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キングスナイト - (2012/11/29 (木) 11:00:33) のソース

*キングスナイト
【きんぐすないと】
|ジャンル|フォーメーションRPG(自称)|&ref(http://ecx.images-amazon.com/images/I/2121Pvl2I2L._SL160_.jpg)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|スクウェア|~|
|開発元|Workss|~|
|発売日|1986年9月18日|~|
|定価|4,900円|~|
|配信|[[バーチャルコンソール>http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_kn/index.html]]:2007年11月27日/500Wiiポイント|~|

**概要
4人の勇者がドラゴンにさらわれたお姫様を救い出すストーリー。~
どう考えても縦スクロールのシューティングゲームだが、スクウェアはRPGと言い張っているのでそうなんだろう。

本作はシューティングとしてはそれなりに遊べる出来である。ただかなり理不尽な仕様が多く、ゆえにクソゲー扱いされることが多い。

**システム
-ゲームの流れ
--ステージ1から4は、それぞれの主人公を単体で操る。
---ミスしてもそこでゲームオーバーではなく、主人公を交代して次のステージに進む。
--4人分の個別ステージが終わると、ステージクリア=生存した主人公全員が集結するステージ5が始まる。ここは4人が固まった状態で操作し、状況に応じて先頭キャラを交代する必要がある。

-十字キーで8方向に移動、Aボタンでショット。ステージ5のみ、Bボタンで先頭キャラに対応する魔法を使う。
-ライフ制。主人公の体力が無くなったり、スクロールで地形や障害物に挟まれたりすると、そのキャラはステージ攻略を失敗し、最終ステージに参加できなくなる。

-ステージオブジェクトは「壊せる地形」と「壊せない障害物」の2種類に大別される。
--壊せる地形の中にはパワーアップアイテムが隠されている。数・位置とも固定であり、これを集めて強くなるのが個別ステージの目的と言ってもいい。
---中には、ステージ5で魔法を使用するために必要な特殊アイテムも存在する。各ステージに4種の魔法アイテムが1つずつ隠されていて、各魔法につき4つ揃えないと使用できないため、これらは特に重要。
---ちなみに、騎士「レイジャック」は攻撃力、老魔導師「カリバ」はジャンプ力、魔物「バルーサ」は体力、盗賊「トビー」は機動力について、それぞれ初期パラメータが若干高い((見ての通り、魔法使いのジイさんだけ得意分野が浮いている。4能力のどれをあてがったところで結局不自然ではあるのだが、よりによって脚力に抜きん出るとは。))。
--壊せる地形に向かって移動キーを押し続けると上に乗れる。
--この状態では現在乗っている地形にはショットが当たらず、逆に、地形の上を移動している敵や地形の向こう側にある物には当たる。

-ゲームオーバーになっても、クリアデータは保持されている。タイトル画面に移行した後にセレクトボタンを押すと、任意のステージをやり直せる。

**特徴・評価点
-各キャラクターを操作して個別のステージをクリアし、最後に全員が力を合わせて悪を討つ、というRPG的に王道の構図をSTGでやった点は斬新だった。
--所定の位置に隠された成長アイテムを取る事を目的とするスタイルでSTGのステージを構成している点にも、強い独自性がある。ジャンル詐称的な意味でネタになりやすい本作ではあるが、奇をてらう内容ではないし、ただ凡庸なだけでもない。
-強化されたキャラクターの頼もしさ。アイテムを順調に回収し移動速度もショットの威力も最大になったキャラクターは、序盤はひたすら手強かった地形を全て破壊し尽くせるほどの火力を発揮する。
--最大強化された自機が強いのはSTGも似たようなものではあるが、残機制でない事も含めたゲーム的な意味での「RPGらしさ」がここにある。かもしれない。

-植松伸夫氏の手がけるBGM。
--穏やかで雄大な通常ステージ曲は、1ループが長く聞き応えがある人気曲。ゲーム開始・ステージクリア・ミス時などで流れる短めのBGMも、テキストや映像演出に容量を割くゆとりが無い中で的確に状況と雰囲気を伝える役割を担っている。

**問題点
-独特のクセがある難しさ。
--理由の第一は、強制スクロールでアイテム取得がワンチャンスのステージを4回連続で続ける「覚えゲー」という点。
---まず、初期状態はどの主人公も弱く、アイテムの位置を事前に把握していないと到底全部は掘り起こしきれない。次に、魔法アイテム計16個は1つ残らず必要であり、足りないとステージ5で詰む。更に、地形には地下への入口も隠されていて、そこのダンジョンに眠っている重要アイテムを回収するためにはこちらも見逃せない。
--第二は、主人公が勢揃いするステージ5で「十字に陣を組んだ4人」全体に食らい判定がある事。弾幕の厚さに対する自機のデカさの比率は、一般的なSTGとは比べ物にならない。
--第三は、やはりステージ5。先頭キャラを入れ替える手段はステージに落ちている陣形変更アイテムを拾うことのみであり、任意では変えられない。どの位置でどのキャラを先頭にするべきか、罠の構成とアイテムの配置を完全に把握しなければならない。

-固い敵や障害物が多く、かなりの連打を要求される。連射パッドが無いときつい。
--ダンジョンやステージ5といった要所で顕著に出るのも辛い。

-ゲーム中では攻略のポイントがほぼノーヒント。

**総評
どう見てもSTGです。しかし、4人の勇者がそれぞれの戦いを経て集結するという物語構造や独自の成長システムを持つゲーム性は、RPGと言われればなるほどそうかと強引に解釈できない事もない。あまり細かい事にこだわらず接してみれば、本作の持つオリジナリティは案外人受けの良いタイプのものである。ゆったりとしながらも勇ましいBGMも人気である。~
ただし、ボリュームを反復プレイで補う覚えゲースタイルのゲームなので、難易度はそれなりに高い。またステージ5における隊列の任意変更不可など、生死に直結するにも関わらずいささか不自然な難しさをも持ち合わせている。それらを抵抗なく受け入れられるかどうかが本作の評価の分かれ目となるだろう。~

**余談
-坂口博信氏が関わっている事で有名。音楽担当の植松伸夫氏との「FFの黄金コンビ」が早くもこの作品で見られている。
-攻略本やゲームブックがあり、特に攻略本の漫画は本編より面白いともいわれる。
--【攻略本】今であれば『マップや攻略ポイントの説明の間に漫画』であるが、『各ステージごとの漫画の間にマップ』という、今とは全く逆の攻略本である。キャラクターの設定と攻略方法を元に描かれた、ステージごとの読み切りになっている。一冊で普通にコミックとしても読める代物。
//知り合いが持っていた攻略本を読んで、面白かったので全ページコピーした馬鹿が書いてみた。ちなみに古本屋で現物を見つけて購入済み。徳間の『わんぱっくコミック攻略本』と同じ様な作り。
-パッケージ絵はなぜかジブリっぽい。
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**移植
-FC版と同年にMSX版が発売された。
--ハードウェアスクロール機能のないMSXで擬似的に4ドットスクロール(通常は8ドット)を実現させようとしたが、処理落ちが頻発し逆に気持ち悪くなるほどガクガクになるという失態を犯した。
-また、PC-88SR版、X1版にて『キングスナイト・スペシャル』というタイトルで発売されている。しかし、こっちはアレンジ移植というべき存在で、ゲーム性に相違がある。
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**関連項目
-[[頭脳戦艦ガル>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/25.html]] - 「どう見てもSTGだけどRPGと言い切ったゲーム」の大先輩。
-[[魔城伝説]] - 雰囲気が本作と似た、縦スクロールファンタジーSTG。こっちも難易度は鬼レベル。
-[[レーシングラグーン>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/284.html]] - スクウェアによる、異色な複合ジャンルRPGその2。
--スクウェアがエニックスと合併した後も、『キングスナイト』とこのゲームの紹介ページでは、相変わらずRPGと言い張っている。