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ゴールデンアイ 007 (Wii) - (2018/06/02 (土) 09:33:07) のソース

//N64版から分離
*ゴールデンアイ 007 (Wii)
【ごーるでんあい だぶるおーせぶん】
|ジャンル|ファーストパーソンシューティング|&amazon(B0050MLQLA)|
|対応機種|Wii|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|Eurocom|~|
|発売日|2011年6月30日|~|
|定価|5,800円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[007シリーズリンク>007シリーズ]]''|

#contents(fromhere)

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**概要
Wiiで任天堂から発売された同名作品。オリジナルである海外版の発売元はアクティビジョン。~
開発は『007 ナイトファイア』『007 慰めの報酬 (PS2)』を手掛けたイギリスのデベロッパー、Eurocom。

ストーリーの大筋は原作を踏襲しながらも、時代設定や登場するガジェットなどが現代風に大幅アレンジされている。~
ボンド役を現在のダニエル・クレイグに置き換え、それ以外のキャストも、M役のジュディ・デンチ以外は全員交代している。~
さすがにオリジナルキャストを揃えるのは予算や権利上無理があったのだろう。~

ゲーム上の演出面も含め、[[N64版>ゴールデンアイ 007]]のリメイクと言うより「''映画『ゴールデンアイ』とN64版『ゴールデンアイ007』を掛け合わせた現代風リメイク''」となっている。

クラブニンテンドーでゴールデンクラシックコントローラPROの必要ポイントが減る優待キャンペーンも行われていたが、現在はキャンペーンは終了している。

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**特徴・評価点
-N64のコントローラーは使用できないが、Wiiリモコンのヌンチャク・スタイルはもちろん、GCコントローラ、クラシックコントローラ、Wiiザッパーまで、多彩な操作方法に対応。
--N64版の操作は、現在からみるとFPSとしては幾分特殊だが、今作は現在の家庭用FPSとほぼ同様のものになっており、初めてゴールデンアイに触れる人でも混乱することはない。

-ハードのパワーアップに合わせ、スクリプトを用いた演出が増えており、N64版では実現できなかった派手なアクション演出を楽しめる。
--冒頭の滑走路での飛行機とのダイブや、クライマックスの崩壊するアンテナでの戦いは必見。
--ゼニアがヘリの墜落によって死ぬなど、より映画の再現を意識した演出が増えている。ただし映画やN64版そのままのものは少なく、今作オリジナルのものが多い。また、原典の映画とN64版の両方へのオマージュが見て取れる箇所も。
--映画では本来紐ありバンジーだった冒頭のジャンプが、N64版では紐が描画されてなかったことを受け、今作でも敢えて、紐なしで決死のダイブをする場面として描かれている。

-テーマソング『ゴールデンアイ』を用いた映画さながらのタイトルシークエンス(今作オリジナル)もあるなど、より007映画らしい作品に仕上がっている(ただし歌手は別人)。
--ミッションの冒頭には、衛星画像などを用いてステージマップを開設するブリーフィングムービーが挿入される。

-小杉十郎太など、映画でも吹き替えを担当している声優を起用し、上質な日本語吹き替えが実現されている。
--N64版で省かれていたある重要な台詞((化学工場に侵入する際のアレック・トレヴェルヤンの「祖国のためか?」という問い。これに対するボンドの返答は最終決戦で生きてくる。))がちゃんとある点なども評価できる。

-アステカやエジプトなど、ゲームオリジナルだったステージはなくなっている。

-N64版で大人気だった対戦プレイも健在。
--オンライン対戦にも対応しており、ラグも少なく快適に対戦できる。
--ただし、『[[Call of Dutyシリーズ]]』などを意識してか、N64版のように武器を拾って装備するのではなく、''予め選択した装備で戦闘する''システムが導入されている。
--''試合を重ねるごとに自分の装備を強化していける''。開始当初で使える武器は非常に少なく、どれも弱いが、試合を重ねて経験値を溜めてレベルアップすると武器が開放される仕組みとなっている。
---''しかし、この成長システムの塩梅にかなりの難点がある。''(下記問題点参照)

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**問題点
主にオンラインプレイにおいて問題が多い。

-プレイ時間ごとにプレイヤー間に格差が生まれてしまうのだが、そこを考慮したマッチングがなされない
---ランダムマッチをやるとランダムで対戦相手が決まる。高レベルの相手は当然性能のいい武器やオプションを持っているので、始めたばかりの初心者は実力の差というよりも武器性能の差でなぶり殺しにされる。
---特に熱探知型で薄い壁に隠れている相手も見つける事ができる「サーマルスコープ」、N64版でも猛威を振るったモーションセンサー爆弾と同じ様な性能の「近接地雷」、移動速度が速くなる「ライトフット」等はどれもこれも高レベルで解禁されるオプションであり、レベルの低い初心者はキャラクターの基本性能的な部分で一方的な試合を強いられてしまう。
---他にも防御力上がるリアクティブアーマーや体力の上がるバイオブースター等もある。これを装備した相手だと初心者は同時に同じ武器やチョップを同じだけ当てても一方的に負けてしまう(幸いバイオブースターの開放レベルは低いが)。
---もちろん初期の銃でもヘッドショットしてやればどんなレベルの相手もほぼ死ぬので、FPS経験者なら高レベルの相手でも手も足も出ないという事は無いかもしれないが…。

-レベルアップが非常に遅い
--上記した通りレベルが存在する(最高レベルは56)
---強い武器を使うためにとっととレベルを上げたい所だが、それがとてつもなく大変なのである。
--普通にプレイしてると1試合で手に入る経験値は200ほど手に入れば良い方なのに対して、レベルアップに求められる経験値は最大レベル折り返し地点のレベル28までで合計169200必要。最高レベルにするには合計1403800というとてつもない経験値が必要なのである(もちろん最高レベルでも武器は開放され、最高品質のアサルトライフルが解禁される)。
---試合中にミッションをクリアすると経験値がボーナスで貰えるのだが、「30連続キル」という難しい条件を満たしても500しか増えない。強武器のひしめき合う戦場に突然送り込まれる初心者はそんな条件を満たせるはずも無く、ますます経験値が稼ぎにくくなっており、1試合で経験値が100も手に入らないこともザラである。

--ちなみに経験値の世界ランキングを見るとレベル最大のプレーヤーがひしめいているが、その多くがチートで1度に貰える経験値を増やしてレベル上げを行っている(真面目にやった場合、よほどやりこまない限り最高レベルに届かない)。
---上記の通りこのゲームの場合レベルが高いと良い武器が使え、その上経験値が全然溜まらないので、「不正をしてでも経験値を手に入れたい」という欲望に捕らわれやすいのもチートが蔓延する一因だろう。
---真面目にやっているプレーヤーは相手より劣る武器で戦うしかなく、とばっちりを受けてしまっている。
---そのような上位プレーヤーに対して何もお咎め無しなのも、チートが蔓延するのに拍車をかけている。
--尚チートを使った対戦になるかはホストがチートを使っているかどうかで決まるので、不正を嫌うプレイヤーがランダム対戦で試合前にチートを判断し回避する手段は無い。

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**総評
位置づけとしてはリメイク作品にあたるがゲーム性はかなりの別物で、N64版の忠実なリメイクを期待したプレイヤーは当初戸惑いを見せた。~
ただし単体の作品としては高評価で、凡ゲー~クソゲー評価が並ぶアクティビジョンの007ゲームの中で、数少ない成功作として評価されている。

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**余談
-北米版は2010年11月2日に、欧州版は2010年11月5日に発売されている。

-海外でのみ同日にn-Spaceが開発を担当した本作のDS版がリリースされている。
--その後はPS3版とXb360版において『GoldenEye 007: Reloaded』とタイトルを改めて発売されている。

-現在はほぼすべて終了してしまった青マーク付きWi-Fiコネクション対応タイトルの中で、本作は唯一まだ接続可能なタイトルである。
--ソフトの中で使われている接続先が汎用サーバ(GameSpy)でなく、海外版発売元のアクティビジョン独自のサーバに接続するようになっているためらしい。([[参考リンク>https://www.inside-games.jp/article/2014/05/22/76922.html]])
--しかし、本作も2018年3月30日にネットワークサービス終了が発表された。([[参考リンク>https://www.nintendo.co.jp/support/information/2017/1226.html]])