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フレッシュプリキュア! あそびコレクション - (2021/09/25 (土) 19:59:57) のソース

*フレッシュプリキュア! あそびコレクション 
【ふれっしゅぷりきゅあ! あそびこれくしょん】
|ジャンル|なりきりミニゲーム集|&amazon(B002S52N9G)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|メディア|DSカード|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|
|開発元|朱雀|~|
|発売日|2009年10月29日|~|
|定価|5,229円(税5%込)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|セーブデータ|2個|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|低年齢対象の知育キャラゲー&br;ネタ拾いが中途半端でボリューム薄|~|
|>|>|CENTER:''[[プリキュアシリーズリンク>プリキュアシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
2009年から2010年にかけて放送された4代目プリキュアである『フレッシュプリキュア!』を素材に作られた幼児向けミニゲーム集。~
本ゲームでは『フレッシュプリキュア!』に登場する4人のプリキュアになりきって、四つ葉町を舞台に日常生活とプリキュアとしての任務を体験することに。

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**ゲーム内容
本作は全編タッチペン操作である。複数のミニゲームをこなしながらクローバーコインを集め、衣装やミニゲーム用のアイテムをコレクションするのが大まかな流れ。

-ミニゲーム
--四つ葉町の地図をあしらったミニゲーム選択画面が下画面に表示される。現状で遊べるミニゲームは地図の各所にふきだしで表示される。
--この吹き出しをタッチすることで各種ミニゲームを開始できる。なお、選択できるミニゲームはプリキュアに変身できるヒロイン4人に応じて若干変化する。
---ヒロイン1人で全てのミニゲームが選択できるわけではなく、必要に応じてキャラの視点を切り替える必要がある。といっても1つのセーブデータ内での切り替えはいつでも可能。これにかかる時間は1秒ほど。
--クローバーコインが手に入るミニゲームとそうでないものがある。
---前者はクリアするとプレイの出来の良さに応じて1~5枚のクローバーコインが貰えて、続けて遊ぶかどうか聞いてくる。後者はゲーム目標や制限時間が特に設定されていないものがほとんどであり、プレイヤーが好きなタイミングで切り上げるという設計がなされている。
--最初にプレイできるミニゲームはごく少数だが、ミニゲームを何回かこなしていると新しいミニゲームが解放される。なお解放条件にクリアしたミニゲームの種類やクローバーコインの入手枚数は関係ない模様。


#region(close,クローバーコインを稼げるもの)
-ドーナツ
--カオルちゃん((ヒロイン4人のよき理解者ポジション。サングラスに髭という外見に反して気さくな男性。))のドーナツカフェでドーナツづくりを手伝うミニゲーム。序盤から選択できる。
--示された手本に従って、ドーナツにトッピングを施す。トッピングに用いる材料は大まかにソースとチップとフルーツの3種類。
---ソースとチップはそれぞれ容器をタッチで選択した状態で、ドーナツをタッチペンで塗り絵のようにすることでかけることができる。
---フルーツは持ってある皿をタッチして選択した状態で、ドーナツをタッチペンで触ることで配置可能。また配置したフルーツをタッチしてドラッグすることで、配置の微調整もできる。
--制限時間はなく、失敗したときは新しいドーナツを持ってくることで何度もやり直しができる。
--トッピングに用いた材料がお手本通りかどうか、トッピングの大まかな位置、トッピングする順番(ソースを塗った上にフルーツを置いたのか、フルーツを置いてソースをかけたのか等)が評価される。

-ダンス
--プリキュアのOPテーマと1期、2期EDテーマに合わせて、出てきたマークを処理する音ゲー。
--ミユキさん((ラブが憧れるダンスユニット「トリニティ」のリーダーで、ラブたちにダンスを教えている。ラブの同級生知念大輔の姉であり、彼女が4人目のプリキュアでは?とも思われていた。))がサポートしてくれる。
---求められる操作は「マークが光った時にタッチ」、「動くマークをなぞる」の2種類。
--画面上のクローバーマークの数(1~5)が、そのままクリア時に入手できるクローバーコインと関連している。上手にタッチするとクローバーの葉っぱが増え、失敗すると葉っぱが減ってしまう。

-バトル
--ゲーム中盤から選択可能。プリキュアに変身して敵組織の使い魔にあたる化け物「ナケワメーケ」と戦う。
--ルールはシンプルで味方の体力ゲージよりも先に敵の体力ゲージを削ると勝利。味方ゲージが先になくなるとやりなおし。
---右から流れてくるマークを逃がさずタッチすると、味方が敵に対して攻撃を仕掛ける。
---ナケワメーケも攻撃をしてくる。この攻撃もマークとなって移動してくるので、プリキュアに着弾する前にタッチしてかき消す必要がある。
---また敵は時折タメ攻撃もする。このタメ動作の時に現れるマークをタッチ連打で破壊すれば不発にできる。
--最初のバトルをクリアするとイベントが発生し、せつなが4人目((本作は初期のプリキュアメンバーが3人であり、途中から敵幹部の一人が4人目のプリキュアとして転生する。))のプリキュアとなって仲間に加わる。
//脚注に情報を詰め込みすぎると読みにくいですし、元のほうがすっきり分かりやすかったため戻します。

-めいろ
--上画面の地図を参考に、主人公の一人であるラブを迷路内に隠れたシフォン((ピンク色の耳と黄色い体のパンダのような外見をした赤ちゃん妖精。))のもとにたどり着かせるゲーム。
--ラブは操作なしでも直進し、曲がり角のあるところに差し掛かると一旦停止する。その際進む方向(左右に曲がるか、直進するかUターンするか)を下画面の対応するマークにタッチして選択することになる。
--シフォンが別の場所にテレポートしてしまうことがある。テレポートされるともらえるクローバーコインの枚数が減ってしまう。
---テレポートするか否かは確率で判断される、ごく稀にだが寄り道せず最短でシフォンのもとに向かってもテレポートされることがある。

-ヘアサロン
--ヘアサロンに来たお客さんの注文通りに、髪型を変えてあげるゲーム。
--1プレイで登場するお客さんは3人。髪型、髪の色、髪飾りの3つの要素を選択肢のうち正しいものを選べばよい。

-ジャンプ
--ドーナツを持って飛んで行ったシフォンのもとにたどり着くゲーム。
--操作なしでラブがダッシュするので、タイミングよく画面をタッチすることで道を阻む花壇を飛び越える必要がある。また長押しタッチすることで滑空できる。
---制限時間やゲーム失敗条件などは無いが、花壇にぶつかるほどもらえるクローバーコインが減少する。

-かくれんぼ
--野良猫の魔の手が届く前に、タルト((フェレットの姿をした、関西弁を話す妖精。))を操作してシフォンのもとにたどり着かせるゲーム。
--町で眠る猫の目を盗みながら、画面右へタルトを歩いて進ませる。
--画面右タッチしている間、タルトは歩き何もしていないと止まる。
--猫が起きている間はポストや花壇、電柱の物陰に隠れている必要がある。起きている猫に見つかると吠えられてタイムロス。

-つたわたり
--タルトを操作して、逃げたシフォンのところにたどり着くゲーム。
--タルトが樹上のツタをつかってターザンスイングをするので、タイミングよくタッチして次のツタに飛び移らせる。
--木の上から落ちてもゲーム失敗にはならないが、こちらももらえるクローバーコイン枚数に影響あり。
#endregion

#region(close,クローバーコインを稼げないもの)
-プリズムキャッチャー
--UFOキャッチャーの要領で、ゲームをより楽しむためのアイテムを収集できる。
--プレイには各ミニゲームで集めたクローバーコインを支払う必要がある。
--円形に並べられたカプセルの上を、キャッチ用のアームがぐるぐるとまわるのでそれをタイミングよく止めてカプセルをつかむことができれば成功。
--1プレイでクローバーコインは1~3枚投入でき、投入枚数が多いほどアームの回転速度がゆっくりになる。
--取れるカプセルの色に応じてもらえる景品が異なる。
---黄緑…シフォンに食べさせるおやつのバリエーションが増える
---橙…ぬりえ(後述)の下絵のバリエーションが増える
---青…絵本パズル(後述)用の絵本のバリエーションが増える
---桃…新しい衣装(後述)を入手できる
---赤カプセル おみくじ(上記4種のカプセルを取りつくすと出現するようになる)

-シフォンのおせわ
--シフォンをなでたり、服を着せたり、ごはんをあげるゲーム。
--遊んでほしいときに長時間放置すると機嫌を損ねてしまう。
--プリズムキャッチャーの景品を取ることでごはんのバリエーションを増やせる。

-おべんとう
--好きな弁当箱を1つ選び、その中に食べ物を配置していくという内容。ゲーム性はなくこれといった目標や義務行動もない。
--判定はわりとシビアで、隣の食べ物や弁当箱の壁に少しでも重なるような配置はできない。スペースを考えて計画的に食べ物を盛り付ける必要がある。

-ぬりえ
--下絵のある状態に、
---上画面にお手本が表示される。
--パレットから「色」と「ペンの太さ」を決定してから、 はみ出した時などには「けしごむ」を選んでペンでこすることで色を消すことが可能。
--パレットの上側に表示される色はお手本に使われている色。それ以外の色もありプレイヤーが自由が利く。
--絵は完成後にシールで飾り付けもできる。

-えほんパズル
--バラバラになった絵本の絵を元通りにつなぎ合わせるゲーム。
--絵本とは題しているものの文字の類は登場しない。

-きがえ
--ダンス時(めいろ時のラブも該当)に使われる3Dモデルの衣装を変更できる。
--プリズムキャッチャーの桃色のカプセルを入手することで、着替えのバリエーションを増やせる。
--ダンス前にも着替える機会がある。またダンス中のみプリキュアに変身することが可能。
---着替えは一時的なものではなく、以降の3Dモデルの衣装にも反映される。
--ミニゲーム選択画面から直接「きがえ」を選ぶと、キャラ1人分しか衣装変更できないが、ダンスの時であれば、3人までだが同時に行うことが可能。

-えいがかん
--3,4クール目のOPのノンテロップ版アニメーションを閲覧できる。EDアニメーションの閲覧は不可能。
#endregion

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**評価点
-幼児対象のゲームとしての設計
--見やすい字幕で、丁寧な説明を心掛けている。
--難しいボタン操作は一切要求せず、DSの機能をフルに生かして直感的にゲームを進めることができる。
--バトル中にナケワメーケそのものをタッチペンで叩けるなど細かな工夫もみられる。

-演出
--ゲーム設計上大した文量があるわけではないものの、主人公たちやその周辺人物の台詞は全てボイスで読み上げられる。ゲーム選択時といった些細な一幕にもボイスが吹き込まれている。
--ゲームの構造はマップにミニゲームをちりばめるといった非常にシンプルなものだが、舞台となる街をプリキュアとなる4人がめいめい生活している雰囲気が再現されている。
--ミニゲームのバトルでは、キャラのアニメーションがきびきびと動いてくれる。
--必殺技の時に武器の杖をグルグルと回す動作を、DSのタッチペンの操作に上手に落とし込んであるため臨場感がある。
--ミニゲーム選択時にヒロインの視点を切り替えるというシステムは一見無駄なようにも思えるが、殺風景になりがちな本作に華を添えているかもしれない。
---キャラを切り替えるときにボイス付きでヒロインの名前を呼ぶ演出があるにもかかわらず、切り替えシステム自体のテンポはなかなか良好。

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**賛否両論点
-シフォンの世話について
--このミニゲームは位置づけ的に、赤ちゃんをあやす楽しさを体感できるゲームなのだが、やれることが結局のところタッチペンでなでるかご飯を食べさせるかであり選択肢が少ない。
--単純なシステムだからこそのとっつきやすさもあるにはある。

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**問題点
-ボリュームの薄さ
--ゲーム内容の説明通りやれることのバリエーションこそあるものの、圧倒的にそのボリュームが少ない。
--大半はやりこみを必要としないミニゲームなため、効率よくプレイすればコンプリートまで1時間未満。
--登場人物もプリキュアになる4人と敵幹部、ナケワメーケ、カオルちゃん、ミユキさんと少なめ。ミニゲームにもルール説明のところで顔を出す程度で、内容にあまり干渉してこない。
---一般向けのゲームなら非常に厳しい評価を下さざるを得ないが、幼稚園から小学校低学年あたりを対象にしているゲームなので難しいところではある。
--「シフォンのおせわ」「おべんとう」「ぬりえ」は"文字通りの"作業。ゲームの攻略には全く必要のない行為。

-原作の再現度
--原作アニメからネタをいくつか拾って作っただけの印象が強い。
--ネタの解説などは無くプレイヤーが知っている前提のものが多い。かといってしっかり掘り下げているわけでもない。
--ストーリー要素は殆ど存在しない。

-せつな((4人目のプリキュアに変身できる少女))加入関連
--本編アニメのネタバレになるが、『フレッシュプリキュア!』の物語の序盤は3人のキャラがプリキュアに変身していた。そして中盤にさしかかるまで、4人目の追加戦士が誕生するまで様々な紆余曲折があるのだが本ゲームではそれが大幅カットされ、仲間になる「瞬間」を簡単なテキストと紙芝居で済ませてしまっている。
--原作アニメを見ていようがなかろうが超展開に驚くこと請け合い。
---説明は「ラブとせつなが心を通わせた末にイースは倒れ、キュアパッションに生まれ変わった」という文字のナレーションのみ。そこにボイス付きの会話も付け加えられるのだが、「私はお前(ラブ)が羨ましいと思った」と吐露するイースに、「やっぱりせつなちゃんだった」とラブが返すという非常に淡白なもの。
---イースがラブの友人のふりをして行動しているうちに、ラブに一種の情が生まれるというくだりや、イースが自らの上官により命を削られながら戦いを挑み、ボロボロになった所を助けようとしたラブに自ら正体を見せた上、ラブからもらった四つ葉のクローバーのペンダントを踏みつけて壊し友情を捨てようとしていた説明もないため((さらに細かいことを言うと、命を削られているイースが操っているのはゲームに出てくるナケワメーケではなくその上位種のナキサケーベ。))、ストーリーを重視するプレイヤーにとっては残念。

-ミニゲームのダンスについて
--ラブは固定メンバーで外せない。また最大3人までしか選べず、4人揃って踊ることができない。
--ポリゴンモデルもDSのスペックを考えても粗い。また首が変に長く肩幅が広いといった寸法的な難も存在する。
---アニメのEDはキャラCGが歌に合わせてダンスをするという、なかなか当時としては先鋭的なことをしていたため、どうしても本作のこの仕様は見劣りしてしまう。
--タッチするべきタイミングがベースとなる曲と妙にマッチしていない。判定はゆるいので難易度が高いわけではないのだが、どちらかというとリズム感よりも瞬発力を試される仕上がりになっている。

-テンポについて
--評価点に書いたことでもあるが、このゲームの説明は親切すぎてわかっているプレイヤーからすればじれったく感じるかもしれない。
--ミニゲームも何かしらの動作を早送り、もしくはカットする機能がついていない。タイムロスがあるにしても1,2秒レベルのものが多いので気にならないレベルといえるが、なかには長時間のわかりきった動きを何度も見せつけられてイライラするものも。
---「プリズムキャッチャー」ではアームが下りて、カプセルを拾って落とすところまで約15秒かかる。
---「めいろ」は比較的ゆっくり歩くヒロインの動作を早送りできない。等

-説明不足な点
--主人公の一人であるラブの視点でプリズムキャッチャーをプレイするとゲームのルール説明をしてくれるが、他キャラ視点でプレイすると何も説明してくれない。
--終盤の遊びはルール説明を省略される傾向がある。また操作方法が直感的にわかるものもあれば、幼児が理解するには少し複雑に感じられるものも。

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**総評
幼児から小学校低学年を対象に作られた必要な部分を最低限備えたキャラゲーといったところ。~
DSの機能は比較的上手に活用されているので、発売当時の目線でいえばそれなりに楽しく遊べたかもしれない。