*ストリートファイターV 【すとりーとふぁいたーふぁいぶ】 |ジャンル|格闘ゲーム|&amazon(B017951IX6)|&amazon(B017951I8Q)| |対応機種|プレイステーション4&br()Windows(steam)|~|~|~| |販売元|カプコン|~|~|~| |開発元|カプコン&br()ディンプス|~|~|~| |稼働開始日|2008年7月18日|~|~|~| |発売日|【PS4】2016年2月18日&br()【Win】2016年2月18日|~|~|~| |価格|【PS4】8,629円(通常版)、&br()9,709円(HOT!パッケージ版)&br()【Win】7,990円|~|~|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''黒歴史''|~|~|~| |ポイント|久々のシリーズ新作&br()対戦ツールに特化&br()未完成品商法|~|~|~| |>|>|>|>|CENTER:''[[ストリートファイターシリーズリンク>ストリートファイターシリーズ]]''| ---- #contents ---- **概要 ストリートファイターシリーズ7年ぶりの新作。開発コンセプトに「リセット」を掲げ、複雑化していった[[ストリートファイターIV]]をリセットし、これまでのシリーズの経験者が再び入ってこられるようなゲームを目標として製作された。 また、ストリートファイターIVでWindows、PS3、Xboxといったハードごとにコミュニティが分断されていたため、大会を開くときにデメリットとなったことからシリーズとしては初のクロスプラットフォーム対戦を実現している。 また、e-sports専用作品としての意味合いが強く、定期的に大会が開かれるなどの公式でのプッシュが盛んである。 初期段階で特定のモードが選択できない、最終的にアーケードモードが実装されなかったといったサービスに乏しい部分が大きい。 モードは以下の通り -ストーリー --キャラクターごとのストーリーを体験できるキャラクターストーリーモード、Ver1.04以降使用可能となる22名のキャラクターが総出演するゼネラルストーリーに分かれている --アーケードモードに相当するものではなく、アーケードモードの実装は2018年1月18日のアップデート版である「ストリートファイターV アーケードエディション」まで待つことになる -VSモード --2人対戦をするモード -サバイバルモード --難易度を選択できる勝ち抜き戦で、一人倒すごとにバトルサービスを受けられ、体力回復などを受けることができる -チュートリアルモード --条件を設定して操作練習ができるモード -チャレンジモード --各キャラクターに用意された課題をこなすトライアルと、本作のシステムや各キャラクターの特徴などを学べるデモンストレーションがある -ネットワークモード --勝利ポイントをためて順位を競うランクマッチと、順位に関係ないカジュアルマッチの2種類のネットワーク対戦を行うことができる -CFN(カプコン・ファイティング・ネットワーク) --オンライン状態にある各プレイヤーの情報を検索できるモード。相手のプロフィールや対戦のリプレイも見ることができる -ショップ --各モードで取得したゲーム内通貨を使って追加キャラクターやコスチュームを購入できる また、発売後も定期的なアップデートが行われておりシーズン1(2016年)に6名、シーズン2(2017年)に6名のキャラクターが追加されており、2018年にも6名のキャラクターが追加予定である。 **特徴 -「リセット」を謳っただけあって、基本的には『ストリートファイターII』がベース。 -インターフェース上の特徴として、体力ゲージのほかにEXゲージ、Vゲージ、スタンゲージがある -EXゲージはIVの時と同様に3本で構成され、1本で強化必殺技であるEX必殺技を使うことができ、3本溜めることで後述するクリティカルアーツを使用することができる -Vゲージは後述する「Vスキル」「Vトリガー」「Vリバーサル」に使うことができる。キャラクターごとに2本もしくは3本持つことができる -スタンゲージはストリートファイターIIIと同様に攻撃を受けると同時に溜まっていき、最大になると一定時間操作不能になるスタン状態になる -目玉となる新システムは&bold(){「クリティカルアーツ」「Vスキル」「Vリバーサル」「Vトリガー」}の4つ。 ***クリティカルアーツ -攻撃を当てるなどして溜まっていくEXゲージが最大の時にゲージを全消費して発動できる超必殺技。豪鬼の瞬獄殺など、Vトリガー発動中にのみ出せるクリティカルアーツも存在する ***Vスキル -中パンチ+中キックで出すことができるキャラクターごとの特殊技。成功するとVゲージを溜めることができる ***Vリバーサル -Vゲージを一本分消費することで、ガードから反撃することができる。ZEROシリーズのZEROカウンターに近い ***Vトリガー -Vゲージが最大の時に、強パンチ+強キックでキャラクターごとに固有の特殊効果が発動する。[[ヴァンパイアセイヴァー]]のダークフォースに近いパワーアップシステム ***キャラクター -使用キャラクターは発売時16人で、シーズン1で6人、シーズン2で6人追加された。2018年のシーズン3でもさらに6人追加される予定がある。また、ゼネラルストーリーで登場するCPU専用キャラクターも存在する #region(登場キャラクター一覧) 本作からの新登場キャラは太字表記。 |初期から参戦|リュウ 春麗 ナッシュ ベガ キャミィ バーディー ケン ''ネカリ'' バルログ レインボー・ミカ ラシード 神月かりん ザンギエフ ''ララ'' ダルシム ''F.A.N.G''| |シーズン1追加|アレックス ガイル いぶき バイソン ジュリ ユリアン| |シーズン2追加|豪鬼 ''コーリン'' ''エド'' ''アビゲイル'' ''メナト'' ''是空''| #endregion #co{ ---- } ---- **格闘ゲームとしての特徴 ***「暴れ」がやりにくくなった -ストリートファイターIVのときは、しゃがみ弱キックなどの小技を連打して必殺技につなぎ一気に体力を奪うというようなパターンが多かった。 -対して今作は密着状態での小技連打も2回程度しかヒットせず、必殺技をガードされると反撃されるスキができたので連続技におけるヒット確認が重要になった ***相打ちになった時に優先される設定ができた -お互いの攻撃が同時にぶつかる相打ち状態になった時に、より強いと設定されている攻撃を優先するようになった。例えば弱パンチと強パンチがぶつかると強パンチが一方的に勝つようになった。 -[[ストリートファイター3]]で採用されていたシステムが復活したといえる -このため、小技での牽制にもそれなりにリスクが生じるようになった ***目押しせずとも連続技が出せるようになった -ストリートファイターIVではタイミング良く通常技を入力する「目押し」による連続技がコンボのメインとなっていたが、本作では先行入力ができるようになったためある程度は簡単に連続攻撃ができるようになった ***バランス総評 -総合的に見ると、何度もアップデートを繰り返したこともありゲームバランスは特に穴が無くまとまっている。そのため、対戦ゲームとしての出来は悪くない。 --強い判定を持つ技を持ったキャラの場合にも技を振ることによるリスクが設定されているだけあって、どちらかといえば攻めよりも読みあい重視のバランスとなっている --そのため過去のシリーズに見られたお手軽な強キャラや対戦環境に食い込むことが難しい弱キャラというのは存在せず、どのキャラでも読み勝つことができれば勝ちに行けるようなバランスになっている ---- **評価点 -システムが比較的単純なため、割と初心者でもとっつきやすいシステムになっている --もちろん上級者になるにはキャラクターごとの特性を覚えねばならず、対戦で勝つためには練習と経験が肝要になる ---- **賛否両論点 -グラフィックがストリートファイターIVのようなアニメチックな表現であったのに対し、写実的というよりはアメコミチックなラインシェーダーの太い表現になっている -このためリュウやケンなどのある程度落ち着いた年齢層のキャラはいいが、かりんやキャミイなどの若い年齢のキャラ全体的に顔の掘りが深い表現になっているため老けたような外見に見えるという弊害が生じている ---- **問題点 -発売時点で未完成品と誹られる部分があった --発売時点では「チャレンジモード」と「ショップ」が未実装であった --のちにアップデートで追加されたが、初期の段階では項目があるにもかかわらず選択できないという状態であり、未完成品のまま売りつけたのかと初期の評価を大きく落とした --CFNにも未実装の項目がいくつかあり、こちらも問題視された -ストーリーモードが全体的に面白みに欠ける --ストーリーモードはアドベンチャーゲームのようにテキストを読み上げていき、イベントとして戦闘が入るという形式になっている。これ自体はよくある話だが、テキストが起承転結の「起」の部分で終わってしまうキャラクターが多く、物語としての面白みに全体的に欠ける --また、ストーリーモードで対戦するCPUもほぼ棒立ちに近く、適当に攻撃しているだけで終わってしまう。プレイヤー側がVゲージMAX,EXゲージMAXの状態で始まるのも余計につまらなさに拍車をかけている -ネットワーク対戦での待ち時間が長い --ネットワーク対戦ではキャラ選択→インターミッション→対戦開始となるのだが、このインターミッションがかなり長い。対戦のテンポを削いでいると批判された -CPUの難易度を決めたうえで連続で対戦していくアーケードモードがない --通常の格闘ゲームにはあって当然のモードが実装されていないことについては批判が多い。このため、新しいキャラを使いたい場合などの練習相手に乏しいといえる。 --CPUとの対戦はVSモードで相手の操作モードを「CPU」にすれば行うことができる。この場合はLvに応じてかなり能力が変化するため、CPUの出来自体はよいのでアーケードモードがないことが惜しまれる。 ---- **総評 -総じてみると、ガチの対戦格闘ゲーマーが必要とされる部分は一通りそろっているが、ライトユーザーや一人で楽しむプレイヤーが楽しむ分にはゲームとしてサービスに乏しいといえる -特に初期段階ではサバイバルモードぐらいしか一人で遊べるモードがなかったため、対戦ありきのみのソフトとなっていたことは確かである -問題点として挙げられた部分の多くがアップデートで改善されておらず、対戦以外の部分がすべておざなりになっているといっても過言ではない -ゲームの部分としてはほどよくまとまっているといえるため、サービスの有無が評価の下落につながった作品といえるだろう