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ツインイーグル - (2019/05/04 (土) 22:55:21) のソース

*ツインイーグル
【ついんいーぐる】

|ジャンル|シューティング|&amazon(B000068HAY)|
|対応機種|アーケード|~|
|発売元|タイトー|~|
|開発元|セタ|~|
|稼動開始日|1988年|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|ポイント|超リアル趣向のグラフィック&br()一瞬の隙が死を招く鬼難易度|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
-1988年にタイトー発売、セタ開発にてリリースされた縦シューティング。ちなみにセタが製作に関わった最初のシューティングでもある。
-一人~二人同時プレイ可能、全6ステージ構成。

**主なルール
-使用コントローラーはレバーにて自機移動、ボタンは各自、ショットとボンバーに使用する。
--ショットは直進的なスタンダードなもの、ボンバーも画面全体を攻撃してくれる定番の性能となっている。
-原則的にショット&ボンバーのありがちなシューティングだが、本作独特のシステムとして以下の点が挙げられる。
--自機のショットは初回では射程制限があり、アイテム取得や下記のショット連打にて射程が伸びる。
--ラスボスを除けばボスの存在は無く、ボス戦に該当するシーンは高速スクロールにて前後から攻めてくる雑魚とのドッグファイトのような戦闘になる。
---ちなみにこの高速スクロールに入る直前に「ENEMY FIGHTERS COM''E''ING UP!!((おそらくは“COM I NG UP!!”の誤表記。))」と表示される。何故誰も気付かなかった。
--アイテムは敵を倒すのではなく味方のステルス機が高速移動しながら落としてくれる。
--パワーアップアイテムは本作にも存在するが、ショットを連打すると何故かアイテムによるフルパワーアップと同等の効果を得られる(裏技扱い)。
-ステルス機がときおりアイテムを落とす。効果は以下の通り。
--「S」…スピードアップ。
--「M」…ショットのパワーアップ。
--「L」…ショットの射程が伸びる。
--「B」…ボンバーストックが1増える。
--「数字」…複数の種類が存在。これを取るとショットが攻撃力増加などの強化ショットに変化する。弾数制限ありで、アイテムを取得する度に数字に書かれた分の強化ショット弾数が補充((例えば「50」と書かれたアイテムを取れば強化ショット弾数が50ストック、弾数がすでに20ストックされている状態で「50」を取ればそれが上乗せされ70ストックとなる。))され、ショットを1回撃つ度に弾数1が消滅、すべての弾数を撃ちつくすと元のショットに戻る。
-途中復活の残機制で、残機をすべて失うとゲームオーバーとなる。ミス後の復活時はショット、及びボンバーストックが初期状態に戻る。

-あまりゲームとは関係ないが、何故かアイテムを取った時の効果音が「''ヒヒーン''」。「ツイン''イーグル''(鷲)」なのに馬の鳴き声とはこれ如何に?

**評価点
-まず本作をプレイするにあたって目に付くのがグラフィックの美麗さであろう。下手すれば90年代中期のシューティング並みといっても過言ではないレベル。
--なんと本作のスタッフは''実際にゲームの舞台となるジオラマを組み立て、それをゲーム内に取り込んだ''というから驚きだ。背景などの高低差の表現が同期のシューティングと比べて別次元の領域に達している本気っぷり。

-また、ボスに該当する高速スクロールパートでは''ハードロック調の男性英詞ボーカルが流される''という演出があり、これがやたらとかっこいい。これは当時のゲーマーにとっても地味に話題となっていたらしい。


**問題点
-ステージBGMはほぼ使い回しばかりで曲数が残念な事になっている。
--前ステージの道中BGM⇒ボスBGMという流れが次ステージにも繰り返される為、流石に聞き飽きてくるという問題も絡んでいる。
---尤も、これに関しては基板の音源ドライバのバグの影響で仕方ない部分もある((この音源ドライバのバグは当作品以外にも同社の『メタフォックス』やアルュメの『レゾン』も同等の問題を抱えている。))。尚、音源自体はセタとアルュメが共同開発した「X1-010」というカスタムチップ。スペック上では「PCMまたはWavetable 16音同時再生可能」という代物なので、容量上の制約があるもののこういった「サンプリングサウンド垂れ流し」のような音が出せる。

-ゲームとしては正直なところあまり練られているとはいい難く、無駄に難易度が高騰している印象。その理由としては以下の通り。
--自機の初期ショットは前方一直線で射程制限もあり、敵を倒すのも一苦労な使い辛さとなっている。パワーアップして射程を伸ばしても、実のところちょっと便利になる程度で、あまり強くなったという気がしない微妙さ。もちろん、パワーアップするに越した事はないが……。
---数字アイテムによる強化ショットに関しても、弾数制限がある為にすぐ尽きてしまうという使いにくさ。そればかりか、フルパワー効果を持つショット連打をした方が攻略が楽な場面が多く、強化ショット自体が空気になりがちで、わざわざ弾を節約する意味も薄い始末。
--自機スピードがのろく機動性に欠ける故に、「S」アイテムがない状態は地獄絵図と化す恐れ大。ミスしてしまったらそれは死刑宣告を意味する可能性も否定できない。
--敵弾のばら撒き方がやたらと高速かつ陰険で、まともに避けられるのかも疑問な状況が多数。このゲームにおいては、弾避けスキル以上に、いかに敵弾を撃たせないかという先手必勝のパターン把握の方が重要といっていい。
--ステージの多くには何故かびっしりと破壊可能なオブジェが配置されている。これ自体は別に触れてもミスにはならないが、いかんせんショットを撃つとオブジェに弾が吸収され、その結果敵にショットが届かなくなるという状況も多数。ましてや、ショットの射程制限のある初期段階ともなればより最悪な状況となってしまう。
--こういう不親切かつ理不尽な問題を多く抱えている影響もあり、「外観は評価できるもゲームとしては…」という意見が多い作品となっているのが悲しいところ。

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**総評
とにかくグラフィックとBGMの本気度は凄いのだが、肝心のゲームの評判が著しくないという問題を抱える作品である。

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**その後の展開
-家庭用移植としてはファミコン版があるが詳しくは下記にて。また、1994年にて続編『ツインイーグル2』がリリースされているが、対戦格闘ブームだった事もあり、本作以上にマイナーで知る人が少ない存在となっている。
--『ツインイーグル2』でもレンダリングによるグラフィックの美麗さは相変わらず。対戦格闘ゲームのようなコマンド入力による特殊ショットを駆使して地上物・空中物問わずありとあらゆる物を破壊し尽くせる大破壊シューティングとなっている。
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**余談
-当時、『セタ ビジュアルワークス SCENE ONE』なるタイトルでこのゲームを紹介するビデオが発売され、この手の商品としては異例のヒットを記録した。
--ただしその売上の大半は、同時に収録された''『[[スーパーリアル麻雀 PII]]』と『[[同III>スーパーリアル麻雀 PIII]]』によるもの''だったと思われる。

-高難度にも比較的寛容だからか北米では結構なヒットを記録している。

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**家庭用移植
-ファミリーコンピュータ版(1991年4月12日発売、ビスコ)
--アイテムが敵を倒すと出現(ステルス機はアイテム落とさず)、パワーアップシステムが『究極TIGER』のような複数のショットアイテム選択式、全体的に外観や敵配置が一新されている、などの多くの変更がなされ、移植というよりはゲームタイトルを借りただけの別ゲーとして解釈するプレイヤーが多い模様。
--グラフィックやBGMは当然ながらFCレベル相当になってしまい、原作の売りであった立体感やボーカルBGMは当然削除された他、ステージが1つ減り全5ステージ構成となってしまうなど、劣化している部分も多い。但し、ニ人同時プレイは健在で、ボスにあたる高速スクロール演出も引き継がれている。