「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「記事全体の記述の補強」「矛盾していると思われる記述の修正」です。 ---- *スーパードラッケン 【すーぱーどらっけん】 |ジャンル|アクションRPG|CENTER:&amazon(B000068H0P)| |対応機種|スーパーファミコン|~| //|メディア|16MBit ROMカートリッジ|~| |発売元/開発元|ケムコ(コトブキシステム)|~| |発売日|1994年8月26日|~| |定価|9,800円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|3個|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //|ポイント||~| |>|>|CENTER:''ドラッケンシリーズ''&br;[[ドラッケン]] / ''スーパードラッケン''| #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ドラッケン]]』の続編。原作の版権を持つインフォグラムからライセンス許諾を受けた上で開発されたものである。~ 主人公は戦士の町ファイタスで修行する戦士アレクス。名前は最初の時点で変える事も出来る、最大8文字まで。 ~ 主人公にはアレクスという個性が追加され、邪悪な魔術師ギザとその部下アルゴスによってさらわれた恋人サラを救うために旅立つ。~ 北米地域では『DragonView』のタイトルで発売されている。((パブリッシャーはケムコの北米法人。)) **特徴 -前作から一転し、アクションRPGになった。経験値に応じてレベルアップもしていく。 -前作の4人パーティー構成から、等身大の横スクロールアクションになった。 --『[[からくりゴエモン>がんばれゴエモン! からくり道中]]』のように奥行きがある。 -ワールドマップ上でのセーブができなくなったが、街中や特定の小洞窟の中にあるセーブポイントでセーブができる。 -アレクスは近接攻撃の「ソード」と、ブーメランのような挙動の「ハウザー」の二種類の武器を使うことができ、イベントをこなして武器のレベルを上げると必殺技も使えるようになる。 --ソードはアレクスと敵の位置関係によって自動的に斬り方が変わる。ハウザーは常に正面に投げつける。これらを使い分けると消耗を避けて戦いを有利に進めることができる。 --サブウェポンも弓矢、多彩な魔法攻撃と充実している。これらを利用してダンジョンのトラップを突破していく場面もある。 **評価点 -グラフィックのクオリティが高く仕上がっている。 --居眠りする店員の挙動、アレクスを突き落として笑う悪魔、サンドワームなど、様々なキャラのアニメーションが細かいところまで作りこまれている。 --地味なところだと、アレクスが町の仕掛けでワープする場面がいくつもあるが、全て演出が違う。 --氷の魔法を使用した時の天に拳を突き上げるモーションを歓喜する場面に使用したり、雷の魔法を使用した時の拳を地面に突き立てる動作を己の不甲斐なさで地面を殴りつける場面に使用する等、アレクスのアクションをイベント中に流用した表現も上手い。 -味わい深い音楽などは健在。 --印象に残る曲が多く、曲数も50曲以上と多い。 -3Dフィールド --健在で自由度は良くも悪くも高い。場面によっては効果も用意されており雪山の表現は素晴らしい。 -アクションゲーム性 --今作ではアクションパートになっており、等身大キャラなので臨場性が高い。それでいて軽快に操作でき、動作も豊富なのでプレーヤーを楽しませてくれる。 --敵にダメージを与えた時や、逆に攻撃を受けた時は攻撃を食らった側が派手な音と同時に仰け反るので戦闘中の爽快感と緊迫感がある。 --前作ありきの続編だと考えずにプレイすればSFCの中でもかなり良質なアクションRPGである。 -ダンジョン --基本的に敵を無視する事も可能。フィールドではエンカウント方式。 --マップが上下左右に連結、更に手前奥にも繋がっており立体感がある。更に仕掛けも充実している。 --それでいて3Dフィールドの臨場感は健在。 --文章も従来のファミコンから延々と流用していたおなじみのフォントから、漢字を用いた高品質フォントに進化している。 **賛否両論点 -エンカウントザコからは逃げられない。 --どちらかが全滅するしか道が無い。間違って高難度エリアで遭遇したら悲惨な事になる。 -自由度の高さ。 --自由度が高い反面、序盤で高難度の場所へ行ってしまう事も出来る。 ---不親切なわけではなく、イベント毎に行先は明示されて地図もしっかりしており、エリア切り替えの際は曲も周囲の背景も変わるので、終盤の敵に突貫して返り討ちにされるのは基本的に自己責任になる。 -[[前作>ドラッケン]]とは根本的にゲーム性が違う --身も蓋もないことを言ってしまうとスーパードラッケンはほぼ奥行きがある[[リンクの冒険]]であるため、前作のようなRPGを期待すると肩透かしを食うことになる。もっとも前作はクソゲーに片足を突っ込んでいたので一概に問題点とは言い切れないが…… -ケムコが以前SFCに移植したPCゲーム「Lagoon」と類似点が多い --「アクションRPG」「悪の魔術師にさらわれた女性を主人公が取り戻しに行く」「溶岩地帯、氷の洞窟などを攻略する」「敵が暴走して怪物化」「ペンダントに魂を宿す」と類似点が妙に多い。 --もっとも後者二つの展開はPC版Lagoonには存在せず、SFC版Lagoonへの移植に伴うシナリオ改変の結果((PC版Lagoonが[[イース>イースI/II]]に非常に似ていた関係だと思われる。ペンダントの下りも明らかにイースのダルク・ファクトのオマージュだと思われるキャラに別の方向のキャラ付けをするためのものである。))生まれたものなので問題点というほどでもないのだが、両作品を知っているとセルフオマージュとするには気になる点。 **問題点 -音楽 --評価点にあるように曲そのものは良いのだが、音質は悪く、ループが極端に短い曲もいくつかある。 --序盤の洞窟の曲が頻繁に使われる。各ダンジョンは固有のBGMが設定されているのだが、シナリオに関係ない洞窟は大抵この曲が流れると言えるほど序盤の洞窟の曲が使われる。最後のセーブポイントがある場所まで洞窟の曲。 -セーブについて --ダンジョン内にセーブポイントが用意されていない。特にボス前にセーブが出来ないのが辛い。 //特徴には「洞窟の中にあるセーブポイントでセーブができる」とありますが、このゲームの洞窟はダンジョンではないということなのでしょうか? //↑最後のセーブポイントがイベントで洞窟の中に作られるのでそのことが言いたかったのだと思われる -ボス部屋の見分けが付かない。準備しないままボス戦に行き敗北すると、セーブポイントからのやり直しになる。 //--ボスの名前が明かされない。現実では名前は表示される訳がないとはいえ、成敗した後くらいは「~を倒した」と言っても良かったのでは? //初期のゼルダの伝説など、すべての敵の名前がゲーム中判明しないゲームはこの時代では多く、問題点とまでは言えないのでCO。 -その時の適正レベルまで鍛えないと攻撃力が足りず、ボスに与えられるダメージが極端に低くなり、撃破が困難になる。 --適正レベルに満たなくてもわずかながら敵のHPを削れるので敵の攻撃を全て回避しながらこちらの攻撃を当てればいつかは倒せるのだが、現実的ではない。 ---多彩なアクションが用意されながらそれを活かすことはなく、ほとんどの場合[[レベルを上げて物理で殴る>ラストリベリオン]]しかない。 -前作のような独特な雰囲気は損なわれている。 --国内のデベロッパーが作ったので当たり前だが、普通のJRPGのような雰囲気になっている。 --シナリオはあくまでもアレクスとギザの物語に終始しており、前作と比べるとこじんまりとしたスケールの内容になっている。シナリオの顛末も特段深いものではなく、かなりありふれた話になっている。 ---&bold(){タイトルに反してドラッケン(人型ドラゴン)はほんの少ししか登場しない。}そんなところまで[[JRPG>ドラゴンクエスト]]のようにならなくても… **総評 もっさりとした前作から大きくアクションゲームに舵を切った。~ 良くも悪くも前作とは別物なので、それを許容できるのであればオススメできる作品。~ **余談 -上記の通り、一応は続編であるためか、[[前作>ドラッケン]]のドラッケン王族8人がとある場面で登場する。 --しかし前作でどちらかが死ぬまで殺し合っており、和解した様子も無い面子で協力し合っているのを見ると、なかなかシュールなものがある。 -2019年1月22日にWindows版がSteamで配信開始。パブリッシャーは前作同様アメリカのPiko Interactiveによるもの。尚、内容はSNES版をエミュレーションで動作させたものとなっており、配信タイトルも海外版準拠により『DragonView』となっている。