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ゼルダの伝説 トライフォース3銃士 - (2021/07/14 (水) 17:56:13) のソース

//ゲーム自体の粗は少なく、「良作」レベルだと個人的には思うのですが、協力プレイという点でシリーズファンにも手放しで薦められるゲームではないので「判定なし」としました。(初版作成者)

*ゼルダの伝説 トライフォース3銃士
【ぜるだのでんせつ とらいふぉーすさんじゅうし】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B014SL68RK)|
|対応機種|ニンテンドー3DS|~|
|発売・開発元|任天堂|~|
|発売日|2015年10月22日|~|
|定価|5,076円(税8%込)|~|
|判定|なし|~|
|>|>|CENTER:''[[ゼルダの伝説シリーズ]]''|

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#contents()
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**概要
協力してダンジョンを進む『4つの剣』シリーズの流れを汲む『ゼルダの伝説』。~
多人数プレイの見直しを行った結果、今回は4人ではなく3人プレイとなった。&s(){紫リンク……。}

**ストーリー
#blockquote(){
とあるオシャレを愛する国にいるオシャレなお姫様が、魔女の呪いによって脱ぐことのできないタイツ姿にされてしまいました。~
王様は呪いを解くため、魔女を倒すことができるというウワサの“伝説の勇者”を募集し始めました。}
([[公式サイト>https://www.nintendo.co.jp/3ds/ea3j/index.html]]より引用)
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**特徴
''3人で協力プレイ''
-概要の通り、今作のダンジョンは「''3人''」で挑むことになる。
--ローカル通信(3人限定)とインターネットプレイ(フレンド、誰でも)にも対応。ダウンロードプレイにより、ソフト1本で3人が遊ぶこともできる。
---若干の機能制限はあるものの、ソフト1本で3人がエンディングまで遊べてしまう。
---2人だけではローカル通信での協力はできないが、ソフトが2本あればインターネット経由で「フレンド同士2人+見知らぬ1人」という組み方が可能。

-ゲームエンジンは『[[神トラ2>ゼルダの伝説 神々のトライフォース2]]』の物を流用しているため基本的なシステムは今までの2D作品同様だが、アイテムはそのダンジョンで配布された物を使うという形になっている。
--弾数は無限であるが、近年の作品同様「がんばりゲージ」が採用されておりゲージ分使い切ったら回復するまで待つ必要がある。
--後述の通り服によってはこのゲージを増やす効果がある。
--一方流用だが完全にそのままというわけでもなく、3人で足を揃える都合か水中でも早く動けるよう改善されている。

-見知らぬ誰かと遊べるためか、『4つの剣』シリーズにあった「競争」要素は軒並みカットされており、純粋な協力プレイが求められる。
--ハートや取得ルピーは3人で共通。

-下画面に並ぶアイコンをタッチすることで、自分の意思表示をすることができる。さらに、連打すると5段階まで大きくなるため、強調することも可能。
--種類は「こっちきて」「アイテム」「投げて」「担いで」「がんばれ」「ごめん」「No!」「グッド」の8種。
---文化の違いを反映してか、アイコン8種は発売国によって若干違う。気になる人は調べてみるとよい。~
ちなみに、海外版とは通信できない。

-1人プレイにも対応。『4つの剣+』の同様モードのように、1人で3人のリンクを切り替えながら進むことになる。
--担当アイテムの素早い切り替えなど、3人とはまた違った難しさがある。

-各エリアの最終コースである「神殿」をクリアすると、そのエリアの「とくべつ任務」が選べるようになる。
--「制限時間以内にクリア」「少ないハートでクリア」「フォールマスターから逃げ切れ!」「穴に落ちるとアウト」などからコースごとに3つ設定されており、クリアするとレアな素材アイテム(後述)が手に入る。

-協力プレイである本編の他に、2~3人で対戦できる「闘技場」がある。成績によってルピーや素材アイテムが手に入る。
--『4つの剣+』で遊べる「シャドウバトル」に近い。

''トーテム''
-本作を象徴するシステム。仲間を担ぐと、リンクの頭上にリンクが乗っかった「トーテム」状態になる。~
『4つの剣』シリーズでも仲間を担いで投げることができたが、その要素が強化されたもの。
--トーテムの下段は移動を担当し、上段は攻撃を担当することになる。そのため、向きやタイミングの連携が重要になってくる。
---この状態から下段が上段を投げることもできる。
--2段トーテムをさらにもう1人が担ぐと3段トーテムになる。
---3段になると中段の1人は移動も攻撃もできず、上段を投げることしかできなくなる。2人が頑張っている間にアイコンを押して応援しよう。

-主な用途は「投げて穴を越える・段差を登る」「高い位置の敵や仕掛けに対処する」ことの2つ。
--特に「高さ」は本作の重要な要素となっており、2段・3段トーテムを駆使しないと倒せない敵や解けない謎が数多く登場する。
---他にも、操作の上手い1人を一番下にすることで狭い足場を切り抜ける、などの使い方も。

''オシャレ''
-本作を象徴するシステムその2。
-本作では、ハートのかけらを集めたり、剣やアイテムを鍛えたりといったリンクの強化要素は存在しない。それに代わって、服を着替えることで様々な能力を持たせることが出来る。
--「回復ハートが出やすくなる」「ハート最大値が増える」「特定のアイテムを強化」「剣の威力が2倍+ハート最大でビーム発射」などが代表的。
--「BGMを変える」「3人揃わないと効果がない」「止まっていると無敵」「辺りを明るくする」など、一風変わったものも。
---ちなみに、最初に着ている服は勇者の服ではなく「アレな服」。どうアレなのかは実際に見ればわかるだろう。
---デザインも怪獣の着ぐるみのようなコミカルな衣装もあれば''チアリーダー服''というゼルダらしからぬ衝撃のチョイスもありビジュアル面でなかなか楽しい。

-服を作るには、ダンジョンクリアや露天で買うことなどで手に入る素材アイテムを必要数集めなければいけない。

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**評価点
''協力プレイの面白さ''
-『4つの剣』シリーズは知人同士で実際に顔を合わせながら遊ぶゲームであったが、本作は見知らぬ誰かと遊ぶため「本当に楽しめるのか?」という疑問を抱いたユーザーは多かった。
-しかし、蓋を開けてみれば、3人の協力により今までのゼルダとはまた違った面白さを醸し出している。
--アイコンを出せるため、画面の向こうにもプレイヤーがいることが認識しやすく、また謎が解けた時やボスを倒した時の一体感も強い。
---3人で悩んでいる中で「自分が閃いて2人に伝える」「仲間が閃いて教えてもらう」ことでそれぞれ違った感動を得られるのは本作の醍醐味と言える。

-多くの仕掛けで「解法が1通りでないこと」も本作の特徴と言える。
--ただ自分の知っている解法を押し付けるだけではなく、仲間の動きを見ることで新たな解法を知ることが出来る面白さがある。

-オンラインプレイには迷惑プレイヤーの問題が付いて回るものだが、本作は「ブラックリスト」を採用することで1つの回答とした。これだけなら他の多くのゲームと似たようなものだが……。
--本作ではなんと、チュートリアルの時点で迷惑プレイヤーのことを&b(){”偽勇者”}と断じてしまっている。ここまで言い切るのは任天堂のゲームでは勿論、ゲーム全体で見ても珍しいのでは?
--ちなみに過去にオンラインでの対戦プレイが行えた[[夢幻の砂時計>ゼルダの伝説 夢幻の砂時計]]では、途中退室を繰り返すとセーブデータに表示されているリンクが悪人顔となっていき、同様のプレイヤーとマッチングする確率が高くなるようになっていた((逆に最後までちゃんとプレイしていると笑顔になっていき、悪人顔からもいずれは戻れるようになっている))。


''意外(?)なファンサービス''
-3人が揃うまでのマッチング待ち中はロビーを歩き回ることが出来るのだが、ダッシュで壁に激突すると「音のなる玉」が落ちてくる。
--剣で斬りつけることでBGMを流しながら跳ね、お手玉するとBGMを聴き続けられるという暇つぶしの遊びなのだが……。
---なんと全23曲も収録されており(言うまでもなくこの遊び専用)、その多くは過去作の曲である。

-主人公であるリンクの声は複数ある。緑が通常で、赤と青になると若干トーンが変わる。
--『時のオカリナ(いわゆる子供リンク)』『風のタクト(トゥーン)』『大地の汽笛』『神々のトライフォース2』の4種類。
---設定などが出来ずランダム決定であり、データ消去以外で声が変えられないことが惜しまれる。

-2015年12月3日の更新データにて、高難易度ダンジョン「魔窟」が追加された。最奥部では裏ラスボスに当たる「ある敵たち」と戦うことが出来る。過去作ファンは必見。

-服についても一部過去作のキャラや種族をモチーフにしたものがある。歴代ゼルダをプレイしている人ならちょっぴり嬉しくなれるかも。
--とりわけ「魔窟」の報酬には過去作で強い印象を残したあるリンクの形態が選ばれており、少なからず話題となった。

**問題点
''オンラインプレイに関する問題''
-迷惑プレイヤーはブラックリストで対策出来ると言ってしまえばそれまでだが、どうしても後手に回ることになる。~
どこまでのプレイを許容できるかは個人差があるため、本作の空気が合わないプレイヤーは出てくるだろう。
--現在アップデートにより改善されたが、それ以前は途中で退室したプレイヤーをブラックリストに登録する事が出来なかった。~
その為、当時は「とりあえずブラックリストに登録→問題無しと判断したらリストから削除」とするプレイヤーが多かった。

-プレイヤーのモラルに関してはこの項で取り上げる事は出来ないが、以下に「仕様上の問題」と見られる点を記す。
--ゲームの仕様上、通信エラーなどで1人でも欠けると先に進めなくなるため、即ゲームオーバー扱いとなる(ロビーに戻されるだけだが)。一応は見舞金としてルピーが貰えるが、雀の涙である。
---更にこの仕様が仇となり、服の素材を思う様に取れない問題もある。ステージクリア後の報酬素材は各ステージ毎で決まっているが、1エリア(4ステージ)の中から各プレイヤーの行きたいステージをランダム抽選で決める。これは確かに全プレイヤーにとって公平な方法だが、選ばれなかったステージの報酬は一切貰えない。その為、自身の狙った素材の出ないステージが抽選された場合に即抜けするプレイヤーが続出。ステージを進めたかったプレイヤーもそのステージから追い出され、せっかくのアイテム入手機会も失われてしまう。
--トーテムされると上段側は自力で降りることが出来ない。闘技場では回転斬りを出せば降りられる。
--マッチングする際にとくべつ任務の有無が選べるのだが、任務ありのチームでも任務なしが選べてしまう。
---これについては、神殿さえクリアすればエリア全てのとくべつ任務を選べるようになることや、どこでもOKの仕様(未開エリアに飛ばされる可能性がある)に問題があるとも言える。


-また、通常のプレイであっても「初見3人で悩みながら攻略する」のと「解法を知っているプレイヤーがどんどん指示を出して考える暇もない」のとでは面白さが全く異なってしまう。
--「進行度が近いプレイヤーがマッチングするようになっている」とのことだが、どうしてもこういった問題は出てしまうものである。

''序盤のタイムアタック任務が難しい''
-エリア1のいくつかのコースにおける時間設定が異様に厳しく、初見殺しと化している。
--そもそも、任務ありとなしでは敵の配置が変わるため、敵の対処に手間取ってタイムアップになるケースが多い。~
中でも構成自体が後のエリアより単純になりがちなエリア1では、かなり嫌らしい位置に敵が配置されているのである。
---1-1のタイムアタックに初挑戦して、1部屋目でタイムアップしたプレイヤーも多いのでは?

-初見殺し、嫌らしい配置の任務は中~後半ステージにも存在するが、最初のエリアはもう少し余裕があってもよかったのではないだろうか。

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**総評
『4つの剣』シリーズから若干姿を変えつつ、現代のオンラインプレイに対応した「新たな協力ゼルダ」となった異色作。~
任天堂のネットワークゲームにありがちな「モラルはプレイヤーに一任する」方式でないのも異色と言える。~
見知らぬ相手との協力プレイは難しい面もあり、個人により向き不向きがある点はどうしても否定できない。

しかし、従来のゼルダシリーズでは味わえない謎解きの快感は紛う事無き本物である。

3人で実際に集まれる環境があるならば、ソフト1本(と3DSが3台)で今までにないゼルダの謎解きを気軽に楽しめる。~
興味を持っていただけたのならば是非とも手に取って、新しいゼルダを体感していただきたい。
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**余談
-発売前に体験版として、旧クラブニンテンドーの一部の会員に対して『試&b(){”勇”}版』が限定配信された。
--「限定配信」とは言うものの、対象1人に対して体験版3本分のコードが送られたため遊べたプレイヤーは多く、オンラインプレイも体験可能となかなかの大盤振る舞いしていた。
---現在も試勇版同士のローカルプレイ限定だが引き続き配信されている。

-いわゆる「猫目リンク」系統の作品で外伝的な要素が強いためにどこの時系列に入るか議論になっていたが、米国任天堂公式Twitterで『神トラ2』の数年後との設定が明かされた。
--国内でも『トワプリHD』発売時に公開された新たな時系列表に正式に組み込まれている。