無限のフロンティア EXCEED SRWOGサーガ


総評 76点

【★★★★☆】
時間 シナリオ 調整 操作 独自 価値 キャラ やり込み グラフィック その他
評価 4 3 5 4 4 4 3 2 3 4
帰ってきた亜種にも程があるスパロボ……といっても、学園やらも出てきた今となっては突飛でもなくなったか。
システム・画面クオリティ・難易度どれを取っても大きな進化や変化はないものの、どれも少しずつ改良と再調整が施されており地味に出来は向上している。シナリオに関しても、非常に多くのキャラが登場するゲームながら何とか全員上手いこと使ってやろうという意気が感じられて◎。特に、本作もボス戦は多いのだが、前作の何度も同じボスと戦っては逃げられてを繰り返していた部分が解消されていたのは大きい。次々と色々なキャラが登場・加入することで早めのペースで物語が進むのは非常に好印象。
これで、前作ではほぼ用意されていなかった「クリア後のやりこみ要素」が少々間違った方向に無駄な進化をしていなければ……。非常に残念。ここがしっかり整っていたら星5つ付けていただろう。
OPアニメもよく動き、水樹奈々の歌も加わることで無難なレベルながらなかなかに良い出来。


 1:プレイ時間 【★★★★☆】
クリアまで40時間程度。2週目に入りクリア、二週目限定隠しダンジョンクリアまで80時間強。
ボリュームも丁度良いのに加え、本編中、次々と加入する仲間たちがワイワイと常ににぎやかに盛り上げてくれるおかげで退屈することなくプレイを進めることができるのは非常に良い。この辺りは前作の良いところを引き継ぎつつ欠点を補った確かな調整が施されている。
後述するが、クリア後が2週目~追加ダンジョンまでまるごと作業でしかなく、それを行っている時間の怠さが強いのは宜しくない。もう少しなんとかできた筈……。


 2:ストーリー(シナリオ) 【★★★☆☆】
あらすじ:
戦乱渦巻く修羅の国「波国」。力が全てを決めるこの世界の住人アレディ=ナアシュは、幼少よりその腕を磨き闘いに明け暮れる日々を送っていた。闘争のみが己の価値と存在を高めてくれる。歳が20に近づく頃には、彼は「剛練」の異名を持つ程になっていた。しかしそんな彼の生き方は、異なる次元に住まう姫君に出会い、触れ合うことで少しずつ変わりゆくこととなる。そして二人はその更に数年の後、無限のフロンティアへと導かれてゆく――――


物語全体の流れ自体は相変わらずの馬鹿正直っぷりで、どんでん返しや謎の殆ど無い構成がなされている。深みはないが、前作から通している辺りを見ると、これが同時に安心してキャラの駄弁りを楽む土台ともなっているのかもしれない。そこが本作における楽しみの中核である為、大事なことではある。そう、王道としての魅せ方はキッチリと行えているのは確か。各メインPTキャラの初登場シーンなどは力も入っていて良い。零児のシーンも期待通りに格好良く登場してくれて満足。

また、冒頭で書いた通り前作時点で非常に多かったキャラクターの面々が次々に出てきて仲間に加入してくれるのが楽しい。加えて、今回新たに敵対する組織はまるまる新規参戦キャラの為、闘うボスキャラを「自軍キャラが揃うまでは前作キャラを中心としたもの」「後半は新キャラを中心にしたもの」と使い分けることで前作の欠点の一つであった「ボス撃破→逃亡」の繰り返しを軽減することに成功している。○。やはりボスの繰り返しはよろしくない。

本作はOGオリジナルメンバーも参戦しており、前作とは違ったアプローチの熱意の入れ方もできる。最初はどうかと思ったが、プレイしてみたら案外悪くなかった。


 3:難易度設定・調整 【★★★★★】
防御精神無しでボスに全コンボ振舞われたら一撃死確定なのは本作も同じだが、前作よりもマイルドになった敵の攻撃力設定とコンボ/緊急回避の発生率、そして何より自軍緊急回避の追加によってかなり改善されている。戦闘全体に渡って相当遊びやすくなっている印象。◎。
また、前作では味方キャラの連続攻撃時に取り落として緊急回避が起こることが多く、キャラ同士の連携をあまり行う気が沸かなかったのだが、本作では連続攻撃ボーナスの強化によって「直後緊急回避」が起こらないよう配慮されているのも良い。隠しダンジョン等強敵相手では結局別個に精神使ってから攻撃した方が良いのは相変わらずだがそれは仕方がないか。
レベルUPによる全回復を考慮に入れた取得経験値配分なども見事。

全体に、今回もアイテム祭りをすればそれが攻略の一番の近道ではあるが、それをしなくても十二分に遊べる難易度にまとまっている。勿論、クリア後のエクストラなどは別腹。


 4:操作感(プレイ感覚) 【★★★★☆】
まずキャラの攻撃アクションや必殺技のアクションがいずれも豪快で心地よい。敵をガツガツと殴ることが楽しく、レベル上げが苦でないのはやはり良い。調整面の問題でレベル上げ自体にあまり優位性が無い部分はあるのだが。
ロード時間やラグも特に気になるものはなく、時間的なプレイ感覚としては文句は特に無し。
問題はユーザーインターフェイスで、戦闘中に敵にかかっている精神コマンドや状態異常、同様に自軍の操作キャラ(ターン中キャラ)以外のキャラの精神コマンドや状態異常が文字で明確に確認できない点がある。それが分かるか分からないかによって取るべき行動、つまりかける精神や使うアイテムに差異が出てくる。そう難しいものでも無い筈なので、手抜き部分としかおもえない。


 5:独自システム 【★★★★☆】
基本的には前作のものを引き継いでいる→無限のフロンティア SRWOGサーガ
→ワールドミニマップ
ワールドマップ移動中、より広い地図を広げた状態で行動することができるようになった。便利。悪い点ではないが残念だったのはダンジョン中に無かったこと。結局、タッチペン画面はダンジョン中でもメンバーのステータスがずっと表示されているだけなので、せっかくなら用意してほしかった所。特に本作のようにダンジョンの進行すべき道が明示されず、アイテムの取り逃しがよく起こるゲームでは。
→賞金首と手配書
ダンジョン内部で手配書を入手すると、特定の場所で特殊な敵と戦闘が可能になる。撃破すると賞金と強力な装備等が入手できる。いわゆるサブシナリオ。ラスダン突入くらいのステータスがあれば一通り倒せる。管理人的には可もなく不可もなく。
→援護攻撃
本作はメインPTキャラが10人存在しており、その中から4人を選び交代しながら戦闘を行うことになる。その際のベンチメンバーは前作では交代待ちしかすることがなかったのだが、本作ではアシスト攻撃同様に呼び出して攻撃を行わせることができる。交代待ちだけでは完全に戦闘で見なくなるキャラが出ていたところ、良いアイデアのシステム。
→自軍メンバーの強制回避
今回は自軍もゲージを消費して敵の攻撃を強制終了させることができるようになった。バランス調整にも一役買っている、恐らく前作のプレイヤーの感想を反映した良い変更。


 6:価値 【★★★★☆】
管理人の購入価格:7378円
上記価格は限定版を購入したため。
時間的にも内容的にも値段分は楽しんで遊べる。本家スパロボのようには売れていないので中古値段もそれほど即馬鹿下がりはしないだろうと予測されるので、どちらで買うかは判断次第。
前作非プレイでも遊べるよう詳細に解説をしてくれるので前作プレイはどちらでも。



 7:キャラクター 【★★★☆☆】
アレディ、ネージュ共にキャラメイク自体は目新しさは無いが、会話の描き方などは丁寧に作ってあり○。声優の力も加わりなかなか感情移入させてくれる。
寧ろ宜しくなかったのは敵方で、最後までプレイしても謎やその人となりが明らかにならないキャラが多く、撃破しても何も感じられない相手が多い。ラスボスの設定や造形に関しては意外性と必然性も感じられ◎。


 8:やりこみ要素 【★★☆☆☆】
クリア後は2週目へのデータ引き継ぎ、そして2週目以降限定の隠しダンジョンが用意されている。
すぐ倒せてしまう隠しボスが少し用意されているだけだった前作に比べれば良いが、上記2点とも酷い内容。隠しダンジョンは2週目限定であるのだがラスダン程度の強さから敵が用意されている為、2週目も1通りプレイする必要がある。しかし2週目自体に追加/解禁要素が専用装備が販売されるようになる程度にしか無く、2週目がまるまる作業になってしまう。隠しダンジョンに挑むためには必要なこととして用意するならば、もっとプレイヤーへの楽しみを用意して然るべき。
また、隠しダンジョン自体も出てくる雑魚からボスまで全て本編の使い回し、かつダンジョン内は塔状でひたすら同じMAPをぐるぐる回るだけ。強くなった相手を倒すだけの楽しみしかない。

辛うじて隠しダンジョンクリア後の開発者ルームの楽しみのおかげで星2つつけたが、1つでも良い内容だった。


 9:グラフィック・アニメ 【★★★☆☆】
ほぼ前作準拠。
挿入されるカットインが僅かだが動くようになったのが進化ポイントか。
あとはOPアニメが非常に良かった。


10:その他 【★★★★☆】
ロボが増えすぎて、支援で設定するのが軒並みロボになってしまった。すると、戦闘前後の会話に参加するキャラが減ってしまうことになり少し残念。そこは何らかの設定で全員参加させてやりたかったところ。
本編だけをみれば構成からバランス調整まで良くできており、非常に楽しめる一本に仕上がった。

さて次回作、本シリーズはいいかげん終わりだろうが、このシステムは終わらせるには惜しい。
どうにか生かして欲しいところだ。




最終更新:2010年04月07日 01:24
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