~あらすじ~
瑩はゲーセンで真悟と戦うことに!
「それで真悟、対戦内容は?」
「エアホッケーはどうだ?」
「うーん、まぁ悪くはない」
「よっしゃぁ! いくぞ!」
「だが断る」
そして数秒の沈黙が続いた。
「真悟、今のはノリで言ったんだ。気にしないでくれ」
「そうか。地味に傷付いたぞ」
「ははは」
「あはーは」
何このシュールな会話。
オレと真悟は互いにエアホッケーのゴール位置につく。
ゲーム代はストーカーに渡されていたらしく、オレは無償でホッケーできるのでちょっと嬉しい。つーかサイフ持って来てないから無償じゃないと困っていた。
「ハンデだ、瑩」
そう言って真悟はオレにタマを渡してくる。タマとはホッケーで飛ばしあうアレのことだ。正式名称なんか知らん。
「後悔するなよ、真悟」
「へっ、せいぜい今のうちにほざいてな!」
真悟が台に100円を投入する。いよいよゲームスタートだ。
「悪いが真悟、先手を打たせてもらうぜ!」
オレはタマを思い切り撃つため、魂を込める。
「タイガーキャノン!」
風を斬りタマを弾く。加速するタマが、真悟のゴールへ迫る。虎は関係ない。
「甘いわ瑩! ブラスターカノン!」
カァン! と軽快な音が鳴り、弾き返されるタマ。さらにスピードを増し、オレのゴールへ迫ってくる。
「ならば! セイントファイヤーボレイ!」
タマはさらに速度を上げ、そして
「なにぃ!?」
タマは真悟の振り切られた腕をえぐるようにゴールへと吸い込まれていった。
「まずは1点先取、かな」
「フフ、瑩よ、いいところを突いてきたな」
真悟の弱点は、その大きなモーションにあるようだ。この調子で行くぜ!
――――カン! ガシャン!
え?
「何ボーっとしてやがる瑩!」
ハッと気付くと、オレのゴールにタマが入っていた。いつのまに。
「フン! やってくれるねぇ、真悟!」
オレが真悟を分析している隙を狙って撃ったのか。こいつ、恐るべし!
「これで1-1だ、瑩。手加減はしねーぜ?」
「上等だぜ」
得意気に言う真悟。たしかに今のは見事だった。
――――再び風が舞う。
闘志という名の風が。
オレたちを取り巻くように。
「勝負はこれからだ!」
最終更新:2006年08月03日 19:48