米国大学入試の学力観

米国大学入試の学力観

(文責 茂木健一郎)

米国大学入試においては、ペーパーテストとして問われるのはSATやTOEFLなど、基本的な能力だけである。それ以上の学力をペーパーテストで問わないのは、一つの「見識」であると言える。人の志向性はさまざまであり、現代の学問の方向性は多様である。SATやTOEFLで問われる能力以上の学力を伸ばすとしたら、その「とんがる」方向は人によって異なり、標準的なペーパーテストで測るには適さない。だからこそ、標準的な能力以上にどちらの方向に「とんがって」いるかということは、インタビューやエッセイ、その他の資料によってcase by caseで判断するのである。
日本の大学入試においては、高校卒業年齢の18歳までは「この範囲で問題を解きなさい」という人為的な制約が行われる。これは、見方を変えれば「プロクラステスのベッド」となる。このような日本の風土に息苦しさを感じ、基礎的なレベル以上に能力を伸ばす方向は自分で決めたいという人にとっては、米国留学は一つの選択肢となるだろう。
最終更新:2011年03月08日 09:50
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