「スナッチャー」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

スナッチャー」(2013/12/14 (土) 11:10:11) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*SNATCHER 【すなっちゃー】 |ジャンル|ADV|&amazon(B0000ZPSX4)''※写真はPCエンジン版''| |対応機種|PC-8801mkII以降、MSX2|~| |発売・開発元|コナミ|~| |発売日|【PC88】1988年11月&br;【MSX2】1988年12月|~| |定価|【PC88】8,800円&br;【MSX2】9,800円|~| |備考|MSX2版はサウンドカートリッジ付属|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents ----- **概要 サイバーパンクアドベンチャーと称する名作アドベンチャーゲーム。小島秀夫監督の映画的作風を確立し、またゲームデザイナーとしての名を知らしめた作品。 **ストーリー 1991年モクスワ、チェルノートン研究所において事故が発生。だがそこは細菌兵器の研究所だったのだ。事故により、非常に強力な細菌ルシファーαが空に撒かれる。ルシファーαは風に乗り、ユーラシア大陸各地へと伝染。その結果は凄惨なものとなる。なんと人類の半数が死滅したのだ。後に大惨事と呼ばれるバイオハザードであった。~ それから半世紀、2042年。瀬戸内海を埋め立てたネオ・コウベ・シティでは奇妙な事件がおきていた。それは人間が知らない内に、ロボットに摩り替わり、本人に成りすましているというものだった。ロボットはボディに人造の皮膚を付け、本人と入れ替わる。その人造皮膚は汗をかき、血を流す。正に生体そのもの。そのため外観からは本人と区別がつかない。しかもその目的も、どこから来たのかも全く不明。やがて彼らは、人間と摩り替わる事から、スナッチャーと呼ばれるようになった。~ 主人公であるギリアン・シードは、3年前妻ジェミー・シードと共に、誰も居なくなったシベリアで発見された。だが当時の二人には全く記憶がなかった。その後ギリアンは軍に入り、社会に馴染んでいく。だが一方で、ジェミーとはうまくいかなくなり別居してしまう。~ やがて彼は特殊部隊を経験後、スナッチャーを狩るための部署、JUNKERへと配属される。そしてその本部のあるネオ・コウベ・シティへとその身を投じる。 **特徴 -近未来都市ネオ・コウベ・シティでの、ギリアン・シードの活躍を描く。その物語はまさにハードボイルド。舞台もサイバーパンクアドベンチャーと称する通り、世界観は暗めで退廃的な雰囲気に包まれている。これは映画『ターミネーター』及び『ブレードランナー』の影響による。小島監督自身も「特にブレードランナーに影響を受けた」と口にしている。 -ゲームの形式はコマンド選択式のアドベンチャーゲーム。ただし一部にガンシューティング的ミニゲームなど、単調にならないための要素も含まれている。また、行く必要のなくなった場所はふつう選択肢から消えるので、総当りするには選択が多すぎるという事はない。 -言うまでもなく、小島監督独特の映画的手法が今作でも発揮されている。OPからEDまで、まるで映画を見ているかのような印象を受ける。EDにいたっては、まるで映画のスタッフロールのごとく延々10分以上もスタッフ名のスクロールが続く。 --もっともEDに関しては、やや自己満足的なものも。本作には、当然映画のような大人数が関わってる訳ではない。そのため、担当名こそ映画のように多いが、出てくる名前は同じものばかりという事に。 -ストーリー、演出共にさすが小島秀雄監督と言える秀逸なもの。 -前述した映画2作以外にも多くの作品のオマージュ、パロディが見られる。もっとも一部には著作権上問題があるようなものも見受けられる。 -残念な事に、ストーリーは未完のまま終わる。その続編はADVとしてPCで作られる事はなかった。 -MSX2 版は同梱のサウンドカートリッジ(KONAMI のアーケード基板に使用されているものの廉価版チップ)により、標準では PSG 3音のみのところ SCC 音源5音をプラスして非常に豪勢な音楽が奏でられる。 --SCC 音源はチップの特性上、音色が金属的になりやすい(倍音が多い)が、逆にそれがサイバーパンクな雰囲気にマッチしている。 --余談だがこの SCC 音源は沙羅曼蛇などカートリッジで提供されるゲームにも搭載され、MSX ゲームのなかで音楽の良さについてひときわ異彩を放っていた。 **難点 -以降の小島監督作品にも見られるように、モチーフとした映画の影響がやや…というよりもかなり強い。これをオマージュと見るかパクリと見るかは議論の分かれる所である。 -先述の通り、未完で終わる。 -首無し死体やら蛆虫の湧きまくった腐乱死体など、かなりきついグロ描写があるので苦手な人は要注意。特に後者は、当時としても発売できたのが不思議なくらいの超絶グロである。 **総評 小島秀雄監督の評価と、その後の小島作品の方向性を決定付けた作品。小島秀雄監督は、元々映画監督を志望していたが、それをゲーム上で具現化したものが本作と言える。~ 当時ゲームとしてSFそのものは珍しくないものの、映画的な面も含めその緻密な作りは他とは一線を画していた。まさに映画を見ているかのような作品である。 **余談 -先述の通りパソコン版(PC88/MSX2)は未完のまま終わっているが、MSX2ではストーリーが完結した作品が出ている。 --その名も『SDスナッチャー』。キャラがSD化されジャンルもRPGに変更され、物語の展開もそれなりに差異があるが、シナリオはPCE版スナッチャーよりも濃密である。 --全般的にはちゃんとRPGなのだが、終盤に物語のキーパーソンとなる(黒幕に近い)人物が『スナッチャー』では語られなかった様々な背景を語る場面がある。その長さがなんと30分以上!本家のADVよりもはるかに長いシーンで一気にネタバレとなってしまっている点は賛否両論でもある。 -今や小島プロダクションの看板シリーズとなったメタルギア(ソリッド)シリーズに登場する兵器『メタルギア』だが、本作でも主人公の業務サポートを行う小型の二足歩行ロボット『メタルギアmk-II』として登場している。なお、SDスナッチャーではメタルギアmk-IIに代わり、更に小型である『プチメタル』が登場する。 ---- *PCエンジン版 |ジャンル|ADV|&amazon(B0000ZPSX4)| |対応機種|PCエンジン スーパーCD-ROM2|~| |発売・開発元|コナミ|~| |発売日|1992年10月23日|~| |定価|7,800円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要 オリジナル版は話が未完のまま終わっていた(上述のとおり完結編にあたる作品は発売されている)が、それを完結させ、PCエンジンへと移植したのが本作である。媒体はコナミとしては初となるCD-ROMであった。 **パソコン版との違いと特徴 -OPとEDが差し替えられている。パソコン版はのOPはバラード調だったが、本作はジャズ調になってる。またやたらと長かったEDは、さすがに標準的な長さとなった。 -ガンシューティングの要素は元々あったが、さらに増加した。 -CD-ROMの大容量を生かし、キャラクターにボイスをつけている。 -PCE版以外にも移植作品が存在するが、事情により大幅な修正などが行われており、PCE版が唯一の完全版と呼べるものとなっている。 --PCEは海外ではあまり普及しなかったこともあり、海外版としてSegaCDに移植された。海外向けに細かい部分が大幅に変更・削除されてしまっている。 --PSとSSにも移植された。オリジナルスタッフが誰も関与しておらず、細かい部分での修正が多い。しかもPS版では残虐シーンにモザイクがかかっている。 **余談 本作はパイロット版(『スナッチャーPilotDisk』)が、1,500円という非常に安価な値段で先行発売されていた。これはCD-ROMが当時主流だったROMとは比較にならないほど製造コストが安価だったことから実現したことであり、大きな話題となった。 ----
''Wiki統合に伴い、ページが[[カタログ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/4148.html]]に移転しました。''

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: