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くにおくんのドッジボールだよ全員集合! - (2015/12/08 (火) 07:40:36) のソース

*くにおくんのドッジボールだよ全員集合!

【くにおくんのどっじぼーるだよぜんいんしゅうごう】
|ジャンル|スポーツ(ドッジボール)|&amazon(B000068HJZ,image);|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|開発元・発売元|テクノスジャパン|~|
|発売日|1993年8月6日|~|
|定価|9,600円(税別)|~|
|プレイ人数|1~4人|~|
|配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2012年4月14日/800Wiiポイント&br;【WiiU】2014年7月16日/832円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|熱血ドッジの集大成&br;ダウンタウン+ドッジボール&br;ひたすら高い自由度|~|
|>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズリンク>くにおくんシリーズ]]''|

**概要
『[[熱血高校ドッジボール部 (FC版)>熱血高校ドッジボール部]]』をスーパーファミコンにてリニューアルした作品。~
プレイヤーはドッジボールのチームを結成して、世界各国のチームを破り、世界一を目指す。~

通常のドッジボールと違い、内野選手はボールを当てられてもダメージを受けるだけでアウトにならず、~
体力が0になる事で脱落(昇天)し、相手チームの全ての内野を脱落させることで勝利となる点もそれまでのシリーズと同じである。~
リニューアルにあたって、ダウンタウンシリーズの流れも多く取り入れられ、様々なパワーアップが施された。~

**特徴
''チームの結成''
-最初にメインモードの「かちぬき」で使用するチームを作る必要があり、あらかじめ登録されている「くにお」をはじめとする無所属の選手20名((「りき」や冷峰学園四天王など、いわゆるダウンタウンキャラが登録されている))から~
1チーム、10人編成(内野4人、外野3人、補欠3人)のチームを結成し、チーム名をつける。以後はこのチームを使用して世界最強を目指すのが目的となる
--最大3チームまで結成することが可能だが、最初は10人の空きがあり、ショップで「せんしゅさくせい」を買って使ったり、「せんしゅひきぬき」等で相手チームから選手を引きぬいた際に自動で登録されるものとなっている。

''選手の成長''
-選手たちは最初はレベルが低いが、試合に出して勝つ事でレベルが上昇し、ステータスが上がっていく。~
パラメーターはファミコン版ドッジボールに近いが、同シリーズの『[[ダウンタウン時代劇>ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!]]』と同様に成長率の割り振りを変更する事が出来、重要度の低いパラメーターの成長を止めて~
重点的に上げたいパラメーターを伸ばすことが可能となっている。
-ファミコン版ではダッシュシュートとダッシュジャンプシュートで別々の必殺シュートが出ていたが、本作ではこの概念が撤廃され、~
必殺シュートの出し方をカスタマイズする事が出来るようになった。出すまでに必要な歩数(タイミング)に加え、アクションの種類((ダッシュ、ダッシュジャンプ、ハイジャンプ、ロングジャンプ等))までを自由に決める事が可能。
--はじめは一つしか必殺シュートを覚えられないが、選手のレベルが上がるにつれて覚えられる必殺シュートの数が増えていく。

''対戦チームの増加とステージの仕掛け''
-対戦チームも増加し、ファミコン版からは「熱血高校」と「花園高校」が登場しなくなったが、それ以外のチームは軒並み登場しており((「アフリカ」→「ケニア」、「ソ連」→「ロシア」というチーム名の変更はある))、さらに「ドイツ」や「フランス」をはじめとする新チームが多数追加されている。
-それぞれのチームのステージには''様々な仕掛け''が用意されており、非常に個性的である。ステージによっては''選手が雷で撃たれたり、コート全体が雪崩に巻き込まれたり''する事はあるが一切ノーダメージ。%%ボールが当たるより遙かに痛いはずだが%%
--設定により仕掛けを一切オフにしたり頻度を変更することも可能。「[[時代劇>ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!]]」と同様に非常に細かいコンフィグが用意されている。
--仕掛けによってボールや選手が画面外に押し出された場合は一定時間の後に上空からランダムの位置に降ってくる。
#region(ステージの説明)
|CENTER:チーム名|ステージ|
|CENTER:日本|新チーム。桜をバックに巨大な金網の上が舞台。時折、傾いたりひっくり返ったりしてコートの上の選手もろとも落としてしまう&br;選手が浮かび上がるほどの風が吹く事もあり、浮かび上がっている間は''線を無視して相手コート側に侵入できる''ように見えるが実際はきっちりラインクロスを取られる。|
|CENTER:イギリス|ファミコン同様ロンドン橋が舞台。時折開いたり閉じたりするので投げたシュートが橋に当たったり、転がって落ちてしまう事がある&br;時折、霧がかかり、濃くなると画面全体が真っ白になり何も見えなくなる。|
|CENTER:インド|タージ・マハルが舞台。水辺なので足音が聞こえなかったり、一部のアクションが制限される、&br;水流で選手が流される他、蓮が浮かんでおり、蓮に乗って相手コートに進入することが可能。|
|CENTER:アイスランド|氷原が舞台。時折、コートが山なりに盛り上がる他、''選手が突然凍りつく''%%シャツにブルマなので仕方ない%%&br;凍りついた選手は一定時間の間、一切操作できず、無防備になる。|
|CENTER:中国|丸太でできた橋が舞台。常に回転しており、回転に逆らえばダッシュ速度が落ちる。&br;また、シーソーのように左右に傾き、選手やボールを落としてしまう。|
|CENTER:イタリア|新チーム。海底遺跡が舞台。''どうやって息をしているか''はツッコんではいけない。&br;海底から来る泡に飲まれたり上から降ってくる柱に押しつぶされてコートから追い出される事も|
|CENTER:アラブ|新チーム。砂漠が舞台。アイスランド同様、砂丘によってコートの形が歪む他、&br;時折、発生する竜巻に選手やボールが吹き飛ばされてしまう。|
|CENTER:フランス|新チーム。エッフェル塔前の噴水が舞台。コート内に点在する噴水に押し上げられて&br;上空からシュートを放つことも可能|
|CENTER:ケニア|ファミコンにおけるアフリカチーム。ジャングルが舞台。コートがぬかるむのは同様だが、放っておくと''全身が埋まるほどの底なし沼''になる事も&br;また、ステージに生えている木に乗ることで相手のコート側へ行くことが出来る。|
|CENTER:ロシア|ファミコンにおけるソ連チーム。宮殿の前の雪原が舞台。シュートなどで転がると''そのまま雪だるま''になってしまう。&br;時折''雪崩が発生''し、巻き込まれるとボールを含めて位置がメチャクチャになってしまう。|
|CENTER:ブラジル|新チーム。ビーチに見せかけて海上が舞台、波によってコートが歪む他、海鳥がやってくる。&br;攻撃的な海鳥の場合はつつかれてダウンするが、選手を連れ去って上空へ運んでしまう海鳥もいる。|
|CENTER:ドイツ|新チーム。ギアが回転する城が舞台、コートの大半がギアで覆われており、時折回転したり上下に動いたりする&br;回転中はギアの動きに合わせて選手が動くのでトリッキーな攻めが可能。|
|CENTER:アメリカ|巨大なトランポリンの上が舞台。ジャンプしたり、シュートが当たったりするとその一辺が大きくバウンドする&br;たまに落雷が発生して選手がダウンすることも|
|CENTER:テクノス|新チーム。隠しチーム扱い。''宇宙''が舞台。どうやって息(ry&br;重力のかかり方が独特である他、マップの上空にも地形が有り、ジャンプする事で上下逆さになって乗る事が可能&br;また、''ブラックホール''が発生し、選手やボールが吸われる事が多々ある。&br;吸われたシュートはそのまま別のブラックホールから飛んで来るので思わぬ所からシュートが飛んでくる事も…|
#endregion

''顔グラフィックの追加''
-ファミコン版ではタイプ別に顔グラフィックが決まっていたが、本作ではほぼすべての選手がそれぞれ固有の顔を持つようになった。~
ファミコン版に登場していたキャプテンの顔はそれぞれ、「もるどふ(ロシア)」、「へいるまん(アイスランド)」、「らおちぇん(中国)」に当てられ、それ以外のキャプテンと選手はファミコン版と違う顔に変更された。
--脱落時の天使のグラフィックにも選手の顔が反映されるようになった。

''必殺シュートの大量追加''
-ファミコンにおける数々のシュートに加え、ぶつけたボールが戻ってくる「りたーんしゅーと」、ボールの周囲の選手を吹き飛ばす「ばくふーしゅーと」、味方にもダメージが入る「もろはのしゅーと」といった個性的なシュートが多数追加された
--また、「しゅーとごうせい」というアイテムを使う事によって、2つの''シュートを合成して、それぞれの特性を引き継いだ新たな必殺シュートを作る''事が可能となった。~
合成時には比率(50:50、25:75、75:25、ランダム)を決める為、同じシュートを同じ比率で合成しても出来上がるのは全く違うものになる事すらあり、無限に近い数の必殺シュートが存在することになる。~
出来上がったシュートには名前をつけることが出来、誰かに覚えさせる事も出来るが、''実際に投げるまではどんなシュートなのかは全くわからない''、思い通りのシュートになる時もあれば全くのカスシュートになることすらある。
---合成で作成したシュートもまた合成に使うことが可能なので繰り返す事でキャッチしづらい究極のシュートを作ったり、ネタに走ったシュートなど自分だけの必殺シュートを作る事が出来る。

''アクションの大量追加''
-スーパーファミコンになってボタン数が増加した結果、大量にアクションが追加された。
--ダッシュ中にさらにダッシュすることで勢い良く進行方向へ向かって飛ぶ「ロングジャンプ」や、~
微量のダメージを受けるがシュートを高確率でバレーボールのように弾く「ブロック」、弾いたボールをスパイクのように撃つ「アタック」といった動作がボタンの組み合わせで行える。
--攻撃時以外にも選手同士をトーテムポールのように連ねる「トップマン」や選手同士を横に連ねる「サイドマン」といった合体が可能。ターゲットをそらしたり、''ボールの代わりに選手を投げる''ので奇襲にも使える
-攻撃、防御以外にもパスをする相手、狙う相手をボタン一つで変更できるようになったため、より自分の思い通りの試合運びが出来るようになっている。
-アクションの自由度も上がり、相手のコートに入った際もボールを自動で落とすまでは操作をする事が可能。ロングジャンプで強引にコートに入ってボールを奪った後、落とすまでにシュートを撃って逃げる事も出来る。
--外野もダッシュやロングジャンプが可能な為、隙あらばコート内に飛び込んでボールを奪ったり、必殺シュートを放つ事も出来る。

''ショップ要素と新チーム結成''
-試合前にショップに入ることが出来、「必殺シュート」や「装備アイテム」に加え「せんしゅさくせい」、「せんしゅひきぬき」といったチーム編成用のアイテムを購入出来る。~
お金は後述の「かちぬき」で得る事が出来、試合で稼いだお金でチームの強化を図ったり、他チームの選手を引き抜いたり、新たな選手の募集をかける事で無所属の選手を作る事が可能。~
チームのメンバーはいつでも無所属のメンバーと入れ替える事が出来る他、無所属の選手を10人揃えることで3つ目のチームも結成できるようになる。~
自チームの選手の名前と顔は変更が可能なので、いつでもオリジナルのチームに作り変えることが出来る。

''フォーメーションとマル秘作戦''
-フォーメーションとして、試合開始時の選手のの位置を細かく決める事が出来るようになった。開始直後にボールを奪う為に全員を前方に置いておくといった事が可能。
--フォーメーションは10個まで登録可能、出場選手のを決める際に相手チームに合わせて変更する事が出来る。
-マル秘作戦として、試合中に特定の操作をした際に、登録しておいた動作を選手に一斉に実行させることが出来る。これを使う事で、相手コートに飛び込む、全員を集めて合体させるといった指示を出す事が出来る。

''コンフィグの充実''
-試合前にゲームの設定を変更する事が可能。上述のステージの仕掛けの設定に加え、ゲームバランスを調整する事が出来る。
--設定項目は「[[ダウンタウン時代劇>ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!]]」に似ており、互いのチームの強さのバランスに加え、重力や必殺シュートの出やすさ等を細く設定出来る。
---相手チームを「ちょよわ」にする事で強豪チームでもほぼ一撃で倒す事が出来たり、歯ごたえを求めて「ちょつよ」にするといった事も可能。対戦プレイの際のハンディキャップにも使える。

***ゲームモード
''どっじぼーる かちぬき''
-メインモード。ファミコン版における「えんせいじあい」にあたる。~
CPUが担当する世界各国のチームと戦い、世界一を目指すのが目的だが、ファミコン版と異なり、戦うチームの順番は固定されておらず、好きなチームと対戦する事が可能。~
全てのチームから一勝する事で優勝となり、エンディングを迎える。

-初めて戦うチームを選んだ場合、そのチームのコートが対戦ステージとして追加され、他のモードでも選択できるようになる。
-試合を行う事で賞金を得る事が出来る。当然、勝った方が多くの賞金をもらえるが、一度もダメージを受けずに完勝するとパーフェクトゲームになり、より多くの賞金をもらう事が出来る。
--試合を繰り返すことにより、選手のレベルをあげつつ、ショップでアイテムを買ってチームの強化を図り、次のチームへ挑んでいくのが基本の流れとなる。もちろん稼ぎ目的で、同じチームに何度挑んでも良い。

-優勝を果たすと、最後の試合の後、記念撮影が行われる。
--この際もボタンを押す事で胴上げされているキャプテンのポーズを変更し、任意のタイミングで撮影する事が可能。カッコイイ胴上げにするかマヌケな胴上げにするかはプレイヤーに委ねられている。
---撮影された写真は優勝した日付を付けて「あるばむ みる」で見る事が出来る。

-条件を満たす事で隠しチームが対戦相手として出現する。~
テクノスジャパンのスタッフチーム「てくのす」、各国のキャプテンで編成された「おーるすたーず」、各国の選手が''何故かパンツをかぶった''「かぶりものぶろす」、ファミコン版にも登場したプレイヤーのコピーチーム「なぞのぐんだん」が登場する。

''どっじぼーる たいせん''
-対戦用のモード。ファミコン版における「たいこうじあい」にあたる。~
世界各国のチームを選べる他、プレイヤーが結成した3チームも対象に入るので育成したチーム同士でも対戦ができる。
-対戦条件も追加され、「1番の選手を倒すと勝ち」といったものや、実際のドッジボールのように「全員ヒットすると勝ち」という対戦用のルールを用いる事も出来る他、制限時間もつけることが可能。

''めちゃぶつけ たいせん''
-対戦用のモード。ファミコン版における「くらぶかつどう」にあたる。~
ただし、「くらぶかつどう」では1チームの中で選手一人ひとりが独立してのバトルロイヤルだったのに対し、こちらはチーム対チームの対戦になるのでラインのない対戦に近い。
--チームそれぞれで対戦人数を変える事が出来、1対4といった変則的な組み合わせで戦うことも可能。

**評価点
''育成の楽しさ''
-オリジナルチームを結成できる事に加え、選手のパラメーターの成長も自由に決める事が出来、なによりも「しゅーとごうせい」によるオリジナル必殺シュートの生成が非常に楽しい。~
自分だけのシュートを作った後は、シュートの出し方にまでこだわれるので選手に愛着が湧きやすい。

''ステージの仕掛けの多彩さ''
-必殺シュートが思わぬ形で潰されたり、霧で画面が見えない間に不意打ちをかけると言った、何が起こるのかわからないシリーズ独特のハチャメチャぶりがよく現れており、試合が盛り上がる。
--コンフィグで''やり過ぎ''な設定にすると次々に仕掛けが発動して''まったく試合にならない''程にも出来るが、それぐらい選択の幅が用意されている。
---発生する頻度の種類を混ぜることが出来るのも秀逸。たまに強烈な仕掛けが発生するといった事も出来る。

''BGMの質の高さ''
-ファミコン版から続投したチームの内、「アメリカ」、「イギリス」、「日本((厳密には花園高校だが、便宜上日本チームとして扱う))」はステージのBGMが変更されているが、~
それ以外のチームはファミコン版のステージBGMがアレンジされて使用されている。
--ファミコン版で人気の高い「対ソ連・チームのテーマ」もそのままスーパーファミコンの音源で豪華にアレンジされており、~
ファミコン版では、ややゆったりしていた「インド」や「アフリカ(ケニア)」のBGMもアップテンポ調にアレンジされ、より対戦BGMとしての質が高まっている。
---変更されたチームのBGMの質も高く、日本チームのBGMは人気が高いという声もある。
--新たに追加されたチームのBGMも既存のチームに負けないほどしっかりとその国のイメージが盛り込まれたものとなり、~
格調高さを感じさせる「ドイツ」や優雅な「フランス」、サンバ調の「ブラジル」といったイメージが浮かび上がり、かつ対戦BGMとしてのクオリティも非常に高い

''アクションの増加による自由度の高さ''
-あえてブロックに徹底することで、擬似バレーボールが出来たり、ボタンの組み合わせによって相手のシュートを変なポーズで避けたりと、アクションの幅が広まった。
--ロングジャンプの追加やオーバーライン時の挙動の変更により、相手コートに入りつつ攻撃が出来るようになった為、コートのどこにいても油断が出来ない状況になり、戦略性も高まった。
--また、わざわざ味方に近づかなくともパスを渡したい相手をボタン一つで選べるようになったのも嬉しい変更点。

''チームの個性''
-ボールを取ると、あいかわらずキャプテンの「もるどふ」にパスを回す「ロシア」~
ブロックを多用する「フランス」、やたらと整列したがるので貫通シュートの餌食になりやすい「ドイツ」といった国ごとの個性付けがしっかり行われている。
''マルチプレイの楽しさ''
-全てのモードを最大4人までで遊ぶ事が可能になった。
--同じチームの内野4人をそれぞれのプレイヤーが担当したり、1対3や2対2で対戦したりと選択の幅は大きい。
--「どっじぼーる かちぬき」で友達や兄弟と一緒にチームを育成出来るという楽しみ方も出来る。
--プレイヤー同士の腕に差がある場合でも、対戦条件や設定変更でいくらでもハンディを加える事が出来るので盛り上がりやすい。

**問題点
''バグ''
-細かいものから致命的なものに至るまでバグが多い
--「どっじぼーる たいせん」で対戦条件を設定した後に対戦せずに「どっじぼーる かちぬき」に戻ると、対戦条件がリセットされずに反映されてしまう。~
そのせいで試合時間を10秒に設定していた場合、相手がどんな強豪チームでも''10秒待つだけで勝ってしまう''という現象が発生する。~
当然、バランスもへったくれもないので多用すると一気にゲームがつまらなくなってしまう。
--対戦チームのステージを選ぶ際に、そのステージが地球のどこにあるかを示すマーカーが現れるが、チーム順に登場させないとメチャクチャな位置になってしまう。~
たとえば、ゲーム内のチーム順では「日本→イギリス」となっているが、最初に「イギリス」を対戦相手にすると、''イギリスの位置が日本になってしまう''。~
進行に害はないものの、人によっては気になる所である。
---「日本」よりも「イギリス」の方がレベルが低い為「イギリス」を最初の対戦相手にする事はよくある。
--必殺シュートによってはボールに選手がひっついたままになってしまい、''試合が終わらなくなる''と言った致命的なものもある
--「ひっさつますたー」というシュートを売るか捨てるかをしてしまうと、道具欄がバグってアイテムで埋まってしまい、以後、まともに使用できなくなってしまう。
---まずい事に当時の裏ワザ本等でこれが資金増殖の裏ワザとして紹介されてしまったために被害が広がるハメになってしまった。~
当時、テクノスに連絡をすると「らむくりあ」という名前の選手を作成し、所定の操作を挟む事で''セーブデータを初期化''する方法を教えてもらえた。これを利用する場合は当然データを諦めなくてはならないが、大量に出現する「ぼーるぱわーUP」を捨て続ければ時間はかかるが直すことができる。

''ゲームバランスと操作の複雑化''
-対戦の禁じ手として「人投げダメージ」を「あり」にした状態で、ひたすら合体を繰り返して選手を投げつけると、人投げダメージで相手が死んでしまい、どんなチームを相手にも勝ててしまう。
--''ボールではないのでキャッチも避けも通用しない''という点が悪質さに磨きをかけている。デフォルトではダメージ「なし」だが、「あり」に設定出来てしまうのも問題。
-難易度を自分で設定する事が可能なため、相手チームを「ちょよわ」にするとあまりにも歯ごたえがなく優勝する事も可能。普通にクリアした時と同様にアルバムに残せる。
-ショップには各種のステータスUP((装備ではなく数値を直接上げる))が''¥30''で売られていたり、レベルも含めて''全てのパラメーターを最大にする''「すてーたすMAX」が''¥9980''という安値で売られている為、これらに頼ると育成が形骸化する。((一応、パワーアップアイテムを使った選手よりも純粋に育てた選手の方が売値が高いといった違いはある。))
-チームが成長するという仕様上、強くなりすぎたチームは既存のチームとの格差が激しく、対戦には向かない。
-ボタン操作も複雑になり、「L+Y(フェイント、ブロック)」、「A+X+上(マル秘作戦1発動)」といった複合操作が大量に増えた為に覚えづらく、敷居が高くなってしまった。~
「避ける」動作一つとっても、ボタンの組み合わせで6種類も存在する。~
使いこなせれば戦略の幅は広がるものの、「''SFC版のドッジはゴチャゴチャしすぎて好きではない''」という声も聞かれる。

''演出の劣化''
-ファミコン版に比べて全体的に効果音が軽くなってしまった。出来は悪くないもののシュート時の音や必殺音などの迫力が損なわれてしまっている。
--キャラが脱落する際も「ズウゥゥン!」と死んでいたファミコン版に比べ、「ブモッ…」いった味気ない音なので爽快感がない。
-ファミコン版で印象的だった''必殺シュートを喰らった選手が世界を一周する''演出も無くなってしまい、「圧縮シュート」がただの地味なシュートになってしまった。

''キャラクターの扱い''
-本作では「くにお」くんは''最初に登録されているデータ''という扱い((しかも専売特許と言えるナッツシュートを持っていない。))なので、名前や顔を変える事が出来るし、''「せんしゅうりこみ」で売ってしまう事も可能''。そうなると二度とゲームに登場しない。
--ご丁寧にタイトル画面の表記も「○○(最後にプレイしたチームのキャプテン名)くんのドッジボールだよ全員集合!」になってしまう。%%「やまだくんのドッジボールだよ全員集合!」も可能だ!%%
-「しんいち」や「みつひろ」と言ったドッジボール部員は登録されておらず、さらには顔グラフィックの都合上、再現する事も出来ない。
--この為、ファミコン版でドッジボール部員に愛着がある人には辛い仕様となっている。(サッカー編における「こうじ」と「ひろし」の顔はあるが、それ以外の選手は顔がない為、再現する事が出来ない。)
-新チーム結成時のデフォルト名こそ「ねっけつ」だが''熱血高校の選手が「くにお」以外にいない''という寂しい物になっている。逆に冷峰学園の選手が半数を占めるので、実質、「''冷峰学園ドッジボール部''」である。
-CPUは選手のオーダーを決める際にリストの上から順にしか選ばないので、リストの下の方に登録されている選手はプレイヤーが意図的に引き抜いたり順番を変えたりしない限りは''永遠の補欠''になってしまう。~
せっかく登録されているのにもったいない。

**総評
本作を一言で表せば『[[熱血高校ドッジボール部]]』に『[[時代劇>ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!]]』のシステムを組み込んで登場チームやステージをパワーアップさせた作品である。~
ゲーム内の登場人物やゲームバランスに至るまで全てがプレイヤーの手に委ねられているので自分で遊びやすいようにカスタマイズする事が出来、こだわればこだわるほど楽しめる作品である。~
操作の敷居が高くなり、致命的なバグなどの問題点もあるものの~
ハチャメチャな仕掛けに溢れたステージ、様々な表情を見せるキャラクター、くにおくんらしさに溢れた熱いBGM等は間違いなく''熱血ドッジの集大成''とも呼べる作品であり、当時のテクノスの真骨頂を感じさせる。