239 名前:クリスマス(前の)奇跡 1/6 :2011/12/04(日) 08:17:48.67 ID:???
 セルゲイ精肉店

アレルヤ「マリィィィ!お肉を買いに……」
ソーマ「だから!私は!マリーではない!被検体E-57!」
アレルヤ「ぶべら!」
ハレルヤ「(ちょっとは考えてつっこめよ!アレルヤァ!)」
ソーマ「ふぅ……」


マリーダ「ソーマ、コロッケを買いに来た……どうした?」
ソーマ「ん……マリーダか」
アレルヤ「マリー!?」
ソーマ「マリーじゃない!マリーダだ!」
アレルヤ「ぶげら!」
マリーダ「なるほど……また、この男か。だがいいのか?一応客だろ?」
ソーマ「大丈夫だ、この後ちゃんと注文を受ける」
マリーダ「そうか、慣れたものだな」
ソーマ「ああ、何度も来るからな。根性だけは認める。
    全く、この店では私はソーマだというのに」
マリーダ「この店では?」
ソーマ「いや、なんでもない!コロッケだな」


 それからしばらくして、ある公園で……

アレルヤ「うう……またマリーと話せなかった……。
     クリスマスに誘いたかったのに……」
マリーダ「そう気を落とすな、コロッケ食べるか?」
アレルヤ「ありがとうございます……あの……
     もしかしてマリーのクリスマスの予定とか知りませんか?」
マリーダ「いや、私はザビ家のクリスマスパーティーに出席するからな。
     それに、そういうことは自分で聞け」
アレルヤ「そうですよね……そうだハレルヤに聞いてもらうっていうのは……」
マリーダ「それ、お前のもう一人の人格だろう
     自分で聞いたことになるのか……?」
アレルヤ「やっぱダメですか……」
マリーダ「いや、どうだろうな……そういう事に詳しいのは……。
     そうだ、お前、フリーデンは知ってるか?」
アレルヤ「え?あの刹那の兄弟の乗ってるMS?」
マリーダ「それはフリーダムだ。そうか、知らないなら一度行ってみるか?
     あそこなら良い答えをくれるかもしれない」

240 名前:クリスマス(前の)奇跡 2/6 :2011/12/04(日) 08:19:16.51 ID:???
 場所移動して……「フリーデン」


アレルヤ「ここは……病院ですか?」
カリス「いえ、違いますよ」
マリーダ「カリス、久しぶりだな」
カリス「ええ、マリーダさんもお元気そうで。
    今日はどうしました?月一の検診の日では無いですよね?」
マリーダ「今日は知り合いが悩み相談だ。
     ここの皆ならきっと良い答えをくれると思ったから」
アレルヤ「あの、それで、ここって一体?」
カリス「ここはNT保護組織フリーデンの本部……と言ったら大げさでしょうか。
    創設理由は理不尽な扱いを受けているNTの人権を守る為に、
    ジャミル所長とルチル婦人が創られたそうなんですが……。
    今では、NT以外でも強化人間やコーディネーター、
    様々な人達の為にある施設です」
マリーダ「医療も充実してるし、メンタルケアも行き届いている。
     コーヒー好きな名物ドクターがいてな」
カリス「ええ、それに皆さんの交流の場にもなっていますよ。
    似たような境遇の人と会うと話しも弾みますからね」
アレルヤ「あの僕は多重人格なんですけど、大丈夫ですか」
カリス「その症状なら、ここに来る方は割りと多い方なので大丈夫ですよ」
マリーダ「ここで待っといてやるから、さっさと相談を受けてこい」
アレルヤ「解ったよ!ありがとう!」
カリス「では、マリーダさんコーヒーを入れますよ。
    今はテクス先生がちょっと出てらっしゃるので、僕が淹れますが」
マリーダ「それは、楽しみだ」

241 名前:クリスマス(前の)奇跡 3/6 :2011/12/04(日) 08:20:57.31 ID:???
 診察室にて

アレルヤ「……と、いうわけなんです。
     マリーは僕にマリーって呼ばれたくないみたいで……
     でも僕にとってマリーは本当に大切な人なんです!
     だから、どうすれば僕はどうすればいいんでしょうか!?
     ハレルヤの力を借りてもいいと思いますか!?
     どうすれば!クリスマスにマリーと二人っきりになれますか!?」
ジャミル「……ぬぬぬ」
アレルヤ「先生!」
ジャミル「いや、すまない……恋愛相談ならテクスやルチルのほうが、
     きっと良い解答をしてやれると思うのだが……
     残念ながら二人ともいまは席を外していてな……
     ぬう……」
アレルヤ「……」
ジャミル「……」
アレルヤ「……」
ジャミル「……」
アレルヤ「……」
ジャミル「……月はでているか?」
アレルヤ「は?」
ジャミル「月は出ているかと聞いている!」
アレルヤ「ちょ、先生、耳から血出てますよ!?」」
ジャミル「付いて来い!」

242 名前:クリスマス(前の)奇跡 4/6 :2011/12/04(日) 08:23:24.09 ID:???
マリーダ「ふぅ……寒いからな、コーヒーを飲むと生き返る気分だ」
カリス「テクス先生のコーヒーには及びませんが……ふふ……」
マリーダ「何がおかしい?」
カリス「いえ、せっかく暖まっても
    一緒にアイスを食べてはまた身体が冷えますよ?」
マリーダ「冬に食べるアイスがまた乙なんだ。
     家ではハマーンに禁止されているんだ……。
     プル姉さんが真似してアイスを食べ過ぎてお腹を壊すからな」
カリス「マリーダさんはそうならないようにしてくださいよ」
マリーダ「ぬ」
カリス「さて、アレルヤさんは……あ、ちょうど部屋から出てきましたね。
    あれ……ジャミル所長も一緒に……」
マリーダ「二人でどこかへ行くみたいだぞ?」
カリス「あれは、まさか裏庭に……」
マリーダ「裏庭?確か大きな池があるぐらいだろう?」
カリス「ええ、しかも今は凍っていますが、それほど厚くないので危険なんですよ。
    以前ロザミィさんとステラさんがスケートをしようとして大変だったんですから」


 裏庭……の池の上

アレルヤ「あの、先生」
ジャミル「なんだ」
アレルヤ「この池、大丈夫なんですか……ていうか大丈夫じゃないですよね?
     なんか、ヒビ入ってるんですけど!」
ジャミル「それがどうした」
アレルヤ「それがどうしたって……!」
ジャミル「そんな事だから、惚れた女を誘うことにすら戸惑ってしまうんだ」
アレルヤ「!」
ジャミル「何も考えずに走れ!」
アレルヤ「そ、そうだ……!僕はなんでこんな簡単なことに!うおおおおおお!」
ジャミル「そうだ!それでいい!そのまま!
     好きな女の元まで、行け!ガロ……ではなくアレルヤ!」
アレルヤ「ありがとうございました!アレルヤ・ハプティズム行きます!」

マリーダ「……思っていたよりもスパルタ式だったが……まあ良かったのか?」
カリス「ええ、人によると思いますが……(一応ルチルさんに注意してもらっとこう)」
マリーダ「√(ジャミル所長も尻に敷かれているのか……)」

243 名前:クリスマス(前の)奇跡 5/6 :2011/12/04(日) 08:25:09.66 ID:???
 セルゲイ精肉店

アレルヤ「マリィィィ!クリスマス僕といっしょに……」
ソーマ「だから!私は!マリーではない!被検体E-57!」
ハレルヤ「(考えたら、何も考えずにつっこんでんのは、
      いつものことだったなあアレルヤァ!)」
アレルヤ「ぶべら!……うおおおお!トランザム!」
ハレルヤ「(!?)」
ソーマ「!?」
アレルヤ「マリー!いや、ソーマでも構わない!聞いてくれ!
     僕と!クリスマスを一緒に過ごして欲しい!」
ソーマ「ア、アレルヤ……」
アレルヤ「お願いだ……」
ソーマ「クリスマスは一年で一番忙しい時期だから無理だ」
アレルヤ「ガビーン!」


                        終わり

244 名前:クリスマス(前の)奇跡 6/6 :2011/12/04(日) 08:26:49.77 ID:???
ソーマ「全く、そんなつまらない理由で復活したのか」
アレルヤ「つまらないなんて……でも仕事なら仕方ないよね……」
ソーマ「……ちょっと待ってろ」
アレルヤ「え?」



ソーマ「……これをやる」
アレルヤ「これは?チケット?
     ……ね、年末のガンダムファイトの観戦チケットじゃないか!
     今年もマリーが出場するって言うから見に行こうと思って……
     でも、抽選で外れて……!これ……!」
ソーマ「どうせ、お前の事だから私にクリスマスのプレゼントを用意してると思ってな。
    貰うだけで返さないというのは、その、超兵の名折れだからな。
    だが、さっきも言ったとおりクリスマスは忙しい。だから今渡す」
アレルヤ「ありがとう!ありがとう!絶対見に行く!応援に行くよ!
     それにクリスマスプレゼントも!マリー!」
ソーマ「だから!私は!」
アレルヤ「嬉しいよねぇ!ハレルヤァ!」
ソーマ(……ここまで嬉しそうな顔をされると、怒りにくい)


                   こんどこそ終わり

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最終更新:2015年05月04日 14:13