【種別】
人名


【解説】
十三歳の金髪碧眼、王立天文学研究機構をほぼワンマンで束ねる天才少女。ポンド圏の魔術師
一年の三分の二以上は世界各地に散らばる天文台を転々としている。一人称は「僕」。

イギリス清教特別編入試験におけるフリーパス強奪から始まったこの一件は
日本の天草式が関与する事までは想定外で、全くの偶然らしい。

聖ジョージ崩壊の末路を利用した、半径20キロの魔術的基板を崩壊させる大規模術式を作り上げ、
それを『標的はロンドンである』と騙してポンド圏に売りつける。が、
実際の霊装の効果はポンド圏に標的が定められており、
術式を買い取ったアイリ=ヘクセンフォビアを自爆させ、英国の影響力をも低下させた。

さらに、女王陛下地脈・龍脈を通してポンド圏復元の為に配ろうとしていたデータに横槍を入れて読み取るための術式を用意し、大英博物館のあらゆる霊装の力を手に入れる。
数々の霊装を駆使してイギリス清教の魔術師を圧倒、善戦するも、術式を看破した五和に類感魔術で五和とシンシア自身を対応させられ、撃破された。

その中で判明したのは、彼女の本当の所属が『天草式十字凄教・外海分派』という事実。

かつて宗教や信仰の自由が保障されていなかった東洋の小さな島国で弾圧され、
日本からの脱出を試みたのが彼女達の正体。
しかし、逃げ延びた欧州に居場所はなく、古巣の日本へ帰る訳にもいかなかった。
出自不明の異邦人にとってはユートピアとは言い難いその場所で、
自分の価値を示して居場所を確保するために功績を残し続けた結果、
今度は魔術サイドというしがらみの中に囚われてしまった。
様々な条件が重なり、元あった日本で弾圧がなくなった後もなお、帰る道は失われ、
彼女らは新たな文化に溶け込むために努力を重ねた結果、元の形を失うほどに異邦の地へ馴染み過ぎてしまった。

詰まるところ、シンシア達『外海分派』の真の目的は、

どんな形でも、何百年経っても、それでも『日本』と呼ばれる国へと帰る。 たったそれだけである。


最終更新:2015年01月17日 18:25