クラスメイト 序章
プロローグ
俺はSOS団に入って、まあハルヒはもちろんの事宇宙人未来人超能力者に振り回された事はある訳だが、何でもないクラスメイトに振り回された覚えはないね。朝倉・・・あいつの正体は長門と同じ宇宙人製アンドロイドだったし、喜緑さん・・・あの人もやっぱり同じだ。あっ、そもそも上級生だったか。鶴屋さんも大きな力を持ってるらしいが、振り回されてるというよりも見守ってくれている立場だ。コンピ妍の面々や谷口国木田だって当然そうだ。むしろこちらから迷惑を掛けてると言った方が正しかろう。唯一の例外は生徒会会長だが、あのお偉そうなお方にも古泉の息が掛かっていたので、純粋な意味で振り回された訳じゃないだろう。大体俺は当人の本心も知ってるしな。まさかこれで今更谷口辺りがハルヒの世界改変に絡んだりしたら、俺はいよいよ持って自分の首にロープを巻き付けるに違いない。少なくともあいつが宇宙人未来人超能力者でもなければ、まして異世界人だなんて信じたくも無いね。というよりも、ハルヒが自由に世界を変えられるのだとしたら、間違ってもそこ等辺の適当な奴を異能力化したりはしないだろう。それに少なくとも既に北高に居る人間がそうなら、とっくに俺達とコンタクトを取っていないとおかしい。もちろん古泉の機関の要員や、喜緑さんのような穏健派の宇宙人は居ても直接関係はない。何故そのようになっているのかと言うと、基本的に団員と未だ二人しか来ていないSOS団へのお悩み相談者以外は、ハルヒが徹底的なスルーを決め込んでいるからだ。ハルヒにとっちゃ普通の人間に褒められようが虐められようが正直構ったことではなく、あまりの無愛想っぷりと反応の乏しさから、相手の方もすぐに飽きてしまうようだ。で、スルーされなかった方はと言うと、100ワットと俺が常日頃比喩している満面の微笑みか、あるいはこれでもかという程プレッシャーだけは無駄に掛かる殺人的に不機嫌な光線を振りまくのだ。嬉しさの限界は見たことがないが、不機嫌な方の限界は俺だけが見た―――あれはもう思い出したくも無いね。とまあ、少しどころかヤバいんじゃないかと思うくらいの深い感情でお出迎えしてくれる訳だ。しかし、俺にも学校内での交友関係っていうものがある訳で、それの相手は当然SOS団に限ったことではない。男子とは結構な数の奴と話したりしてるし、女子相手でも多少は話す幅が広がった。話していれば当然相手に対して気持ちを抱いたり抱かれたりする事もあった訳で、俺も当然、SOS団以外の相手に対してもそこそこの愛着は持っていたのだ。もちろんその話仲間を失ったり、傷つけたりする事は気持ちのよい事ではないね。しかし、まさかそこが抜け道となり、あんな事になるとは思いもよらなかった。
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