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「自覚」(2020/05/19 (火) 12:10:36) の最新版変更点
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<div class="main">
<div>ハルヒ、俺はSOS団にはもう行かない。<br>
電話口から聞こえてくるハルヒの声をさえぎり、ただ機械的に答える。<br>
10回を越える着信。いいかげんウンザリする。<br></div>
<br>
<div>「ちょっ、ちょっとどういうｔ 」ﾋﾟｯ<br></div>
<br>
<div>
2，3日ハルヒと話さないようにしていた。部室にも行くこともやめた。<br>
いいかげんに空気を読む事を覚えて欲しいものだ。<br></div>
<br>
<div>「ちょっと、どういうつもりよ！ 」<br></div>
<br>
<div>
携帯を着信拒否にしておいた翌日、案の定食って掛かられた。<br>
「む・・・無視しないでよ！ 理由を教えてよ。 ね、ねぇ･･･。」<br>
ああ、なんて五月蝿いんだ。 いちいちお前に説明する義務はない。黙れよ。<br>
「････!! ･･そ・そそんな言い方しないでよ！ 納得できないわよ！ 説明しなさい！」<br>
クラス中の注目が集まる。 なんて面倒な奴だ。<br></div>
<br>
<div>
ちっ、放課後に文芸部室で説明してやるから黙ってろよ。<br>
</div>
<br>
<div>「な･･･なによ･･ 」<br>
そういうと珍しくあっさりと引き下がる。<br>
涙目になっていることを気付かせたくないのか、奴は授業中もずっと外を見ていた。<br>
いつも思っていたが、こいつは皆から注目されていないと気になるのだろうか。<br>
SOS団で見た限りでは結果的に注目されてしまうと思っていたんだが。<br>
</div>
<br>
<div>「キョ、キョン君・・・」<br>
涼宮は入り口のあたりでオドオドしている朝比奈さんをすり抜け俺の手を掴むと、<br>
パイプイスまで引き摺っていく。<br>
奴は団長席に座ると、「さて、説明してもらいましょうか！」と吐きやがった。<br>
ったく、こいつは自分のテリトリーだと元気になるな。<br></div>
<br>
<div>長門は珍しく本を閉じ、俺の目をじっと見ている。<br>
「まったく、貴方らしくありませんね」<br>
古泉はいつもの「やれやれ」といったポーズをとり首を左右に振った。<br>
俺らしいとはどんなのだ。教えて欲しいものだ。<br></div>
<br>
<div>
「もうSOS団にいる必要がない、それだけのことだ。」<br>
強い語調で言うと、朝比奈さんが少しびくりとした。<br>
説明は以上だ。帰るぞ。<br>
俺はおもむろに立ち上がり、団長席に背を向ける。<br></div>
<br>
<div>
涼宮は駆け寄ってくると、出ようとした俺の手を掴んできた。<br>
なんだ？ 用事は済んだだろ？<br>
「ぅ･･･」<br>
瞳が少し左右にぶれていた。涼宮は言葉を捜しているらしかった。 <br>
「ぅ･･ぁ そ、そうよ！今までSOS団にいた理由ってなんなのよ！」<br>
</div>
<br>
<div>
お前は中学時代は男をとっかえひっかえだったらしいな。<br>
</div>
<br>
<div>
「付き合ってみなきゃわからないでしょ。 皆つまらなかったけど。」<br>
</div>
<br>
<div>
で、そのつまらない奴の中の一人に俺の友人がいたってわけだ。<br>
馬鹿な話だが、そいつは自殺騒ぎを起こしたんだ。<br>
…マンションの屋上から飛び降りてな。<br></div>
<br>
<div>「え･･･ 」<br>
奴の表情から見る限り、自殺騒ぎのことは始めて知るようだった。<br>
</div>
<br>
<div>
運がいいのか悪いのか、そいつは一昨日まで生きていた。<br>
</div>
<br>
<div>
…俺はたまたまお前が同じ学校だったから試すことにしたんだ。<br>
</div>
<br>
<div>
安心してもいいぞ。 俺の結論ではお前に復讐するほどの非はないと思う。<br>
奴が死んだのは、奴の心の弱さの為だろう。<br>
俺はお前にどうこうするつもりもない。<br>
だが、SOS団にいる理由もない。そういうことだ。<br></div>
<br>
<div>
最後にひとつだけ言っておくが、悪意がなくても他人を傷つけることがあるんだ。<br>
試すにしてもほどほどにしておけよ。<br></div>
<br>
<div>「････ 」<br></div>
<br>
<div>涼宮の手からふっと、力が抜ける。<br>
俺は黙ってその場を後にした。<br></div>
</div>
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<div class="main">
<div>ハルヒ、俺はSOS団にはもう行かない。<br />
電話口から聞こえてくるハルヒの声をさえぎり、ただ機械的に答える。<br />
10回を越える着信。いいかげんウンザリする。</div>
<div>「ちょっ、ちょっとどういうｔ 」ﾋﾟｯ</div>
<div>2，3日ハルヒと話さないようにしていた。部室にも行くこともやめた。<br />
いいかげんに空気を読む事を覚えて欲しいものだ。</div>
<div>「ちょっと、どういうつもりよ！ 」</div>
<div>携帯を着信拒否にしておいた翌日、案の定食って掛かられた。<br />
「む・・・無視しないでよ！ 理由を教えてよ。 ね、ねぇ･･･。」<br />
ああ、なんて五月蝿いんだ。 いちいちお前に説明する義務はない。黙れよ。<br />
「････!! ･･そ・そそんな言い方しないでよ！ 納得できないわよ！ 説明しなさい！」<br />
クラス中の注目が集まる。 なんて面倒な奴だ。</div>
<div>ちっ、放課後に文芸部室で説明してやるから黙ってろよ。</div>
<div>「な･･･なによ･･ 」<br />
そういうと珍しくあっさりと引き下がる。<br />
涙目になっていることを気付かせたくないのか、奴は授業中もずっと外を見ていた。<br />
いつも思っていたが、こいつは皆から注目されていないと気になるのだろうか。<br />
SOS団で見た限りでは結果的に注目されてしまうと思っていたんだが。</div>
<div>「キョ、キョン君・・・」<br />
涼宮は入り口のあたりでオドオドしている朝比奈さんをすり抜け俺の手を掴むと、<br />
パイプイスまで引き摺っていく。<br />
奴は団長席に座ると、「さて、説明してもらいましょうか！」と吐きやがった。<br />
ったく、こいつは自分のテリトリーだと元気になるな。</div>
<div>長門は珍しく本を閉じ、俺の目をじっと見ている。<br />
「まったく、貴方らしくありませんね」<br />
古泉はいつもの「やれやれ」といったポーズをとり首を左右に振った。<br />
俺らしいとはどんなのだ。教えて欲しいものだ。</div>
<div>「もうSOS団にいる必要がない、それだけのことだ。」<br />
強い語調で言うと、朝比奈さんが少しびくりとした。<br />
説明は以上だ。帰るぞ。<br />
俺はおもむろに立ち上がり、団長席に背を向ける。</div>
<div>涼宮は駆け寄ってくると、出ようとした俺の手を掴んできた。<br />
なんだ？ 用事は済んだだろ？<br />
「ぅ･･･」<br />
瞳が少し左右にぶれていた。涼宮は言葉を捜しているらしかった。 <br />
「ぅ･･ぁ そ、そうよ！今までSOS団にいた理由ってなんなのよ！」</div>
<div>お前は中学時代は男をとっかえひっかえだったらしいな。</div>
<div>「付き合ってみなきゃわからないでしょ。 皆つまらなかったけど。」</div>
<div>で、そのつまらない奴の中の一人に俺の友人がいたってわけだ。<br />
馬鹿な話だが、そいつは自殺騒ぎを起こしたんだ。<br />
…マンションの屋上から飛び降りてな。</div>
<div>「え･･･ 」<br />
奴の表情から見る限り、自殺騒ぎのことは始めて知るようだった。</div>
<div>運がいいのか悪いのか、そいつは一昨日まで生きていた。</div>
<div>…俺はたまたまお前が同じ学校だったから試すことにしたんだ。</div>
<div>安心してもいいぞ。 俺の結論ではお前に復讐するほどの非はないと思う。<br />
奴が死んだのは、奴の心の弱さの為だろう。<br />
俺はお前にどうこうするつもりもない。<br />
だが、SOS団にいる理由もない。そういうことだ。</div>
<div>最後にひとつだけ言っておくが、悪意がなくても他人を傷つけることがあるんだ。<br />
試すにしてもほどほどにしておけよ。</div>
<div>「････ 」</div>
<div>涼宮の手からふっと、力が抜ける。<br />
俺は黙ってその場を後にした。</div>
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