9.18事件て何よ




  • 概要

2010年9月18日、アーケード稼動から5年とすこし。
強いて言うならばSPの美希移籍事件があるが、今まで特に大きな事件も無く、きわめて平穏だったアイマス世界に激震が走った。

推定9割のファンが一斉蜂起し、(変態)紳士淑女が紳士淑女じゃなくなるくらいのパニック&ヒステリー&アイムアングリー。
インターネットを中心に近年稀に見る大炎上が発生、更に公式による燃料投下が加わり、NHKニュースで報道されるに至る大事件に発展した。ちなみにファミ通のアイドルマスター2関連記事のアクセス数は、翌19日に有り得ない数を記録してグラフがカンストする始末。


このWikiでは茶化して書いているが、編集者も本気でキレた口であり、当時のファンの心境は想像を絶するものであった。
本当に洒落にならない。


ここまでファンにダメージを与えたものは何であったのか。
問題点は大きく分けると以下の通りだ。


  •  1. 竜宮小町メンバーはプロデュース不可。

水瀬伊織、三浦あずさ、双海亜美よりなるユニット「竜宮小町」と、それをプロデュースする秋月律子はプロデュース出来ない。

はい、ここで質問。アイドルマスターってどんなゲームかな?
「プレイヤーがプロデューサーとなって、未熟なアイドルをトップアイドルに育てる育成シュミレーションゲーム」(公式も宣言した事実)


それがP不可って?
今まで愛情を注いでプロデュースしてきた小町Pはどうなるわけ?
しかも稼動開始よりのメンバーであり、したがってファン数も多いアイドルを4人もリストラて。
残りの9人は普通にプレイヤーキャラ維持なんですよ?
なんのために既存キャラ全員残したわけですか?
なんで4人だけこんな中途半端な形のNPC化、つまるところサブキャラ化、わかりやすく言うと差別化されなくちゃならへんの?
そして人選が悪い。「人気順?」と取れるリストラの仕方であり、多くの小町Pはプライドもズタズタに切り裂かれた。

キャラクターへの愛着は時として並々ならぬ様相を呈するアイマス界。
今までキャッキャウフフしてきた好きなキャラが差別扱い、プロデュースゲームでプロデュース不可、そして裏切られた期待。
9.18の問題点の筆頭に上げられるこのありえん判断に、誰一人として喜んで肯定した者はいない。

って言うかね、おこるの、あたりまえ。



  •  2. 961プロ所属の3人組のアイドルユニット「ジュピター」。まさかの全員男。しかも男の娘ではなく、イケメン3人組。

上の動画を見ればわかる通り、9.18ではこちらの発表がメイン。
今まで男の匂いなどほとんど皆無に等しい(社長? だれそれ? 空気?)アイマス世界に、突如としてぶち込まれた人間の♂。
免疫ゼロだったアイマスファンには、非常にショッキングな彼等だったに違いない。


男の登場によりアイマスの世界観がぶち壊しになる恐れや、寝取られ描写(以下NTRと略する)、さらには夏冬2回の祭典イベントにジュピターによる765プロアイドルの(以下略…)の登場などが危険視され、大きな問題の1つとして扱われている。直後に出回った悪質なコラージュ画像も更なる追い討ちとなり、この問題を更に大きいものにした。
小町Pにとっては「なんで容量無駄遣いして男なんか出してるの?」って話で更に更に追い討ち、心的外傷後ストレス障害に陥った者は筆者だけではないだろう。

ちなみにNTRに関しては「そういう描写は無い」と明言されてはいたが、あの大混乱の最中、信頼度がZまで落ちた連中の言葉など妄言に等しいわけで。
仮に信用されたとしても、「可能性を生み出しただけでアウトなんだよ!」が流行語になった事からもわかる通り、そーいう問題じゃない。


…とは言え小町P不可と違って賛否両論が上がり、まったくダメな人から面白いじゃんという人、男である必要なくね?小町切ってまですることか?NTRなけりゃいいよ。登場は評価するけど…。などなど、多様な意見が見られた。
ちなみに開発者いわく「憎めるキャラとして作った」とのことだが、蓋を開けてみれば憎めないキャラだったりする。
憎まれたのは坂上・石原両名ですね。


  •  3. オンライン対戦廃止

一言で言うと、
『燃えをどうとか言ってたけど、オン対戦がいちばんの「燃え」だろ!!!!!』

元々はアーケードゲームだったアイマスであり、コンピューターではなくプレイヤーとの対戦要素は非常に重要なものとして認識されてきた。
経験者ならわかる事だが対人戦のスリルはコンピューター戦の比ではなく、あの緊張感と駆け引きはアイマス以外で味わえないと言っても過言ではない。
箱マスでも有料メンバーシップ限定ながら維持され(だから利用率低いんだよ)、SPでも近距離限定ながら一応可能。

それがまさかの完全廃止。しかもアイマスの「燃え」要素をより高めるためだよヨロシクちゃん、とのこと。理解不能。
オンライン機能ある機種で出した意味は………DLCで稼ぐためか。


  •  4. AKB商法の疑い(未遂事件)

新譜「The world is all one !!」の発売にあたり、曲を歌唱するユニットを人気投票で決めるとのこと。
エントリー候補は「3組9人」のユニット。

…人気投票は今までファンの間で「やっちゃいけない」こととして認識されていたのは周知の事実。
そんなことしたら「うちの娘が一番!!」「なんでアイツが1位なんだ」とか始まって水掛け論、世界は1つどころかバラバラになって険悪なギスギスムード。それを公式でやるか? キャラクター愛は皆譲らぬものさ。
……そして竜宮小町はハナっから除外。つまりTwiaoを歌う資格がないと。ほほう。


これでCDに投票用紙付けて販売したら完璧(に最悪)だったのだが、投票方式はアイドルマスターモバイル内で無料会員でも投票できることが後に発表、更に「竜宮小町」「全員で歌う」という選択肢が追加されて事実上は白紙に戻った。

一説によるとファンのあまりの激昂っぷりに、コロムビア側が選抜レースから手を引いたとか。
結果は良い方向に転じたものの、「初めからこの方式でやるつもりだったのか?」という疑念が今もファンの間に残っているのは、いかにBNG(注・バカナムコゲームスではなくバンダイナムコゲームス)への信頼度が落ちたかの表れだろう。


  •  5. 声優を盾として使う坂上以下バンナム。

当然のことながら、9.18会場にいた精鋭たちは唖然、呆然、口をぱくぱく。
坂上総合プロデューサー殿はジュピターの発表の後、竜宮小町P不可を小声で改めてぽろっと駄目押ししてくれやがり、声を震わせながら「裏方に回ります」と宣言した若林さん(秋月律子役)にその場を(一方的に)任せてそそくさと退避。


凍りついた会場を必死に盛り上げようと頑張る若林さん達アイマスガールズ。
その姿はあまりに痛々しく、見る者の涙を誘った。
しかし努力むなしく、会場は完全に冷え切っており、定番のアンコールすら起こらずただ静かに自失状態のままP達は立ち去った……。

若林さんが涙を流したという(おそらく)事実もあり、アイドルのみならず声優さんも大切にしてきたファンの顰蹙を買った。


  •  6. MA2FSでCDを出すのは9人のみで竜宮小町の4人のCDは無し。

1も2も4も5もそうだが、なぜこうも小町ファンばかり集中攻撃なのか? いじめ?
某ディレクターが言うには「一度に13枚もCDを出すと印象が薄れる」「後で必ず出す」とのことだったが、プロデュース不可にしたため既に印象は空気同然だと思うのだが。
事実、ストーリー内でもユニット・個人ともに出番は極端に少なく、SPストーリープロデュースのライバルキャラより低い露出である。



  • ファンの動き

アイマス2のテーマが団結ということもあり、行動は極めて迅速だった。
反旗の下に団結し、即座に改善を求める署名運動が開始。
尚、この署名は「反対署名」ではなく「嘆願署名」であることを念頭に置いておきたい。

ちなみに署名は当初の目標数は1000人と、THE DEBUT程度。
「1万ないと意味ない」「1万行かないだろ」などと言われていたが、いきました。

あっと言う間に目標を凌駕、目標数はBNG(しつこいようだが、バカナムコゲームスではなくバンダイナムコゲームス。悪魔で。いやあくまで。)にちなんで7650に引き上げられたが、それすら突破。
最終的にはおよそ1万2000人の署名が提出されるなど、無印と呼ばれるXbox360版の売上本数がせいぜい10万とは思えない数値となった。


尚、アイマスファン以外の同情票があったことも付け加えておく。
逆に「キモオタ必死」などの中傷も当時飛び交っていたが、……ええマジで必死でしたがなにか?



  • 公式による燃料投下
① 事件当日、総合ディレクター石原章弘による「どうしてこうなったのか」のインタビューがファミ通.comに出される。
内容は「ニコニコ動画を参考にした」「俺じゃなくてアイドル達が決めたことだから」「理解しないファンが悪い」「認められない奴は本当のファンじゃない」などと取れる内容の発言(起爆剤)に加え、「竜宮小町は新たな活躍」「プロデューサー視点以外でアイマスを見渡す」「ジュピターは憎めるキャラとして入れた」「燃えを出すためにオンライン戦廃止」など意味不明という名の火薬が大量に仕込まれており、最大級の燃料&この発表タイミングで大炎上の発端となる。

② 某ラジオにて、ファンのセンシティブになっている神経を逆撫でするような台本(またはアドリブ)が混入。
対象声優に対する誹謗中傷が相次ぎ、坂上総合Pの殺害予告文まで出現した。

放送された内容自体は「普段ならば」何の問題もないようなものであったが、あの当時は大混乱期であり、各所が悲鳴と怒りと憤りで満たされていた状態でして。
非常時には非常時なりの対応をしなければならないという良いお手本。
尚、誹謗中傷に走ったのは純粋なアイマスファンではなく声優ファンという説もあるが、当時の尋常でない混乱っぷりの中でそれを見極める術はなく、また何があってもおかしくないので真相は今も不明である。

③ ↑の誹謗中傷を受けを重く見てのBNGは、公式ブログにて「声優達への誹謗中傷行為は絶対におやめ下さい」とメッセージを出しましたとさ。
誹謗中傷の原因作ったの誰だと思ってんの?
更に怒りを買う結果となり、再び声優を盾に取ったバンナムの戦法に「卑怯」「卑劣」との評価が下された。

④ その後しばらく音沙汰がない放置プレイが続いたが(その間も炎上は更に拡大)、10月25日になって坂上総合Pが公式ブログにファン宛てのメッセージを出した。
きちんと声明文を代表者として発表したのは評価されているが、発表時期が事件から1ヶ月と1週間と非常に遅く、内容もあまりにお粗末。オンライン対戦カットは利用率の低迷が理由と明かしたものの、最大の問題となっていた竜宮小町については「ご安心下さい」という意味のわからないぼかした回答で、全体的に形式的な文章・発言に終始した。


その後、11月にはアイマス2が予定通り発売されることが決定。
この頃から炎上はやや沈静化しつつあったが、この発表をきっかけに諦観したのか心が折れたのか、否定派の声はなりを潜め始める。
それ以降もちょこちょこと当て付けや癇に障るような言動が見られ、否定派はサイレント状態ながら今に至るまで根強く反対を続けている。

ここでファンの声を黙殺したがために、関連CDの売上はおよそ30パーセントダウン、ソフト売上本数も(後述)大きく下がる結果となる。
ただしアイマスがオワコンになるほど酷い数値ではないため、次に希望を繋ぐという意味では丁度良い減少率だったかもしれない。
尚、事件翌日以降からバンダイナムコホールディングスの株価が急落し、10月下旬には底値を記録。その価格は東北関東大震災後の株価急落より100円前後も低い値を示した。その後自社株買いを行なって株価の回復を図るが、その行為は更にファンを不快にさせる事であることには気付いていなかったようだ。アイマス2を魅力的にして回復させるという選択肢はないらしい。


  • 前日談

9.18事件には、正確には前日談がある。
いわばテロの犯行予告文と言えるかもしれない。

テロの9日前である9月9日。
ファミ通、電撃オンラインなどの各メディアで淡々と、竜宮小町はプロデュース不可で「9人」のアイドルの中からプロデュースするキャラを選ぶことになると、が発表されていた。
このひっそりとした、あまりにも大きな告知に『気付いた』小町ファンは騒然。

ただし、
『いやいやいやいや、俺信じないよ? 18日に正式な公式の発表があるんだし、きっとその時はそんなことないでしょ」


と、直後に東京ゲームショーという一大イベント&アイマス2新情報発表が控えていたこともあり、この時点ではやや楽観的な声が飛び交っていたのだが………結果は前述どおり、惨憺たるものである。

まあ普通、雑誌に発表された公式情報が正反対の結果に転ぶことは無いと言えるが、それでもこのちょっぴり楽観的な方向で(17日まで)落ち着いていたのは、裏を返せば「今までアーケードから共に歩んできた4人のアイドルを、ここまできてこんな半端な形でオミットすること」がいかに有り得ない事か、という事でもある。
どんな判断だ。




  • 結果

アイマス2の初週売上はL4Uを1万本近く下回る3万4000強。
TVCMを流し、秋葉原に巨大な看板を設置し、ゲーム史上で例を見ない程大量の初回版購入特典を引っさげ、しかも今までやらなかったくせにその特典情報を公式サイトで大々的にアピール。

知名度と注目度はL4U発売当時より明らかに高く、これだけのプロモーション活動を行なったにも関わらずL4Uにも大きく差をつけられる結果となったのは、やはり9.18が大きく関与していると見て間違いは無い。

更に、プロモーション活動と言うのは無料ではない。当然、マニーコストを消費しなければ行なうことは出来ないが(悲しいけどこれ資本主義なのよね)、果たして消費コストに見合うだけの収益を上げられたのだろうか。
もし「DLCで挽回できる」と考えている人がいるならば、甘いと言っておこう。


ソフト買わずにDLCだけ買う人なんていないから。


ソフト売上はDLCの売上にも直結する。
更に、コアユーザーの期待を裏切る形となっているため、1人あたりのDLC購入価格も大きな低下が見込まれる。
一度の火遊びのために、BNGには大きな逆風が吹くこととなった。そう言えるだろう。

ちなみに初週の売上ランキングは10位どっと。翌週には43位にらんくだうんどっと。そして3週目以降はランク外。
スーパーブレークもキープも起きず、発売後も賛否両論は続きブレークも望み薄。挽回するとしたら問題点解消でリバイバルを狙っていくしかないだろう。
……が、あの企業のことだ。有料DLCか完全版商法が関の山だろう。


  • 総括

これはないわ。

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最終更新:2011年10月16日 15:34