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たゆねのはんざいっ!」(2006/10/16 (月) 03:10:05) の最新版変更点

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<h4><b>たゆねのはんざいっ!</b></h4> <dl> <dd><br> <br>  ここは川平啓太のテント…その日、啓太達は、拾ってきたもので一杯になっていたテント内の掃除をしていた。<br> すると、啓太はあるモノを発見する、それは、赤道斎の魔道具の一つで、前に仕事で薫から拝借したものであった。<br> すっかりこの存在を忘れ、借りパク状態であった魔道具。<br> 最近、ようこのせいでストレス満タンの啓太は、憂さ晴らしをするかの様に、その魔道具を悪用しようとしていた。<br> 「にひひっ…ハーレム!、恋人一杯!犬神とやっても人間の子~!」<br> 「ケイタ?何やってるの?」<br> タイミング悪くようこが登場…それに焦る啓太。<br> 「げっ!ようこ!」<br> 「何それ?」<br> 「あ、いや…これは…そのだな…ちょ、ちょっとした遊びで…」<br> 「遊び?ちょっと!人には掃除させといて、そんな子供みたいな…!」<br> とようこの怒号に反応してか、魔道具が啓太の掌で輝き始める。<br> 「う、うわっ!馬鹿!」<br> 「え?ええ?」<br> 訳の分からなく慌てるようこと、訳が分かっていて慌てている啓太。<br> 啓太は大惨事を免れようと、何とかして止めようとするが、発動してしまった魔道具は止まらず、輝く光は啓太を包み込んでいった。<br> 「うぉぉぉぉ!この感覚まさかぁぁぁ!またアノ姿になるのかぁぁぁー!」<br> 「ケイタ?ケイターーーーー!」<br> 「赤子はもう嫌だぁぁーーーーー!せめて猫耳メ…!」<br> 絶叫と共に消えていく光…やがて収縮していき、ようこの目が眩しさから和らいでいく。<br> ようこは、ハッとして啓太の身を心配し、彼の方に顔を向けたが、そこに彼の姿はなかった…そう今の彼の姿は…。<br> 「ケイタ…?あ、あれ…あたし…?」<br> <br></dd> <dd>1 子供っ!<br> <br> 啓太の犬神である、ようこは、ある事情で川平薫の屋敷に訪れていた。<br> しかし、いつもはいる筈の啓太は、何故か一緒ではない。<br> その代わりといっては何だが、ようこと手を握って、ソファーに遠慮がちに座っている、まだ幼い子供がいた。<br> 年頃で言えば、まだ4~5歳くらいであろうか。<br> 一見、女の子のようにも見えるが、半ズボンにティーシャツの姿であった為、どうやら男の子らしい。<br> だが、その愛らしい姿に、薫の犬神達は、ずーっとその子供の事を見ていた。<br> 「よ、ようこ…その子って…」<br> せんだんが、扇子を口の前で開かせて、まさか!と思いながら、ようこに問う。<br> 応接間に集まった薫の犬神達が、驚きと興味の目を、その小さな子供に集中させる。<br> 人見知りが激しいのか、子供は黙ったまま、ようこの後ろに隠れてしまった。<br> 「うん、私とケイタの…って言いたいけど、そうじゃないのよねぇ…」<br> そうであれば良いなぁ、と思いながら、ようこは自分の子ではないと否定する。<br> 「じゃあ、寝取られた女の子供?」<br> どこでそんな言葉を覚えたのか、ともはねが首を傾げて質問する。<br> 「ちーがーう!この子はケイタなの!第一!私たちの子供が、1年やそこらで、こんなに急激に成長するわけないでしょ!」<br> 「啓…太…様?」<br> ポカーンと一同が口を開けて、しばらくのまま黙り込むが、すぐに大変な状況だと理解したのか。<br> 「啓太様ーーーーーーーー!?」<br> と身を乗り出して、ようこの後ろに隠れている、幼い川平啓太に密集した。<br> 「ウソ!ウソ!何で?何で?」<br> いまりとさよかが、啓太である幼い子供の頬をツンツンと突付く。<br> 「どうして、こうなっちゃったんですか~?」<br> フラノが、啓太の手を優しくニギニギする。<br> 「ちょ、ちょっと…本当に啓太様…!?」<br> せんだんは、緊張で縮こまっている、啓太の頭を撫でる。<br> 「薫様との…ショタ本が出来る!」<br> 「うん…なるほど…」<br> いぐさが、何かノートに書き込んでおり、てんそうが、その内容をスケッチブックに明確に描いている。<br> その中身とは…とても言えない状況の薫が、幼い啓太を…後はご想像にお任せしよう。<br> 皆は皆で迫力はあるが、それ以上の威圧と覇を放っている二人がいた。<br> 「(美味しそう…)」「(啓太様の小さいお姿…今からでも遅くない…貰う)」<br> たゆねと、ごきょうやである。<br> 二人は黙ったまま、幼くなってしまった啓太を、まるで獣が餌を狙っている時の目をしていた。<br> 「こ、こら!あんた達!あまりケイタを弄るんじゃないの!」<br> 群がる犬神達を、払いのけるように、しっ!しっ!と手でジェスチャーをするようこ。<br> その隙をついてか、後ろで待機していたなでしこが、すかさず啓太である幼い子供を抱かかえる。<br> 「啓太様、お姉ちゃんと一緒にお昼寝しましょうか?」<br> 「……」<br> 甘いなでしこの言葉に、恥ずかしがりながら、小さくコクンと頷く啓太。<br> 「こら!デレデレしない!」<br> ようこは、ポコツン!と軽くケイタの頭を叩くと、それに驚いたのか、啓太は、口元を歪ませて、目元に涙を溜めていた。<br> <br></dd> <dd>「ひっぐ…」<br> 「あっ…ご、ごめんね、つい、いつもの癖で…」<br> 「ようこさん!駄目じゃないですか!あー、ほら、泣かないで」<br> なでしこは、泣きそうになっている啓太を、上手にあやして、我慢するように優しく声を掛ける。<br> その甲斐あってか、ギュッと、なでしこの服を掴んで、涙を堪える啓太。<br> 「うん、いい子、いい子」<br> なでしこは、我慢したのを褒めると、啓太を強く抱きしめて、自然にと、応接間から出ようとしていた。<br> 「ちょっと待ちなさい…」<br> 「…はぁ、失敗ですか」<br> だが、ようこがそれを許さず、なでしこの策略はここで潰えた。<br> 「ほら、貸しなさい!はーい、ケイタ~、怖いお姉ちゃん達はみーんな、私が追い払ったからね~」<br> ようこは、なでしこからケイタを奪うように取り返すと、微笑みを見せて、ケイタを抱っこする。<br> 「あーん、ずるっいー!あたしも!」<br> 「ともはねの体型じゃ、抱っこ出来ないでしょ」<br> ともはねは、お姉ちゃん気分を味わいたいのか、啓太を抱っこしたいと、ようこにせがむ。<br> しかし、ともはねの身長では、啓太と手を繋ぐくらいしか出来ないであろう。<br> 「いいな~、フラノも抱っこしたいな~」<br> フラノが羨ましそうに指を咥えながら、自分も抱っこしたいと、ようこに訴えている。<br> 「はぁ…あのね、今日はケイタを玩具にする為に、連れてきたんじゃないの!」<br> ヒョイッ!とフラノを回避すると、今日訪れた事情を、一同に話し始めるようこ。<br> 「なるほど…では、啓太様は、薫様から借りた魔道具を使って、こうなったと…」<br> 「ええ、そうよ…しかも、記憶も曖昧でね…ある程度の事は憶えてるんだけど、名前とそれが誰なのかは一致しないのよ…性格まで変わっちゃって…もう3週間もこのまま」<br> せんだんは、ようこの説明に納得して、頭の中で整理すると、ポケッとこっちを見ている啓太を見る。<br> 「(啓太様のその瞳…今から私色に染めろと…そう仰るの!)」<br> 「あ、でも、はけの事ははげ…って…せんだん?聞いてる?」<br> 「あ、え、ええ!聞いてますわ!」<br> せんだんは、不覚にも、啓太の無垢な顔に見惚れてしまっていた。<br> 「それでね、はけに聞いたんだけど…強力な呪いか何かで、いつ解けるか解らないって言うのよ…だから、管理者の薫なら、何か知ってるんじゃないかと思って来たんだけど…」<br> 「その薫様は、仮名様とお仕事でいない…と」<br> ようことせんだんの会話を聞いていたなでしこが、空かさず薫の携帯に電話を掛けるが、携帯は圏外か電源を入れていないらしく、連絡が取れない。<br> 「駄目ですね…繋がりません」<br> 「そう…はぁ…どうしよう…」<br> ようこは、頼みの綱の薫がいないと知って、頭を抱えて悩んでいると、それを知ってか知らずか、啓太がモジモジしながら、黙っていた口を開いた。<br> <br></dd> <dd>「ねぇ…ようこお姉ちゃん…僕…もう帰りたい…」<br> 「よ、ようこお姉ちゃん!?」<br> 一同が驚愕し、またも身を乗り出して、ようこにグワッ!と喰い付いてくる。<br> 「な、何よ…?」<br> 「ねぇねぇ!啓太様!私達の事も、いまりお姉ちゃん、さよかお姉ちゃんって言ってみて!」<br> 双子の姉妹がハモリながら、啓太にお姉ちゃんと呼んで欲しいと頼む。<br> 「わ、私の事は、せんだんお姉さまで宜しくってよ!」<br> 「あたしは、ともはねお姉ちゃんね!」<br> 「てんそう…お姉さんでいいわ…」<br> 次から次へと、啓太にお姉ちゃん、お姉さん、もしくはお姉さまと呼んで欲しいと、ここぞって集まってくる犬神達。<br> 小さい啓太には、その圧倒的な女の恐怖は重く、またも泣き出してしまいそうであった。<br> 「はいはい!皆退がって~、退がらないと、だいじゃえんするわよ」<br> しつこ過ぎる皆に痺れを切らしたのか、ようこの指の先に、ボッ!という音と共に、じゃえんが集まってくると、犬神達は、しゅん、と大人しくなって、ようこと啓太から離れていった。<br> 「みんな、理解のある子で、私は嬉しいよ~…じゃあ、そんな皆にすごいもの見せてあげる」<br> そう言うとようこは、いきなりサマーセーターを上にずらすと、胸の下着のホックを外し始めた。<br> 「よ、ようこ!な、何をはしたない事を!」<br> 突然の奇行に驚く一同。<br> 代表のせんだんは、デリカシーが無い!と、ようこに注意するが。<br> 「だまってなさい…」<br> と睨みつけて、せんだんを一蹴した。<br> 「はーい、ケイタ~、お待ちかねのおっぱいでちゅよ~」<br> 下着のホックを外し終えた途端、耳を疑うようこの言葉と同時に、彼女の胸の先端にある母乳パットに目が行く一同。<br> その様子にフッと笑うと、ようこは見せ付ける様にして、貼っていた母乳パットを外した。<br> すると、啓太の目の前に、ぷるんっ!と弾力性のある胸と、その先端から滴っている母乳が曝け出される。<br> 唖然とする犬神達…いぐさなんかは、両手で顔を覆って、指の隙間からそれを見ていた。<br> 「ふふっ…おどろいた?」<br> 「お、驚くも何も!ど、どうしたんですか!ようこさん!」<br> 勝ち誇った顔をするようこに、なでしこが質問をすると、高圧的な態度になって、その質問に答え始める。<br> 「実はねぇ…呪いにかかったのはケイタだけじゃないのよ、その場にいた私も、何だか知らないけど呪われちゃったみたいでね」<br> 「呪いって…そんな!」<br> 「妊娠もしてないのに、ぼにゅーが出ちゃうなんて、おかしいわよね?」<br> 「おかしいとかそんな問題じゃ…!」<br> 自分の身に何が起きてるのか分かっているの?、と疑問をぶつけたいなでしこであるが、それを遮ろうとしているのか、ようこの話は続く。<br> <br></dd> <dd> 「最初は私だって大慌てよ、これからどうすればいいのか…ってね…でもね…こうやって…」<br> ようこは、片方の手で啓太の後頭部を優しく押すと、自らの乳房へと押し付けて、彼の口に、母乳が溢れ出している突起物を含ませた。<br> 「んくっ…」<br> 「ケイタに自分のぼにゅーを飲ませてあげられるのよ…私自身の身体は、このままでもいいかなって思うわけ」<br> 慈母と悪魔の顔が混ざった表情で、啓太を見つめながら授乳するようこ。<br> その異様な光景に、薫の犬神達は退くどころか、じっくりと観察している。<br> せんだんは、可愛らしく母乳を飲んでいる啓太に、ゴクッと喉を鳴らし、なでしこは、啓太に授乳させる事が出来るようこを羨ましく見て、<br> ともはねは、母と子の様な二人の姿に感動し、いまり、さよか、フラノに関しては、いつの間にか、ようこの両隣に陣取り、啓太の頬を突付いていた。<br> 「何か…エッチだけど…ほのぼのする」<br> と、後ろで見ていたてんそうがボソっと呟く。<br> 「(ようこぉぉ…ボクの啓太様に何してるんだぁぁ…)」<br> 「(け、啓太様が…ようこに汚されてしまう!)」<br> てんそうの更に後ろでは、ようこの傍若無人なケイタ独占に、憤りと怨念を放っているたゆね、ごきょうやの二人がいた。<br> 「それにね…ケイタったら、お腹が一杯になるまで、どんどん吸っていくから、すっごく気持ちいいの」<br> ようこは、快感を独占している事を、誇らしげに伝える。<br> 「…ようこお姉ちゃん…恥ずかしいよ…」<br> 皆からの視線に耐えかねた啓太は、ちゅぱっという音と共に、ようこの乳房から口を放す。<br> 吸っている途中であった為、ようこの母乳が、啓太の口の周りを白く塗っていた。<br> 「なぁに言ってるの、いつもは、おっぱいおっぱい甘えてくる癖に」<br> 「だ、だって…恥ずかしいんだもん…」<br> 羞恥心に駆られた啓太は、またも泣きそうになって、ようこの腕から解放されようと、必死に抵抗するが、普段の啓太でも勝てない相手に、力で勝てるはずもない。<br> やがて、体力もそれ相応分しかない啓太は、疲れきって抵抗空しく、力尽きようとしていたのだが…。<br> 「止めろ!嫌がってるだろ!」<br> 「そうだ、可哀想だ」<br> ようこの腕を払いのけて、啓太を略奪する犬神。<br> 啓太を奪ったのは誰だと思い、ようこがフッと顔を上げると、そこには、先ほどまで大人しくしていた二人の犬神、たゆね、ごきょうやがいた。<br> 「ちょっと!私のケイタに何するの!」<br> 「どうもしない!それより、啓太様が嫌がってるのに、何やってるんだ!」<br> 小さくても、愛しの啓太の嫌がる顔が見たくないたゆねは、ようこが相手だとしても、怯えずに激昂した。<br> 「何って!じゅにゅーでしょ!」<br> 「バカ!赤ん坊じゃないんだから、授乳する必要なんてないだろ!」<br> 「そうだな、見てくれはもう幼児なんだ…たゆねの方が正しい」<br> 喧嘩している二人の間に入り、たゆねに味方するごきょうや。<br> だが、それが気に食わなかったのか、ようこは額に青筋を立てて、手に霊力を溜めていた…。<br> 「ふーん、そう…そんなに死にたいんだ…」<br> 「くっ!そ、そんな脅し…効かないからね!」<br> 徹底的にようこに抗戦するたゆね。<br> その腕の中では、啓太が恐怖のあまりに震えていた。<br> <br></dd> <dd>2 ようこ、きらいっ!<br> <br> 「たゆね…ケイタを返しなさい…さもないと…」<br> 「うっ…い、嫌だ!お前に啓太様を返したら!啓太様が可哀想だ!」<br> 「た、たゆね…!」<br> たゆね、ごきょうやとも、怒り心頭のようこから一歩も退かず、懸命に啓太を守ろうと、彼女の脅しを耐えていた。<br> 「そう、ならいいわ…しゅくちを使って啓太を奪ってから、あんた達を丸焼きにしてあげる…」<br> 「ようこさん!やめて下さい!」<br> 「うるさい!なでしこ…今の私はあんたでも止められないわよ…」<br> 「ど、どういう意味ですか?」<br> 口元をニヤッとして、自信ありげな表情で、なでしこを威嚇するようこ。<br> 「言い忘れてたけど、呪いにはねぇ…何故か知らないけど、霊力を高めてくれるっていうサービスもついて来たのよ…この前ちょっとだけかるーく、じゃえんを使ったらね…お山が一つ、一瞬で消えたの」<br> 「よ、ようこさん…じゃえんで、山一つって…そんなに…」<br> 「ええ、綺麗さっぱりね…まぁ、どのくらいの強さか例えると…あの漬物石が30000あっても足りないわね」<br> 「さ、30000でも足りない!?」<br> ようこのその言葉に、さすがのせんだんも冷や汗を覚える。<br> 「設定に無理があるんじゃないでしょうか…ようこさん」<br> 「いいの!こうでもしないとケイタ取り返せないじゃない!」<br> 何か、適当に10倍界○拳でも使ったかのようになっているようこに、なでしこが冷静にツッこむ。<br> 「じょ、冗談だよね…ようこ」<br> 強気であったたゆねも、破滅的なようこの霊力に、先ほどの姿勢を崩し始めていた。<br> 明らかに怯えている様子…ようこは更に悪ぶった顔を見せ付けると、ウソではない事を証明する。<br> 「冗談かどうかは、あんたの後ろの犬神を見てみれば分かるんじゃないの?」<br> 「えっ?…あっ!いまり!さよか!」<br> たゆねの目に映ったのは、床に伏して震えているいまりとさよかの姿であった。<br> その他にも、フラノ、てんそう、いぐさ、ともはねも、ようこからなるべく離れて、恐怖に引きつった顔になっていた。<br> 「うっ…」<br> 「ごきょうや!」<br> 「わ、私なら…大丈夫だ…それより啓太様を…」<br> 床に膝をついて、プレッシャーに苦しむごきょうやは、自分ではなく愛すべき啓太の身を案じている。<br> 「ど、どうやら…冗談では…ないよう…ですわね」<br> 「ええ~、これで分かってもらえたかしら?」<br> 禍々しいプレッシャーに、せんだんの声も上ずっていて、なんとか立っているのが精一杯だった。<br> 「ようこさん…」<br> 「なでしこ…やっぱりあんたは平気なんだ」<br> 「本当に止めて下さい…本気で怒りますよ…」<br> 「いいんじゃない~、別に怒っても」<br> 勝つ自信は充分にある…目に映るなでしこは、蟻よりも小さく思え、指先でプチン!と潰せそうにようこは感じた。<br> <br></dd> <dd>「さぁ、怒りなさいよ!」<br> ようこは、髪を掻き揚げて、なでしこを挑発する。<br> 「ようこさん…!」<br> お腹に力の入ったなでしこの声が、応接間に響いて、ようこの霊力を拡散していく。<br> 「このままでは…町一つ所じゃ…済みませんわ…!」<br> 膨大な霊力の衝突が、起きた場合の事を想像するせんだん。<br> 彼女の言うとおり、今の二人が戦闘を行えば、大惨事へと繋がる。<br> 「へぇ~、やれば出来るじゃない…やらずのなでしこさん?」<br> 「ようこさん…行きますよ…」<br> グッ!と身体全体に霊力を帯び、戦闘へと移行しようとする二人…もはや止めようが無いのかと、皆が絶望へと堕ちそうになっていたその時。<br> 「ようこお姉ちゃん嫌い!」<br> 「へ?け、ケイタ?」<br> たゆねの腕の中で、不機嫌そうな顔している啓太の一言で、シュゥゥ…と霊力が身体から抜けていくようこ。<br> それに伴い、冷静さを取り戻したなでしこも、いつも通りの彼女に戻っていた。<br> 「け、啓太様…?」<br> 「い、今、なんて言ったの?」<br> 不安そうな顔で、啓太が今言った事が空耳だと思い込み、もう一度聞いてみるようこであったが、次の言葉は更に酷く。<br> 「やだっ!ようこお姉ちゃんなんかどっか行っちゃえ!」<br> という子供である故の無慈悲な言葉であった。<br> 「ど、どっかいっちゃえ…どっかいっちゃえ…?」<br> 暫く、啓太の言葉を理解出来なかったようこ。<br> 諦めが悪く、啓太から否定を受け入れない彼女は、何度も啓太の言葉を連呼すると、彼女の顔は悲しみに歪んで、今までに見せたことの無い泣き顔を曝した。<br> 「ひっぐ…えぐっ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーん!」<br> 「うぐっ!な、何だよ!この泣き声は!」<br> 物凄いようこの、泣き声の音量が、全員の脳に揺さぶりをかける。<br> 「ケイタに、ケイタにきらわれたぁぁーーーーーー!」<br> 「痛い!頭が痛いですわ!」<br> 耳を抑えても、直接脳へと進入してくるようこの泣き声は、ケイタを含む11人全てに苦痛を与える。<br> 「うえぇぇぇぇん!もういきていけないよぉぉぉーーー!」<br> もうようこは、何をやっているのか分かっていないだろう。<br> 泣きながらゆっくりと歩き始めると、何を言っているのか分からない叫びを上げて、応接間を出て行こうと、廊下に続くドアへと向かって行った。<br> だが、そこがドアだと理解していないのか、豪勢に頭をぶつけて倒れると、しゅくちを使って何処かにいなくなってしまった。<br> <br></dd> <dd>「よ、ようこ…?」<br> 啓太を抱かかえているたゆねが、ようこの名を呼んだが、彼女の姿は既にない。<br> あるのは、ようこの泣き声で破壊されたガラス窓やテーブルの残骸であった。<br> 「た…助かりましたわ…」<br> ようこの重圧から逃れられ、へなへなと内股で座り込むせんだん。<br> なでしこも、相当の恐怖を感じていたのか、息を乱しながら、額の汗を拭っていた。<br> 「皆さん、無事ですか?」<br> 「う~ん、何とか…」<br> 「私も~」<br> なでしこの問いに、いまり、さよかがフラフラになりながら答える。<br> 「ともはねは?」<br> 「だいじょうぶぅ~…」<br> 余ほどの事だったため、まだ霊力の低いともはねは、目を回しながら壁にもたれかかっていた。<br> 「しかし…啓太様があの時、ようこを嫌いって言ってなければ…私達は死んでいたな…」<br> 「そうですね~、フラノもあの時は動けなかったですぅ…」<br> 「死ぬかと…思った」<br> 「ふぇぇ…薫様と啓太様のショタコンが…」<br> てんそう、いぐさは、バラバラになった、スケッチブックと紙切れを、せかせかと集めていた。<br> 「…命があっただけでも良かったと思うんだ…」<br> ごきょうやは、お尻をパンパンと叩いて、埃を落とすと、たゆねに抱っこしてもらっている啓太に近づき、優しく頭を撫でる。<br> 「啓太様…有難うございます」<br> 「…えへっ」<br> まだ穢れを知らない(もう知ってしまっているのだが)啓太の笑顔が、ごきょうやの胸をドスン!と貫く。<br> 「(か、可愛い!今すぐ食べたいっ!というか食べてください!と神の思し召しだぞ、これは!)」<br> ショタ気が、あるのかないのか知らないが、欲が抑えきれなくなっているごきょうやは、片手をワキワキさせながら、啓太を掴もうとしたのだが。<br> 「こらっ!ごきょうや!」<br> たゆねに手を払われて、見事に阻止される。<br> 「あっ…つい…」<br> ごきょうやは、手の甲の痛みにハッとすると、正気に戻り、啓太に申し訳無さそうにしている。<br> 「ったく、油断も隙もないよ!」<br> と言いつつも、目の奥では啓太を獣の目で捉えて、ここぞと好機を待っているたゆね。<br> 「なでしこ…お聞きしたい事があるの」<br> 「何ですか…?せんだん」<br> まだ座り込んでいるせんだんは、真剣な眼差しで、なでしこを見ると、扇を開いて顔を半分隠した。<br> <br></dd> <dd>「あの時…貴方はようこに勝てました?」<br> 「……いいえ」<br> 率直に答えるなでしこに、やっぱり…という顔で納得するせんだん。<br> 「そうでしょうね…見ていて分かりましたけど…あの時の貴方…本当は動けなかったんじゃなくて?」<br> 「はい…その通りです…形だけは構えてましたが…その後はもう…」<br> なでしこの独白に、一同がざわつく。<br> ようこに恐れられている自分でさえも、今の彼女にとっては赤子同然であったと、皆に言っているようなものであった。<br> ようこの圧倒さを思い出し、シーンとする室内…誰もが重苦しく口を閉ざして、黙り込んでいる。<br> 「ま、まぁ…過ぎたことを悩んでも仕方ないしさ…それよりも、今は啓太様をどうするかだよ」<br> と、たゆねが、重い空気を払うように、抱かかえている啓太の処遇を聞いた。<br> 「そうですね…ようこさんが拒絶されたから…啓太様は一人ぼっちなんですよね」<br> 「ん?そんなに悩む事でもないだろう…」<br> ごきょうやは、何か良い提案を思いついたのか、キリッとした顔で皆に考えを聞かせた。<br> 「私達で預かればいいだけの話だろう?」<br> 「あずかるって…啓太さまを!?」<br> ともはねが、ごきょうやの提案に驚く。<br> 「そうだ、今の啓太様は純粋な子供だ…こんな子供を一人で放って置いたらどうなる?」<br> 「誘拐…そして調教…最後には肉奴隷…男の子なのに女の子の服を着せられて…うふふふ」<br> 「い、いぐさ…何言ってんだよ…」<br> 「いぐさ…最近おかしくなってきた…」<br> 眼鏡を光らせて、不敵な笑みを浮かべるいぐさに、たゆねは元より、てんそうも少し退く。<br> 「ご、ごほん!そ、そこまではいかないが、ショタコンの魔の手による誘拐の危険性はある!そこで!啓太様は私が!」<br> 「ごきょうやがショタコンだろ!」<br> ごきょうやの啓太強奪突進を、ヒョイッと回避するたゆね。<br> 案の定、ごきょうやは、スイーっと応接間の床を、ボブスレーの様に滑っていった。<br> 「ご、ごきょうや…」<br> 「け、啓太さまー…」<br> 壁に頭をぶつけて目を回しながら、気絶するごきょうやを見て、なでしこは、アーメンと祈りを捧げた。<br> 「ごきょうやちゃんは駄目だとして、どうするんですか~?」<br> フラノが、リーダーであるせんだんに聞くと、彼女は。<br> 「こういう場合は、白骨遊戯…むぐっ!」<br> 「せんだん…それは禁忌だから無理です」<br> なでしこは、これ以上言わせないように、せんだんの口を思いっきり塞ぐ。<br> そのせいで、あろうことか、せんだんは気を失い倒れてしまった。<br> 「せんだん…」<br> この時、本当はようこではなく、平然とした顔で仲間を殺れるなでしこが、一番怖いと皆は思った。<br> <br></dd> <dd>3 けものたちっ!<br> <br> <br>  結局、割り箸くじ引きで啓太を誰に預けるか決めた一同は、気絶しているせんだん、ごきょうやを抜いて、勝手に話を進めていた。<br> そして、見事に当たりクジを引いたのは、啓太をようこから守った、他でもないたゆねであった。<br> でも、当たって当然である、何故なら、当たりの棒に匂いをつけて、必ず引けるようにと、イカサマしていたからであった。<br> 「じゃあ、ボクで決定だね!」<br> 「えーっ!たゆね、ずる~い!」<br> いまりが不満そうに頬を膨らませる。<br> 「何でずるいんだよ!くじ引きだから公平だろ!」<br> 「だってだって!さっきも、たゆねが啓太様を抱っこしてたし~…」<br> さよかもいまりと同じく、不満タラタラであり、たゆねにイチャモンをつけてくる。<br> 「(…あれ?このクジが当たりだった気が…たゆねにしてやられました?)」<br> イカサマをしたのに、ハズレになったなでしこが、誰にも悟られないように、黙ったまま片手で、持っていた割り箸をへし折った。<br> 「う~、あたしも啓太さまと一緒が良かったのに~」<br> ともはねは、ハズレてしまい泣きそうな顔で、引いた割り箸をカミカミしている。<br> 「せっかくのショタのモデルが…身体が…」<br> 別の意味で残念だと、涙を流しているいぐさ。<br> 「まぁ…まぁ…」<br> それを宥めるてんそう。<br> 「あーあっ…フラノと一緒なら、夜のお勤めも充実しているのに~」<br> 「充実させるなっ!」<br> 何を垂らし込ませようとしているのか知らないが、フラノはハズレた割り箸を投げて、つまんなそうに愚痴を言う。<br> 「たゆね~、本当は何かイカサマしたんじゃないの~?」<br> どうしても不服ないまりが、カマをかけるように、疑い深くたゆねに聞いた。<br> 「な、何を!バカな事を!」<br> と分かりやすいご丁寧な返事を返してくれたたゆね。<br> 「だってさ~、このクジ作ったのたゆねだし~」<br> 「最初に引いたのも、たゆねだったし~」<br> 双子の疑いの目が、たゆねに、じろ~っと向けられる。<br> 「で、でも、ビンの中に割り箸入れてシャッフルしたのは、なでしこだろ!」<br> 「そうですけど…私はハズレでしたよ?」<br> バッキボキに折れている割り箸を、たゆね達に見せるなでしこ。<br> その凄まじい折れ具合に、これ以上はなでしこのせいにしない方が良いな、と三人は思った。<br> 「と、とにかく!ボクはイカサマなんてしてない!」<br> 逃げるようにいまり、さよかから離れると、ちょこんとソファーに座っている、啓太の隣に座るたゆね。<br> 「さぁ、啓太様…お部屋に行こう?」<br> たゆねは、啓太の手を取り、優しくエスコートする。<br> 意外と面倒見の良い彼女には、啓太のお守りも適任であろう。<br> <br></dd> <dd>「ボクの事は、たゆねでいいからね」<br> 「たゆね…?」<br> 「なーんか、むかつく~」<br> 「むかつく、むかつく~!」<br> やっぱり納得いかない、いまりとさよかは、ぶーぶーとブーイングをして、たゆねに抗議した。<br> 「う、うるさいっ!いつまでもしつこいぞ!啓太様、こんなバカほっといて行こう!」<br> 「あ…うん、じゃあね…いまりお姉ちゃん、さよかお姉ちゃん」<br> たゆねに連れられて、応接間を後にする啓太は、いまりとさよかに小さく手を振って、お別れの挨拶をした。<br> 「聞いた?いまり」<br> 「聞いた聞いた!さよか!」<br> 「お姉ちゃんだってー!」<br> 啓太に、お姉ちゃんと呼ばれたのがそんなに嬉しいのか、二人は手を合わせて、ぴょんぴょん跳ね飛びながら、応接間を出て行った。<br> 「ぷにぷに啓太様と一緒に寝たかったです…」<br> 「フラノ…今、犯罪的な事考えてたでしょ…」<br> フラノの心を読んでいたかのように、てんそうは、スケッチブックに啓太を襲っているフラノを描く。<br> 「そんなそんな!フラノは啓太様を癒してあげたいだけです~」<br> 「目が据わっていますね…」<br> なでしこが言うと、皆が「うん」と頷き、一同が溜息をつく。<br> 「ショタ啓太様が拘束具で…薫様が鞭を打って…うふふふ」<br> 「いぐさ…分かったから…もう行こう…」<br> 「あ、待って、てんそうちゃん!」<br> いぐさは、完全に一人の世界に入って、啓太が虐められる姿を妄想しており、見かねたてんそうが、いぐさを引っ張って、応接間から出て行く。<br> そして、フラノも気絶したままのごきょうやを起こすと、肩を組んで、二人の後を追うように出て行った。<br> 「みんな行っちゃったね」<br> 「そうだね、それじゃあ、私達はせんだんを部屋まで送りましょう」<br> 「うん」<br> なでしこは、気絶させたせんだんをヒョイッと担ぎ上げると、ともはねと手を繋いで、誰もいなくなる応接間を後にした。<br> 彼女達は知らない…本当に危ないのは誰だったのかを…。<br> <br></dd> <dd>4 むきだしのどくがっ!<br> <br>  たゆね自身にも、それを抑える事は出来なかった。<br> 部屋の自分のベットの上で、ちょこんと座っている啓太に、性の衝動を感じてしまっている。<br> たゆねは、ドアを背にして立ち、後ろ手で鍵をカチャッと閉めると、口元に小さな笑みを作っていた。<br> 「啓太様」<br> 「なに?たゆねお姉ちゃん」<br> 懐いてくれたのか、声を掛けても人見知りもせずに、たゆねに返事をする啓太。<br> 自分の小さな笑みは大きくなり、目までもニヤついていることに、たゆねは気づいた。<br> 「(啓太様…可愛すぎ…)」<br> 何も知らず大人しくしている啓太に、たゆねの気持ちが昂ぶってくる。<br> 「どうしたの?」<br> 「ううん…何でもないよ…」<br> たゆねの様子に、啓太はクリっとした目を彼女に向け、疑問符を浮かべる。<br> 「うっ…ダメだよ…啓太様…そんな顔で見ないで」<br> 穢れさえも記憶からなくなってしまった啓太の視線は、ズブリ!とたゆねの胸に刺さる。<br> 「我慢、今はまだ我慢…」<br> 暗示のようにブツブツ言いながら、たゆねは啓太の隣に腰掛ける。<br> 「わぁーい、たゆねお姉ちゃん」<br> と、たゆねが横に座った瞬間、啓太は甘えて抱きついた。<br> 「!」<br> 「たゆねお姉ちゃん…ようこお姉ちゃんよりふかふか~」<br> 「!?」<br> 啓太が露出しているお腹に、顔を当ててギュッと抱きついてくる。<br> 「いい匂い…大好き…」<br> 「(ぷちっ!)」<br> 幼くても大好きな啓太は啓太。<br> 彼の「大好き」と言う言葉に、半壊しかけから完全に理性がぶっ飛んだたゆねは、犯罪者の顔になっていた。<br> 「(啓太様を…犯す!)」<br> ゆっくりと視線が移動して、抱きついて安らいでる啓太を見つめる。<br> 「啓太様、ボクに抱きついていて気持ちいい?」<br> 「うん!」<br> 「そっか…なら、もっと気持ち良くしてあげるよ…」<br> そう言うとたゆねは、啓太の背中に腕を回すと後ろに、ぺたんと倒れ込んで、啓太を押し倒す形になる。<br> 「ふぇ?」<br> 「啓太様…今の啓太様は憶えていないかもしれないけど…ボク達…こうやって愛し合っていたんだよ」<br> じゅるり、と啓太の幼い頬肉を舐めて、自分と啓太が肉体関係を持っていたことを独白する。<br> だが、今の啓太にはよく意味が分からなく、頬に感じる熱い気持ち良さに、ボーっとしていた。<br> 「た…ゆね…おねえ…ちゃん…?」<br> 「安心して…今日はボクが啓太様をいっぱい犯してあげるからね…」<br> 「おか…す?」<br> 無防備にぽかーんと開いた口を、ちゅ~っと吸い込み、唇を執拗に舐め回す。<br> 前の啓太に仕込まれたたゆねの舌技、キスは、今の啓太には刺激が強すぎ、もう何も喋らなくなってしまった。<br> <br></dd> <dd>「じゃあ、服を脱ごうね~」<br> たゆねは、啓太から一度離れると、パサッと自分の服と下着脱ぎ捨て、万歳状態で呆けている啓太に跨った。<br> 彼女は、啓太のシャツに手を掛けると、スルッと一瞬で脱がして、小さな胸板に顔を埋める。<br> 「んっ…啓太様の匂い…溶けちゃいそう…」<br> くんくんと匂いを嗅ぎつつ、胸から腹部…そして、段々と下腹部へ顔を移動させていくたゆね。<br> 引き締まった雄の匂いではなく、柔い男の子の匂いに、女性器がある股の間がキュンと熱くなっていく。<br> 「啓太様…いい匂い…凄く興奮する匂いだよ…」<br> 「コーフンする…?」<br> 「うん…もう我慢出来ない…ごめん」<br> たゆねの指が、啓太の腰周りに絡まっていき、半ズボンとパンツをゆっくりとじっくりと下ろしていく。<br> 自らの手で露になる啓太の下半身に、鼓動が速くなるたゆね。<br> 「ふふ~…啓太様のちっちゃな…ちっちゃな…おち…」<br> カチン…と凍ったように時間が止まる。<br> 目の前にある反り勃ったモノが、まるで時間制御の役割を果たしているように。<br> 「嘘…変わってない…」<br> 小さな身体にアンバランスなモノが、啓太の股間にはついている。<br> それはまさしく、いつも自分が愛でていたものであり、可愛がられていたモノでもあった。<br> 「ごくっ…」<br> たゆねは思わず唾を飲んで、いつも自分が啓太に虐げられている様子を思い浮かべる。<br> 身体中に擦り付け、白い汚濁した液体を注がれ、啓太の物と成り下がった身体が燃える。<br> 今度はボクが…ボクが匂いを付ける番だ…とたゆねはどす黒い感情を生み出した。<br> 「啓太様…ペロペロするからね」<br> 「えっ…ひゃっ!」<br> ペニスの根元をキュッと掴まれ、先端に感じる温かくぬめっとした何か。<br> 啓太はこの身体では初めての未知の感覚を、全身に流れる電流と共に受けていた。<br> 「んっ…れろっ…ちゅっ…」<br> 「はぁ…はぁ…くぁぁ…んっ」<br> 「ふふ…息を乱して…可愛い…」<br> か弱い小さな荒い息を吐き、たゆねの攻めに身を委ねる。<br> たゆねは笑みを浮かべ、横笛を吹くようにペニスの竿を唇で挟んで上下させる。<br> 啓太のペニスに、ちゅる、ちゅる…とたゆねの唾液が竿に塗られていき、10回扱く間にはテロッとした輝きを放つようになっていた。<br> 「啓太様…今度はお口の中でしてあげるね」<br> えせ慈母の顔を作ると、今度は亀頭を口膣内へと含み、そこだけを、ちゅぽちゅぽっと口淫をする。<br> 口の中ではピクピクと脈打つペニスに、たゆねの舌が揺り篭のように添えられる。<br> そして、口膣内と舌の上で擦られ、啓太は小さな悲鳴を上げた。<br> <br></dd> <dd>「あっ…!ああぁっ!」<br> 「…じゅる…じゅるる」<br> キューっと唇を窄めて、口膣内のペニスを圧縮し、強引に吸い上げるたゆね。<br> 亀頭だけに集中する彼女の口の柔らかさ、温かさにねちっこさが、幼き啓太を破壊していく。<br> 「い、いやっ…!」<br> 「…んっぐ…女の子みたいですね…」<br> 「ち、ちがう…僕、男の子だよ…うあぁあ!」<br> 「じゃあ、男の子なら…これにも耐えられるよね?」<br> ちゅぽんっと啓太のペニスから口を放し、先端の鈴口を舌先で優しく穿り、彼の射精を促す。<br> いつもの啓太ならば、幾分かは耐えられるだろうが、快感すら忘れている身体には、そのおぞましい程の攻めに耐えられる筈もなく、啓太はガクガクと腰を震わせ始めた。<br> 「ちゅる…何かでちゃうの…?」<br> 「う、うん…」<br> 「じゃあ、たっぷりボクにかけて下さいね…ちゅーっ!」<br> 素直に答えたご褒美か、たゆねは亀頭の先に口付けをすると、激しく吸い上げた。<br> 「あ…あぁぁ」<br> 震えていた腰が砕け、嗚咽と共に顎を上げて歯を食いしばる。<br> 神経が股間の先にだけ集中し、もはやそこ以外の身体の感覚は無くなっていた。<br> そして、またも女の子のような声で絶叫すると、その外見からは想像できない、熱く白い汚液をたゆねの舌上にぶち撒ける。<br> 「あっ!…精液…いっぱい…んくぅ…んっ」<br> ピチャッ!ピチッ!と水を弾く音が、たゆねの柔肌に精液がぶつかる度に聞こえる。<br> あの時の啓太と何も変わっていない…野卑なる臭い、身を焦がすような熱さ、そして、彼の味…。<br> たゆねは、顔射をされてドロドロになった顔を両手で拭き、掌に集まった精液を口へと運ぶと、飲み込みはせずに、啓太に顔を近づけた。<br> 「んっ…見て…啓太様ので…お口の中、白くなっちゃったよ」<br> 「こ、これ…僕が出したの…」<br> 「そうだよ…ほら、舌でボクの唾液と混ざって…あはっ…余計にネバネバしてきた…」<br> たゆねは魅せる様に、口膣内で啓太の精液を転がしては、少しずつ喉の奥へと飲み込んで、雄の味をテイスティングする。<br> 彼女の淫行に、むわっとした自分の雄の臭いと、彼女の甘い匂いが混ざり合い、啓太の鼻をついた。<br> 「こくっ…ふぁ…美味しかったよ…」<br> たゆねは、口膣内に粘りのある精液を残したまま、提供してくれた啓太に感謝を述べる。<br> だが、ぐったりとしている啓太には聞こえていないのか、息を絶え絶えしく吐いて、プルプル震えていた。<br> <br></dd> <dd> 弱った啓太の姿は、ガシッ!とたゆねの心を鷲掴みにし、凶悪なまでの独占欲を生み出す。<br> たゆねは、それに忠実に従い、仰向けで果てている啓太を抱き寄せると、彼を壁に背をもたれさせる。<br> その後、彼女が対面するように啓太の腰に跨ると、女性器の陰唇に啓太のソレを這わせた。<br> 「啓太様…まだ治まらないよね?」<br> 膣口から流れ出る愛液で、亀頭から竿までを濡らし、満遍なくコーティングしていく。<br> 啓太はその光景に見惚れて、時折、ペニスをピクピクさせては、擦り合わせてくる彼女の陰唇に、にゅるっと滑らせる。<br> 「…んっ…たゆねお姉ちゃん…」<br> 「…あっ…そう…すごい…いい感じ…」<br> 受けばっかりだった啓太が、自らの意思でペニスを動かしている。<br> 嬉しくなったたゆねは、惚悦とした顔で啓太に微笑みかけ、腰と連動して動いているペニスに優しく手を添えると、キューっと上に搾り上げた。<br> 「啓太様…今度はボクを満足させて…」<br> 「う、うん…」<br> 今からやる事を、大体の事は分かっているのだろう。<br> 啓太の視線は、ジッとたゆねの膣口に注がれている。<br> 「挿入れるからね…」<br> たゆねは、握っていた啓太のペニスから、あてがっていた膣口を一旦を離すと、陰唇を指先で拡げて亀頭を挿入させ始める。<br> 何度も味わった啓太のペニスであったが、やはり浅くて小さなたゆねの秘所は、ギチギチと挿入っていくペニスに悲鳴を上げた。<br> 「太…いぃ…」<br> 相変わらずの太さを保ちながら、どんどんと奥深く、膣壁を嬲りながら進入していく。<br> たゆねは目を瞑りながら唇を噛み締めると、子宮口にツンと亀頭が当たったのを感じる。<br> そして、目を開けて接合部を確認すると、ペニスを根元までズッポリと咥え込んで、ヒクヒクしている自分の秘所が映った。<br> 「んんー…はぁ…全部挿入っちゃたね…えっ!?」<br> 「あっ…」<br> とペニスを全部咥えこんだのも束の間。<br> 啓太がガクガクと震えて、虚空を見つめている。<br> 途端、たゆねの膣内に、びゅるる!びゅる!と熱い啓太の精液が注がれた。<br> 「あ、そんな…ふぁぁ…挿入れただけで…射精しちゃうなんて…はぁ…ふぅ…」<br> 膣内はおろか、子宮内にも流れ込む熱い汚液。<br> 先ほどの陰唇での愛撫が強すぎたのか、ギュッ!と締まるたゆねの膣内との相乗により、啓太は我慢できず射精してしまった。<br> 「あぁぁ…もう…啓太さまぁ…いきなりなんて…」<br> たゆねは、まだ膣内に放射されている中、お腹の熱さにうっとりしながら、啓太を甘く叱咤する。<br> 「はぁ…はぁ…ご、ごめんなさい…」<br> 「ダメ…許して欲しかったら、もっとボクを満足させるんだ」<br> 首をカクンと落としている啓太の顎を手で上げると、たゆねは、彼の唇をチロチロと舐める。<br> <br></dd> <dd>「…んちゅ…ちゅるぅ…」<br> 「んっ…お姉ちゃん…あっ」<br> 小さく薄い唇ではあるが、それが逆に良く、たゆねは、口の端から歯茎、歯の一本一本を舐め…そして、覆うようにして口を塞ぐと、喉奥まで舌を挿入し、啓太の口膣を私物のように扱う。<br> 「ぷはぁ…ふぅ、ふぅ…美味しい…」<br> 「あぅ…」<br> 存分に堪能してニコッとしたたゆねは、唇を離して、啓太を抱き寄せると、彼を腹上に乗せるように体位を変える。<br> その体勢に、ズブリと挿入されていたペニスは、更に奥まで咥え込まれて、啓太に快楽の苦痛を味合わせた。<br> 「啓太様…動いて…」<br> 「う、うん…」<br> ギュッ…たゆねの美しい健康的な足が、啓太の小さな腰に纏わりついて、逃がさないようガッチリと拘束する。<br> それが合図だと分かった啓太は、健気にたゆねを満足させようと、慣れない腰つきで、彼女の膣内を突いたのだが。<br> 「え…う、嘘…?あっ!ああん!」<br> 初心故に、啓太の腰の動かし方は不定期であり、ペニスは角度を変えながら、たゆねの膣壁をグリっと抉る。<br> 予想外の行動に、啓太との激しい性交の経験あったたゆねでも、その虐めに近いペニスでの愛撫に、いつもの喘ぎ声を吐いていた。<br> 「うぁ…あぁ…ふわぁぁ…!」<br> 「たゆねお姉ちゃん、たゆねお姉ちゃん!」<br> 記憶に無い彼女の膣内の狭さと熱さに、たゆねの名を呼ばずにはいられない啓太。<br> 気持ち良さに、身が溶けそうな思いで、無我夢中で腰を振り続ける。<br> 「…これ…これだよぉ…はぁぁ…これでこそ啓太さまだよぉ…」<br> 口から舌をピンッ!と伸ばして蕩けそうになっているたゆね。<br> ペニスと膣が擦れる度に、先ほど膣内に染み込まされた啓太の精液が、愛液と共にたゆねの丸いお尻を流れ落ちていく。<br> 「あぁ!おちんちんが、熱いよ、お姉ちゃん!」<br> 「うん、ボクも!ボクもお腹が火傷しちゃうぅぅ!」<br> 腰に力が入り、上体をそのままに保てなくなった啓太は、ぱたんっ!と、たゆねの大きな乳房の間に顔を落とす。<br> たゆねは、蕩けた顔でクスッと笑うと、啓太の背中抱きしめていた手を、自分の乳房に持ってくると、ぷにゅ~と真ん中に寄せて、彼の顔を圧縮する。<br> 「うぷっ…うぅぅ」<br> 「啓太様…そのまま…んっあっ!」<br> 「あっ、ああぁ…また射精ちゃう…射精ちゃう!」<br> 両頬に感じる柔らかいたゆねの乳房と、ペニスをギッチリと膣内に、啓太は背中から力が抜ける感覚に襲われる。<br> パチパチッ!と柔肉のぶつかりあいが、バチュン!バチュン!と大きくなり、啓太がいかに限界になっているのかを物語っていた。<br> <br></dd> <dd>「あぁああ…」<br> 「んっ…んんっ…啓太さま、啓太さまのが、ゴリゴリってぇ!」<br> より一層激しく膣壁を嬲り、子宮口をヅンヅンと突き上げる。<br> 「ボクを、ボクをこんなにしてぇ!ひぃあぁ!」<br> 「ごめんなさい!ごめんなさい!あぁっ!」<br> 射精間近の啓太のペニスは、挿入した時よりも太くなっていた。<br> もう限界…とたゆねは、啓太の腰に絡ませていた足を、ギュゥゥと締める。<br> 「あっ…!」<br> そのおかげで、望まないのにずっぽりと根元まで挿入する事になった啓太は、目を瞑ってガクン!と腰を落とす。<br> そして、3度目になる種子を、鈴口から噴射させて、たゆねの奥深くのめしべに種付けをした。<br> 「ふわぁぁ…ああ…」<br> 「奥で出てるぅ!すごい!すごいっ!壊れちゃうー!」<br> 満タンになりそうな子宮に流れ込む種子に、感動と快楽を覚えながら、たゆねは絶叫する。<br> 啓太は、満足そうに笑みを浮かべているたゆねを見ると、約束を果たせて安心したのか、そのまま彼女の胸の間で寝息を立て始めた。<br> 「はぁ…あぁ…はぁ…良かったよ…啓太さまぁ…」<br> 膣内で動き弾ける精液に、たゆねは悦びながら、自分の上で寝ている啓太の頭を撫でる。<br> 「啓太様…これからも…ずっと一緒にいようね…ボクはどんな啓太様でもついて行くよ…」<br> それだけを言うと、啓太と自分の間に手を入れて、腹部を擦るたゆね。<br> 小さく蹲って眠っている啓太を見つめる彼女の顔は、本当に慈母のようであった…。<br> <br></dd> <dd>4 まどうぐっ!<br> <br> チュ、チュチュン、チチチと朝を告げる雀の鳴き声が、たゆねの部屋に響き渡る。<br> 「う~ん…啓太様~」<br> 昨日の情事で、まだ疲れが残っているのか、たゆねは、寝言で啓太の名を呼び、涎を垂らして眠っていた。<br> そのたゆねと一緒に寝ていた子供啓太の方はと言うと、既に目を覚ましており、たゆねのベットから身体を起こしていたのだが。<br> 「あ…あああ!」<br> 何故か自分の身体を触っては、絶望に打ちのめされた顔で、苦しみの声を上げていた。<br> 「お、俺…な、何だ…ど、どういう…!」<br> どうやら自身の身体に変調をきたしており、言葉が途切れ途切れにしか出ない様子である。<br> 啓太は、ゆっくりとベットから腰を上げると、まだ服を着ていない裸体で、たゆねの部屋に置いてある彼女の手鏡を手にとって、恐る恐る自分の顔を覗き込んでみた。<br> 「ま、マジかよ…」<br> 鏡に映って反射する自分の顔が目に飛び込んでくる。<br> しかし、それは自分が知っている自分の顔ではなかった。<br> 茶髪で少し長めであった髪は、いつのまにか首まで伸びており、青黒く綺麗に光っている。<br> 下に移って瞳…碧眼であった両の目は、黄金に近い目の色に変わっていて、その双眸に映る健康的だった肌は、真っ白と言っていいほど白く美しいものである。<br> そして更に下に移り、華奢ではあるが、しっくりとしている自分の裸体。<br> その姿は正に、自分の従兄弟であり、ここの主人でもある薫にそっくりであった。<br> 「てか!俺、薫になってるじゃん!」<br> 一人でツッコミを入れて、啓太ではなくなってしまった自分の身体に絶望を感じる啓太。<br> どったどたと朝からフルチンでたゆねの部屋中を走り回り、もはや精神に異常まで来たしそうである。<br> 何も事情を知らない薫の犬神達が、これを見たらどうなるであろう。<br> しかし、神の悪戯とは無常なもので、その場にはたゆねという薫の犬神がいるではないか。<br> そして、走り回っている啓太の騒音に、目覚めさせないわけにはいかないのがお約束である。<br> 「あぅぅ…うるさいなぁ…」<br> やはりと言うべきにたゆねが、啓太に別の意味で無理矢理起こされて、不機嫌そうに目を擦り、ベットから身体を起こした。<br> 「た、たゆね…」<br> 「ん~?啓太様…いくら元気だからって…朝から……え、か、薫…様?」<br> 「お、おはよう…お、俺、啓太だよ」<br> 「い、いやぁぁぁぁ~!」<br> 真面目で優しい主人である薫が、目の前で啓太サイズの象さんをぶら下げて挨拶をすれば、こうもなろう。<br> 彼女の悲鳴は屋敷中に広がり、薫の犬神達がたゆねの部屋に集う。<br> 「どうしたんですの!たゆね…か、かかかか!薫様…!」<br> 「いやっ…いやっ!」<br> 「ち、違うんだ!これは、俺は啓太で!」<br> 床に内股で座り込んで嫌がるたゆねと、その彼女の眼前に象さんを突きつけて、真っ青な顔になっている薫、基、啓太。<br> その異様な光景に、リーダーであるせんだんが、ドアの前で固まって石化したまま前に倒れ込む。<br> <br></dd> <dd>「か、薫様…まさかそんな趣味が…」<br> 「み、見損ないました~…本当は啓太様より変態だったなんて~」<br> なでしこは両手で顔を覆いながら、フラノは軽蔑の眼差しを。<br> 「うわ~、薫様ヘンタイ~…」<br> 「ヘンタイ~…」<br> 「い、いまり、さ、さよか…ち、違うんだよ…お、俺は啓太で…うわっ!」<br> 何処から取り出したのか、いまりとさよかは大きな鋏を持って、近づく薫の姿の啓太を威嚇する。<br> 「啓太さまがヘンタイなのは許せるけど…薫さまが…」<br> 「と、ともはね~…」<br> ともはねは、しかめっ面で薫の姿の啓太から離れていく。<br> 「…薫様…すいませんが、そのまま…」<br> 「…冬コミ、冬コミ」<br> 他の犬神達とは違い、象さんの部分を修正した絵を描き始めるてんそうと、同人誌の考案を思いついたいぐさ。<br> 「最低です…薫様…」<br> もう顔を見せてくれないなでしこの冷たい言葉が、薫の姿である啓太の心に喰い込み、象さんまでもしょぼんとしてしまった。<br> 「な、なでしこちゃん!お願いだよ!俺の話を…!」<br> と啓太が勢い余って振り返ると、萎えていてももの凄い象さんが、彼女達の視界にモロに入ってしまった。<br> 「きゃ、きゃぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーー!」<br> 「う、うぎゃぁあああぁあ!」<br> 見てはいけないものを見てしまった彼女達は、たゆね、なでしこ、せんだん、ごきょうや以外が6人分のフライパンを構えると、主人である薫の姿の啓太に一気に殴りかかった。<br> 「お、俺って本当に総受けなのねーー!」<br> ボコスカボコボコ!と連続で滅多打ちにされる啓太。<br> その暴行が終ったのは、象さんのサイズで啓太と分かったごきょうやが止めに入ってから5分後の事であった。<br> その後、虫の息になっていた啓太から、魔道具の呪いのせいで、薫の姿になったと聞かされた犬神達は、本物の薫が帰ってくるまで、啓太を遊び道具としてひっちゃかめっちゃかにしていた。<br> 啓太への虐めは1週間続いたらしく、その間、ごきょうや、たゆね、なでしこは、薫の姿であった彼に、とても冷たかったらしい。<br> <br> <br></dd> <dd> 啓太が薫の姿になっている間、それを利用してちょっとした悪戯をしていた少年が、川平の宗家へと訪れていた。<br> 「おはようございます、榧様…仕事の件、無事に終えました」<br> 「だ、誰じゃお前は!」<br> 「はい、啓太ですが…どうかしましたか?」<br> 「け、啓太様が…せ、正座している…」<br> 「はけ…僕が正座しているのはおかしいかい?」<br> 「…ワシはもう…死んでるのか…?」<br> 啓太でなくなった啓太に絶望し、いきなり後ろに倒れて仰向けになる榧。<br> 逸早く反応したはけは、大慌てであった。<br> 「か、榧様!榧様ーーーーー!」<br> 「(あれ…やりすぎちゃったかな?)」<br> と小さく笑みを浮かべて、ポケットから魔道具を取り出している啓太の姿があった。<br> しかし、それが本当に啓太なのかは不明で、それを証明するように宗家の門前には何故か、大泣きしているなでしこがいた。<br> 「うえ~ん、もうなでしこでもなんでもいいわよ~、だから、ひっく…ぐすっ…ケイタ~、見捨てないでぇ…」<br> そのなでしこである犬神は、主人である薫ではなく、啓太の名を叫びながら一人空しく空へと猛っていた。<br> <br> 番外編おわり。<br></dd> </dl> <hr size="2" width="100%"> <blockquote>[06/09/21-468-2-345~364]<br></blockquote>

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