ハルヒと親父 @ wiki内検索 / 「彼と彼女と彼女のメール」で検索した結果

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  • 彼と彼女と彼女のメール
    To:キョン  4月に入って1週間も経ったわ。なのにキョン、あんたから一通もメールがないって、どういうこと!?   あたしだって入学式だの単位登録だの、その他で忙しいかったわよ!  このアホキョン、なんとか言いなさい!! To:ハルヒ  すまん  大学が始まって早々事故っちまった。  相手も俺も大した怪我じゃないから心配すんな。 To:キョン  ちょっと事故ってどう言うこと?相手って、誰かに怪我させたの?人身事故じゃないの?なんで、そんな大事なことを。 To:ハルヒ  相手は同じ大学の学生だ。怪我も、もう大丈夫だから。 To:キョン  そう。無事なら無事で、それでいいわ。  それより、G.W.には帰ってくるんでしょうね? To:ハルヒ  ああ。 To:キョン  わかったわ。詳しくはその...
  • そのとき親父書きは何を思ったか?
    ...:親父シリーズ以外(彼と彼女と彼女のメール、電波の日 Nowhere、他)について その12:親父シリーズ以外(「パソコンが砂糖と化してアリがたかる」カオス篇)について その13:親父シリーズ以外(手錠、ハカセくんの初恋、新落語シリーズ「松山鏡」、他)について その14:親父シリーズ以外(新落語シリーズ「二十四孝」、涼宮ハルヒの格闘1・2、他)について その15:二人暮らしシリーズ、カオス系2つ、同窓会の日に、他について その16:「二人は暮らし始めました」再考 その17:「彼女は赤面した」はなぜNGなのか?/「描写」について その18:ヰタ・セクスアリス/雨宿り及びつづきについて その19:「同じ夢の中」、「デカンショ」、「自転を逆に回して」について] その20:何ゆえ書き手はかくも弱いのか その21:「できちゃった」について 再び その22:「ハルキョン温泉旅行」について その2...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その11)?
    彼と彼女と彼女のメール  実話です。あ、いえ、リスカ少女にはモデルがいます、そういう意味で。  そこらへんをこってりねっちり書くと、ものすごく読むのがつらい話になったのでメールにしました。いや、現実はもっとひどいぜ。  もうひとつ、掲示板/足跡帳にコメントしましたが、携帯メールでも、ハルキョンのどっちかを殺せば「ラブレターズ」(というセリフ劇)みたいなのができるかな、と思って書き始めたんですが、さすがに殺すのが忍びなくなって、悪者として事故彼女(リスカ少女)を出すことに。・・・これが「一人旅シリーズ」につながって行くSSです。 電波の日 Nowhere  物理学でポアンカレ・サイクルというのがあります。  ボルツマンによれば、エントロピー増大とは、無数の分子・原子からなる物質系が、より「ありふれた状態(確率が高い状態)」に移行することをいう。それは「確率の問題」であるから...
  • SS(二次創作)「ハルヒと親父」シリーズの物置
    ... ハカセくんの初恋 彼と彼女と彼女のメール 電波の日 Nowhere ふたりがここにいる不思議 同窓会の日にて ヰタ・セクスアリス/雨宿り 夏氷(なつごおり)の日 ゲリラ雷雨 フェバリット・メモリー 虫愛づる姫君のためのパヴァーヌ 夏の自転車 ドラキョン:あるヴァンパイヤの憂鬱 終電車 ハルキョン童話:しかめっ面の女の子 彼を知る彼女達の対話 アーカイブ ふたりだけにひろがる空 白みかける空 年越し その次の日 あいつについてあたしが話せる2、3の事項 +その他のSS ある意味青春系 明日のお弁当 涼宮ハルヒの格闘 涼宮ハルヒの格闘2 ツンデロイド 受験当日の二人 ネーミング・ライツ 輪になってマッサージ 涼宮ハルヒの創作 よくあるデートの誘い方 自転を逆に回して 近距離レンアイ 寒い日が好きだった 涼宮ハルヒの正夢 ともコレ マジで恋する5秒前 かなしいうた 夢魔が降る夜...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-二人はひきこもりました その3
    その2から  バカップル的ひきこもり生活も10日を越えると、さながらル・マン24時間耐久レース(あるいは1万円で1ヶ月生活)の様相を呈してきた。  本家のバイオスフィア実験−水も空気も出入りしない人工閉鎖系で、植物や家畜を持ちこみ、究極のショート・レンジリサイクルを行いつつ人がどこまで生きていけるかという過酷な実験も、予想外の、しかしシステム的な要因による慢性的な酸素不足、収穫不足、家畜の全滅に加えて、実験期間後半には、メンバー間のいさかいが耐えなかったという。  おれたち二人の間でも、いつものように、いさかいは耐えなかったが、これもおそらく谷口あたりに言わせれば、痴話ケンカの域にも達しない「いちゃつき」と判定されるレベルであり、ここに国木田、阪中を加えても、満場一致にして判定は覆らなかったであろう。  おっとハルヒが呼んでいる。後世に書き残し、何かの教訓にしてもらおうとい...
  • スポンサーから一言 その6
    スポンサーから一言 その5から 《登場人物のおさらい》 絵描き:女Dの転落させ殺した疑いで起訴中 女A:7年前、絵描きと心中 女B:絵描きの現在の愛人。手首を切り自殺。 女C:女Aの妹。女Bと同じ日に転落死(自殺?) 女D:女B、Cと同日に転落死。  「探偵小説にいまでも時々あるだろ。『あるべきものが、そこにない方が不思議だ』ってやつ。絵描きの部屋は当然調べられたが、押収品にAを描いたものだけが一切なかった、スケッチすらもだ。心中ですでに関係は精算されて、今や新しい愛人が居る身だ。ない方が当然か? そもそも何故、こいつは心中なんてしたのか、じゃまになったAを殺すだけが目的だったのか? それなら今回はなぜ心中してないのか? 同時に複数を「自殺」させるなんて手間のかかる手段をとったんだ? 今や愛人が複数居て、順番に殺していくと、他の愛人に企みを気付かれると思ったか...
  • 掲示板/足跡帳バックナンバー1
    ... 13 30) 『彼と彼女と彼女のメール』ですが、ToではなくFromの方がわかりやすい気がします。スレでも言いたかったけど規制されてまして。 -- SJ(訳あって略称) (2009-06-17 01 35 31) あ、でもそうしたらあの事故相手の彼女からのFromが書けないか… -- SJ (2009-06-17 01 36 17) >SJさん :そうなんです。分かりにくいんですけど、あそこがキモなんで。携帯メールでも、ハルキョンのどっちかを殺せば「ラブレターズ」(というセリフ劇)みたいなのができるかな、と思って書き始めたんですが、さすがに殺すのが忍びなくなって、悪者として事故彼女を出すことに。・・・これが「一人旅シリーズ」につながって行くSSです。 -- 親父書き (2009-06-17 06 29 23) さて、「カオスもの」がはけたので、今日から普通の更新...
  • 親父の英文法1 現在完了
     現代完了と過去の違い?  こんな夜更けにか? 日付が変わっちまうような時間だ。  まあ、そういうのも、たまにはいいだろう。  ちょっと、うつむき加減な話になるが、かまわないか? I didn t see her this morning.  過去時制 I haven t seen her this morning. 現在完了  どちらの文でも、I(おれ)は、今朝、彼女に会っていない。いずれにしろな。  両者の相違は、だから別のところにある。  過去時制の方を見てくれ。  こいつは端的に「彼女に会えなかった」という《過去の事実》を述べている。  そのように言う「おれ」にとって、「(彼女と会えなかった)今朝this morning」は、もう終わった、過ぎてしまった過去だ。  だが、現在完了は違う。  ここでも「おれ」は、彼女に会って...
  • 親父さんと谷口くん5
    親父さんと谷口くん4から 谷口 親父師匠! 親父 誰かと思えば谷口か。今日は何だか悩んでなさそうだな。 谷口 はい。あれからいろいろ紆余曲折ありましたが、なんとかデートの約束までこぎつけるところまで行きました。 親父 そうか、100人斬りナンパ・エクスポージャまでやったのか。 谷口 はい、断られるのが前提で声をかけるのは、なかなかきついものがありましたが、確かにたかだか断られるだけ、誰も声をかけるなりゲロを吐いたり殴ったりする人はなかったです。  自分が内気だとは思ってませんでしたが、それに気付いて克服することができました。今では鼻からスパゲッティ食べて逆立ちでグランド1周くらいできそうです。 親父 そうか。しかし鼻からパスタはやめておけ。で、今日は? 谷口 はい。ご報告と、最後のアドバイスをいただきに参上つかまつりました。 親父 うむ。まあ、ドタキャンされても泣かないようにな。 ...
  • あるSS書きの個人的七つ道具の使い方ータロット篇
    グレマスの行為項モデル  『民話の形態論(The Morphology of the Folk Tale)』という著作で、プロップは100の妖精の話を、約30の‘機能’で解釈した。ここでいう「機能」は、物語の登場人物が行う行動の基本単位である。  プロップは民話(物語)の登場人物を「彼等が何ものであるか?」ではなく「彼等が何をするか(どんな役割/はたらきを果たすか)」について分類し、つぎの7つの役割を挙げた。 悪者 提供者 支援者 探される人(the sought for person)(と彼女の父親) 送り出す人 ヒーロー 偽ヒーロー  そして物語の中で、これら役割が物語の中でどのような‘機能’を果たすかについて次のように説明する(これは物語の筋でもある)。 1 初期状態 ヒーローの家族のメンバーが紹介される。 2 失踪 家族の一人が家庭から失踪する。 3 制止 制...
  • とある七夕の前日
    娘「もう! なんで宇宙人は何も言ってこないのよ!」 母「あらあら、すっかりおかんむりね」 娘「(じとっ……)」 母「うーん、そうねえ。たとえば、ハルは遠くから男の子を見つめていたことはない?」 娘「ない」 母「じゃあ、逆に男の子側からの話の方がいいかしら」 娘「……」 母「遠くからその娘を見つめているだけなのに、むこうはこちらの名前すら知らないのに、何故思いが通じないのだろうと思ってしまう。ぼくは彼女が何時のバスに乗るか、どの教科が得意で、友達とどこで昼食を食べるか知っているのに。ぼくは彼女の家までの道順をそらで云えるのに。ぼくは彼女の好物を知っていて、絵が上手なことを知っていて、合唱コンクールの何列目の何番にいたかまで知っているのに、なんであの娘はぼくのことを知らないのだろう、って」 娘「……」 母「宇宙人はなぜ地球人にコンタクトしてこないのか? じゃあ地球人の方は本当にコンタクトをしよ...
  • ミルク搾りの女の子
     むかしむかし、あるところに、とてもかわいい女の子が暮らしていました。  女の子は空想することが大好きで、その日も楽しいことを空想しながら、牛からしぼったばかりのミルクの入った桶を、頭に乗せて運んでいました。 「そうね。このミルクを売ったお金で、少なくとも300個の卵が買えるわ。 そして、どんなに悪くても、卵からは200羽のヒナが生まれるわ。 そして、そのうちの50羽は、親鳥に成長するわ。 そう、ちょうどその頃はクリスマス前で、トリ肉が一番高く売れる時期だわ。 高く売れると、そのお金で新しいドレスが買えるわね。 真っ赤なドレス、とってもすてきな真っ赤なドレスよ。 当然、クツもおそろいでね。 そしてそのドレスを着て、クリスマスパーティーに出かけるのよ。 すてきなドレスを着た美人のあたしが登場すれば、みんな、あたしにプロポーズしてくるわね。 でも、すぐに受けてはダメ。 ...
  • 愛と運命についての対話
    ハルヒ ねえ、親父? オヤジ ああ? ハルヒ 母さんと出会ってなかったら、今頃どうしてる? オヤジ さあな。ロンドンの運河沿いの骨董屋で、外人だまして浮世絵でも高値で売りつけてるんじゃないか? ハルヒ つっこみどころもなく最低ね。 オヤジ 何故そんなことを聞く? ハルヒ ……いつか、自信たっぷりに「母さんと会ったのは運命だ」っていってたじゃない。 オヤジ 母さんにとっては災難だったかもな。だが、そういう「もしも質問」はあんまり意味がない。 ハルヒ 何でよ? オヤジ 母さんに出会う前と後とじゃ、世界が違っているからだ。 ハルヒ ……あんたねえ。 オヤジ ロマンチックな意味じゃない。いや、そういう意味が微塵もないわけじゃないぞ。 ハルヒ じゃあ、どういう意味よ。 オヤジ 今から二千年以上前の話だが、エピクロスという哲学者は、ものを見ることが...
  • ラブレターズ
    恋文たちから (5月23日 ラブレターの日にて) ハルヒ ったく、信じられないわ。親父の奴、今でも母さんにラブレター書いてんのよ、それも激甘の奴。いい歳して、どんなバカップルよ! キョン ほう。 ハルヒ なによ、その体温の低い応答は。そういえば、あんたからラブレターをもらったこと、なかったわね。 キョン ラブレターっていうのは、好きな相手に面と向かって告白するかわりに出す手紙だろ? おまえ、告白は直接言え、って言ってなかったか? ハルヒ じゃあ、言いなさいよ。 キョン ……なにをだ? ハルヒ 言・い・な・さ・い。 キョン だから何を? ハルヒ ……(し、しぶといわね)。 キョン ……(ここで目をそらしたら、いっきに持って行かれる。耐えろ、耐えるんだ)。 ハルヒ ……わ、わかったわ。ここは団長のあたしが、大人の判断をして譲歩してあ...
  • ハルキョン家を探す その4
     父親が帰宅し両親が揃ってから話をした方がいいだろうと、俺とハルヒはファミレスで時間をつぶし、それから俺の家へと向かった。  予想していたことではあったが、うちの家の反応は、鷹揚にして寛容な涼宮家のそれにほど遠く、当惑と難詰とからなる、よくもわるくも、ごく常識的のものだった。 「仲がいいのは結構な話だが、正面切って『同棲』したいんだと言われても、反対だとしか言えないな」  俺の父親がついたため息を引きとって、今度は母親が口を開く。 「ふたりはまだ高校生なんだし、その歳にふさわしいお付きあいの仕方があるとおもうわ。それにハルヒちゃんのご両親だって心配なさると思うし」  ハルヒは顔を上げて、いつもの二割増で目に力をこめて言う。 「あの、うちの両親には話しました、ふたりで」 「そう、どうおっしゃっていらしたの?」 「するなら自分たちの甲斐性と責任で、と言われました」 「そ...
  • そのとき親父-書きは何を思ったか(その22)?
    ハルキョン温泉旅行について スレでの時間の流れは速くて、半年といえば大昔な感じがしますが、その「大昔」に、ハルヒスレで、 SS(二次創作)といいながら、ハルキョンに、自分が彼女としたいこと(妄想)をさせてるだけだろ と、非難めいた発言がありました。「本格的なSS」を書いてる方なのかもしれません。 それとは、ほとんど関係ないのですが、同人誌やエロパロ系などで「ただ(SEXを)やってるだけ」というものが少なからずあって、大きなお世話ですが、そういうのじゃないものを書いてみたくて。「愛も実もある前向きな微エロ」(笑)というか。 「そういうのじゃない」というネガティブな動機でそもそもスタートしているので、自分に課す拘束が多くて、それがしんどいのですが。「行為そのものの描写なし」(その代わりの埋め草に「そっちの方の知識」が羅列されてしまう気がしますが)とか「ハルヒ...
  • スポンサーから一言 その5
    スポンサーから一言 その4から  警察署を出ると、黒塗りの車が止まっていた。 「大使館ナンバーの車だな」 「絵描きは物知りだな。叔父が大使館員なんだ」 「まるっきり私用じゃねえか」 「邦人を助けるのが大使館の仕事だ。大まかには間違ったことはしてない」 「なにが法律で助けてやる、だ」 「司法研修生なのはほんとだ。いまは病気療養中ってことになってるが」 「何かやったのか?」 「ケンカだ。売った相手が悪かった。で、ほとぼり覚めるまで国外に放りだされた」 「ブルジョワ(おぼっちゃん)め」 「フランスじゃ、誉め言葉だぞ」 「言いなおそう。キャピタリスト(資本家)め!コロニアリスト(植民地主義者)もつけてやろうか?」 「よしてくれ。勲章が重くて前に倒れそうだ」  後ろに乗れと言って、自分もあとから乗り込んできた。 「パリで一番うまい店でおごってやる」 「どうせマ...
  • 司書はある朝、魔女になる
    司書はなにゆえ魔女になる?から  ある日の放課後。  いつものようにSOS団部室(本当は文芸部部室)の前まで来ると、ひょっとすると文芸部の方に入りたくてやってきたような、文学少女オーラを放つ小さな女子生徒が、その人外魔境と化している(とうわさされる)部屋の中へ、入ろうか入るまいかと逡巡(しゅんじゅう)を続けていた。 「もしかして、長門に用か? 多分、中にいると思うから入っても構わないぞ」 とおれが声をかけると、すがるような助けを求めるような目でこっちを見た。やれやれ。  おれはドアを開け、そいつが中にいるのを確認して言った。 「長門、図書委員がまた来てるぞ」 「そう」 と言って長門は本を閉じて立ち上がり、おれは長門とすれ違うように部室の中に入った。  二、三言だろうか、この距離でも聞き取れないような小さな声で、図書委員と言葉を交わした長門は、 「図書室へ行って...
  • できちゃった その6(最終回)
    できちゃった その5から 1:  「嫁が臨月だってのに、ダンナを海外に引っ張ってくバカがどこにいんのよ!」 「しかも、それが妊婦の親父だった日には、笑うしかないな」 「笑い事じゃない!! あんた、初孫のことどう思ってんの?」 「目に入れるほど可愛い。だが、おまえのデカ腹ごとじゃどうせ入らん。頑張れ、ハルヒ」 「このクソ親父! そんなにデカくないんだからね!」 「前にも言ったが、いい男は待つってことを知ってるんだ」 「で、肝心のキョンはどこ?」 「あいつ、残業。いい奴だよな」 「母さん、こいつ、やっちゃっていい? 2プラス、1マイナスでおつりがくるわ」 「お父さん……」 「といってもな。何故だか先方がキョンを気に入ってる。キョンもやる気になってる。なんだかサラリーマンみたいだろ、高校生バイトなのに。少々うますぎる話なんでな、俺もついてくつもりなんだが」 「当...
  • ともコレ
     「みくるちゃん、お茶」 「はーい」 「みくるちゃん、あなた『ともコレ』って知ってる?」 「と、も、こ、れ、ですか?」 「そう『ともコレ』。某携帯ゲーム機でやるゲームなんだけどね」 「はあ」 「近所の小学生が、あ、みくるちゃんも知ってる、あの子よ、あのメガネの。その子がね、やってるのを見せてくれたの」 「どういうゲームなんですか?」 「『ともだちコレクション』、略して『ともコレ』ね。あたしが見たところ、とっても危険なゲームよ。今に殺人事件が起きるわね」 「ふええ。そ、そんなに怖いゲームなんですか?」 「別にホラー系って訳じゃないけどね。まあ、名前通り、友達をゲームの中につくるのよ。最初に姿カタチだけでなく、声や性格的なものまで入力するわけ。細かく設定するから、大抵は本当の友達とか、周囲の知ってる人になることが多いわね。そうやって、ゲームの中に、キャラクターが増えていくと...
  • キョンが泊まった翌朝の涼宮家
    キョン おはようございます。 母 おはよう、キョン君。 オヤジ よう。よく眠れたか? キョン はい。 母 キョン君、朝、ご飯でも良かった? パンがよければ、ないことはないんだけど。 キョン いや、うちも朝はコメだし。涼宮家って、なんか朝はパン食のイメージがあったんですけど。 母 んー、私が早起きできれば、パン焼いたりもできるんだけど。最近の炊飯器は賢いし、ついついお米になっちゃうわね。 オヤジ パン食にすると、遅刻しそうになって、食パンくわえて走りだす転校生みたいなのが、うちにはいるからな。 ハルヒ ……しないわよ、そんなこと。 母 おはよう、ハル。 オヤジ なんか寝起きの悪いのが来たぞ。 ハルヒ おはよう、母さん、キョン。 キョン 朝が弱いのは、俺の方だとおもってたぞ。 ハルヒ 別に弱くも強くもないわ。必要なら早起きするだけよ。 母...
  • 涼宮ハルヒのいちゃつき
    ハルヒスレに投下された無自覚夫婦に出てくる 酒の入った涼宮とキョンの想像を絶するいちゃつき具合 をやっぱり書いちまった。ので、投下してみる。 団員1 ハルヒ〜。前から一度言ってやらないといかんと思ってたんだ。今日こそ言ってやるから覚悟しろ。 団長 なによお〜、キョンのくせに生意気ねえ。あたしも常々あんたには言いたいことがあったのよ。今日こそはっきり言ってあげるわ。覚悟しなさい。 団員1 言っとくがな、愛の告白なんか受け付けんぞ。 団長 こっちこそ、願い下げよ。誰が、あんたなんか。 団員1 今日の俺は酔ってるからな、普段言えないようなことも言ってしまうぞ。 団長 お酒の力を借りないと言えないなんて、とんだヘタレね。あたしも酔ってるけど、いつも通り言いたいことを言うわ。 団員1 じゃあ、おまえ、先に言えよ。 団長 いやよ、あんた先に言い...
  • 王様とあたしたち その2
    王様とあたしたち その1から Act-9  「あら、ハル、どうしたの?」 「母さん。……ううん、どうもしないわ」 「キョン君は?」 「なんかパーティに出るよ用だって、タキシードの採寸で行っちゃったわ。近衛長さんがいっしょ。あたしも後で測るらしいけど」 「……ハル」 「は、はい」 「スポーツでも他のものでも、ディフェンスはね、相手のいて欲しくない場所に居て、して欲しくないことをすることが基本なの。相手がやりたいようにやるのを、止められないまでも、遅らせることもそうね。具体的には、お父さんの言動が参考になると思うわ」 「参考にしたくない。……でも、相手って?」 「まだ誰がそうなのか、わからないけれどね。たとえば、私が王子様なら、ハルと二人っきりで合う機会をつくるために、まずキョン君をハルから引き離すわ。なるべく抵抗されないような、納得できる理由と穏便なやり方...
  • 銀河の中心で愛を叫ぶ
    ハルヒ 大声コンテストに出るわよ! キョン また、はじまったか。いいか、ハルヒ、おまえはいつもいつも、思いつきで話を持ってくるが…… ハルヒ なによ、何ヶ月も前から根回しして、その上みんなのハンコをもらわなきゃならないわけ? どこの役所よ!?官僚制よ!? 特別な準備も特訓も要らない、体ひとつあれば参加できる企画なのに、そんなのナンセンスでしょう! うちみたいな小規模組織は、意思決定の迅速さと機動力が売りなの! さあ、わかったら、早速出かけるわよ! キョン 今から? ハルヒ エントリーは5人ともすでにしてあるわ。もちろん、個人および団体の両方で優勝を狙うから、そのつもりでね。さあ、気合いれていくわよ!! キョン しかし、ハルヒ。準備が要らない、体一つでOK、というのはそのとおりだが、うちが得意とする種目とは思えんぞ。 ハルヒ どうしてよ? キョン おまえの大声については何もいわん。勝手...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その17)?
    「彼女は赤面した」はなぜNGなのか?/「描写」について 今日はものすごく細かい話です。 (例文1)ハルヒは赤面した。 (例文2)顔をトマトにように真っ赤にしてうろたえるハルヒ…… (例文3) 「(略)あんたにじっと見られると副交感神経が刺激されて顔面特有の神経血管反射が起こって血管が拡張して……」 「いや、もういい。おまえの顔見てたら、何が起こってるか、俺にもわかる」 「……顔が……真っ赤になるんだからね……」  描写というのは、近代に入ってから(二葉亭四迷がツルゲーネフの「あいびき」を訳したのが画期だとされてます)日本の文芸に輸入された技法で、親父書きにとっては「天敵」です。  未だに、これといった工夫をしてない描写(いまだに小説の地の文の大部分を占めるものです)を読むのはつらいです。私が会話ばかりをお話を多く書くのは、実はこういう理由です。...
  • 一人旅に必要な事 エピソード3
    アキとキョン アキ ねえ、パパ。聞いていい? キョン ああ、いいぞ。 アキ パパはハルヒのこと、ずっと好きだったの? キョン ああ、そうだな。 アキ じゃあなんでママと結婚したの? キョン アキ……。 アキ やっぱ、ごめん。そんなの、答えられないよね。 ハルヒ 興味深い話ね。ぜひ聞きたいわ。 キョン ハルヒ……。 アキ (ひゃー、パパごめんよー)。 キョン うまく話せるかわからないけどな……その頃、パパは大失恋してな。本当は、ずっと好きだった人とそのままの関係がずっと続けていけると勝手に信じていて、その人がどんなに不安で苦しんでいたか、ずっと気付かないでいて、そういうこと全部をいっぺんに思い知らされたんだ。パパは罪と後悔の意識に一杯になって、とにかく身を引こうという気持ちに取り付かれた。今思うと逃げたんだな。いろんな人が気持ちを聞いてくれよう...
  • ハルヒと親父2その後 一周年 その3
    ハルヒと親父2その後 一周年 その2から  朝が来たのは分かった。  おれの精神(こころ)及び肉体(からだ)は、まだ完全には覚醒しておらず、周囲の状況を把握するには至ってなかった。おれの右手は、そこにいるはずの誰かを無意識に探していたが、成果ははかばかしくなかった。それで、人の気配を感じたとき、おれの肺は空気を喉と口蓋に送りこみ、この世のものとは思えぬ音を出すという失態をやらかした。だが音の方がしでかしたことは、よくよく考えればはるかにマシで、更なる大問題は音声信号の内容の方だった。 「ん……ハルヒ?」 「残念。はずれ」  この似ているが確かに違う声について、脳髄が前頭前野と側頭野と海馬に鞭を入れ、最高速度の検索を要求する。結果:この声は確かに・・・ 「って、ハルヒのお母さん!」 「おはよう、キョン君」 「お、おはようございます!」 「誰かお探し?」  ハルヒの...
  • 彼を知る彼女達の対話
     「あんたは、ぜんぜん変わらないわね、有希」 「あなたも、それほど変わらない」 「変わるわよ。もう80超えたんだもの。あいつを看取って、もう2年よ。ようやくなれてきたわ。あんたにも、いろいろ心配かけたわね」 「かまわない。……あなたは変わった。しかし、少しずつだが、以前のあなたに戻ってきている」 「そうかもね。あたしたち15の時に会ったのよ。あいつとも65年よ! まさか、こんなに長く一緒に居るとは思わなかったわ。……ずっと、一緒に居られる、ってどこかで信じてた。ううん、無理だと分かっていても、でもそう願ってた。……そういう意味じゃ、ほんと変わらないわね。夢は夢でしかないと知ってるのに、夢みたいなことばかり追いかけてた。あんたたちにも、いろいろ付き合わせたわね」 「付き合ったのではない。私は私の理由でそこにいた。そして……楽しかった」 「あ、ありがと、有希。……もう、いやね、なに...
  • オヤジラジオ その3
    オヤジラジオ その2から ハルヒ なによ、このヘタクソなピアノは!? オヤジの奴ね! キョン 確かにがんがんぶっ叩き系だが、ノリノリだな。お、グリッセント。 ハルヒ これくらい、あたしにだって弾けるわよ! キョン そりゃ、おまえは弾けるだろうがな。あ、長門のボーカル。 古泉 お取り込み中のところ、申し訳ありません。 キョン 別に取り込んじゃいないぞ。 ハルヒ いないわ。 古泉 ……送信機の奪取に一応の目処が着きましたので、ご報告を。 キョン 随分、速いな。 古泉 探すべき場所が無線LANスポットに限定されたので、捜索に当たる人員を増員しました。市内の公衆LANスポットを手分けして一斉に当たらせてます。あ、ご心配なく。突然駆りだされたボランティアのみなさんですので。 キョン 駆りだされたら、ボランティアじゃないだろ。 鶴屋 と、言う訳なのさ。目処もついたみたいだしさ、ハルニャンた...
  • ハカセくんの初恋
     涼宮ハルヒ先生は、近所に住む高校生で、ぼくの家庭教師をしてくれている。そして、少しおおげさに言うなら、僕の命の恩人だ。この人に出会えてなかったら、ぼくは退屈な毎日に絶えかねて、どうにかなっていたと思う。  この人の星団をいくつも従えたように輝く目は、一目見るなり僕の憂鬱とその原因を見ぬいたらしかった。母親への挨拶もそこそこに、僕の部屋に入り(乗り込み)二人になったなりに、こう切り出した、いや宣言したのだ。 「平凡な日常に飽き飽きして、毎日つまんないと思ってる目ね。それも死にたくなるくらいに、ね。重症だと言っていいと思うわ。でもね、これだけは言っておくわよ。死のうなんてしたら、ただじゃおかないからね! 安心しなさい、半年、ううん、3ヶ月だっていらないわ。今に「死にたい」って思ったことを絶対に後悔させてあげる。その時がきたら、ちゃんとごめんなさいって言いなさい。さあ、ノーベル...
  • 通り魔
     血のにおいがした。  そのとき、あたしたちは、人ごみの中にいた。  雑踏のざわめきの中で聞こえたのは、あいつの鼓動だった。  はじめて抱きしめられた。はじめて耳元で、あいつがあたしの名前を呼んだ。  次の瞬間、あいつは砂山のように崩れ落ちた。背中に刃物が刺さっていた。  血を浴びた男は、自分が何をしたのか分からないという顔をしていた。  それでも、あいつの背中に刺さった刃物に手を伸ばし、たった今、自分がやったことを、他の誰か相手に繰り返そうとしていた。  「さわるな!」  あたしの中で血が沸騰した。何かが目覚めたみたいに体が動いた。  あたしはその男に向かって跳び、その勢いすべてを右の掌底で相手のあごに叩きこんだ。そのまま、あごをつぶすくらいににぎりしめ、崩れる男の体を、アスファルトにぶちまけてやろうと思って、叩きつけようとした。  「ハルヒ!」 ...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その7)?
    「一人旅に必要な事」 という、ちょっとビターなのを書きました。  ハルヒとキョンの関係は鉄板(絶対壊れない)というのがある種の《公理》(要するに前提)のようになっていたのですが、これを放置しておくと、短くて助走の少ない話ほど、(オチを「バカップルだし仕方ないね」という形で取ることが多くなって)、結果バカップル化のハイパーインフレが発生してしまうので、ちょっとカウンター気味なのを手が勝手にキーボードを叩いてました。  あと失恋と一人旅と感傷旅行抜きでなんの人生か(さすらいもしないでこのまま死なねえぞ)、という歪んだ思想をはらんでいるのかもしれません。好事魔多し。  おそらく続きはいろいろ考えられるのですが(復帰的ハッピーエンドから、世界が壊れるバッドエンドまで)、せっかくの別の時間の流れだし、ただヨリを戻すのも、「こんな世界いらない」的バッドエンドも(これは「独裁ボ...
  • そのとき親父-書きは何を思ったか(その21)?
     「ハルヒと親父」シリーズをはじめて、なかなか決まらなかったのがキョンのスタンスというか、キョンと親父さんの関係です。親父さんはどこまでいっても親父さんですが、キョンは相手によって対応を変えるタイプなので、どういう関係かが決まらないと態度が決まりません。「彼女の父親」「娘の彼氏」というのは、ただでさえ思うところが複雑なので、最初の頃はほとんどキョンと親父さんの絡みは回避されてました。  登場人物それぞれの「性格」と、登場人物の間の「関係」は、ネットワークでいうところの「ノード」と「パス」なので、どちらから決めても良いわけですが、現実的には「関係」の方が変わりやすく、その変化自体が物語だったりします。そんな訳で初期設定的には「性格」からはじめるのが手堅いわけですが、とあるSS書きとしては、性格をコトバで「説明」するなんてヤボなことは避けたい、実際の行動や他の登場人物とのやりとりの中で...
  • 親父の臨終
    母  お父さん、あと何か言いたいことはありますか? 親父 プロポーズのこと覚えてるか? 母  ええ、もちろん。 親父 俺と同じくらい長生きしてくれ、って言ったっけな。 母  こんなおばあちゃんになるまで生きられるなんて誰も思わなかったわ。お父さんのおかげよ。 親父 俺が死んでも、合わせなくていいぞ。2倍ぐらい長生きしてもいい。 母  一人でさびしくないんですか? 親父 娑婆がにぎやか過ぎた。さびしいってやつを思いだすのに時間が必要だ。 ハルヒ にぎやかさの半分は、親父のせいでしょ! 親父 あとの半分はおまえだ。なあ、キョン、おまえもそう思うだろ? キョン はい。 親父 あとは頼むぞ。といっても、こいつら勝手になんとかするからなあ。 キョン ええ。 親父 ああ。最後にかっこいいこと言って死のうと思ってたんだがな。 ハルヒ いいわよ、最...
  • ロール・プレイング その9
    ロール・プレイング その8から 西の国の王女 西の塔に出した軍から、飛竜が戻りました。 ??? 連絡用に連れていった奴ね。それで? 西の国の王女 司令官からの書簡が届きました。「外の力を持つたった一人の男が、我が軍勢を圧し帰した」とあります。……あなたの言うとおりになりましたね。 ??? やる気が、傍目にはものすごく分かりにくいけど、やる時はやる奴だって言ったでしょ。さあ、今度はあんたの番よ! 西の国の王女 約束したことは守ります。……でも、私に本当にできるのでしょうか? ??? できるできないじゃなくて、や・る・の! ここまで来たら、腹を決めるしかないわ。 西の国の王女 ……ここまでやってきたことも、あなたが来なければ、どれもできないことでした。 ??? そうね。あんたには不可能に思えた。でも、あんたはそれをやったのよ。 西の国の王女 ……。 ??? あんたが思いを固めてやり抜...
  • ハルヒ母の遍歴時代
     そうねえ。  15歳とか、それくらいまでしか生きられないって、小さい頃からお医者さまにも家族にも言われていた話は前にしたわね。  実際、すぐに熱出して、学校も欠席の方が多かったくらい。そのうち、行かなくなっちゃったけど。  だって時間がもったいないって思ったの。15歳までしか時間がないなら、やりたいこと全部やるのに、余計なことをする暇なんてないと思ったのね。  学校抜き、勉強抜きで、ピアノとバレエだけの毎日だったわ。もっとも、どちらも、体力がなかったから、そんなに練習できたわけじゃないけど。  だから、あんなに好きだったけれど、バレエは一度も舞台を踏んだことはなかったの。ピアノは座っていられるから、まだましね。実際は、ものすごく体力勝負だけど。ついた先生がね、朝から昼までの3時間以上練習しちゃいけない、って方針の人だったの。日本の先生は、8時間でも10時間でも弾けるだけ弾け、と...
  • あるSS書きの個人的7つ道具(文房具篇)
    「情報をうまく整理できれば、泉のごとくすばらしいアイデアが生まれ、幸福な人生をおくれる」などと夢を描いて、《ロディア》や《モレスキン》と戯れながら人生を送るべきではないと考えるSS書きの、せこい文房具たち。 たとえばロディアはこういうの たとえばモレスキンはこういうの ポストイット 筆ペン クリップ付き4色ボールペン 方眼スパイラル・ノート ブックスタンド 手帳と1ヶ月インデクス 携帯電話 ポストイット  メモする→張り替えて整理(孤独なKJ法)      →手帳からさらにノートへ→さらに模造紙へ      (溢れればさらにでかい紙へ)(個人作業から集団作業まで)      →再整理が楽 →不要になれば捨てる  本のしおり兼書き込みメモも、ポストイット。分厚さが倍になることもある(ここまでいくと本が壊れる)。これも、張り替えてノートや手帳へ...
  • 王様とあたしたち その3
    王様とあたしたち その2から ACT-20  「彼女は、この国の女性ジャーナリストの草分けで、民主派のリーダーの一人でした。スズミヤ氏が象に乗ってこの国を救ってくれたあの事件の際、夫を亡くし、その後、乳飲み子を連れて大学へ通い学位をとったのです。議会政治の腐敗と軍事クーデターが繰り返されるこの国の政治の在り方に強い疑問を持つ女性でした。また、なんとか事態を収拾し、玉虫色の均衡と和平を目指した私の最大の批判者でもありました。彼女からすれば、私はあまりにも現実におもねりすぎているように見えたのでしょう。逆に私は、彼女の清廉な理想主義と人柄に惹かれました。私達は何度も公衆の面前で批判し合い罵り合いました。大勢の人間が、私達に相手のことをもっと大事にするようにと忠告してくれました。私達は選んだ手段こそ違いましたが、同じ理想を追求しているのだと、説明してくれる人たちが大勢いました。...
  • ハルヒと親父2その後 一周年 その後ー腕の腫れ、氷の癒し
     最初は一通のメールだった。 「あれ、ハルヒの母さんだ」 『技量の不足を努力と根性で埋めようとする娘ですがよろしくね』 なんだ、これは。判じ物にしては分かりやすいし、心当たりもありまくりだが、なんでハルヒの母さんからこの文面なんだ?  その答えは、次の日の教室でわかった。  ブン、という音がしそうな勢いで、ハルヒが両腕を突き出してきた。 「なんのまねだ?」 「揉んで」 は?いま、ここ教室でか?おまえ、何言ってる? 「揉みほぐして、って言ってるの。いいから触ってみなさい! 聞くより見るより、よおく分かるから」 おれは何故か恐る恐るといった手つきになって、ハルヒの指先、手の甲、二の腕、と触っていく。ハルヒはどちらかといえば着痩せするタイプだが(何故こういうコメントができるかは、ストーリーの進行に何の関係もないから割愛するぞ)、それでもその馬鹿力から想定されるほど...
  • ハルヒと親父1
    「なによ。ずいぶんとご機嫌ね?」  カーペットに寝転んでTVを見てるのは親父。いい大人が日曜の朝からアニメ見ておもしろい? 「そうとも。気分がいい。だが、お前には負けそうだ」 「どういう意味かしら?」 「年頃の娘の幸せそうな姿を見るのは親冥利に尽きるが,男親としては寂しさに悲しさが添加されるようだ」 「な・に・が・言いたいのかしら?」 「ハル、お父さんと遊んでいいの? 思ったより時間過ぎてるわよ」  と助け舟を出したのは母さん。どっちにとっての助け舟かしらね。 「ええ、うそ。やばい。じゃ、行ってくるね」 「まて娘。行きがけの駄賃だ」  そういってバカ親父が何か放ってくる。と、と、と、キャッチ。え、あたしの携帯? 夕べ、居間でテレビみながらメールして、そのままだったんだ。 「心配するな。何も見てない。それから充電なら、しといた」  何も聞いてないでしょ! ……見てたら...
  • 親父さんと谷口くんエピローグ
    親父さんと谷口くん5から オヤジ 母さん、ちょっと頼みがあるんだが。 ハル母 なんですか、お父さん。 オヤジ 今から、谷口ってのが戦勝報告にくるらしい。まえにハルキョンも連れて、初デートを覗きにいった奴がいたろ? もう3ヶ月経つが、うまくいってるんでお礼方々伺いたいんだと。 ハル母 礼儀正しい方ですね。ハルヒと中学から同級の人でしたね。 オヤジ うーん。やっぱりうちのバカ娘は育て方を間違えたか? ハル母 あれでも、外ではちゃんとしてるみたいですよ。 オヤジ 粗暴なのは親父限定か。あ、それでな。男女別々に話を聞こうと思うんだが。 ハル母 そうなの? じゃあ、彼女さんにはお茶の用意を手伝ってもらいます。 オヤジ 頼む。親父の道楽に付き合わせてすまんな。 ハル母 ふふ、何をいまさら。それに楽しいことじゃないと私も付き合わないわ。 谷口 おじゃまします! 彼女 あの、失礼しま...
  • ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その7
    ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その6から  真夜中にはまだ間がある時間にコテージを飛び出し、結局、空の一角が明るくなるまで、ハルヒと俺は、東を向いて歩いた。  俺には自分たちがどこに向かっているのか、それにどれだけ進んだのかさえ、見当もつかなかったが、俺の手を引くハルヒの手は、大丈夫こっちで間違いない、とずっと言い張っていた。   あとで知ったことだが、俺たちが歩いていたのは、この島の一番長い道だった。  元はレールが敷いてあったらしい砂利道で、今はなくなった鉄道は、最初の夜に食事をした繁華街の外れにあるセントラル・ステーションを発着駅にしていたそうだ。 「キョン、お腹がすいたわ。しかも小腹ってレベルじゃなくて」 「俺も腹ぺこだ、ハルヒ。ここで『だから、おまえの太ももをよこせ』といえないのが全年齢対応のつらいところだ」 「言えたら、それはそれで、別の意味でつ...
  • ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その8
    ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その7から  シャワーの音が止まった。  少し経って浴室のドアがゆっくりと開く。  俺はベッドの端に、そっちには背を向けて座っていた。 「スケベなこと考えてる顔ね」 「そんなことはない」 「だとしたら失礼な話よね」 こっちに近づいてきた奴が、後ろから俺の首に両手を回してくる。 「だいたい、うしろからじゃ見えないはずだろ」 「あんた、背中までポーカーフェイスのつもり?」 「ただの仏頂面だ」 「ホテルの最上階。二人っきり。邪魔が入る恐れなし。タオル一枚の美女が背中に体重をかけてくる。これで何が不足か、聞こうじゃないの?」  俺はゆっくりと口を開いた。 「子供の名前を考えてた」 「うっ。……なかなかやるわね」 「うそだ。最悪のタイミングで、ムードぶち壊しのことを言うことになるかもしれんが、この旅行ももうすぐ終わりだ。だから率...
  • 1月31日 妻にささげる日
     「ちょっとキョン! ここ、どこ?」 「群馬県だ。あそこで噴火してるのが浅間山、その向こうはもう軽井沢だけどな」 「もうって、通り過ぎてるじゃないの!」 「いや、上田菅平ICで降りて国道144号線を来たからな」 「って、細かい地名を言ってもわかんないわよ!」 「正直おれもわからんが、もうすぐ目的地につくらしいぞ」 「どこよ?」 「嬬恋(つまごい)村だ」 「それって中島みゆき、長渕剛、佐野元春、チャゲ&飛鳥、谷山浩子、八神純子を輩出したヤマハポピュラーソングコンテスト(通称POPCON)の本選が開催されたとこ?」 「残念ながら、それは静岡県掛川市にある嬬恋だ。よく勘違いされるけどな」 「あ、あんた、そんなところまで妻を求めに行く訳!?」 「いや、『請う』じゃなくて『恋う』と書く。そこに村の名前にちなんだ『愛妻家協会』というのがあるらしい。なんでも嬬恋村は、日本武尊(ヤマ...
  • できちゃった 外伝ー教材仁義
    オヤジ 母さん、今ちょっといいか? ハル母 ええ。なんですか? オヤジ 南朝・梁(502 - 549年)の武帝が、周興嗣に作らせた千字文(せんじもん)というのがあるだろ。東アジアじゃ各地で子供に漢字を教える初級テキストになった長詩だ。 ハル母 敦煌でも手本や習字した断片が出土したそうですね。日本でも寺子屋で使ってたのかしら。 オヤジ ああ。だが今の人間には少々難しいから、石渡明という人が、小学校学年別漢字配当表にある字を使って現代っ子向けにつくった「平成千字文」というのがあるんだ。それを筆で書いてみた。あいつらに送ろうかと思ってな。 ハル母 相変わらず、いい字ですね。王羲之とまではいかなくても。 オヤジ あっちは空前絶後の書聖、こっちは親父の手習いだ。 ハル母 アカザキさんとマサカドさんが「イメージと違う」と言ってらしたわ。誰も読めないような筆跡にちがいないと思ってたのに、って。 ...
  • ハルキョン童話:しかめっ面の女の子
     しかめっ面の女の子は、いつも、しかめっ面をしていました。  しかめっ面の女の子には、いつも、まぬけ面の男の子がついて歩いていました。  しかめっ面の女の子は、あるとき、右腕をぶんと男の子の方に投げ出しました。 「どうした?」とまぬけ面の男の子は尋ねます。 「腕が重い!疲れたの! 見れば分かるでしょ!」と女の子は言いました。  まぬけ面の男の子は、やれやれ、とつぶやいてこう言いました。 「しかたないな。そんなに重いなら持ってやる」  こうしてしかめっ面の女の子は、まぬけ面の男の子と、手をつなぐことができました。  しかめっ面の女の子とまぬけ面の男の子がしばらく歩いて行くと、女の子は突然立ち止まりました。 「どうした?」とまぬけ面の男の子は尋ねます。 「足が重い!疲れたの! 見れば分かるでしょ!」と女の子は言いました。  まぬけ面の男の子は、やれやれ、とつぶ...
  • 涼宮オヤジの1冊
    ハルヒ:というわけで、企画意図がわかんないけど、親父が読んだ本を100冊あげるわよ。 親 父:100冊じゃきかんぞ。 ハルヒ:だったら、おすすめ順に言えばいいでしょ。それくらい気をきかせなさい。 親 父:わるかったな。 ハルヒ:まず1冊あげるとしたら何? 親 父:  1冊だけというなら、「アルフ・ライラ・ワ・ライラ(千夜一夜物語)」だな。もちろんバートン卿のエロイ訳の奴で。  女性不信で夜伽をさせた女を朝には殺してたビョーキの王様に、シェラザード姫がえっちな身体と思わず続きが聞きたくなるお話でもって、1000夜を生き延び、1000人の女の子が犠牲になることを防いだばかりか、その間に3人も子供を生んだという話だ。  大枠の話もアレだが、姫が語る物語がどれもこれも絶品。ひどいの、ひどくないのって。あらゆる物語は、彼女によって誰よりもうまく、すでに語...
  • あるSS書きの個人的七つ道具の使い方(事例編)
    0.お題は「SOS探偵団」 1.まずはタロットを開いてみる 2.キャラクターを具体化/整理する 3.キャラクターの動機、行動、目指すところを考える 4.動機を掘り下げるべきか? 5.キャラクターの動機、行動、目指すところを考える(その2) 0.お題は「SOS探偵団」  という訳で、SOS団に依頼が持ち込まれて推理する、という鉄板なストーリーを道具箱を駆使してやっつけてみたいと思います。 1.まずはタロットを開いてみる  ところがどっこい、ミステリーなんて見当もつかないので、とりあえずタロット×グレマスに聞いてみました(何度も)。  これなら行けるかな? と思ったのが、次のものです。  いつもはマルセイユ版という古いタイプのタロットを例にしてたのですが「絵がかわいくない」と不評なので、標準的なウェイト版を使ってみました。  無理矢理に読むとこんな...
  • そのとき親父-書きは何を思ったか(その25)?
    親父さんと谷口くんシリーズ  光るあるところに影がある。  普段、主としてハルキョンのバカップルものを書いている親父書きですが、多分、「親父さんと谷口くん」は、ハルキョンを光とするところの影、陰画です。  原作では付き合ってるどころか告白さえしていないハルキョンですが、二次創作におけるバカップルものは、当人たちがどれほど否定しようとも、どれほど無自覚であろうとも、デフォルトが「付き合ってる」ことになっています。  一方で、原作の谷口氏は5分とはいえハルヒと「付き合った」こともある訳ですが、本シリーズの谷口くんは《永遠の恋の探求者》です。ぶっちゃけ、永遠にカップルになれないが故に永遠に恋を追い求めると運命づけられている神話的人物です(笑)。カッコイイ、でもなりたくない(笑)。  オリキャラであるところの涼宮夫妻は言うまでもなくバカップルですが、その片割れである親父さんは、図書館で...
  • ツンデレエンザ
    「ちょっと、キョン、大丈夫なの? 39度ぉ!? だったら電話なんかしてないで寝てなさい! かけたのは、確かにあたしだけど。 とにかく! あったかくして寝てなさい。帰りに寄るから」  来るな、うつる、とか言ってた気がするけど、インフルエンザで寝こんでるような気合の足りない雑用係の妄言なんて聞くに値しないわよね、うん。キョン、待ってなさい!あんたの風邪なんか、あたしがいっぱつで治したげるわ!! 「インフルエンザは風邪ではない」 って、有希? いつからいたの。 「さっき」 そう。でもあたし、インフルエンザなんて言ったかしら? 「言っていない。でも現在、流行中」 そうね。うちのクラスも10人以上休んでるんじゃないかしら。 「学級閉鎖の可能性が高い」 そうなの? あいつがいないと退屈だし、いっそ休みの方がいいかも……って、キョンのことなんか考えてないし、しゃべってないわよ! ...
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