワープする上、一部武器では普通に当ててもラビットに当てたことにならずポイントが入らない、ラビットがワープして攻撃が無効化されるなどあまりに理不尽。
--一応特定武器なら普通に当てるだけで有効になるため、ラビットに当てられる武器を選べばちゃんとクリアできる。


**総評
新時代のマリオパーティの新たな方向性を打ち立てながらも、バランス面で上級者が有利すぎるという問題点を指摘されていた『4』から、あらゆる点で大幅な改良がされている。~
特に、本編よりも面白いとまで評された多種多様なおまけ要素は今作の評価を語る上では欠かせない。~
ミニゲームについても運ゲーが目立つ一方で極端な実力重視のゲームは減っており、初心者も上級者も等しく一喜一憂できる作品となった。~

その一方で、旧作から続くゲームシステムそのものの限界が徐々に表面化し始めたのもこの作品からであり、~
スタッフも従来通りのマリオパーティは今作で行き着くところまで行ったと思ったのか、これ以降のマリオパーティでは、~
従来の20コインでスターと交換して上位を狙う以外の勝利方法を用意した変則ルール式のマップが多く登場するなど、さまざまなモデルチェンジを模索し始めることとなる。