*マリオゴルフ GBAツアー 【まりおごるふ じーびーえーつあー】 |ジャンル|ゴルフゲーム|&amazon(B0001VIR26)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|任天堂&br()キャメロット|~| |発売日|2004年4月22日|~| |価格|4,571円(税別)|~| |配信|バーチャルコンソール &br()【WiiU】2014年9月10日/702円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|キャラクターを育成できる楽しみが増えた&br()目玉のストーリーモードは自由度が高い&br()GCと連動しないとマリオキャラが少ない|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 GCソフト『マリオゴルフ ファミリーツアー』の続編に当たる作品。~ GC版と比べて画質や迫力は落ちているものの、使用できるキャラクターやゲームモードが増えているので、それぞれの魅力がある作品となっている。~ システム自体はGB版に準拠しているが、飛距離の予測位置をずらせるようになっており操作性が改善されている。 **特徴・評価点 -ストーリーの主人公キャラを育成することが出来る。 --本作最大の特徴。 --ゲームを起動すると、男主人公(ニール)と女主人公(エラ)のどちらをプレイヤーが扱うかを決めるための選択肢が出現する。 --選択しなかった片方のキャラクターは、ストーリーでは主人公とダブルスを組むパートナーとして話が展開されていく。 -育成したキャラクターはGC版と連動することで、そちらで使用することが出来る。 --全体的に、GC版で使えるキャラはクセが強いキャラが多いため、こちらで育てた自分の扱いやすい主人公キャラを使えるとコースを回りやすくなるだろう。 --他にも、連動することによってGBAツアーに居ないマリオファミリーのキャラクターをスコアによってこちらのソフトに持ってくることもできるため、楽しみが広がる。 -ストーリーモードの自由度、完成度が高い。 --本作の特徴である、ストーリーモードだがこれがなかなか完成度が高く、面白いものに仕上がっている。 --目標は「最強のゴルファーになること」だが、急いでやる必要はなく、道中にオマケステージやサブイベントが多く用意されている。 ---外れた道にポツンと置かれているタルの中にアイテムが隠されていたり、ストーリー中で手に入るオーダークラブを使って鍛冶屋でグラブを作ってもらったりと、実に色々なことが出来る。 --ストーリーモードを進めていると出現するクラブチャンプに話しかけると、対戦がはじまる。勝利すると、そのキャラクターをゲットできる。 ---最初の方は相手のAIが賢くないためあまり正確なショットを打たないが、後半になればなるほどどんどんAIが賢くなり手強くなる。 --難易度が低いトーナメントを順番にクリアしていくことによって、どんどんと難易度の高いトーナメントに出場できるようになっていく。 ---ちなみに、前のトーナメントを優勝していない状態だとトーナメントに参加することすらできない上に、そのフィールドの中のごく一部しか探索できない。 --主人公たちも、どんどんトーナメントで優勝したりクラブチャンプに勝利していくことによって全員から一目置かれる存在となっていく。 ---最初の方は小バカにされているような言動をしてくるキャラが多いが、実力を身に付けるにつれてどんどん評価が高くなっていく。これが中々気持ち良い。 --トーナメントに優勝したり、サブイベントをクリアすると経験値が獲得でき、その経験値を使ってキャラクターを育成できる。 ---自分が操作している主人公だけではなく、パートナーにも経験値を振ることが出来る。自分だけではなく、パートナーも強化してあげるとダブルスでの難易度が下がっていき、攻略が楽になる。 -飛距離の予測位置をずらせるようになった。 --今までの作品は、予測位置が最大飛距離の場所しか表示されておらず、パワーをどの程度弱めればよいのか分かりづらかったが、今作ではLRボタンを使って予測位置を変更できるようになった。 --LRでずらした飛距離の位置とほぼ同じパワーの場所でズレの無いショットをすれば、ナイスショット判定となる。 -全体的に、個性の強いキャラが多い。 --ストーリーで出会うクラブチャンプはどれも個性的なキャラが多い。 ---大体のキャラが、見た目と性格が一致している。例えば、見るからにパワフルな体格をしているティニーはプレイスタイルもかなりパワフルである。 --どれも個性的な見た目をしているので、頭に残りやすい。 -マルチプレイという項目では、友人や家族と一緒に遊ぶことが出来る。 --複数人プレイであることを生かして協力プレイ、対戦プレイが出来る。 --複数人でプレイするという言葉から誤解されがちだが、''GBA1台だけでも遊ぶことが出来る''。その場合、使用するGBAをみんなで代わりばんこに回して使い合うプレイスタイルとなる。 ---友人内で持っていない人が居た時の対処、家族間であれば金銭的な負担が減るため便利な機能である。 -クイックゲームで遊べるプレイモードが多い。8個ものモードが用意されている。しかも、それぞれのモードが独特の個性を持っており、面白いものとなっている。 #region(クイックゲームのモードの一覧) -ダブルス --2人1組で対決するモード。4人でプレイすることが前提条件。 ---奇数打と偶数打でグループ内で交互に打ち合う。足を引っ張らないようにプレイする緊張感が加わる。 -キャラマッチ --指定したキャラクターと対戦をするモード。 ---マリオファミリーのキャラクターにこのモードでの対決で勝利するとそのキャラのスターキャラをゲットできる。 ---マリオファミリーのCPUはあまり強くないので、勝つのはそこまで難しくない。 -ゲートショット --[[64>マリオゴルフ64]]にあった「リングショット」のリングが2本のゲートに変更されたモード。 --ホール上に配置されている全ての2本のゲートの間にボールを通過させて、尚且つパー以上を取らなければいけない。 ---当然、ボギー以下のスコアが確定した瞬間にチャレンジは失敗となる。 --いたって単純なルールだが、難易度は高め。中級者~上級者向けのモードと言える。 ---後半になると、2本のゲートの隙間が非常に狭かったり、ラフやバンカーに落とさないと通過できない配置になっていたりとイジワルな配置が増えていく。 -クラブスロット --最初に、使えるクラブをスロットで決めるモード。 --左側ではウッドを選択し、真ん中ではアイアンを選択し、左側ではウェッジを選択する。 --使用できるクラブが大きく制限されるため、難易度は高め。 --全てのスロットのどこかにスターが紛れているが、もしスロットでスターを1列揃えることが出来れば、''クラブ使用制限が解除される''。 ---スターを揃えることが出来れば非常に有利になるが、もし1列でも揃えるのをミスした場合は使用できるクラブを更に制限するだけのただのハズレとなってしまうためかなりリスキーである。 -スピードゴルフ --プレイを開始した瞬間にタイマーが動き出す。18ホール全てを回った時にいかに速く、そしていいスコアを出せるかを競うモード。 ---急いでプレイするとその分ミスが起きやすくなり、スコアが下がる危険が伴うため戦略性が高い。 -ストローク --最も基本的なモード。1コースを18ホール、イン(前半9ホール)、アウト(後半9ホール)のいずれを回るかを決め、その後はいかに少ない打数でホールを回れるかを試す。 -トレーニング --その時点で出現している全コースの全ホールを選択して、練習ができる。 --風の強さや天候を変えることもできるので、まさに練習するためのモードと言える。 -マッチプレイ --指定したキャラクターと対戦をするモード。 --ルールはキャラマッチと全く同じ。このモードではスターキャラが手に入らない。 -スキンズマッチ --各コースごとに最小打数でホールを回ることが出来た人にポイントが入るモード。 ---最小打数が同じプレイヤーが2人以上いた場合は、勝利したプレイヤー同士でポイントが山分けとなる。 -ニアピンコンテスト --ニアピン専用の特殊なコースでいかにピンに近い位置にボールを落とせるかを競うモード。 --基本的には、アプローチエリアから打てる場所が多いが、一部ではアイアン以上を使用する程の遠い場所にピンが設置されている難易度の高いホールがある。 ---グリーン以外は全て失敗とみなされる。''グリーンエッジであっても失敗''となるので注意。 #endregion() &br() ---- **問題点 -ストーリーモードのダブルスでのパートナーのAIが悪い --主人公として選択しなかった方は、ダブルスのパートナーとなるが、このパートナーのAIが酷い。フェアウェイの広いホールでも平然とミスショットをしてバンカーに入れたり、アプローチショットでグリーンにすら乗せてくれないなど、大抵足しか引っ張らない。そのせいでダブルス関連のイベントはシングルプレイの時と比べるとパートナーに気を配りながら回らなければいけない。 ---因みに、どんどん後半の難しいステージになっていっても''最初の方のAIから全く進歩しない''。ミートエリアやコントロールを上げても元々のAIが良くないためミスショットすることが多い。 ---前半は難易度が低いので足を引っ張られても何とかなることが多いが、後半は難易度の高いトーナメントや賢いAIを持った相手キャラクター同士でマッチバトルをしなければいけないため、パートナーのミスプレイの多さが致命傷となることが多くだんだんと邪魔に感じてくる。 --こんなAIをしているにも関わらず、ストーリー上はパートナーは主人公に常に上から目線で話しかけてくるので人によっては不快に感じることも。 ---一応パットに関してだけは結構な難傾斜・ロングパットでも結構沈めてくれる。後半のコースは難グリーンが多く、プレイヤー操作でも1パットで決めにくいためこの点は助かる所。このため自分がグリーンに乗せる→パートナーで沈める形だとスコアが稼ぎやすい。((まぁそれでも外すときは簡単なパットでも外すのだが……)) -ファミリーツアーと連動しないとマリオファミリーが解禁できない --初期状態では、マリオ、ピーチ、ヨッシー、ドンキーの4人しかマリオファミリーが居らず、それ以外のキャラを追加するにはファミリーツアーと連動するしかない。 --当然、アダプタやファミリーツアーを持っていない人はずっとマリオファミリーが4人のままで変化しない。それ以外で使用可能となるキャラが今作オリジナルキャラしかいないので、ゲームを進めれば進めるほど''マリオ''ゴルフとはとても言い難いような雰囲気になる。 --また、ストーリーモードでもマリオたちと関わる機会はごく僅かしかないので寂しい。 -マッチプレイの存在意義が薄い --上記の通り、ただのキャラマッチの劣化版でしかない。 --これをクリアすることによって解禁される要素も無いため、このモードの存在意義が謎。 -隠し要素の解禁難易度が高い --隠し要素は殆どストーリーのサブイベントやミッションをクリアすることで解禁されるのだが、殆ど難易度が高く、苦手な人はどんなに頑張っても解禁できない。 ---ゲートショット関連のステージや、ストーリーの後半のミッションは上級者もうなる程の高難易度のため、初心者などにもう少し配慮が欲しかったところ。 -ストーリーのマリオンゴルフクラブの更衣室が、あるイベントをクリアした後に画面が崩壊するバグがある。 --ゲームはちゃんと動いてはいるのだが、後々にデータが壊れてるんじゃないかと不安になってしまうほどの衝撃的な見た目をしているので怖い。 --このバグは発生したらデータを消さない限り、ずっとこのままになる。 ---流石にVC配信版では修正されている。 -ストーリーモード以外の要素はやや質素な出来 --ストーリーモード以外のモードのゲーム自体の完成度が決して低いわけではないが、ストーリーモードを濃くしすぎたためか、演出面が全体的に質素。 ---特に、ストーリーのクラブチャンプ専用のBGMがこのモードでは決して流れないのが寂しい。 --ストーリーモード以外で解禁される要素が非常に少ないため遊ぶ必要性があまりない。 -育成できるキャラはニールとエラのみ --経験値を使って強化できるキャラはニールとエラのみ。マリオファミリーやクラブチャンプたちは育成できないため、クラブ変更による能力の微変更を除けば能力がずっと固定されている。 --終盤になればなるほど、よほどのことが無い限りニールとエラはそれ以外のキャラの能力を大きく上回っているはずなので使用キャラが2人のどちらかでほぼ固定となる。 ---これでは、せっかくの個性の強いキャラも使用してもらえないのでは意味がなくなってしまうため惜しいところ。 -ストーリーの主人公キャラの育成が難しい --レベルは最高99までしかなくそれ以上は上がらないようになっているため、育成の幅が狭く地味に難しい。また、レベルを下げて育成しなおすことが出来ないため、やり直すにはデータを消すしかない。 ---そのため、レベルを上げるたびに慎重に能力を上げていかないと後々に取り返しのつかないことになってしまう可能性がある。 --ミートエリアやコントロールが悪くなるのは仕方ないとしても、育成していくたびに勝手に弾道が高くなったり低くなったり、球が大きく曲がるようになっていくため鬱陶しい。 ---弾道や球筋を元に戻す作業だけでもレベル1分消費するため、レベルアップの際にコントロールや飛距離などの重要な場所にポイントを割り振り辛くなっている。 **総評 目玉要素のストーリーは細かいところが作りこまれており、探索するだけでも楽しさがある。それと共にキャラクターを育成をする楽しさも併せ持っており、十分に良作と言えるだろう。~ ストーリーの陰に隠れがちだが、クイックゲームのモードも佳作レベルのものが多いため、全体的な完成度も高めと言える。 **余談 -パッケージ版では、GCと接続できるワイヤレスアダプタが付属品として同封されている。ファミリーツアーを持っていれば、パッケージ版を買うだけで連動が可能。 -トーナメントでは、ゲームの大会のそれっぽいようなスコアネームのプレイヤーが数多く出場している。雰囲気が出ていると思うかどうかは個人差があるが。 -マリオゴルフ ファミリーツアーで、[[任天堂ホームページトーナメント>https://www.nintendo.co.jp/ngc/gftj/tournament2/index.html]]という任天堂が正式に開催した大会があったが、今作が発売された後に開催された第4回では、こちらで育成したキャラを使用しても正式なスコアとして提出できた。そのため、本作を持っていない人は非常に不利であった。 --言うまでもなく、ニールとエラのみで第4回大会の上位が全て占領されている。HP上では、大会で入賞したプレイヤーが使用した育成キャラの当時のレベルが掲載されている。