【種別】
人名

【初出】
創約三巻

【解説】
ドレンチャー=木原=レパトリによって科学的に作られた人造ゴースト。
容貌は洋風の人形のようなグラマラスな20歳くらいの女性で、
ボディラインのくっきりしたドレスの上に薄布を重ねた服装をし、
ツインテールにした長い金髪に薄い青のふわふわしたシルエットを持つ。
精神や意識は特に人間と変わりなく、同時に圧倒的な戦闘能力を持つ。

彼女の存在は「ハイボルテージ=カッティング法」と呼ばれる手法で構築されている。
これは「ある種の高エネルギーを放射し続けると、自分自身の中で互いに干渉し合ってイレギュラーな波形や像を作り出す」という原理を利用したもので、
彼女の正体は要するに「高エネルギーの塊」である。

彼女を形作っている「高エネルギー」とは、「文明電池」と呼ばれる概念の持つエネルギーである。
排気ガスに含まれる二酸化炭素や窒素酸化物が空気中の水分と結合した酸性雨は、
都市中の銅や亜鉛を電極とすることで一つの巨大な電池として機能し、莫大なエネルギーを持つ。
この巨大な電池のことを「文明電池」と言う。
彼女は街一つ分以上に大きな規模の「文明電池」が吐き出す安定したエネルギーを吸い上げ、
「ノイズ」が多い突出した一点を設けることで存在を保っている。
原理上、人がいて文明がある場所ならどこでも自己を保つ事が可能。
またその際、大勢の中から正確にターゲットを選ぶため、モーションセンサーを付けた「置き去り」達を利用している。

「顔が見えている」だけで攻撃は終わっているので、視界の隅に立つだけで気づかれずに継続ダメージを与える事も、圧倒的な破壊力ですり潰す事もでき、
致死性だけであれば第三位第二位以上とされる。
また、怪異の目撃談では最初に機械の異常が生じるという事実や、心霊写真が精密光学機器に干渉するという性質を利用し、
カメラやセンサーなどの「機械的な五感」の感知を逸らしたり、誤作動を起こしたりする機能も備わっている。

【作中での行動】
オペレーションネーム・ハンドカフスの発令を受け、レパトリを援護しつつ学園都市各所で警備員(アンチスキル)を殺戮した。
第六学区の遊園地ではレディバードから浜面達を助けたが、
その後カキキエ隧道でレパトリから殿の役目を任された際は、次々と現れる「暗部」の面々を1人で殺戮し尽くした。
カキキエ隧道に現れた浜面と滝壺も同様に始末しようとするが、
カキキエ隧道が巨大なAIM拡散力場の塊である事を木原端数に利用され、
存在を構成するエネルギーの安定を崩されて誤作動を起こし、ピンホールカメラの中に吸い込まれて無力化されてしまう。

事件終息後、カキキエ隧道の微弱な力の集まりを吸い込んで存在を取り戻したが、
レパトリの死体を目の当たりにしたことで、カキキエ隧道のAIM拡散力場にエネルギーの媒体を移して「本物の怨霊」へと膨れ上がった。

最終更新:2021年01月20日 12:03