DQモンスターズ ジョーカー2


総評 82点

【★★★★★】
時間 シナリオ 調整 操作 独自 価値 キャラ やり込み グラフィック その他
評価 5 4 4 3 5 5 2 3 4 3
DSで発売されたドラクエモンスターズジョーカーシリーズ二作目。DQに登場する様々なモンスターを配合しながら強いモンスターへと強化してゆく。
前作までは好きなモンスター3vs3が前提のゲームだったが、本作は各モンスターにサイズという概念を持たせている。それにより、一体で二枠・三枠を使用するモンスターが登場し、パーティの選定には新たな要素を加味する必要性が生まれている。突飛さは無いが面白い試み。
バランス調整にもかなり力を入れており、色々なモンスターから選ぶ楽しみがしっかり残されていたのは好印象。だが反面、モンスターを全て階級付けし、それに見合う程度の能力の限界値を設定しているのはやはり寂しくもある。完全なる自由なパーティ構成は絶対的に成らないということ。
それにしても、相変わらずDQはすれ違いとWi-Fiの遊ばせ方が上手い。いずれも本作を楽しむ要素として十二分にその役割を果たしている。◎。


 1:プレイ時間 【★★★★★】
クリアまで20時間ちょっと。ラスボスにて少し手間取り育成Timeが発生したので、その辺上手くやればもう少し縮まる。勿論、本作の醍醐味を味わえるのはクリア後である。
一応隠しボスであるオムド・ロレスを作成する頃にはプレイ時間は70時間ほどになっていた。ただし、管理人はキャプテンクロウ二体目がどうしても必要になるまでは引きこもりプレイをしてしまっていたので、後述するすれ違いスカウトをもっと活用すれば相当時間は縮まるはず。その状態でも、図鑑完成はまだまだ先。
秀逸だったのは、本作は隠しボス撃破後にメタルキング狩り放題のレベル上げステージが解禁される点。作業なレベル上げがこのゲームの本質ではない、このゲームでやって欲しいことではない、という制作陣の意向が伺える。◎。「完全にそういう場所があると作業ゲーになっちゃう」と言う意見には同意できない。稼ぎ場があろうが無かろうがプレイ上生じる作業部分は作業部分。そこを解消しようという意思が垣間見えるだけ評価できる。当然、その作業部分自体をどうにかできてしまう画期的なシステムでも積んでいるなら別だが。そんな異はそうそう無いし、それができないなら本作のように対策を用意するべきだろう。変なこだわりをもってそれが用意されていないゲームほどプレイヤーに無駄な時間を使わせるモノはない。
すれ違いスカウトの搭載も、モンスターの用意にかかる時間を少しでも軽減しようという意味合いが強い。
それらを含め、本作の時間の使わせ方は非常に良い方向に向いていた。


 2:ストーリー(シナリオ) 【★★★☆☆】
あらすじ:
モンスターを自在に操り、日夜バトルを繰り広げる「モンスターマスター」。ついにその世界No.1を決める大会が開催されることとなった。世界中の人々の注目するその大会へは当然、モンスターマスターの中でも選ばれた者しか参加することはできない。だが、大会会場へと向かう数ある飛行船の中の一隻に、熱い情熱を滾らせた一人の少年が密かに乗り込んでいた。マスターとして大会参加を夢見た彼は、こうして隠れて忍び込んだのだった。しかしその飛行船は航行中、激しい嵐に見舞われてしまう。制御を失い墜落する船。飛行船からやや投げ出された位置で目覚めた主人公は、そこがモンスターの住まう島だと認識する。こうして、島に潜む巨大モンスターそして島の謎へと挑む主人公の闘いが始まった――――


主人公は未開の島で散り散りになった飛行船のクルーや仲間のモンスターを集めたり、超巨大モンスターに立ち向かったりしながら、島の謎を解き明かしてゆく。
モンスターズ作品は比較的大きな規模の「基地」がまず頭にありそこから仕事に出かけるようなイメージが強かったのだが、本作は物語の舞台や設定からRPGらしい「ワクワク感」「冒険」といった要素が特に強いものになっている。だが、物語の構成自体はなかなかに単調で、序盤こそ「無理な闘いは避けろ!」と言われて脅威の存在であった超巨大モンスターが、中盤辺りからボスとして闘う相手となり、以後ボスと言えば超巨大モンスターばかりになってしまい脅威も何もあったものではない。話が進むほどに失われる序盤の緊張感も勿体無い。ダンジョンに潜り、仲間を一人発見&助け、巨大ボスを倒す、の繰り返しになってしまっている。×。
せっかくのモンスターズなのに、クリア後まで他のマスターとの対戦が殆ど用意されていないのもガッカリ。一応ランク戦のようなものはあるが、単に3体チームを組んだモンスターと個別命令できない状況で闘うだけになってしまっていて、燃えるポイントは何も無い。主人公の生い立ちや冒頭の事件に一切の運命性や関連が無かったのも肩透かし。
良い面として取り上げておくべき点として、こういったゲームは大抵「モンスター(主人公が連れて歩く存在)との友情や絆」的なものを扱う例の方が多いのだが、本作がそれを特に取り上げようとしていないのは、システムに合っている気がして良かったと思う。配合するとお別れしなきゃだしね。
全体に、話の舞台や設定は良かったのだがもう少し物語の面にも力を入れて欲しかった、と言う感想。クリア後に申し訳程度に出てくるJOKERには笑ったが。本編カラミ一切無して。


 3:難易度設定・調整 【★★★★☆】
ストーリーをスムーズに進められるように行われている調整が非常に上手い。◎。具体的には、ダンジョン攻略→帰ってきて捕獲したヤツラで1回合成→ダンジョン攻略兼育成→帰ってきて1回合成……というサイクルの中でダンジョンを進んでいける設定に成功している。毎回レベル上げを少しずつしなきゃ、位の方がドラクエらしくはあるのだろうが、今回の調整の方がプレイ感覚という面では断然優れている。また、冒頭で述べた通り各階級におけるバランス調整もなかなかに高クオリティ。どうしても「勝ちやすいヤツ」や「パーティに入りがちなヤツ」なんかはいるが、まぁどのゲームでも変わらないか。それがいない状況が作れたら尚良いのだが、3体という少ない枠の中、スキルシステムで技も自由にいじれるシステム上でそれもなかなか難しいだろう。それでも、その個体の強さをチームで補わせるプレイヤーの腕の見せ所あがしっかり用意されているということ。○。


 4:操作感(プレイ感覚) 【★★★★☆】
DSだけあってロード時間は早いし、移動速度やレスポンスに関しても大きなストレスとなる部分は無し。(細かいところを言えば主人公特技の持続判定など無くはないが、所詮は細かいところレベル) せっかくのランダムシンボルエンカウントなので、もう少し敵との戦闘回数が調整できると万全だったか。見つかると逃げ切れない相手や狭い通路での敵配置がやや多い。一応クリア後にそれに対する助け船も用意してあって好印象ではある。モンスターの育成も前述の通り行いやすく配慮されていて◎。
ただ、相変わらず奥まったところに配置されていて移動が面倒臭い配合所の位置と、1ページに6体しか表示されないうえページ送りの無い配合時・メンバー交代時の待機モンスター一覧辺りはもう少し遊びやすく作れたはず。いつになったらルーラで直接配合所にいけるようになるんだ、モンスターズは。


 5:独自システム 【★★★★★】
システムの根本を変えるサイズ差システムの搭載はあるが、前作から変わらない部分も多い。そういった部分は載せていない。
→サイズ差システム
本作は2枠、3枠のモンスターが存在しており、それぞれ多くの枠を使用するモンスターほど能力値の最大値が高く、これらのモンスターはHPも限界である999を上回るものが殆どで、与ダメ等にも補正がかかる。加えて、3枠モンスターは全ての攻撃が全体攻撃に変化する。パーティを選ぶ楽しみは多少減衰するようにも見えるが、3枠モンスターはその分持てるスキルの数が多く設定されており、そこにどのスキルを入れるかを考える楽しみが用意されている。◎。
3vs3というシリーズの基本システムを崩すのは勇気の要る変更だったと思うが、非常に良い試みだったと思える。
バランス調整的な意味で相当上手く闘わないと、回復持ちの二回行動3枠を倒せる1枠がおにこんぼうくらいしかいないのは少し調整が必要だと思うが・・・・・。
→強・最強モンスター
特殊な条件を満たした配合を行うと、スライムやドラゴンといった特定のモンスターは通常の配合結果とは異なる「強○○」「最強○○」といった特殊なモンスターとして誕生する。それらはステータスの上限が通常のものより遙かに高く、通常は持たないスキルも持っている。恐らく、ランク付けの採用されているJOKER作品の中でスライムなど人気のあるモンスターを最強ランクでも使えるようにするための追加システム。対応種族数が少ないのが勿体無いが、面白いシステムと思う。
→Wi-Fi大会
定期的に開催される、自分のPTを登録して他社からの勝利によって得られるポイントでランキングが作成される。
管理人は1~2回参加して以降はあまり熱くはなれなかったが、参加したときは非常にプレイ意欲をかき立ててくれた。
ただ、それ以外のランダムWi-Fi対戦に全く意味が無いのは少し残念だったか。とはいえ、ランダム対戦が搭載されていること自体は、非常によろしい。


 6:価値 【★★★★★】
管理人の購入価格:4419円
旧来のDQモンスターズプレイヤーならば間違い無く楽しめる。買い。初代のみ経験などでもOK。
こういった「自分のパーティを用意して色々な人とバトル!」なゲームが嫌いでさえなければ大丈夫だろう。
Wi-Fiを使った全国一斉ランキング大会や、すれ違いスカウトによるレアモンスターの簡単GETなど、ソフトが流行れば流行るほどプレイヤー自身も楽しめるシステム構成は見事。つまり、プレイするなら早い方が良い。ひと廃れした後に遊んでも、恐らく今の半分も楽しめないと思われる。やるなら今。


 7:キャラクター 【★★☆☆☆】
飛行船の乗員達や冒頭とラストに登場する前作ライバルキャラのアロマなんかは皆定番なキャラ付けではあるが特徴的に表現できており悪くない。やぱアロマカワユイな。
しかしイマイチな部分も多く、まず大きな減点対象は主人公がなんだか結局何だったのかよく分からない事だ。無口で突然モンスターマスターの才能を開花させ、島の秘密を解き明かし、乗員も島の住民(モンスター)も皆救うのに、一切の経歴も説明も秘密も無しって。なんだそりゃ。他のレビューでも再三書いているが、主人公には理由と秘密があってこそというのが管理人の基本。
また、今回もオリジナルの魔王が存在しており全ての魔王をあれこれ配合させてゆくとその「最終到達点」として完成するのだが・・・・・デザインがあんまりにもあんまり。前作のガルマッゾも酷いものだったが、今作もガッカリ感はハンパ無い。期待通りだったのはサイズ感のみ。もう少し魅力のあるデザインでないと、色々なモンスターを犠牲にして作るにもモチベーションが上がりませんて。


 8:やりこみ要素 【★★★☆☆】
基本的にゲーム単品のなかで行えるやり込み要素といえば、モンスター図鑑の完成、だろう。
しかし、モンスター図鑑の仕様が「一度目にしたもの・配合で作成したものを順次登録してゆく」だけのもので、後何種類埋めれば完成だとか、どういった種族が足りていいないだとか、そういった情報が殆ど参照できない非常にプレイヤーに優しくない仕様。セーブ画面で現在何%埋まっているかを確認できるだけ。加えて、色々なところとコラボする気マンマンなのだろうが、配信でゲットするしかないモンスターが結構な数用意されているのも完成への心をへし折ってくれる。ポケモンのように配信モンスターはノーカウントといったような配慮も無い。
あとは強いモンスター・パーティの研究くらいか。


 9:グラフィック・アニメ 【★★★★★】
いかにもDSらしいややポリゴンな3D、といった感じ。
だがあまり複雑なデザインのないDQには非常にマッチしていて、戦闘中もワイワイと動きながら騒がしく戦えるのは楽しくて良い。
無理に高画質ムービーが欲しい内容でもないし、アニメなんかも恐らくしっくりこない。DQという作品にはまさにこのくらいの映像がジャスト。


10:その他 【★★★☆☆】
ゲーセン連動はさすがにちと厳しい。そもそもプレイしている所になかなか出くわせない。
相当なプレイヤーでもなければ限定モンスターの為だけにそちらまで始める気にはならないだろう・・・・・。




最終更新:2010年06月26日 23:02
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