ベヨネッタ


総評 77点

【★★★★☆】
時間 シナリオ 調整 操作 独自 価値 キャラ やり込み グラフィック その他
評価 4 3 5 4 5 5 3 4 4 5
デビルメイクライのスタッフが制作を手がけた、クライマックス・アクションゲーム。
基本的には肉弾戦や銃撃を駆使して次々と現れる敵を華麗に、ボコボコに粉砕しながら進んでゆくのが楽しいよくあるタイプのゲームではあるのだが、その世界観・音楽・雰囲気・キャラのテンション等々が終始キッチリと統一されていて、プレイしていて非常に心地よい作品に仕上がっている。管理人好みなゲームメイク◎。ベリーイージー・オートマチックモード(以下VOモード)で初心者でもアクション苦手者でもサクサク最高難度まで遊べるようになっているのも非常に良い。アクションはなまじその技術磨きをさせるためにこういった初心者救済がなされない場合が多いが、モンハンなどの集団ゲーでないゲームであれば省くべきではない点。
シナリオ自体はそれなりで特筆することも特に無いが、EDやスタッフロールまで雰囲気そのままプレイヤーが楽しめるように作られている辺りも好印象。


 1:プレイ時間 【★★★★☆】
1週目約11時間ほど。攻略見ながら実績全解除までで30時間強。その後も隠し要素・やり込み要素はまだまだあるが、そこまではプレイしていない。だが満足。この手のゲームでは一般的な長さ、……やや長めかな。敵の攻撃をスレスレでかわすスリルと、ネタ要素も満載のトーチャーアタック(以下TA)連発の戦闘は、それほどマンネリも感じずにプレイできる。○。
あまりやりこませすぎないトロフィー獲得条件も個人的には良い。


 2:ストーリー(シナリオ) 【★★★☆☆】
あらすじ:
20年前、海底に沈む棺に封じられた一人の魔女が現代に蘇った。漆黒の装束を身に纏ったその艶めかしく美しい五体四肢はまさに完璧なプロポーション。しかし、数百年の時を超えて蘇った彼女の記憶からは、自身の素性も、その名前さえも失われていた。失われずに残ったのはその身体に刻まれた恐るべき力。獰猛なる魔界の獣たちをこの世界に呼び出し、天よりの使いを葬り去る魔の力だ。目覚めと共にその身を狙われた彼女だったが、その力をもって我が身を守った。多くの記憶を失った彼女が、今唯一自身の存在に繋がる拠り所はこの力だけ――――


キラキラとまばゆい光を帯びて天より舞い降りる天使をいきなり大撲殺するところから始まる序盤はかなりワクワクする。BGMのFly me to the moonも意外な選曲ながら雰囲気にマッチしていて良い。が、以降そのような破天荒なシーンや無駄セクシーシーン、馬鹿ポーズシーンがすっかりなりを潜めてしまうのは非常に残念。ニコニコで動画に上がっていたくらいだからもっと全体的にハジけたゲームだと思っていた。後半~終盤にかけては話自体もぶっ飛びながらこんがらがっていき、初見ワケワカラン状態にもなるかも。
とはいえ、魔界の住人達の力を借りながら、全く天使らしくないデザインの天使たちを八つ裂きにしてゆく様はなかなかの愉快痛快。血をまき散らしながらバラバラになる敵の描写はややグロかもしれないが、こういったジャンルのゲームでは寧ろ軽い方だろう。TAの拷問攻撃などもネタ分多く凄惨さよりは笑いの色の方が強い。○。

ラスト付近の(やや無理矢理感は強いとはいえ)どんでん返しが続けた展開は評価できるが、物語の根幹、つまり設定部分などの謎の多くが語られないまま終わってしまうのは説明不足というか設定の練りがもう少し欲しい。残念。天使や魔女を除けば現実に近い背景世界であるにもかかわらず、それらの存在を「そういう存在がいた」で済ましている部分があまりに多い。そこにももう一歩の設定が欲しかった。結局天使って何なの?僕らの思い描く天使と同じ存在なの?違うの?どう違うの?といった疑問が最後まで残ってしまう。


 3:難易度設定・調整 【★★★★★】
ノーマルまでなら「とりあえずクリア」はアクション苦手な人でも十分できる難易度。より難しいのハードや∞クライマックスはガチで挑むにはかなりの高難度で、VOモードが存在していなかったらクリアには相当苦労しただろう。VOモードを用意したらキチンとそれありきの設定になっているのも良い調整具合だ。さすがにVOモードを乱用した結果はスコアランキングには載らないが、それ以外に特別デメリットが存在していないのも○。アクション得意な人から苦手な人まで最後まで遊べる。
昔からこの手のアクションゲームは「直前回避」が一つのカギとなっているが(直前回避成功後は特殊攻撃が出る鬼武者等)、その回避をゲームの中心システムに組み込んで見せたアイデアと調整力は見事と言わざるを得ない。
例によって色々な武器が手に入るがやはり特別使い分ける必要もなくクリアできてしまうのは惜しい部分ではあった。


 4:操作感(プレイ感覚) 【★★★★☆】
キャラも軽快に動くし、攻撃・回避・アクションボタン入力いずれもプレイヤーの意思通りに動いてくれてストレス要因にならない。○。
やや長めのロードが頻繁に挟まる(ロード中もコンボ練習が出来る準備があるのは良い)点や、メニュー画面が少々使いにくい点などが気にかかり★ー1個。
コンボの締め技やTAで敵を倒した時の爽快感たるや。


 5:独自システム 【★★★★★】
→VOモード
プレイヤーがAボタンを連打しているだけで「コンボ」「回避」「次の敵へ瞬間移動」などから最適な行動を選択して行ってくれる。ノーマル以上の難易度で使用するには特定のアイテムを装備することが必須だが、発動していれば高難度であろうとボタン連打でそうそう負けることはない。敵攻撃反射などと一緒に使えば本当に負けない。
冒頭に書いたとおり、こういった初心者苦手者救済システムの搭載は◎。ここまで完璧に補助してくれるのも珍しいが^^
→ウィッチタイム
敵の攻撃を「直前回避」すると、その後数秒間ベヨネッタ以外の全ての事象がスローモーションになり、その間攻撃し放題になる。本ゲームの基幹システム。どれだけ敵の攻撃タイミングを知り、それを直前回避できるかがクリアのカギとなっている。ちなみにVOモードだと、回避不可能タイミングでなければボタン連打だけでこの回避まで完全に行ってくれる。スタイリッシュ! こういった基幹となるシステムをここまで浮き彫りにできるのは素晴らしい。
→トーチャーアタック(TA)
敵に攻撃を行って溜めたゲージを消費して行う、雑魚撃滅攻撃。
様々な拷問器具などを用いた凄惨な攻撃が加えられるが、そのあまりの思い切りの良さはネタ的な意味合いも強い。三角木馬笑。
→AngekAttack
ステージクリア後に敵を狙い撃って撃ち落とすミニゲームをプレイでき、その結果に応じてアイテムをもらうことができる。
……このゲーム要る!?w まぁアイテムを貯めこめるには非常にありがたいシステムではありました。
→懐ゲー再現(パロディ)ステージ
ハングオンやスペースハリアーといったFC時代のゲームシステムを再現したようなステージが用意されている。管理人的には特にスペースハリアーは小学校時代によく遊んでいたので琴線に触れるパロディでした^^ とはいえ、こういった遊びステージを本編に組み込んでしまったのは少々やりすぎか。しかもどれも結構長く、プレイの流れの阻害にもなりかけていたところがある。

その他細かいものは沢山あるが地味なものが多いので今回は取り上げない。


 6:価値 【★★★★★】
管理人の購入価格:0円(バリューパックで本体と一緒に購入)
基本的ないガツガツと敵を殴っていけば楽しいジャンルのゲームなので気楽に楽しめる作品だが、微グロ分やベヨネッタのデザイン、そして独特な静止画で表現されるストーリーパートも合わせて、やや好き嫌いは分かれる作品にはなっている。システム上は人を選ばず楽しめる内容になっているのだが。VOモード自体はもっと合う作品がありそうなシステムなのかもしれない。
管理人は付属品入手だったが、自分に合いそうだ、楽しめそうだと少しでも思ったら購入しても損はしない作品だろう。


 7:キャラクター 【★★★☆☆】
ベヨネッタのデザインは非常に秀逸だと思うのだが、管理人的には他のキャラたちが今一歩グッと来なかった……。
天使たちの四天王も一体目のフォルティトゥードはなかなか良いがそれ以降はどれもなんとも言えないデザインで。ラスボス等も含め。
序盤に出てきたっきりEDまで出番がないエンツォなんかも使い方もう少し考えられたのではないだろうか。


 8:やりこみ要素 【★★★★☆】
各難易度の各ステージにいる鴉を集めたり、お金的なものを集めてアイテムを購入していったり、ステージクリアの評価を上げていったり、と様々多様に用意されている。全てにではないが、一部は制覇するとその先に隠しボスが用意されているなど、全部やるまでのモチベーション維持用にも準備がなされていて良い。


 9:グラフィック・アニメ 【★★★★☆】
次世代機「らしい」高画質前回のグラフィック。
ムービー・会話パートはもちろん、アクションパートも同じ画質でやれちゃうのが次世代機の実力であり魅力。
画質・動画ゲー(笑)は最近は寧ろ減ってきてる気はするなぁ。ムーゲーが急増したPS2時代の方が多かった気がする。


10:その他 【★★★★★】
こういったジャンルのゲームは下手の横好き。だからこそ配慮のありがたみも分かるというもの。
ベヨネッタのコスプレは日本人がやるもんじゃない……と夏コミでとてもおもいました。まる。




最終更新:2010年09月01日 22:39
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