英オックスフォードシャーの養老施設に住むキャサリン・マスターズさんは、先日、110歳を迎えたご長寿の女性です。
このマスターズさん、今年5月に英メディアでちょっとした話題を呼びました。
英国では100歳を迎える国民には、エリザベス女王から誕生日カードが届きます。
そして105歳を過ぎると毎年届くようになり、マスターズさんは過去数年間、誕生日が来るたびに
エリザベス女王からのお祝いを受け取ってきました。
しかし、マスターズさん。このお祝いに“ケチ”をつけたのです。それは過去に贈られたカードに
印刷されているエリザベス女王の写真に不満を抱いたため。実は、エリザベス女王が身に付けている
衣装が毎年同じものだったことから、バッキンガム宮殿宛てに違う装いを求める手紙を送ったのでした。 
王室に届いた一般国民からの苦言。普通に考えればスルーされてしまいそうなものですが、
英王室はこの苦言を真摯に受け止め、しっかりとした対応を見せました。マスターズさんの住む施設
「グランジ・ケア・センター」に、エリザベス女王の孫にあたるウィリアム王子を派遣。王子を介して、マスターズさんに
謝罪のメッセージを伝えたのです。この様子が新聞などで報道され、マスターズさんは一夜のうちに“時の人”となりました。
ちなみに、このときウィリアム王子とマスターズさんは、しばらく腰を下ろして、女王のことやウィリアム王子の料理の
腕前などについて楽しく会話。ウィリアム王子がマッシュ・ポテトの作り方を説明すると、マスターズさんは
「フォークを使って、ポテトをふんわりとさせなきゃいけませんよ」とアドバイスする一幕もあったそうです。
そしてウィリアム王子は、今後は違う女王の肖像写真を使うと約束。その後、7月にバッキンガム宮殿で開かれた
パーティにマスターズさんが招待されるなど、英王室とマスターズさんの“交流”は続きましたが、このたび110歳を
迎えたマスターズさんのもとには、リクエスト通り、従来の黄色の衣装とは異なる、薄い青の衣装を着たエリザベス女王
のカードが届きましたとな。
英国らしい深イイ話でした。
HN
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最終更新:2011年04月21日 04:28